JPH0721473Y2 - ボビン排出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はボビン排出装置に関し、特にワインダ等の繊維
機械から払出されるボビンの残糸を検出する装置を有す
るボビン排出装置に関する。

〔従来の技術〕

精紡機上りの精紡ボビンを巻返し工程のワインダに搬送
するシステムとして精紡ボビンがトレイに挿入されて個
々に独立してワインダに供給されるものがある。

一方、上記ワインダでは糸の供給を完了した空ボビン、
残糸付ボビン、再度ワインダに供給可能な多量糸量を有
する半玉ボビン等が排出される。このうち、空ボビンは
トレイと分離されて再び精紡機へ搬送される。

従ってワインダから排出された空ボビンと残糸付ボビン
とを識別して両者の選別がなされており、例えば特開昭
61−188373号公報に「ボビン抜取装置」が開示されてい
る。

この装置はワインダから排出されるボビンの排出路に鉛
直方向上向きに立上った搬送路を接続し、この搬送路に
はトレイから抜き取られた空ボビンと残糸付ボビンとが
混在して供給されるように構成されている。また、この
搬送路では残糸付ボビンの選別がなされ、識別された残
糸付ボビンは搬送路系外へ排出されるように構成されて
いる。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記装置には残糸付ボビンを搬送路外に排出するための
ブラシ型センサが取付けられており、ボビンが上昇する
際、上記ブラシに残糸が係合することによりフィーラが
回動し、近接スイッチを作動させるため、短期間（２〜
３ケ月）のうちにブラシ先端にくせがついて、残糸にひ
っかからなかったり、あるいはブラシに風綿が付着して
やはり残糸の検出ミスを生じることがあった。

本考案は上記問題を解決することを目的とするものであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記の目的を達成するために、繊維機械の糸
処理部から排出されたボビンの搬送路にボビン上の残糸
の有無を検出する光電センサを、前記ボビンの軸方向に
対して所定角度をもって光が照射・反射されるように配
置するとともに、ボビンの軸方向に移動可能に設けたも
のである。

〔実施例〕

先ず、本考案と関連する事項を、図面の第１図と第２図
に基づいて説明する。第１図において、ワインダから空
ボビン（１）および残糸付ボビン（２）を排出する搬送
路（３）がコンベアによって敷設される。

上記搬送路（３）にはトレイ（４）に挿立された空ボビ
ン又は、残糸付ボビン（２）が混在して搬送される。ま
た上記搬送路の途次には、トレイ（４）から空ボビン
（１）および残糸付ボビン（２）を抜き取るための抜取
装置（５）が設けられる。上記抜取装置（５）はボビン
の軸方向に走行するベルト（６）と、該ベルト（６）と
対向する側に設けたボビンガイド（７）（８）と、ボビ
ン押圧ベルト（９）等より構成される。

具体的には、上下方向に離間されたプーリ（10）（11）
に平ベルト（６）がかけ渡されてベルトコンベアが形成
され、このベルトに対して平行にボビンガイド板（７）
（８）が対峠され、ガイド板（７）の下部にはさらに搬
送路のボビン搬入路を形成する下部平ベルト（９）が設
けられ、この下部平ベルト（９）はプーリ（12）（13）
にかけ渡されている。また上記プーリ（11）（13）は互
いに接近・離反する方向に揺動可能に支持されている。

また、ベルト（６）の上部には空ボビン（１）を他の搬
送系に移送するための空ボビンシュート（14）が下向き
に傾斜して設けられると共に、搬送路（15）の中間部に
おいては、残糸付きボビンを搬送路（15）外に排出する
ための残糸付ボビン排出用シュート（16）が分岐して設
けられている。なお、ガイド板（７）（８）は図示しな
いリンク機構により、ベルト搬送面に対して離接方向に
平行移動し、ボビンが通過しない時はスプリング付勢力
によりベルト搬送面側へ付勢されている。従ってボビン
が通過する時のみはボビンの径に追従して平行移動し、
ベルト（６）とガイド板（７）（８）間にボビンを挟圧
する状態で抜取られたボビンを移送する。また上方のガ
イド板（８）はロータリソレノイド等の駆動源により、
大きく二点鎖線位置（8a）まで旋回できるように構成さ
れている。即ち後述するセンサによって残糸付ボビンが
検出されると、ガイド板（８）が二点鎖線位置まで旋回
動して、抜取られた残糸付ボビンをシュート（16）上へ
排出するようになっている。

ガイド板（７）の所定位置に残糸検出用の光電センサ
（17）が取付けられる。センサ（17）としては限定距離
反射型光電スイッチが好適である。ガイド板（７）上に
上記センサ（17）が固定され、ガイド板（７）には光通
過用窓（18）が形成される。

上記センサの取付けは第２図に示すように、ボビンの搬
送方向（19）に対してある角度（θ）をもって光が照射
・反射されるように取付けられ、又、ボビン表面との距
離（ａ）もセンサの感度によって調整設定される。上記
距離（ａ）は一度設定すれば、ボビンの径が異ったとし
ても、ガイド板（７）と一体的にセンサも移動するの
で、ボビン表面との距離は常に一定の距離となる。例え
ば上記角度（θ）は45〜60度位が好適であり、距離
（ａ）は10mm位が望ましい。

（20）はアンプでセンサーの感度設定を行うと共に、前
記ガイド（８）駆動用ロータリソレノイドを作用させ
る。

次に作用について説明する。

第１図のように、搬送路（３）上を移送されたトレイ
（４）は抜取装置の所定位置に停止し、ベルト（６）と
ベルト（９）の作用によりトレイ上の空ボビン（１）あ
るいは残糸付ボビン（２）が抜取られる。抜取られたボ
ビンが糸を全く有しない空ボビン（１）の場合はセンサ
（17）が感知しないので空ボビンはベルト（６）の上端
まで搬送され、シュート（14）上へ落下し、別の搬送系
へ排出される。

一方、抜取られたボビンが残糸付ボビン（２）の場合
は、上昇移動する途次でセンサ（17）により残糸が検出
され、該残糸検出信号によって、ガイド板（８）駆動用
ソレノイドがオンし、ガイド板（８）は二点鎖線位置
（8a）まで移動し、残糸付ボビン（２）は空ボビン用シ
ュートとは別のシュート（16）上へ落下排出される。

なお、センサ（17）による光線（21）の角度はボビンの
搬送方向に対して斜め上方から当てるように設置するこ
とが、搬送方向と直角方向に当てるより検出精度がよ
く、ボビンに数回しか巻かれていない残糸も検出可能で
ある。

第３図は本考案の実施例を示し、この実施例では、ボビ
ン（２）をトレイ（４）から抜き取ることなく、空ボビ
ンと残糸付ボビンを判別する場合を示し、ボビン軸方向
にセンサ（17）を移動させて検出するものである。光の
照射角は前記実施例と同様である。センサ（17）はガイ
ドロッド（22）に沿って矢印（23）方向に移動可能とさ
れる。移動手段としてはボールネジによるもの、流体シ
リンダによるもの、モータとベルトによるもの等公知の
駆動手段が適用可能である。

〔考案の効果〕

以上のように本考案では、ボビンの残糸検出を、ボビン
の軸方向に対して所定角度をもって光が照射・反射され
るように配置した光電センサで検出するようにしたの
で、ブラシのように直接糸を検出する場合に比べ、長期
間の使用に耐え、かつ極くわずかの残糸も検出可能であ
る。又、コンベアで搬送途次において、ボビンをトレイ
から抜き取ることなく残糸検出する場合は、ボビンを一
定位置に固定しておいて、センサのみを移動させて検出
するため、ボビンの必要領域のみを検査することがで
き、他物を誤検出するようなことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、本考案の関連事項を説明する概略
構成正面図と要部の正面図、第３図は本考案の実施例を
示す正面図である。 （１）……空ボビン （２）……残糸付ボビン （３）……搬送路 （４）……トレイ （17）……センサ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】繊維機械の糸処理部から排出されたボビン
   の搬送路にボビン上の残糸の有無を検出する光電センサ
   を、前記ボビンの軸方向に対して所定角度をもって光が
   照射・反射されるように配置するとともに、ボビンの軸
   方向に移動可能に設けたボビン排出装置。