JPH0481823A - 弾性表面波共振器複合型フィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】 本発明は１弾性表面波共振器を、直列腕と並列腕に接続
した梯子型回路からなる弾性表面波共振器複合型フィル
タに係る。 【従来の技術） 従来の技術は特願昭６３−８７３８０に記載されている
ように、圧電性基板上の多数対櫛型電極よりなる複数の
弾性表面波共振器を、それぞれ直側腕と並列腕に接続し
た梯子型回路からなる弾性表面波共振器複合型フィルタ
において、低損失なバントパスフィルタを実現できると
されていた。 ［発明が解決しようとする課題１ 上記従来技術は、低い挿入損失と高い減衰量を同時に満
足する回路構成に関して配慮が為されていなかった。 本発明の目的は挿入損失を低く保ったまま、十分な減衰
量を確保する回路構成を提供し、低損失、高減衰量の弾
性表面波共振器複合型フィルタを実現することにある。 ［課題を解決するための手段１ 上記目的を実現するためには、並列腕共振器の直列共振
周波数よりも直列腕共振器の並列共振周波数を高く設定
すれば良い。さらには、複数の弾性表面波共振器を用い
て成る梯子型回路において、信号経路に対して直列腕に
接続される弾性表面波共振器の、電極対数と電極指交差
幅の積の逆数の総和、即ち直列腕電気的インピーダンス
を、信号経路に対して並列腕に接続される弾性表面波共
振器の、電極対数と電極指交差幅の積の総和の逆数、即
ち並列腕電気的インピーダンスの２．０倍以上１０．０
倍以下にすることによって直列腕と並列腕の弾性表面波
共振器の電気的インピーダンスの相対的大小関係を最適
に設定することによって達成される。 以上述べた条件を満足させた上で、さらに並列腕の弾性
表面波共振器の電気的インピーダンスを大きく設定する
ことによって極めて低損失な通過帯域特性を実現するこ
とが可能となる。 ［作用］ 弾性表面波共振器複合型フィルタでは直列腕、並列腕の
弾性表面波共振器の電気的インピーダンスの相対的大小
関係によって通過帯域、減衰帯域を形成する。すなわち
、減衰帯域周波数においては、直列腕共振器の電気的イ
ンピーダンスの総和が並列腕共振器の電気的インピーダ
ンスの総和よりも相対的に大きくなるようにする。この
ため、信号が直列腕共振器には流れずに並列腕共振器に
流れるため減衰極が形成される。逆に通過帯域周波数に
おいては、直列腕共振器の電気的インピーダンスの総和
を並列腕共振器の電気的インピーダンスの総和よりも相
対的に小さくすることによって、信号が並列腕共振器に
は流れずに直列腕共振器に流れるため通過帯域を形成す
る。この時、並列腕共振器と直列腕共振器の電気的イン
ピーダンスの大小関係を１＝２乃至１：１０に設定する
ことによって通過帯域の高周波数側と低周波数側に減衰
帯域を有する低損失、高減衰量のバンドパスタイプのフ
ィルタ特性を合成することができる。 【実施例］ 以下、具体的な実施例を用いて本発明の詳細な説明する
。 第３図は圧電体１５上に形成した多数対櫛型電極より成
る弾性表面波共振器を示す。電極１．２間に高周波信号
を加えると、基板の圧電性によって弾性表面波が励振さ
れ、多数対電極間の反射により共振器となる。 第２図にこの時の電極１．２間の電気的インピーダンス
を示す。共振器の電気的インピーダンスは電極繰返しの
周期によって定まるところの、直列共振周波数ｆｒで電
気的インピーダンスがＯとなり、並列共振周波数ｆａで
電気的インピーダンスがωとなる。直列共振周波数ｆｒ
と並列共振周波数ｆａの比ｆｒ／ｆａは圧電基板の材料
定数である電気機械結合係数（ｋ２）によって一意的に
定まる。弾性表面波共振器複合型フィルタは第２図にお
いて説明したような共振器の電気的インピーダンスの周
波数特性を利用してフィルタ特性を合成する。 第１図に示すように弾性表面波共振器を用いて構成した
梯子型回路は、３，４，５，６．７で示す直列腕共振器
および８，９，１０．１１で示す並列腕共振器からなる
。 第１図の梯子型回路の周波数特性が第４図に示すような
バンドパスすなわち低周波数側から順に、減衰帯域周波
数１２、通過帯域周波数１３、減衰帯域周波数１４をも
つための第一の条件は、並列腕共振器の直列共振周波数
よりも直列腕共振器の並列共振周波数が低いことである
。この時、通過帯域より低周波側の減衰帯域周波数１２
では、並列腕共振器の直列共振周波数近傍の電気的イン
ピーダンスが極めて小さくなるため、入力信号は並列腕
共振器を介して、接地電位に流れ込み大きな減衰量が得
られる。また、通過帯域周波数１３においては並列腕共
振器の並列共振周波数近傍の電気的インピーダンスが極
めて大きくなると同時に、直列腕共振器の並列共振周波
数近傍の電気的インピーダンスが極めて小さくなる。 この時、入力信号は並列腕共振器を介して、接地順位に
流れ込む事なく直列腕共振器を介して出力端子に達する
ため、低損失に伝達する。さらに通過帯域より高周波側
の減衰帯域周波数１４では、直列腕共振器の並列共振周
波数近傍の電気的インピーダンスが極めて大きくなるた
め、入力信号はこの周波数において相対的に小さな電気
的インピーダンスの並列腕共振器を介して、接地順位に
流れ込み大きな減衰量が得られる。 以上述べたように、弾性表面波共振器複合型フィルタを
構成する際には、直列腕共振器と並列腕共振器の直列共
振及び並列共振の周波数の設定、つまり共振器の電極繰
返し周期の設定が重要である。即ち、第１図において３
，４，５，６．７で示す直列腕共振器の電極繰返し周期
は８，９，１０．１１で示す並列腕共振器の電極繰返し
周期よりも短い事が必須条件である。さらに、フィルタ
特性が、直列腕共振器と並列腕共振器の電気的インピー
ダンスの相対的大小関係によって定まるため、弾性表面
波共振器複合型フィルタを構成する、個々の弾性表面波
共振器の電気的インピーダンスの設定も重要となる。 以下に弾性表面波共振器の電気的インピーダンスの大小
に関して論じる６弾性表面波共振器の電気的インピーダ
ンスは第２図に示したように直列共振周波数ｆｒでＯと
なり、並列共振周波数ｆａでψとなる。この特徴は電気
的インピーダンスの大小によらず変わることはない。従
って、電気的インピーダンスの大小は直列共振周波数ｆ
ｒ及び並列共振周波数ｆａ以外の周波数におけるインピ
ーダンス（誘導性あるいは容量性）の値で論じるべきで
ある。そこで弾性表面波共振器の電気的インピーダンス
の大小を定量的に論じるために、弾性表面波共振器の二
組の電極間に生じる静電容量を尺度とした場合について
述べる。 第５図は弾性表面波共振器を構成する多数対櫛型電極を
示す、第５図（、）においては、電極繰返し周期りで、
Ｎ対の電極対が電極指交差中Ａ（ｍ）で形成されている
。ここで同図（ｂ）は同図（ａ）における１周期分の部
分拡大断面図である。 この場合の電極間容量Ｃ（Ｆ）は圧電基板の材料定数に
よって定まる定数Ｃｓ　（Ｆ／膳）を用いて次式％式％ 容量素子のインピーダンスは容量に反比例するので、電
極対数Ｎが一定の場合には電極交差中Ａが小さいほど大
きく、電極交差中Ａが一定の場合には電極対数Ｎが小さ
いほど大きくなる。 例えば第６図（ａ）に示す電極対数Ｎが４００で電極交
差中５０μｍの弾性表面波共振器の電気的インピーダン
スは、同図（ｂ）に示す電極対数Ｎが４００で電極交差
中１００μｍの弾性表面波共振器の電気的インピーダン
スの２倍となる。 さらに、第６図（ａ）（ｂ）の弾性表面波共振器の電気
的インピーダンスの周波数特性を比較すると第７図の曲
線ａ、ｂの様になる。上記曲線ａは第６図（ａ）の弾性
表面波共振器の電気的インピーダンスであり、曲線すは
第６図（ｂ）の弾性表面波共振器の電気的インピーダン
スである。例えば、直列共振周波数ｆｒ及び並列共振周
波数ｆａの間の周波数ｆｃにおける誘導性インピーダン
スは第６図（ａ）に示した弾性表面波共振器において、
第６図（ｂ）に示した弾性表面波共振器の２倍の値を持
つ。 以上に述べたような弾性表面波共振器の電気的インピー
ダンスの大小関係に基き、弾性表面波共振器複合型フィ
ルタの周波数特性の合成に関して述べる６ 先に述べた第１図の梯子型回路の周波数特性が、第４図
に示すようなバンドパス、すなわち低周波数側から順に
、減衰帯域、通過帯域、減衰帯域をもっための条件を満
たしている場合でも、直列腕共振器３１４　＋　Ｄ　＋
　６　ｇ　７の電気的インピーダンスの総和が並列腕共
振器８，９，１０．１１の電気的インピーダンスの総和
に比して著しく小さい場合には、第８図に示す様に、通
過帯域の高周波側の減衰帯域の減衰量が十分に確保でき
ない。これは通過帯域の高周波側の減衰帯域周波数にお
いて、直列腕共振器の電気的インピーダンスが大きくな
っても、直列腕共振器の電気的インピーダンスとの相対
比関係が大きく異ならない事が原因である。 逆に直列腕共振器３，４，５，６．７の電気的インピー
ダンスの総和が並列腕共振器８，９，１０．１１の電気
的インピーダンスの総和に比して著しく大きい場合には
第９図に示す様に、通過帯域の低周波側の減衰帯域の減
衰量が十分に確保できない。これは通過帯域の低周波側
の減衰帯域周波数において、並列腕共振器の電気的イン
ピーダンスが小さくなっても、直列腕共振器の電気的イ
ンピーダンスがこの周波数においても十分に小さく、直
列腕共振器と並列腕共振器の電気的インピーダンスの相
対比関係が大きく異ならない事が原因である。 以上、梯子型回路で弾性表面波共振器複合型フィルタを
構成する際の、直列腕共振器と並列腕共振器の電気的イ
ンピーダンスの相対的関係の重要性を述べた。 ８００　Ｍ　Ｈｚ帯の周波数において、直列腕共振器と
並列腕共振器を等価回路モデルで置き換え、種々の梯子
型回路の通過特性を計算機シミュレーションした。その
結果、並列腕共振器の電極間容量が、直列腕共振器の電
極間容量の、０．１倍以上０゜３倍以下である時にのみ
、通過帯域の低周波側と高周波側に、十分な減衰量の減
衰帯域を持つフィルタ特性を合成できる事が判明した。 ここで電極間容量は共振器の電気的インピーダンスの大
小を表す尺度である。並列腕共振器の電極間容量は、並
列腕に接続される各共振器の電極対数と電極指交差巾の
積の総和の逆数として計算される量である。また、直列
腕共振器の電極間容量は、直列腕に接続される各共振器
の電極対数と電極指交差巾の積の逆数の総和として計算
される量である。 上述の関係を第１ｏ図に示す。第１０図の横軸は直列腕
共振器の電極間容量を任意尺度で示しており、縦軸は並
列腕共振器の電極間容量を横軸と同一の尺度で示してい
る。図中の破線で示した範囲が弾性表面波共振器複合型
フィルタが、通過帯域の低周波側と高周波側に、必要な
減衰量の減衰帯域を持つ周波数特性になる範囲である。 以上、計算機シミュレーションの結果に基き、第１図の
梯子型回路の周波数特性が第４図に示すようなバンドパ
スすなわち低周波数側から順に、減衰帯域、通過帯域、
減衰帯域をもつための条件を説明した。 次に、計算機シミュレーションの結果を基に行なった素
子の試作結果及び検討結果より、さらに高性能な弾性表
面波共振器複合型フィルタを実現するための条件につい
て論じる。 計算機シミュレーションの結果によれば、梯子型回路で
構成した弾性表面波共振器複合型フィルタにおいては、
並列腕共振器の電極間容量と直列腕共振器の電極間容量
の比が一定であれば、同等な周波数特性が実現できる。 実際の試作素子の周波数特性は、減衰帯域周波数におい
ては計算機シミュレーションと一致した所望の特性が得
られるものの、通過帯域周波数における損失は並列腕共
振器の電極間容量と直列腕共振器の電極間容量の比が一
定にもかかわらず、並列腕共振器の電極間容量の増加に
伴い増加することが判明した。 この結果を第１１図に示す。第１１図の横軸は並列腕共
振器の電極間容量を表し、縦軸は８００ＭＨｚ帯でＬｉ
Ｔａ０．基板を用いて試作した素子の通過帯域周波数に
おける損失を示している。並列腕共振器の電極間容量が
大きい領域では通過帯域における損失が増大している。 この現象は弾性表面波共振器を圧電基板上に実現する際
に生じる基板裏面との対地容量、電極交差指の端部で発
生する浮遊容量等、あるいは電極抵抗損、バルク波放射
損等の等価回路モデルでは考慮していない複数の因子の
影響によるものと考えられる。実用上は弾性表面波共振
器複合型フィルタの通過帯域損失は３ｄＢ以下であるこ
とが望ましい。 第１１図より明らかなように、上記条件を満たすために
は並列腕に接続される弾性表面波共振器の電極間容量が
３２００ＸＣｓＸλ以上であれば良い、但し、Ｃｓは単
位長さ、単位対数当りの容量であり、λは弾性表面波共
振器の電極繰返し周期と圧電性基板の音速によって定ま
る、弾性表面波の波長である。以上本発明の実施例を、
８００ＭＨ２帯の携帯電話用フィルタを想定して説明し
た。 基板材料としてはＬ　ｉ　Ｔ　ａ　Ｏ，の例を示したが
、本発明の有用性は他の圧電基板においても何ら変わる
ことはない、また８００ＭＨｚ帯以外の周波数において
も有用性は失われることは無い。 【発明の効果１ 本発明によれば、通過帯域の損失の増大を抑制しながら
帯域外減衰特性を改善した弾性表面波共振器複合型フィ
ルタを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は弾性表面波共振器複合型フィルタの等価回路図
、第２図は弾性表面波共振器の電気的インピーダンス特
性図、第３図は弾性表面波共振器を示す斜視図、第４図
はバンドパスフィルタの周波数特性図、第５図は本発明
の実施例の弾性表面波共振器の平面図および部分拡大断
面図、第６図は本発明の実施例の弾性表面波共振器の平
面図、第７図は弾性表面波共振器の電気的インピーダン
ス特性図、第８図は弾性表面波共振器複合型フィルタの
周波数特性図、第９図は弾性表面波共振器複合型フィル
タの周波数特性図、第１０図は並列腕共振器と直列腕共
振器のインピーダンス特性図、第１１図は並列腕共振器
のインピーダンスと通過損失を示す特性図である。 符号の説明 １．２・・・櫛型電極、３，４，５，６．７・・・直列
腕共振器、８，９，１０．１１・・・並列腕共振器、１
２・・・減衰帯域周波数、１３・・・通過帯域周波数、
１図 ｆＪ　２　（２） ’ｆ、４ 刷濱教 Ｖ−Ｊ　５　図 （ｂ） ぐ 箔 図 （ユ〕 纂 と 凶 ■ 区 ／θ 図 ρ ／／ 慣チ１月宛ダ振１−電極ｒ５容量 ｆ今４＝声へ隼イヱ〔〕

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. １．圧電性基板上に形成した多数対櫛型電極よりなる、
   弾性表面波共振器を複数用いた梯子型回路の弾性表面波
   共振器複合型フィルタにおいて、信号経路に対して直列
   腕に接続される弾性表面波共振器の電極対数と電極指交
   差幅の積の逆数の総和が、信号経路に対して並列腕に接
   続される弾性表面波共振器の、電極対数と電極指交差幅
   の積の総和の逆数の２倍以上１０倍以下であることを特
   徴とする、弾性表面波共振器複合型フィルタ。
2. ２．請求項１記載の弾性表面波共振器複合型フィルタに
   おいて、信号経路に対して直列腕に接続される全ての弾
   性表面波共振器の電極繰返し周期が、信号経路に対して
   並列腕に接続される全ての弾性表面波共振器の電極繰返
   し周期よりも短いことを特徴とする弾性表面波共振器複
   合型フイルタ。
3. ３．請求項１ないし２記載の弾性表面波共振器複合型フ
   ィルタにおいて、信号経路に対して並列腕に接続される
   弾性表面波共振器の電極対数と電極指交差幅の積の総和
   が、電極繰返し周期と圧電性基板の音速で定まる弾性表
   面波の波長の３２００倍以下であることを特徴とする弾
   性表面波共振器複合型フィルタ。
4. ４．請求項１ないし３記載の弾性表面波共振器複合型フ
   ィルタを搭載したことを特徴とする通信装置。