JPH11220354A - 弾性表面波ノッチフィルタ - Google Patents

弾性表面波ノッチフィルタ

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JPH11220354A
JPH11220354A JP27216098A JP27216098A JPH11220354A JP H11220354 A JPH11220354 A JP H11220354A JP 27216098 A JP27216098 A JP 27216098A JP 27216098 A JP27216098 A JP 27216098A JP H11220354 A JPH11220354 A JP H11220354A
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JP
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acoustic wave
surface acoustic
notch filter
wave resonator
stop band
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JP27216098A
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English (en)
Inventor
Shunichi Seki
関  俊一
Keiji Onishi
慶治 大西
Yutaka Taguchi
豊 田口
Hiroteru Satou
浩輝 佐藤
Yoshihiro Tomita
佳宏 冨田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通過帯域の極近傍での阻止域の減衰量が大き
く安定した良好な周波数特性を有する弾性表面波ノッチ
フィルタを提供する。 【解決手段】圧電性基板1と、この圧電性基板1上に入力
電気端子2および出力電気端子3と、この入出力電気端子
2,3間の直列腕及び並列腕に接続した第1から第4の直
列腕弾性表面波共振器11-14および並列腕弾性表面波共
振器15とを備え、これらの弾性表面波共振器11-15は、
すだれ状トランスデューサ(以下IDT5)の両側に反射器
6を設けたものであり、IDT5の電極指幅および電極指間
隙幅をそれぞれLm、Lg、反射器6の電極指幅および
電極指間隙幅をそれぞれRLm、RLgとするとき、R
Lm+RLg=p(Lm+Lg)、但し0.95≦p≦
1.04であり、かつ共振周波数の最も高い弾性表面波
共振器または共振周波数が最も低い弾性表面波共振器の
前記pを0.98≦p≦1.02の関係とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に送受信周波数
間隔が狭く極めて急峻な帯域阻止域が要求される移動体
通信機器の小型高周波フィルタに適する弾性表面波ノッ
チフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】移動体通信用の高周波フィルタとして
は、従来から小型で低損失でカットオフ特性に優れた弾
性表面波フィルタが広く用いられている。
【0003】以下、従来の弾性表面波ノッチフィルタに
ついて説明する。図10は従来の弾性表面波ノッチフィ
ルタの回路図であり、図11はこの弾性表面波ノッチフ
ィルタの周波数特性曲線図である。この弾性表面波ノッ
チフィルタは、36°YカットX伝搬LiTaO3基板
(以下、36LT基板という)上に作製した弾性表面波
共振器からなり、直列腕に弾性表面波共振器を、並列腕
に容量素子を接続し、これらを交互に三段接続されてい
る。この構成では、弾性表面波共振器の共振周波数を段
数間で若干ずらし阻止域の広帯域化を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
構成では阻止域を広帯域にすると、阻止域内にスプリア
スが出現し、阻止域内の平坦性が損なわれ結果として、
阻止域の減衰量が小さくなっている。このスプリアスは
弾性表面波共振器の共振周波数を若干ずらしているため
生じたものである。このスプリアスを小さくするために
は、弾性表面波共振器の共振周波数のずらす量を細かく
すれば抑圧することができる。しかしこの方法で阻止域
の広帯域化を図ろうとすると段数を多くしなければなら
ず弾性表面波ノッチフィルタの小型化を実現することが
できない。
【0005】また、最近は通過帯域の極近傍に阻止域が
求められる。しかし従来の構成では通過帯域から阻止域
への急峻さが緩慢であるため、通過帯域の極近傍に阻止
域が求められるとき阻止域の減衰量を期待することがで
きない。
【0006】本発明は、以上の点に鑑みてなされたもの
であり、阻止域が広帯域で減衰量が大きく安定した良好
な周波数特性を有する弾性表面波ノッチフィルタを提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る弾性表面波ノッチフィルタは、圧電性
基板と、この圧電性基板上に、入力電気端子および出力
電気端子と、この入出力電気端子間に直列腕及び並列腕
に接続した複数の弾性表面波共振器とを備え、これらの
弾性表面波共振器は、すだれ状トランスデューサの両側
に反射器を設けた弾性表面波ノッチフィルタにおいて、
阻止域内で通過帯域に最も近くに極を形成する弾性表面
波共振器のQ値が最も高くなるようにしたことを特徴と
する。とりわけ、前記すだれ状トランスデューサの電極
指幅および電極指間隙幅をそれぞれLm、Lg、前記反
射器の電極指幅および電極指間隙幅をそれぞれRLm、
RLgとするとき、RLm+RLg=p(Lm+L
g)、RLm=p・Lm、RLg=p・Lg、但し0.
95≦p≦1.04であり、かつ、阻止域内で通過帯域
に最も近くに極を形成する弾性表面波共振器の前記pが
0.98≦p≦1.02の関係であることがが好まし
く、通過帯域内のリップルが小さく、阻止域が広帯域で
減衰量が大きく安定した良好な周波数特性が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、圧電性基板と、この圧
電性基板上に、入力電気端子および出力電気端子と、こ
の入出力電気端子間に直列腕及び並列腕に接続した複数
の弾性表面波共振器とを備え、これらの弾性表面波共振
器は、すだれ状トランスデューサの両側に反射器を設け
たものであり、前記すだれ状トランスデューサの電極指
幅および電極指間隙幅をそれぞれLm、Lg、前記反射
器の電極指幅および電極指間隙幅をそれぞれRLm、R
Lgとするとき、RLm+RLg=p(Lm+Lg)、
RLm=p・Lm、RLg=p・Lg、但し0.95≦
p≦1.04であり、かつ、阻止域内で通過帯域に最も
近くに極を形成する弾性表面波共振器の前記pが0.9
8≦p≦1.02の関係であることを特徴とする弾性表
面波ノッチフィルタであり、阻止域が広帯域で減衰量が
大きく安定した良好な周波数特性を有するものである。
【0009】本発明において、弾性表面波共振器の接続
順が、入力電気端子および出力電気端子から見たとき同
一であるという好ましい例によれば、弾性表面波ノッチ
フィルタの入力電気端子および出力電気端子からみたイ
ンピーダンスをほぼ等しくすることができ、外部整合回
路が必要なとき整合が容易になる。
【0010】また本発明において、直列腕弾性表面波共
振器が2n個(nは正の整数)で、前記直列腕弾性表面
波共振器のn番目と(n+1)番目の間に並列腕弾性表
面波共振器が接続されているという好ましい例によれ
ば、小型で阻止域の減衰特性に優れた周波数特性が得ら
れる。
【0011】また本発明において、すだれ状トランスデ
ューサの電極指対数および交差幅から決まるすだれ状ト
ランスデューサ静電容量が、直列腕弾性表面波共振器よ
り並列腕弾性表面波共振器の方が小さいという好ましい
例によれば、通過帯域が広帯域で低損失な周波数特性を
有するものとなる。
【0012】また本発明において、少なくとも一つの弾
性表面波共振器において、反射器を除去したことによ
り、不要なスプリアスを抑圧し、良好な周波数特性を有
する。また本発明において、圧電性基板の電気機械結合
係数が3%以下であるという好ましい例によれば、通過
帯域の極近傍に阻止域を形成することができ、良好な周
波数特性が得られる。
【0013】また本発明において、圧電性基板が、Xカ
ット(112±5)゜Y伝搬タンタル酸リチウム(Li
TaO3)、ホウ酸リチウム(Li247)及びランガ
サイト(La3Ga5SiO14)から選ばれる少なくとも
一つの物質であるという好ましい例によれば、更に通過
帯域の極近傍に阻止域を形成することができ、良好な周
波数特性が得られる。
【0014】また本発明においては、通過帯域が810
MHz以上885MHz以下、阻止域が889MHz以
上898MHz以下の場合、通過帯域の挿入損失が3d
B以上、阻止域の減衰量が10dB以上であることが好
ましい。
【0015】
【実施例】<第1の実施例>図1は本発明に係る共振器
梯子型弾性表面波ノッチフィルタの第1の実施例を示す
上方から見た図面(上面図)である。
【0016】図1に示すように、圧電性基板1の上に
は、入力電気端子2および出力電気端子3とアース端子
4があり、入力電気端子2および出力電気端子3間に弾
性表面波を励振するすだれ状トランスデューサ5(以下
「IDT」という。)および反射器6からなる第1〜第
4の直列腕弾性表面波共振器11〜14を直列に四段配
置し、第2の直列腕弾性表面波共振器12と第3の直列
腕弾性表面波共振器13の間およびアース端子4間に弾
性表面波を励振するIDTおよび反射器からなる弾性表
面波共振器15を並列に配置している。
【0017】弾性表面波ノッチフィルタを作製するには
直列腕弾性表面波共振器だけで構成しても良いが、並列
腕に容量素子が具備されると阻止域の極が明瞭になり、
阻止域の減衰量をより大きくすることができる。
【0018】さらに本実施例では、容量素子を並列腕弾
性表面波共振器15とし、並列腕弾性表面波共振器15
で阻止域を形成すると共に第1〜第4の直列腕弾性表面
波共振器11〜14の阻止域の極を明瞭にさせ、阻止域
の減衰量をより大きく、かつ広帯域になるようにした。
また、第1〜第4の直列腕弾性表面波共振器11〜14
を4個、第2と第3の直列腕弾性表面波共振器12、1
3の間に並列腕弾性表面波共振器15を接続し、入力電
気端子2および出力電気端子3のどちらから見ても同じ
構成としたことによ、入力電気端子2および出力電気端
子3からみたインピーダンスをほぼ等しくすることがで
き、外部整合回路が必要なとき整合が容易になる。
【0019】本実施例では、通過帯域が810MHzか
ら885MHz、阻止域が889MHzから898MH
zの弾性表面波ノッチフィルタを作製した。目標特性と
して通過帯域の挿入損失を3dB、阻止域の減衰量を1
0dBとした。このような通過帯域近傍の急峻さは、圧
電性基板1の電気機械結合係数が小さいほど急峻にする
ことができる。これを、スミスの第2モデル(アイ イ
ー イー イー トランザクションズ オン マイクロ
ウェーブ セオリー アンド テクニックスボル エム
ティー ティー 20、ナンバー7、7月 1972
年 第458頁−471頁に記載:IEEE RANSACTIONS O
N MICROWAVE THEORY AND TECHNIUES,VOL.MTT-20, N07,
JULY 1972, pp458-471)に基づいたシミュレーションに
より詳しく計算してみた。なおこのモデルは弾性表面波
の解析に広く一般的に用いられており信頼度も良好であ
ると言われているものである。この結果、圧電性基板1
の電気機械結合係数が3%以下であれば目標特性を満た
すことができ、3%より大きくなると通過帯域近傍の急
峻さが失われ、阻止域の減衰量が10dBより小さくな
り目標特性を満たすことができないことが分かる。
【0020】そこで本実施例では、電気機械結合係数が
0.75%程であるXカット(112±5)゜Y伝搬タ
ンタル酸リチウム(以下、XLTという)を圧電性基板
1に選び、図1に示すような弾性表面波ノッチフィルタ
を作製した。この作製にあたり前記シミュレーションに
より検討したところ、図2に示すように通過帯域内のリ
ップルが出現する場合があった。このリップルはIDT
5の電極指の周期(Lm+Lg)と反射器6の電極指の
周期(RLm+RLg)の比(p=(RLm+RLg)
/(Lm+Lg)を最適にすることにより抑制可能であ
ることが判った。図3はpと通過帯域内のリップルの関
係図である。図3より許容可能なリップルの大きさを1
dBとするとpが0.95以上1.04以下であればよ
いことがわかる。つまり、pにより第1〜第4の直列腕
弾性表面波共振器11〜14及び並列椀弾性表面波共振
器15のQ値を制御することができ、pが1付近であれ
ばQ値が高いため微少なスプリアスの影響は受けにくい
が、ある程度Q値が下がってくると微少なスプリアスが
通過帯域内にあるとその影響を受けリップルとなって現
れてくる。
【0021】以上の検討より、図1に示した構成の弾性
表面波ノッチフィルタをXLT基板上に作製した。阻止
域の広帯域化を図るため第1〜第4の直列腕弾性表面波
共振器11〜14と並列腕弾性表面波共振器15の共振
周波数を少しずつずらし、四個の第1〜第4直列腕弾性
表面波共振器11〜14と一個の並列腕弾性表面波共振
器15で阻止域内に極を合わせ均等に減衰させるように
した。
【0022】また、通過帯域が阻止域より低周波数側に
あるため、通過帯域から阻止域へ急峻に減衰するよう第
1の直列腕弾性表面波共振器11の共振周波数を最も低
くし、阻止域内で最も低周波数側に極がくるようにし
た。ここで、第1〜第4の直列腕弾性表面波共振器11
〜14及び並列腕弾性表面波共振器15のpは、0.9
6とした。第1〜第4の直列腕弾性表面波共振器11〜
14及び並列腕弾性表面波共振器15のQ値を高くする
ためpを1に近づけると、阻止域の減衰量を大きくする
ことができるが、第1〜第4の直列腕弾性表面波共振器
11〜14及び並列腕弾性表面波共振器15の阻止域内
の極からの跳ね返りが鋭くなり、これを抑圧するために
は阻止域内で直列腕弾性表面波共振器の段数を増やさな
ければならない。従って、少ない段数で阻止域内を平坦
にさせるため、pは0.96とした。
【0023】図4は、前記条件(p=0.96)で作製
した弾性表面波ノッチフィルタの周波数特性図である。
挿入損失は3dB、阻止域の減衰量は10dB程度と良
好な周波数特性である。しかし、阻止域の低周波数側
(889MHz)に余裕がないため温度偏差等(約±1
MHz周波数がシフトする)を考慮すると目標特性を満
たさなくなる。このため更に通過帯域から阻止域への急
峻さを実現しなければならない。このためには、最も共
振周波数が低い第1の直列腕弾性表面波共振器11のp
を最適化しQ値を高めなければならない。
【0024】図5は、この第1の直列腕弾性表面波共振
器11のpと温度偏差等を考慮した888MHzの減衰
量との関係図である。図5より、pが0.98以上1.
02以下であれば888MHzの減衰量を10dB以上
確保することができることが分かる。
【0025】図6は、以上の検討を考慮して作製した弾
性表面波ノッチフィルタの周波数特性図である。図1の
構成で、XLT基板上に、下記(表1)に示す条件で弾
性表面波ノッチフィルタを作製した。
【0026】
【表1】
【0027】以上のように、本実施例の弾性表面波ノッ
チフィルタによれば、従来の弾性表面波ノッチフィルタ
と比較して、通過帯域内のリップルが小さく、通過帯域
近傍の急峻である良好な周波数特性が得られる。
【0028】<第2の実施例>ここでは、通過帯域が阻
止域より高周波数側にある場合についての実施例を示
す。この場合では、阻止域から通過帯域へ急峻に立ち上
がらせなければならないので、阻止域内の最も高周波数
側に極をつくる弾性表面波共振器のQ値を高くすればよ
い。
【0029】図7は図1の構成で作製した弾性表面波ノ
ッチフィルタの周波数特性図である。本実施例では、並
列腕弾性表面波共振器15の共振周波数において阻止域
内の最も高周波数側に極をつくり、この並列腕弾性表面
波共振器15のQ値が最も高くなるようpを0.98と
し、下記(表2)に示す条件で弾性表面波ノッチフィル
タを作製した。
【0030】
【表2】
【0031】以上のように、本実施例の弾性表面波ノッ
チフィルタによれば、通過帯域内のリップルが小さく、
通過帯域近傍の急峻である良好な周波数特性が得られ
る。 <第3の実施例>弾性表面波ノッチフィルタでは、通過
帯域の挿入損失と阻止域の減衰量には密接な関係があ
り、阻止域の減衰量を大きくすると通過帯域の挿入損失
も大きくなる。この特性は、第1〜第4直列腕弾性表面
波共振器11〜14および並列腕弾性表面波共振器15
のIDT静電容量比(Cp/Cs:Csは第1〜第4直
列腕弾性表面波共振器のIDT静電容量、Cpは並列腕
弾性表面波共振器15のIDT静電容量。IDT静電容
量は、IDT5の電極指対数および電極指交差幅できま
る。)に依存する。図8は、図6の弾性表面波ノッチフ
ィルタにおいて、並列腕弾性表面波共振器15のCpを
変化させたときのIDT静電容量比と通過帯域(810
MHzから885MHz)の挿入損失との関係図であ
る。IDT静電容量比が大きくなると、通過帯域のリッ
プルが大きくなるため挿入損失が劣化する。許容できる
挿入損失を4dBとすると、IDT静電容量比は1より
小さくなければならない。つまり、並列腕弾性表面波共
振器15のIDT静電容量が第1〜第4の直列腕弾性表
面波共振器11〜14のIDT静電容量より小さくなけ
ればならない。直列腕弾性表面波共振器の最もIDT静
電容量の小さいものよりも並列腕弾性表面波共振器のI
DT静電容量を小さくする。以上のように、本実施例の
弾性表面波ノッチフィルタによれば、広帯域で低損失な
周波数特性が得られる。
【0032】<第4の実施例>第2の実施例の図7にお
いて、通過帯域内にスプリアスがある。これは、第1〜
第4の直列腕弾性表面波共振器11〜14の内高周波側
に共振周波数を有する第3及び第4の弾性表面波共振器
13、14の反射器6に起因するスプリアスである。こ
のスプリアスを抑制するにはIDT5と反射器6間の距
離を調整する等で可能であるが、完全にこのスプリアス
を抑制することはできない。このスプリアスを完全に消
去するには、反射器6を具備しない構成にする。図9
は、図7の弾性表面波ノッチフィルタにおいて、第3及
び第4の直列腕弾性表面波共振器13、14の反射器6
を取り除いたときの周波数特性図である。図9より、通
過帯域内にあったスプリアスが除去され良好な周波数特
性が得られることが分かる。
【0033】本実施の形態では第3及び第4の直列腕弾
性表面波共振器13、14から反射器6を取り除いた構
造の弾性表面波ノッチフィルタとしたが、反射器6に起
因するスプリアスが、本発明の弾性表面波ノッチフィル
タの特性に悪影響を及ぼす弾性表面波共振器の反射器を
取り除いた構成とすればよい。
【0034】なお、本実施例1から4では圧電性基板1
をXLTとしているが、電気機械結合係数が小さくかつ
温度特性の良好なホウ酸リチウムやランガサイトを圧電
性基板1として用いても本発明の効果は同様である。ま
た、上記実施の形態とは異なり通過帯域近傍に急峻さが
求められない場合は、電気機械結合係数の大きな圧電性
基板1を用いても本発明の効果は同様である。
【0035】さらに上記実施の形態においては、直列腕
弾性表面波共振器を四個、並列腕弾性表面波共振器を一
個用いた場合についてのみ説明したが、二つ以上の弾性
表面波共振器を入、出力電気端子間に対して直列腕と並
列腕に接続した弾性表面波ノッチフィルタであれば同様
の効果が得られる。並列腕弾性表面波共振器は、一つあ
れば十分効果が得られる。また弾性表面波共振器の接続
方法は、直列腕弾性表面波共振器が2n個(nは正の整
数)で、並列腕弾性表面波共振器が一個の場合、直列腕
弾性表面波共振器のn番目と(n+1)番目の間に並列
腕弾性表面波共振器を接続することにより、入力電気端
子および出力電気端子のどちら側から見ても同じ構成と
なるため、入力電気端子および出力電気端子からみたイ
ンピーダンスをほぼ等しくすることができ、外部整合回
路が必要なとき整合が容易になる。
【0036】さらにまた、通過帯域が阻止域より低周波
数側にある場合、上記実施の形態においては、第1の直
列腕弾性表面波共振器11の共振周波数を最も低くくし
たが、他の直列腕弾性表面波共振器の共振周波数を最も
低くしても同様の効果が得られる。また並列腕弾性表面
波共振器の共振周波数を最も低くしても構わないが、通
過帯域から阻止域への減衰をより急峻にするためには、
直列腕弾性表面波共振器の共振周波数を最も低くするこ
とが好ましい。一方通過帯域が阻止域より高周波数側に
ある場合、第2の実施例においては、並列腕弾性表面波
共振器15の共振周波数が最も高くなるようにしたが、
第1〜第4の直列腕弾性表面波共振器11〜14のいず
れか一つの直列腕弾性表面波共振器の共振周波数が最も
高くなるようにしても構わない。しかしながら阻止域か
ら通過帯域へ急峻に立ち上がらせるためには、並列腕弾
性表面波共振器の共振周波数を最も高くすることが好ま
しい。
【0037】さらに上記実施例においては全ての弾性表
面波共振器の共振周波数を少しずつずらして、阻止域の
帯域幅を広くしているが、求められる阻止域の帯域幅に
応じて弾性表面波共振器の共振周波数を少しずつずらせ
ばよく、必ず全ての弾性表面波共振器の共振周波数をず
らす必要はない。
【0038】
【発明の効果】以上本発明によれば、通過帯域内のリッ
プルが小さく、阻止域が広帯域で減衰量が大きく安定し
た良好な周波数特性を有する弾性表面波ノッチフィルタ
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る弾性表面波ノッチフィルタの第
1の実施例を示す上面図である。
【図2】 本発明の第1の実施例に係わる弾性表面波ノ
ッチフィルタの周波数特性図である。
【図3】 本発明の第1の実施例におけるpと通過帯域
内リップルの関係図である。
【図4】 本発明の第1の実施例における弾性表面波ノ
ッチフィルタの周波数特性図である。
【図5】 本発明の第1の実施例における直列腕弾性表
面波共振器のpと888MHzでの減衰量との関係図で
ある。
【図6】 本発明の第1の実施例に係わる弾性表面波ノ
ッチフィルタの周波数特性図である。
【図7】 本発明の第2の実施例における弾性表面波ノ
ッチフィルタの周波数特性図である。
【図8】 本発明の第3の実施例におけるIDT静電容
量比と通過帯域の挿入損失との関係図である。
【図9】 本発明の第4の実施例における弾性表面波ノ
ッチフィルタの周波数特性図である。
【図10】 従来の弾性表面波ノッチフィルタの構成図
である。
【図11】 従来の弾性表面波ノッチフィルタの周波数
特性図である。
【符号の説明】
1 圧電性基板 2 入力電気端子 3 出力電気端子 4 アース端子 5 IDT 6 反射器 11 第1の直列腕弾性表面波共振器 12 第2の直列腕弾性表面波共振器 13 第3の直列腕弾性表面波共振器 14 第4の直列腕弾性表面波共振器 15 並列腕弾性表面波共振器
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 浩輝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 冨田 佳宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電性基板と、この圧電性基板上に、入
    力電気端子および出力電気端子と、この入出力電気端子
    間に直列腕及び並列腕に接続した複数の弾性表面波共振
    器とを備え、これらの弾性表面波共振器は、すだれ状ト
    ランスデューサの両側に反射器を設けた弾性表面波ノッ
    チフィルタにおいて、阻止域内で通過帯域に最も近くに
    極を形成する弾性表面波共振器のQ値が最も高くなるよ
    うにしたことを特徴とする弾性表面波ノッチフィルタ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の弾性表面波ノッチフィ
    ルタにおいて、前記すだれ状トランスデューサの電極指
    幅および電極指間隙幅をそれぞれLm、Lg、前記反射
    器の電極指幅および電極指間隙幅をそれぞれRLm、R
    Lgとするとき、RLm+RLg=p(Lm+Lg)、
    RLm=p・Lm、RLg=p・Lg、但し0.95≦
    p≦1.04であり、かつ、阻止域内で通過帯域に最も
    近くに極を形成する弾性表面波共振器の前記pが0.9
    8≦p≦1.02の関係であることを特徴とする弾性表
    面波ノッチフィルタ。
  3. 【請求項3】 弾性表面波共振器の接続順が、入力電気
    端子および出力電気端子から見たとき同一である請求項
    1〜2に記載の弾性表面波ノッチフィルタ。
  4. 【請求項4】 直列腕弾性表面波共振器が2n個(nは
    正の整数)で、前記直列腕弾性表面波共振器のn番目と
    (n+1)番目の間に並列腕弾性表面波共振器が接続さ
    れている請求項3に記載の弾性表面波ノッチフィルタ。
  5. 【請求項5】 すだれ状トランスデューサの電極指対数
    および交差幅から決まるすだれ状トランスデューサ静電
    容量が、直列腕弾性表面波共振器より並列腕弾性表面波
    共振器の方が小さい請求項1〜4のいずれか一つ記載の
    弾性表面波ノッチフィルタ。
  6. 【請求項6】 少なくとも一つの弾性表面波共振器にお
    いて、反射器を除去した請求項1〜5のいずれか一つに
    記載の弾性表面波ノッチフィルタ。
  7. 【請求項7】 圧電性基板の電気機械結合係数が3%以
    下である請求項1〜6のいずれかに記載の弾性表面波ノ
    ッチフィルタ。
  8. 【請求項8】 圧電性基板が、Xカット(112±5)
    ゜Y伝搬タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ホウ酸
    リチウム(Li247)及びランガサイト(La3Ga
    5SiO14)から選ばれる少なくとも一つの物質である
    請求項1〜7のいずれか一つに記載の弾性表面波ノッチ
    フィルタ。
  9. 【請求項9】 通過帯域が810MHz以上885MH
    z以下、阻止域が889MHz以上898MHz以下の
    場合、通過帯域の挿入損失が3dB以上、阻止域の減衰
    量が10dB以上である請求項1〜8のいずれか一つに
    記載の弾性表面波ノッチフィルタ。
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