JPH0477825B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、自動変速機の変速装置に関するもの
である。

（従来技術） 従来から、たとえば、実開昭57−25237号公報
に開示されているように、プツシユボタン式のセ
レクトスイツチを有する自動変速機の変速装置が
知られている。この従来の自動変速機の変速装置
は、自動変速機のマニユアルバルブを各変速位置
に切換える電磁手段と、この電磁手段の作動を制
御するコントローラとを備えており、セレクトス
イツチ操作によつてコントローラに変速指令を与
え、そのコントローラの制御指令によつて電磁手
段を作動させて、自動変速機のマニユアルバルブ
をその変速指令に対応する変速位置に切換えるよ
うにしている。

このように、この従来の自動変速機の変速装置
は、セレクトスイツチ操作によつてマニユアルバ
ルブを各変速位置に切換えることができるが、誤
つて所望の変速指令を与えるセレクトスイツチと
は異なるセレクトスイツチを操作した場合、たと
えば、停車レンジから走行レンジに移行させる際
に前進走行レンジの操作を行いたいにもかかわら
ず、リバースレンジのセレクトスイツチを操作し
たとき等には、急にリバース発進してしまう。

（発明の目的） 本発明は、上記従来技術が有する問題点に鑑み
てなされたもので、その目的は停車レンジから走
行レンジへ切換える際に車が急発進することを防
止しうる自動変速機の変速装置を提供することに
ある。

（発明の構成） 本発明の特徴は、自動変速機の変速位置が停車
レンジにある場合には、エンジン出力が所定値以
下でしかもブレーキ作動の条件を満足するときに
のみ、その停車レンジから走行レンジへの移行を
許容する走行レンジ移行許容手段を設けて、エン
ジン出力が所定値以下でしかもブレーキ作動の条
件を満足するとき以外には、停車レンジから走行
レンジへの移行を禁止することとしたものであ
る。

（実施例） 以下に本発明に係る自動変速機の変速位置の実
施例を図面に基づいて説明する。

第１図において、１はセレクトスイツチ、２は
コントローラであつて、セレクトスイツチ１はこ
こでは、プツシユボタン式とされ、Ｐレンジスイ
ツチ、Ｒレンジスイツチ、Ｎレンジスイツチ、Ｄ
レンジスイツチ、２速レンジスイツチ、１速レン
ジスイツチを有している。Ｐレンジスイツチは、
停車レンジとしてのパーキング指令を行う機能を
有しており、Ｒレンジスイツチはリバース走行レ
ンジとしてのリバース指令を行う機能を有してお
り、Ｎレンジスイツチは、停車レンジとしてのニ
ユートラル指令を行う機能を有しており、Ｄレン
ジスイツチは前進走行レンジとしてのドライブ指
令を行う機能を有しており、２速レンジスイツチ
は前進走行レンジとしての２速切換え指令を行う
機能を有しており、１速レンジスイツチは前進走
行レンジとしての１速切換え指令を行う機能を有
しており、セレクトスイツチ１の各変速指令はコ
ントローラ２に入力されるものとなつている。コ
ントローラ２は、ここでは論理回路部３と走行レ
ンジ移行許容手段４とから構成されている。論理
回路部３にはイグニツシヨン信号、エンジン回転
数信号Ｓ、エンジン作動検出信号Ｌ等の制御信号
が入力されており、論理回路部３は、Ｐ、Ｒ、
Ｎ、Ｄ、２速、１速、の各入力端子と、Ｐ、Ｒ、
Ｎ、Ｄ、２速、１速の各出力端子とを有してい
る。この論理回路部３はセレクトスイツチ１から
の変速指令に基づいて、電磁手段５としてのモー
タを制御する機能を有しており、ここでは、論理
回路部３の制御指令は第２図に示すように、モー
タ駆動回路６に与えられるものとなつている。電
磁手段５は、自動変速機７のマニユアルバルブを
各変速位置に切換える機能を有しており、第１図
において、８は自動変速機の変速位置を検出する
変速位置検出手段、９はエンジンである。変速位
置検出手段８は、ここでは、ポテンシヨンメータ
１０と、変速位置表示回路１１とから構成されて
いる。ポテンシヨンメータ１０は、抵抗機１０ａ
と摺動子１０ｂとから大略構成されており、摺動
子１０ｂは電磁手段５としてのモータに連動する
構成とされている。モータ駆動回路６には、電磁
手段５をサーボ制御するサーボ回路が設けられて
いる。このサーボ回路には各変速位置に対応する
基準電圧が与えられていて、サーボ回路はポテン
シヨンメータ１０に検出電位とサーボ回路の基準
電圧との差が小さくなるように電磁手段５を駆動
制御するようになつている。変速位置表示回路１
１は、変速位置がどのレンジにあるかを点灯表示
する機能を有しており、第３図に示すように、点
灯表示回路１２と表示器１３とから構成されてい
る。点灯表示回路１２は、スイツチングトランジ
スタ駆動回路１４とスイツチングトランジスタ群
１５とから構成されており、スイツチングトラン
ジスタ駆動回路１４は、分圧回路１６と比較回路
１７と論理回路１８とを有している。分圧回路１
６は比較回路１７を構成する各比較器１７ａ〜１
７ｆに基準電圧を印加する機能を有しており、こ
こでは比較器１７ａのプラス端子には基準電圧Ｇ
１が印加され、比較器１７ｂのプラス端子には基
準電圧Ｇ２が印加され、比較器１７ｃのプラス端
子には基準電圧Ｇ３が印加され、比較器１７ｄの
プラス端子には基準電圧Ｇ４が印加され、比較器
１７ｅのプラス端子には基準電圧Ｇ５が印加さ
れ、比較器１７ｆのプラス端子には基準電圧Ｇ６
が印加されていて、基準電圧Ｇ１から基準電圧Ｇ
６に向かうに従つて電圧が小さくなるようになつ
ている。ポテンシヨンメータ１０の検出電位Gf
は比較器１７ａ〜１７ｆのマイナス端子に印加さ
れている。各比較器１７ａ〜１７ｆは、基準電圧
よりも検出電位Gfの方が高い場合にはロー信号
を論理回路１８に向かつて出力し、かつ、基準電
圧よりも検出電位Gfの方が低い場合にはハイ信
号を論理回路１８に向かつて出力するものとされ
ている。論理回路１８は、比較回路１７からの出
力信号に基づいてスイツチングトランジスタを選
択駆動するもので、インバータ素子１９〜２４と
ノア回路２５〜２９とから構成されている。スイ
ツチングトランジスタ群１５はスイツチングトラ
ンジスタ３０〜３５から構成されており、各スイ
ツチングトランジスタ３０〜３５は論理回路１８
から駆動信号としてハイ信号が入力されるとオン
するようになつている。表示器１３は、ここで
は、複数個のLED素子３６〜４１から構成され
ている。LED素子３６はパーキングレンジに対
応し、LED素子３７はリバースレンジに対応し、
LED素子３８はニユートラルレンジに対応し、
LED素子３９はドライブレンジに対応し、LED
素子４０は２速レンジに対応し、LED素子４１
は１速レンジに対応するものとされ、各スイツチ
ングトランジスタ３０〜３５がオンすると通電す
る。ノア回路２５の出力は検出電位Gfが基準電
圧Ｇ１，Ｇ２の間にある場合のみハイであり、ノ
ア回路２６の出力は検出電位Gfが基準電圧Ｇ２，
Ｇ３の間にある場合のみハイであり、ノア回路２
７の出力は検出電位Gfが基準電圧Ｇ３，Ｇ４の
間にある場合のみハイであり、ノア回路２８の出
力は検出電位Gfが基準電圧Ｇ４，Ｇ５の間にあ
る場合のみハイであり、ノア回路２９の出力は検
出電位Gfが基準電圧Ｇ５，Ｇ６の間にある場合
のみハイとなる構成となつている。であるから、
検出電位Gfが基準電圧Ｇ１よりも大きい場合に
は、LED素子３６が点灯し、検出電位Gfが基準
電圧Ｇ１，Ｇ２の間にある場合にはLED素子３
７が点灯し、検出電位Gfが基準電圧Ｇ２，Ｇ３
の間にある場合にはLED素子３８が点灯し、検
出電位Gfが基準電圧Ｇ３，Ｇ４の間にある場合
にはLED素子３９が点灯し、検出電位Gfが基準
電圧Ｇ４，Ｇ５の間にある場合にはLED素子４
０が点灯し、検出電位Gfが基準電圧Ｇ５，Ｇ６
の間にある場合にはLED素子４１が点灯するも
のであり、各スイツチングトランジスタ３０〜３
５のコレクタ端子は通電するとローになるもので
ある。走行レンジ移行許容手段４には、第１図に
示すように、変速位置検出手段８の出力と、アク
セルが全閉状態にあるか否かを検出するアクセル
全閉状態検出手段４２の出力と、ブレーキが作動
状態にあるか否かを検出するブレーキ作動状態検
出手段４３の出力とが入力されるものとなつてい
る。アクセル全閉状態検出手段４２は、エンジン
出力状態検出手段を構成するもので、ここでは第
２図に示すように、アクセルスイツチ４４から構
成されており、アクセルを踏んでアクセルが全開
状態にあるときには、このアクセルスイツチ４４
は閉成状態にあり、アクセルを踏んでなくてアク
セルが全閉状態にあるときにはこのアクセルスイ
ツチ４４は開成状態となるものである。ブレーキ
作動検出手段４３は、パーキングブレーキスイツ
チ４５をフートブレーキスイツチ４６をストツプ
表示ランプ４７とインバータ素子４８とオア回路
４９とから構成されている。パーキングブレーキ
スイツチ４５とフートブレーキスイツチ４６と
は、ブレーキを引いてブレーキが作動していると
きには閉成状態となり、ブレーキをおろしてブレ
ーキが解除されているときには開成状態となるも
のであり、オア回路４９はパーキングブレーキと
フートブレーキのいずれかひとつが作動状態にあ
るときにハイ信号をアンド回路５０に向かつて出
力するものである。アンド回路５０は、走行レン
ジ移行許容手段の一部を構成するもので、このア
ンド回路５０の一入力端子にはオア回路４９の出
力が入力され、その他入力端子にはアクセル速度
４４の出力が入力されている。このアンド回路５
０はアクセル全閉でかつブレーキ作動時のみハイ
信号をノア回路５１に向かつて出力するもとなつ
ている。ノア回路５１の一入力端子には、アンド
回路５０の出力が入力され、その他入力端子には
アンド回路５２の出力が入力されている。アンド
回路５２は、変速位置検出手段８の一部を構成す
るもので、自動変速機の変速位置が停車レンジに
あるか否かを検出する機能を有している。ここで
は、アンド回路５２は、自動変速機の変速位置が
パーキングレンジとニユートラルレンジとのいず
れか一方であるときに、ロー信号を出力するもの
とされている。ノア回路５１の出力は、オア回路
５３〜５６の一入力端子に入力され、そのオア回
路５３〜５６の他入力端子には、Ｒレンジスイツ
チ、Ｄレンジスイツチ、２速レンジスイツチ、１
速レンジスイツチの変速指令が入力され、ここで
は、論理回路部３はＰ〜１の各入力端子にロー入
力があると、モータ駆動回路６に制御指令を与え
るようにされており、オア回路５３〜５６は、自
動変速機の変速位置が停車レンジにある場合に、
条件付きで走行レンジへの指令を阻止する条件付
き走行レンジ指令阻止手段を構成している。

次に作用を説明する。

(1) 自動変速機の変速位置が停車レンジにない場
合。

アンド回路５２の出力は、その入力がともに
ハイであるのでハイとなり、ノア回路５１の出
力は、アンド回路５０の出力がハイ、ローであ
るにかかわらずローとなり、Ｒレンジスイツ
チ、Ｄレンジスイツチ、２速レンジスイツチ、
１速レンジスイツチの操作により、走行レンジ
相互間での変速位置の切換ができる。

(2) 自動変速機の変速位置がパーキングレンジと
ニユートラルレンジとのうちのいずれかひとつ
の停車レンジにある場合（アンド回路５２の出
力がローである場合）。

(イ) アクセル全閉でかつブレーキ作動の条件を
満足するとき以外のとき。

アンド回路５２の出力がローであり、か
つ、アンド回路５０の出力がハイとなり、オ
ア回路５３〜５６の出力がハイとなつて、
Ｒ、Ｄ、２速、１速レンジスイツチの操作の
有無にかかわらず、論理回路部３の各Ｒ、
Ｄ、２速、１速入力端子への入力がハイとな
るから、走行レンジへの指令が阻止される。

(ロ) アクセル全閉でかつブレーキ作動の条件を
満足するとき。

アンド回路５２の出力はローであるが、ア
ンド回路５０の出力はハイとなるのでノア回
路５１の出力はローとなり、走行レンジスイ
ツチとしてのＲ、Ｄ、２速、１速レンジスイ
ツチのいずれかひとつを操作すると、その操
作に対応するオア回路の出力がローとなるか
ら、走行レンジの指令が論理回路部３に入力
され、アクセル全閉でかつブレーキ作動の条
件を満足するときにのみ、停車レンジから走
行レンジへの移行が許容される。

以上、実施例について説明したが本発明はこれ
に限らず以下のものを含むものである。

(1) 実施例においては、自動変速機の変速位置が
停車レンジにある場合に、アクセル全閉でかつ
ブレーキ作動の条件を満足するとき以外は走行
レンジ指令が論理回路部に入力されない構成と
したが、走行レンジ指令が論理回路部に入力さ
れても論理回路部から走行レンジ指令に対応す
る制御指令が電磁手段に出力されない構成とす
ることもできる。

(2) 実施例ではアンド回路５２を変速位置表示回
路１１に接続して設ける構成としたが、ポテン
シヨンメータ１０に接続して設ける構成とする
こともできる。

(3) 実施例では停車レンジから走行レンジへの移
行を許容する走行レンジ移行許容手段をコント
ローラ２に含めて設ける構成となつているが、
論理回路部３のみにコントローラ機能を担わせ
て、走行レンジ移行許容手段を別に設ける構成
とすることもできる。

（発明の効果） 本発明は、以上説明したように、自動変速機の
変速位置が停車レンジにある場合、エンジン出力
が所定値以下でしかもブレーキ作動の条件を満足
するとき以外は、その停車レンジから走行レンジ
への移行ができないようにしたので、変速位置の
切換を誤つて操作した場合であつても車の急発進
を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る自動変速機の変速装置の
全体構成を示す概略図。第２図は本発明に係る自
動変速機の変速装置の詳細回路図。第３図は本発
明に係る自動変速機の変速装置の一部を構成する
変速位置検出手段の回路図。 １…セレクトスイツチ、２…コントローラ、４
…走行レンジ移行許容手段、５…電磁手段、７…
自動変速機、８…変速位置検出手段、４２…アク
セル全閉状態検出手段、４３…ブレーキ作動検出
手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 自動変速機のマニユアルバルブを各変速位置
   に切換える切換手段と、 前記自動変速機の変速位置を検出する変速位置
   検出手段と、 エンジン出力が所定値以下の状態にあるか否か
   を検出するエンジン出力状態検出手段と、 ブレーキが作動状態にあるか否かを検出するブ
   レーキ作動検出手段と、 前記変速位置検出手段の出力と前記エンジン出
   力検出手段の出力と前記ブレーキ作動検出手段の
   出力とを受けて、前記自動変速機の変速位置が停
   車レンジにある場合、エンジン出力が所定値以下
   でしかもブレーキ作動の条件を満足するときの
   み、その停車レンジから走行レンジへの移行を許
   容する走行レンジ移行許容手段と、 を有する自動変速機の変速装置。