JPH0477109B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は自動車の車庫等として用いられるスラ
イド可能な収納装置に係り、自動車の収納及び発
進が容易で分解、組立、移動可能なスライド式車
庫装置に関するものである。

［従来の技術］ 近年における我が国の自動車の普急は目を見張
るものがある。男女、年令あるいは職業を問わ
ず、沢山の人が自動車を所有あるいは運転する時
代である。一方、我が国の土地価格は一般的に上
昇しており、自動車の収納に供される面積は逆比
例して次第に縮小されていく。これはやむを得な
いことであるが、車庫内への車の収納、いわゆる
車庫入れは難しくなつてくる。この種車庫入れ、
車庫出しの従来から行われている方法は、定まつ
た場所に固定して建てられた車庫に、後退、前進
あるいはその切り替えの繰り返しによるものであ
つた。

又、簡易車庫としてパイプ車庫、片流れＬ字
型、あるいはＵ字型支柱式車庫等があつた。

［発明が解決しようとする課題］ 前記従来の自動車の車庫入れにおいて、車庫が
十分に大きく、車庫の回りに建物や車の運転の障
害となるものが無い場合は良いとして、車庫の面
積が少なく、設置場所も窮屈なところに限定され
るようになつてくると、車庫入れの際、自動車と
車庫あるいは他の障害物との接触が発生する、と
いつた問題がでてくる。接触による損傷事故は、
車庫入れの時程ではないにしても、車庫出しの際
にも発生する。ことに、運転技術が未熟な者は、
細かいハンドル操作が不得手で、書庫入れ、車庫
出し操作が苦手である。

又、パイプ式簡易車庫は、組み立て式ではある
が、移動や地盤が硬い所、舗装されている所等へ
の設置が難しかつた。片流れＬ字型あるいはＵ字
型方式の簡易車庫は、支柱を固定しなければなら
ず、車庫の移動はできない。そして、その構成は
殆ど屋根だけであるため、風で雨水が自動車の車
体にかかり遮蔽の用をなさないといつた問題点が
あつた。車庫ではないが、簡易型の変形の一種と
も言える車のシートカバーは、移動が簡単ではあ
るが、車体汚損の保護にはあまり効果がないとい
つた欠点があつた。

ここにおいて、本発明の目的は、前記従来の車
庫の欠点を解決し、転向困難な狭い場所に建てら
れた車庫であつても、容易に自動車を車庫入れ、
車庫出しができるスライド式車庫装置を提供する
ことにある。

［課題を解決するための手段］ すなわち、前記本発明の目的は、収納しようと
する自動車の幅より広い幅で平行に敷設された
各々幅の異なる複数対のレール１，２，３と、
各々の対となるレール１，２，３を連結するよう
設けられたアーム４と、これらアーム４の一部に
設けられた自動車の車輪を搭載する車輪載板５
と、前記レール１，２，３に沿つて走行するよう
各々の対となるレール１，２，３にわたつて架設
されると共に、小さいものが大きいものの中に収
納可能な各々幅と高さが異なるアーチ形屋根体
７，８，９を有することを特徴とするスライド式
車庫装置によつて達成される。

［作用］ 前記のように構成されたスライド式車庫装置に
よれば、車の側面と上面を覆うアーチ形屋根体
７，８，９を複数に分割してレール１，２，３に
沿つてスライドできるようにし、それらの小さい
ものを大きいものの中に順次収納することができ
るようにしたので、自動車が出入りする際、アー
チ形屋根体をレール１，２，３に沿つて走行させ
て、各々大きい側に収納すれば、車の側面と上面
を覆うアーチ形屋根体７，８，９の全体の長さが
短くなる。これにより、アーチ形屋根体７，８，
９に邪魔されず、レール１，２，３の間に自動車
を収めることができる。その後、アーチ形屋根体
７，８，９をレール１，２，３に沿つて走行させ
て、引き出せば、レール１，２，３の間に収めら
れた自動車の側面と上面をアーチ形屋根体７，
８，９で覆うことができる。また、車庫出しする
際は、この逆に、アーチ形屋根体をレール１，
２，３に沿つて走行させて、各々大きい側に収納
すれば、容易に自動車を出すことができる。

さらに、両側のレール１，２，３を互いに連結
するアーム４に車輪載板５を設け、これに自動車
の車輪を載せるようにしたので、自動車を車庫入
れしたときは、自動車の自重でアーチ形屋根体
７，８，９の安定を図ることができる。従つて、
特にレール１，２，３を地面や床に強固に固定し
なくても、アーチ形屋根体７，８，９を伸ばした
ときの風圧等に充分耐えられる。そのため、あら
ゆるところに簡便に設置できる。

［実施例］ 以下、本発明の実施例について、添付した図面
を参照して説明する。第１図ａ及びｂは、本発明
になるスライド式車庫装置の、一実施例を示す一
部破断斜視図、及びレール１，２，３を示す平面
図である。図に示す例では、３対のそれぞれの平
行なレール１，２及び３を地面Ｇに敷設する。レ
ールの対数は、敷設する土地の状況により決めら
れ、限定はされない。これらレール１，２及び３
はそれぞれ左右対で一体化して敷設するが、後述
するように、移設できるよう分解、組立が可能で
ある。両側のレール１，２，３は、アーム４によ
り相互に連結されている。そして、アーム４に
は、自動車の車輪を載せて前後、左右に自由にス
ライドさせることができる車輪載板５が設置して
あり、これには車庫入れした自動車の車輪を載せ
る。図示の車輪載板５は、レール１と平行に前後
のアーム４に各々２枚ずつ平行に設置してあり、
前後、左右に移動調整できる。

６はフレーム４を地面Ｇに固定するためのアン
カーピンである。本発明による車庫装置は、既に
述べた通り、自動車の自重でアーチ形屋根体７，
８，９の安定を保つので、レール１，２，３を地
面に固定するアンカーピン６は必ずしも必要無い
が、これでレール１，２，３を地面に固定してお
けば、車庫入れしてないときでも、アーチ形屋根
体７，８，９の安定を図ることが出来る。

更に、前記各レール１，２、及び３には、順次
大きさの異なるアーチ形屋根体７，８及び９を載
せる。例えば、アーチ形屋根体７よりアーチ形屋
根体８の寸法が僅かに小さく、アーチ形屋根体７
の内側にアーチ形屋根体８が移動可能に重なり、
アーチ形屋根体９の外回り寸法がアーチ形屋根体
８の内則より僅かに小さく、アーチ形屋根体８の
内側にアーチ形屋根体９が納まるようにする。そ
の逆に、寸法をアーチ形屋根体９、同８、同７の
順序で大きくしてもよい。これらアーチ形屋根体
７，８及び９は、対のレール１，２、及び３の上
を自在にスライドできるようにしておく。そし
て、アーチ形屋根体７，８及び９には、シート、
金属板、樹脂等が展張されている。

なお、アーチ形屋根体７を前側、アーチ形屋根
体９を後側とした場合、レール３を用いず、後側
のアーチ形屋根体９を固定とし、このアーチ形屋
根体９の中にアーチ形屋根体７，８を収納するよ
うにしてもよい。また、レール３をレール２と同
じ長さにし、清掃や修理の際は、アーチ形屋根体
７，８及び９を任意の位置に移動させることがで
きるようにするのもよい。アーチ形屋根体相互の
端部は、第１図ｂに示すように、フツク状になつ
ており雨や埃を防ぐよう密着して重合される。

ここで、第２図と第１図を参照しながら、本発
明の使用態様を説明する。第２図ａ，ｂは、自動
車１０を後退させながら車庫入れを行う例であ
る。アーチ形屋根体７，８及び９は後部に一括し
てあるので、車庫入れが誰にも容易にできる。自
動車１０を車庫枠すなわち、レール１，２，３内
に納めた後、アーチ形屋根体７，８をレール１，
２の上をスライドさせて、自動車１０を覆うよう
にする。この際、自動車１０の車輪１１が車輪載
板５に載るように収納すると、自動車の重量が、
車輪載板５、アーム４を介して、レール１，２及
び３に掛かり、延いてはアーチ形屋根体７，８，
９を安定させる。車輪載板５は、前後左右にスラ
イドできるので、収納する自動車１０の車種が変
つた場合、その車輪幅に合わせて予め幅員を調整
しておけばよい。

ここまでは、自動車１０の車庫入れについて説
明したが、車庫出しの場合も、後退が、前進に変
るだけで、本発明の車庫装置は同じ機能を発揮す
る。それぞれ広げられて、自動車１０の車体を覆
つていたアーチ形屋根体７，８を、後側のアーチ
形屋根９の中に収納して車庫出しを行えば、アー
チ形屋根７，８，９の全体の長さが短くなつて車
庫の出し入れの障害が少なくなり、狭い場所でも
容易に車庫出しが可能である。

次に、第３図に示すのは、前記アーチ形屋根体
７，８，９の形状例の正面図で、屋根の役をなせ
ばその形は限定されないが、第１図ａの実施例に
おける逆Ｕの字形の外、第３図ａのコの字形、ｂ
の逆Ｖの字形、ｃの半円形等も考えられる。

第４図は、レール１に沿つてアーチ形屋根体７
をスライドさせる機構の一例である。この図で
は、アーチ形屋根体７の一方側下辺部分を示して
おり、アーチ形屋根体７の下端にローラ１２が付
属している。１はレールの一例でＩ型鋼を使用
し、これにアーチ形屋根体７を移動可能に保持、
案内するＵ型フツク１３が備えられている。こ
の、Ｕ型フツク１３はアーチ形屋根体７とその上
端を固着し、下端はレール１に対してスライド自
在となつている。そして、全体として、分解、移
動、組立可能なように、接地部分、その他の結合
部分が構成される。部材としては、軽合金、スチ
ール、スレート、FRPその他が使用される。

［発明の効果］ 上記説明から分かるように、本発明によれば、
アーチ形屋根体を複数に分割し、自動車を覆う部
分をスライドして一個所に集め、他の部分は開放
することができるので、他の車輌や人の通行が自
由にできるようになる。また、設置場所が限定さ
れ、且つ狭い車庫でも、自動車の収納発進が極め
て容易になる。又、簡単に分解、組立ができるの
で移動可能である。更に、自動車を車輌載板に載
せるので、自動車の重量により、車庫全体の安定
が図れ、下地が硬い所や舗装された駐車場等にも
設置でき、風雨に耐えるといつた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ及びｂは、本発明の一実施例を示す全
体斜視図、及びレール部の平面図、第２図ａ，ｂ
は、本発明の使用態様例を示す斜視図、第３図は
アーチ形屋根体の形状例を示す正面図、第４図は
アーチ形屋根体をスライドさせる部分の一例を示
す断面図である。 １，２，３……レール、４……アーム、５……
車輪載板、７，８，９……アーチ形屋根体、１０
……自動車、Ｇ……地面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 収納しようとする自動車の幅より広い幅で平
   行に敷設された各々幅の異なる複数対のレール
   １，２，３と、各々の対となるレール１，２，３
   を連結するよう設けられたアーム４と、これらア
   ーム４の一部に設けられた自動車の車輪を搭載す
   る車輪載板５と、前記レール１，２，３に沿つて
   走行するよう各々の対となるレール１，２，３に
   わたつて架設されると共に、小さいものが大きい
   ものの中に収納可能な各々幅と高さが異なるアー
   チ形屋根体７，８，９を有することを特徴とする
   スライド式車庫装置。