JPH062447A - 移動可能な折畳み簡易車庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】設置および移設が簡単にでき、しかも安価な簡
易車庫を提供する。 【構成】折畳み簡易車庫Ａは、自動車の収納位置の両側
に設置される案内部材１、１ａを備えている。案内部材
１、１ａには、伸縮可能な屋根部２を備えている。屋根
部２は、案内部材１、１ａに沿って移動可能な所要数の
アーチ状の骨部材２０、２０ａを備え、骨部材２０、２
０ａにはカバーシート２５が張設されている。案内部材
１、１ａの間には、収納される自動車の車輪により固定
されるようにした車輪固定部３、３ａを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、設置が簡単で設置場所
の移動も容易にできる折畳み簡易車庫に関するものであ
る。

【０００２】

【従来技術】屋外に駐車する自動車を保護する手段とし
ては、例えば半円状の骨部材を所要数並べて建て、これ
にビニルシートを張設した構造の固定型の簡易車庫があ
る。また、このような簡易車庫が建てられない舗装され
た駐車場等においては、自動車を包む保護カバーが用い
られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】けれども、上記した従
来の保護手段には次のような課題があった。 （ａ）固定型の簡易車庫は、地面に簡単な基礎を作って
支柱を立てるようにしている。このため、造りが丈夫に
はなるが、施工に手間がかかり、費用もある程度かさむ
ことになる。また、何らかの理由で移設が必要になった
場合も、簡単には移設ができないので不便である。 （ｂ）保護カバーは、車体に直接触れるので、雨天時な
どに地面から湿気が上がると接触部分に水滴がたまり、
その排出ができなくなるので、かえって塗装を傷めてし
まう。また、保護カバーを装着した後、例えば忘れ物な
どでドアを開けるときには、いちいち保護カバーをめく
る必要があり、面倒である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。第１の発明
にあっては、自動車の収納位置の両側に設置される案内
部材と、この案内部材に沿って伸縮可能な屋根部と、前
記案内部材間に設けられ、収納される自動車の車輪によ
り固定されるようにした固定台部と、を備えた、移動可
能な折畳み簡易車庫である。第２の発明にあっては、自
動車の収納位置の両側に設置される案内部材と、この案
内部材に沿って伸縮可能な屋根部と、前記案内部材間に
設けられ、収納される自動車の車輪により固定されるよ
うにした車輪固定部と、を備え、前記屋根部は、前記案
内部材間に掛け渡され、前記案内部材に沿って移動可能
な、ほぼアーチ状の所要数の骨部材と、この骨部材に張
設してあるカバーシートと、を備えた、移動可能な折畳
み簡易車庫である。第３の発明にあっては、車輪固定部
が、前輪用固定部と後輪用固定部に分割してあり、この
前輪用固定部と後輪用固定部は収納される自動車のホイ
ルベースに合わせて案内部材に沿って位置の調整が可能
である、第１または第２の発明にかかる移動可能な折畳
み簡易車庫である。車輪固定部は、例えば自動車の車輪
を載置することによって、その重みで折畳み簡易車庫を
固定する構造であるが、それに限定はしない。また、そ
の構造としては、例えば前後輪が載置できる広い一枚板
状のもの、あるいは前後輪用に二箇所に分割された板状
のもの、あるいは前後輪用に二箇所に分割された、複数
の棒状物で構成されたもの等である。また、本発明にい
うアーチ状とは、半円状、楕円状、馬蹄状等の円弧状の
ものの他、コ状、多角状等も含む概念である。

【０００５】

【実施例】本発明を図面に示した実施例に基づき更に詳
細に説明する。図１は本発明にかかる折畳み簡易車庫の
一実施例を示す側面図、図２は要部断面図、図３は骨部
材の固定部を車庫内側から見た説明図、図４は固定部の
要部説明図である。符号Ａは折畳み簡易車庫で、収納さ
れる自動車の両側の地面に設置される二本の案内部材
１、１ａを有している。案内部材１、１ａは、断面ほぼ
四角形で内部には空間部１０を有し、内側の壁部にほぼ
全長にわたってスリット１１が設けてある。そして、案
内部材１、１ａには、蛇腹状の屋根部２が伸縮自在に取
付けてある。屋根部２は、所要数の骨部材２０と、その
骨部材２０に張設してあるカバーシート２５を備えてい
る。

【０００６】骨部材２０は、金属パイプで全体がほぼコ
状に形成されており、その幅は収納される自動車の幅よ
りやや広い程度に設定されている。骨部材２０は、直線
状の二本の垂直部材２０１、２０１と、弧状で各垂直部
材２０１を上部で繋ぐ天部材２０２を接続した構造であ
る。各垂直部材２０１の下端部には、走行輪２０３が車
軸２０４を介して外側へ向けて取付けてある。そして各
骨部材２０は、両側の走行輪２０３を案内部材１、１ａ
の内部空間部に収容して移動自在に取付けてある。案内
部材１、１ａの前端部（図１において左端部）には、最
前部の骨部材２０をほぼ垂直に固定する固定具１２が設
けてある。固定具１２は、基端部を案内部材１、１ａに
回動可能に取付けてあり、先端部に設けてあるフックを
骨部材２０に設けてある係合ピンＰに係止して最前部の
骨部材２０を固定する。

【０００７】各骨部材２０のうち、後端側の四本の骨部
材２０ａは、スライダ２２に回動可能に、ほぼ等間隔で
取付けてある。スライダ２２は、所要の長さの基板２２
０と、その両端部に車軸２２１を介して取付けてある走
行輪２２２を備えており、スライダ２２は案内部材１、
１ａの内部空間部に走行輪２２２を収容して移動自在に
取付けてある。また案内部材１、１ａの後端部には、最
後部の骨部材２０ａを水平に倒した状態で案内部材１、
１ａに固定する固定具２４が設けてある。固定具２４
は、案内部材１、１ａの底部に固定してある底板２４０
を有している。底板２４０には、押え板２４１がヒンジ
を介して取付けてある。押え板２４１には骨部材２０ａ
に嵌め込むための曲板部２４１ａが設けてあり、その中
央部には係合孔２４１ｂが設けてある。また、押え板２
４１端部には上板２４２が、上板２４２端部には係止板
２４３がヒンジを介して取付けてあり、係止板２４３の
中央部には係止孔２４３ｂが設けてある。

【０００８】そして固定具２４は、最後部の骨部材２０
ａを水平に倒した状態で、骨部材２０ａに設けられた係
合突起２００を係合孔２４１ｂに係合させ、案内部材
１、１ａの外面側に設けられた係合突起２０１に係合孔
２４３ｂに係合させて、案内部材１、１ａと骨部材２０
ａとを囲繞し、骨部材２０ａを固定する。各骨部材２
０、２０ａには、合成樹脂製のカバーシート２５が、内
面に設けてある筒状の挿通部２５０に各骨部材２０、２
０ａを挿通させて張設してある。案内部材１、１ａの間
には、前輪用と後輪用に分割された車輪固定部３、３ａ
が設けてある。各車輪固定部３、３ａは二本の棒体３１
を所要の間隔で並設した構造で、駐車時には棒体３１の
間に車輪Ｔ１、Ｔ２を落とし込むようになっている（図
５参照）。なお各車輪固定部３、３ａは公知手段によ
り、案内部材１、１ａに沿って位置調整が可能である。

【０００９】（作 用）図５は自動車の収納状態を示す
概略説明図、図６は屋根部を折り畳んだ状態を示す説明
図である。図１ないし図６を参照して本実施例の作用を
説明する。 折畳み簡易車庫Ａを、庭や駐車場等、任意の場所に
置く。 収納する自動車Ｃのホイルベースに合わせて、車輪
固定部３、３ａの位置を調整して固定する。 自動車Ｃを入庫し、前輪Ｔ１と後輪Ｔ２を各車輪固
定部３、３ａの棒体３１間に落とし込む。 車外に出て、スライダ２２を図６に示す位置から後
方へ移動させ、屋根部２を伸長させる。スライダ２２が
いっぱいの位置まで来たところで、図１に示すように最
後部の骨部材２０ａを水平になるまで倒し、固定具２４
で固定する。これにより、前部が開口し、後部が封鎖さ
れた車庫が設営される。このように、折畳み簡易車庫Ａ
は自動車Ｃの重さで押えるようにしているので、駐車中
は折畳み簡易車庫Ａは動かず安定している。 後で自動車に乗るときには、固定具２４を外し、屋
根部２を図６の状態に折り畳んで、ドアを開けて乗り込
む。つまり、折畳み簡易車庫Ａは幅を制限しており、乗
降の際には、屋根部２は常に折り畳んでおく必要がある
が、その分だけコンパクトな車庫となっている。なお、
風の強いときなどは、風の影響を受けにくいように、自
動車Ｃが入庫中でも屋根部２を畳んでおき、折畳み簡易
車庫Ａが動かないようにする。また、例えば上部にフッ
クを形成した杭を地面に打ち込んで、補助的に案内部材
１、１ａや棒体３１を係止固定するようにしておけば、
より確実に固定できる。

【００１０】図７は折畳み簡易車庫の他の実施例を示す
説明図である。本実施例における折畳み簡易車庫Ｂは、
自動車Ｃが横に三台並べて収納できる構造である。つま
り、骨部材２０ｂの天部材２０２ａは前記天部材２０２
の約三倍の長さに形成されており、車輪固定部３ａの棒
体３１ａの長さも同じく前記棒体３１の長さの約三倍に
形成されている。折畳み簡易車庫Ｂは、例えば中古車展
示場などで有用であり、従来の野ざらし状態と比較し
て、塗装が傷みにくく、洗車する手間も軽減される。な
お、本発明は図示の実施例に限定されるものではなく、
特許請求の範囲の記載内において種々の変形が可能であ
る。

【００１１】

【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有
する。 （ａ）本発明にかかる折畳み簡易車庫は、基礎を設けず
に自動車の重さを利用して設置箇所に固定する構造とな
っている。従って、工事費が不要で安価にできるばかり
でなく、舗装された駐車場にも設営が可能で、駐車位置
の変更など、移動または移設の必要が生じた場合も簡単
に作業ができる。 （ｂ）本発明にかかる折畳み簡易車庫は、設営後は従来
の固定型の簡易車庫とほぼ同様に使用できるので、保護
カバーのように車体との接触部に地面から上がった湿気
による水滴がたまって塗装を傷めることもないし、ドア
を開けるときには屋根部を折り畳めばよく、面倒がな
い。 （ｃ）車輪固定部が前後輪用に分割されて位置の調整が
できるようになっているものにおいては、全体が軽量化
できると共に、大きさの異なる種々の自動車にも適応で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる折畳み簡易車庫の一実施例を示
す側面図である。

【図２】要部断面図である。

【図３】骨部材の固定部を車庫内側から見た説明図であ
る。

【図４】固定部の要部説明図である。

【図５】自動車の収納状態を示す概略説明図である。

【図６】屋根部を折り畳んだ状態を示す説明図である。

【図７】折畳み簡易車庫の他の実施例を示す説明図であ
る。

【符号の説明】

Ａ 折畳み簡易車庫 １、１ａ 案内部材 ２ 屋根部 ３、３ａ 車輪固定部 ２０、２０ａ 骨部材 ２５ カバーシート １２、２４ 固定具

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車の収納位置の両側に設置される案
   内部材と、 この案内部材に沿って伸縮可能な屋根部と、 前記案内部材間に設けられ、収納される自動車の車輪に
   より固定されるようにした固定台部と、 を備えた、 移動可能な折畳み簡易車庫。
2. 【請求項２】 自動車の収納位置の両側に設置される案
   内部材と、 この案内部材に沿って伸縮可能な屋根部と、 前記案内部材間に設けられ、収納される自動車の車輪に
   より固定されるようにした車輪固定部と、 を備え、 前記屋根部は、 前記案内部材間に掛け渡され、前記案内部材に沿って移
   動可能な、ほぼアーチ状の所要数の骨部材と、 この骨部材に張設してあるカバーシートと、 を備えた、 移動可能な折畳み簡易車庫。
3. 【請求項３】 車輪固定部が、前輪用固定部と後輪用固
   定部に分割してあり、この前輪用固定部と後輪用固定部
   は収納される自動車のホイルベースに合わせて案内部材
   に沿って位置の調整が可能である、 請求項１または２記載の移動可能な折畳み簡易車庫。