JPH047702Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は穀稈を刈取脱穀する自脱型のコンバイ
ンの扱深センサーに関する。

(ロ) 従来技術 一般に扱深を調節して脱穀する自脱型のコンバ
インは倒伏した穀稈のように軟弱なものは正常な
ものより著しく屈曲し易いので自動扱深調節を行
なうと深扱きになり、しかも湿潤していて付着し
易い藁屑が多量に発生するので、自動扱深調節に
よる刈取脱穀には適さなかつた。

このような場合に手動による扱深調節を行なう
時、センサーバーが穂部の移動障害にならないよ
うに垂下姿勢の扱深センサーを本体の一端を中心
として横向き又は上向きに旋回させるものがあつ
た。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 前記既知の扱深センサーは倒伏穀稈を刈取脱穀
すべく退避操作すると、扱深センサーの位置が通
常の取付位置から変位して穂先が移動する経路か
ら大きくずれるので、扱深センサーと穂先位置と
を対比して稈長を視認する際の指標にならなくな
る欠点があり、また、次いで正常な穀稈を自動扱
深調節すべく扱深センサーを元の位置に正確に戻
すことが困難であつた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は倒伏穀稈のように軟弱な穀稈に対して
視認により稈長を判断する場合、稈長センサーを
退避姿勢にしても該稈長センサーが通常の検出姿
勢の位置と同じ位置にあつて稈長視認の指標にな
るコンバインの扱深センサーを提供せんとするも
のであつて、刈取装置と脱穀装置との間に穀稈搬
送装置を設け、該穀稈搬送装置により形成される
穂部移動経路に穂部が凭れる案内板を設け、該案
内板の案内面と対向する部位に支持杆を配設し、
この支持杆に稈長センサーを装着したコンバイン
の扱深センサーにおいて、前記稈長センサーの筺
体２３の一側に穀稈の移動方向と平行な方向に傾
動するセンサーバーを軸支し、前記筺体の中央部
を支持杆に穀稈の移動方向と略平行な調節杆で
180度回動して固定できるように締着したことを
特徴とするものである。

(ホ) 作用 正常な立姿勢の穀稈を刈取脱穀するときは稈長
センサーを所定の位置にセツトして扱深調節のた
めの稈長検出を行なうことができ、倒伏した軟弱
な穀稈を刈取脱穀する場合、稈長センサーを回転
してボルトを締め付けることにより、センサーバ
ーを穀稈の穂部が移動する経路から退避させるこ
とができるものでありながら稈長センサーの筺体
の位置が変動しないので該筺体が稈長視認の指標
となる。

(ヘ) 実施例 本考案の一実施例を図面について説明すると、
１は走行装置２を有する機台上の一側に搭載した
自脱型の脱穀装置であつて、その側部には前部か
ら順に操作盤３、操縦席４及び穀粒タンク５等が
配設してあり、該脱穀装置１の前部には刈刃７、
分草体８……、穀稈引起体９及び穀稈掻込体等か
らなる刈取装置と、株元挟持搬送体１０及び穂側
搬送体１１からなる穀稈搬送装置とが上下傾動可
能に設けてあり、前記株元挟持搬送体１０の搬送
チエンに対設した挟持レール及び穂側搬送体の搬
送チエンに対設した案内杆１２は基部が前処理枠
に固定されていて穀稈の穂側を案内する凭れ案内
板１３を跨いだ逆Ｕ字状の支持杆１４の先端側に
取付けてある。

また、前記穀稈搬送装置はモーター又は油圧シ
リンダーにより前処理枠に対して上下傾動して扱
深さ調節を行なう。

そして、前記支持杆１４の穂部移動経路と対向
する部位の後面に熔接したブラケツト１５，１５
には縦長孔１６と横長孔１７，１７を有する受台
１８をボルト１９，１９で移動調節可能に螺着
し、稈長センサー２０は第２〜７図に示すように
スイツチ２１，２２を取付けた筺体２３とセンサ
ーバー２４，２４とからなり、筺体２３は、後面
下部に複数の切欠部２５，２５を有する本体２３
ａの下面に、両側に切欠部２６，２６を有する下
面蓋２３ｂを嵌合してボルト２７，２７で螺着す
ることにより構成し、前記切欠部２５，２５，２
６，２６はセンサーバー２４，２４の案内溝に形
成されている。

また、前記センターバー２４，２４の基部は前
記溝にそれぞれ遊嵌されていて支点ピン２８，２
８により穀稈が搬送される方向と略平行な方向に
回動自在に枢支されており、操作孔２９，２９を
有すると共に前記本体２３ａに嵌合する座板３０
を調節杆３１の基部に熔接し、該調節杆３１を本
体２３ａ及び下面蓋２３ｂの前部の孔３２，３３
に挿通し、後部の小孔３４，３５からノブ３６の
螺子部を挿入して調節杆３１の螺孔に螺合するこ
とにより筺体２３を受台１８に締着してある。

前述のコンバインにおいて、刈取装置で刈取ら
れて掻込まれた穀稈は穀稈搬送装置に受け継がれ
て後送され、脱穀装置１にて脱穀処理される。

その際、穀稈が標準状態である場合は前記稈長
センサー２０を溝及びセンサーバー２４，２４が
案内板１３に対面するようにセツトしてノブ３６
を締付けると，稈長センサー２０は矢印Ａ方向に
移動する穀稈の穂先部に対するセンサーバー２
４，２４の接触又は非接触により稈長を検出し、
その検出結果により穀稈搬送装置を傾動して扱深
調節を行い、ノブ３６を少し緩めると稈長センサ
ー２０を縦方向の長孔１６に沿つて移動調節する
ことができる。

また、倒伏した軟弱な穀稈を刈取脱穀する場合
はノブ３６を座板３０と受台１８の板厚分だけ緩
めて筺体２３を調節杆３１の回りに180度回動し
た後、ノブ３６を締付けると、稈長センサー２０
は第３図に示すように（第２図の鎖線で示す）同
一の位置で上下に反転するから、自動制御回路の
メインスイツチを切つて手動により扱深調節を行
なう。その際、稈長センサー２０の筺体２３は位
置が変化せず、適正穂先位置上にあるので、該筺
体２３を穂先位置確認の指標にして扱深調節を行
なうことができる。

更に、スイツチ２２，２２のアクチユエータ２
２ａ，２２ａにセンサーバー２４，２４のカム２
４’，２４’が第７図に示すように直交する方向
から係合するようになつているので、稈長センサ
ー２０の高さが低くなり、穀稈の移動障害になる
ことがない。

(ト) 考案の効果 本考案は前述のように刈取装置と脱穀装置１と
の間に穀稈搬送装置を設け、該穀稈搬送装置によ
り形成される穂部移動経路に穂部が凭れる案内板
１３を設け、該案内板１３の案内面と対向する部
位に支持杆１４を配設し、この支持杆１４に稈長
センサー２０を装着したコンバインの扱深センサ
ーにおいて、前記稈長センサー２０の筺体２３の
一側に穀稈の移動方向と平行な方向に傾動するセ
ンサーバー２４を軸支し、前記筺体２３の中央部
を支持杆１４に穀稈の移動方向と略平行な調節杆
３１で180度回動して固定できるように締着した
ので、稈長センサー２０を通常の検出姿勢から軟
弱な穀稈を刈取脱穀すべく退避姿勢にする時、調
節杆３１を中心として180度回動してセツトする
と、センサーバー２４を穀稈の穂部の移動経路か
ら退避させることができ、この時、稈長センサー
２０の筺体２３の位置は前記検出時と変化しない
ので案内板１３に凭れて搬送される穂部と所定位
置にある稈長センサー２０とを対比して稈長を正
確に判断することができる。

しかも、稈長センサー２０を180度回動して退
避姿勢にしても筺体２３が上方へ突出して邪魔に
なつたり、下方へ突出して穂部の移動障害になる
ことがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図はコンバインの後部を省略した側面図、第
２図は要部の正面図、第３図は同上斜視図、第４
図は同上分解斜視図、第５図は同上一部を破断し
た平面図、第６図は筺体の一部を破断した平面
図、第７図は同上縦断背面図である。 １０……株元搬送体、１１……穂側搬送体、１
３……凭れ案内板、１４……支持杆、１８……受
板、２０……稈長センサー、２３……筺体、２４
……センサーバー、３１……調節杆、３６……ノ
ブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈取装置と脱穀装置１との間に穀稈搬送装置を
   設け、該穀稈搬送装置により形成される穂部移動
   経路に穂部が凭れる案内板１３を設け、該案内板
   １３の案内面と対向する部位に支持杆１４を配設
   し、この支持杆１４に稈長センサー２０を装着し
   たコンバインの扱深センサーにおいて、前記稈長
   センサー２０の筺体２３の一側に穀稈の移動方向
   と平行な方向に傾動するセンサーバー２４を軸支
   し、前記筺体２３の中央部を支持杆１４に穀稈の
   移動方向と略平行な調節杆３１で180度回動して
   固定できるように締着したことを特徴とするコン
   バインの扱深センサー。