JPH0475238B2 - - Google Patents

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JPH0475238B2
JPH0475238B2 JP59004872A JP487284A JPH0475238B2 JP H0475238 B2 JPH0475238 B2 JP H0475238B2 JP 59004872 A JP59004872 A JP 59004872A JP 487284 A JP487284 A JP 487284A JP H0475238 B2 JPH0475238 B2 JP H0475238B2
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規なカルバペネム系化合物に関し、
さらに詳しくは下記式 式中、R1は水素原子又は式【式】の基を 表わし、ここでR3は水素原子、低級アルキル基
又はフエニル基を表わし;R2は水素原子又は置
換もしくは未置換の炭化水素基を表わす、 で示される化合物、その製造方法及び抗菌剤とし
ての用途に関する。 1976年に米国メルク社によりチエナマイシンが
発表されて以来、下記式 で示される基本骨格を有するカルバペネム系の抗
生物質が多数提案されているが、従来提案されて
いるカルバペネム系抗生物質は哺乳動物の腎臓中
の酵素で分解されやすいという致命的な欠点があ
るため、医薬として実用化するに至つていない。 ところが、今回、本発明において、カルバペネ
ム骨格の6位の側鎖の1位の炭素原子がフツ素原
子で置換され且つ3位に置換ピロリジルチオ基を
有する上記式()で示される化合物が、グラム
陽性及びグラム陰性細菌に対して優れた抗菌活性
を有するのみならず、各種哺乳動物の腎臓のホモ
ジネートに対して非常に安定であり実質的に分解
せず、実用医薬として極めて有望であることが見
い出された。 上記式()の化合物は、3位の置換基中のピ
ロリジン環の2位及び4位の炭素原子、カルバペ
ネム骨格の5位及び6位の炭素原子、並びに6位
の側鎖の1位の炭素原子の計5個の不斉炭素原子
を有しており、従つて、式()の化合物は個々
のジアステレオマーとして、或いは2種もしくは
それ以上のジアステレオマーの混合物として存在
しうる。例えば、3位の置換基中のピロリジン環
の2位及び4位の炭素原子はそれぞれS,Rのい
ずれの立体配置をもとりうるが、抗菌活性の観点
からすれば、3位の置換基は下記式 で示される立体配置を有していることが望まし
い。また、カルバペネム骨格の5位、6位の炭素
原子はそれぞれ5R−及び6R−立体配置を有して
いることが望ましい。しかして上記式()の化
合物は全体として下記式 で示される立体構造を有しているのが望ましい。 本明細書において用いる「低級」なる語は、こ
の語が付された基又は化合物の炭素原子数が6個
以下、好ましくは4個以下であることを意味す
る。 しかして、R3によつて表わされうる「低級ア
ルキル基」としては、例えばメチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
sec−ブチル、tert−ブチル基等が包含される。 上記式()において、R1は水素原子、
【式】【式】【式】 【式】等であることができるが、中で も水素原子が好適である。 また、前記式()の化合物の2−位のカルボ
キシ側鎖におけるR2は水素原子又はエステル残
基であり、このエステル残基としては具体的には
以下に述べる置換もしくは未置換の炭化水素基が
包含される。 (1) 置換又は未置換のアルキル、アルケニル又は
アルキニル基; (2) シクロアルキル基; (3) シクロアルキル−アルキル基; (4) 置換又は未置換のアリール基; (5) 置換又は未置換のアラルキル基; (6) 複素環式−アルキル基。 これらのエステル残基のうち、特に(5)の「置換
又は未置換のアラルキル基」が好適であり、この
アラルキル基におけるアリール部分はフエニルの
如き単環、及びナフチルの如き多環のいずれのタ
イプのものであつてもよく、また、アルキル部分
は低級のものが好ましい。該アラルキル基は通常
7〜25個、好ましくは7〜22個、さらに好ましく
は7〜19個の炭素原子を有することができる。し
かして未置換のアラルキル基としては、例えばベ
ンジル、p−tert−ブチルベンジル、p−メチル
ベンジル、2,4−ジメチルベンジル、2,4,
6−トリメチルベンジル、ベンズヒドリル、1,
1−ジフエニルエチル、1,1−ジフエニルプロ
ピル、1,1−ジフエニルブチル、トリチル、p
−メチルトリチル等が挙げられる。一方、置換ア
ラルキル基における芳香核上の置換基としては、
中でも、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、アリ
−ロキシ基、低級ハロアルキル基、アシルオキシ
基、アシルアミノ基、カルボキシル基又はその
塩、低級アルコキシカルボニル基、水酸基及びニ
トロ基が好適であり、これら基で置換されたアラ
ルキル基の代表例には、p−クロロベンジル、p
−ブロモベンジル、p−メトキシベンジル、p−
tert−ブトキシベンジル、3,5−ビス−tert−
ブトキシ−4−ヒドロキシベンジル、m−フエノ
キシベンジル、p−トリフルオロメチルベンジ
ル、o−もしくはp−ピバロイルオキシベンジ
ル、p−アセトキシベンジル、p−ベンゾイルオ
キシベンジル、p−2−エチルヘキサノイルベン
ジル、p−ベンズアミドベンジル、p−カルボキ
シベンジル(該カルボキシル基のアルカリ金属塩
の基を含む)、p−メトキシカルボニルベンジル、
p−エトキシカルボニルベンジル、p−ブトキシ
カルボニルベンジル、p−ヒドロキシベンジル、
o−もしくはp−ニトロベンジル、p−クロロベ
ンズヒドリル、p−メトキシベンズヒドリル、p
−アセトキシベンズヒドリル、p−ニトロベンズ
ヒドリル、m−もしくはp−クロロトリチル、p
−ブロモトリチル、p−メトキシトリチル、p−
エトキシトリチル、p−ニトロトリル等が挙げら
れる。 前記式()の化合物は、それ自体既知である
か又は既知の方法により合成しうる下記式()
の化合物から出発して、下記反応式Aに示す経路
により製造することができる。 上記式中、Z1は水素化分解又は加水分解により
容易に離脱しうるカルボキシル保護基、例えばメ
チル、エチルなどの低級アルキル基;ベンジル、
p−ニトロベンジル、o,p−ジニトロベンジ
ル、p−メトキシベンジル、ベンズヒドリル、ク
ロロベンジル基などの置換もしくは未置換のアラ
ルキル基等を表わし;Z2は水素化分解又は加水分
解により容易に離脱しうるアミノ保護基、例えば
ベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジル
オキシカルボニル、o,p−ジニトロベンジルオ
キシカルボニル、ベンズヒドリル基などを表わ
し;R4は低級アルキル基、例えばメチル、エチ
ル基を表わし;Yはアルキル基又はアリール基、
例えばフエニル基を表わし;Halはハロゲン原
子、例えばCl又はBrを表わし;R′2は水素原子以
外の前記R2に対して定義した基を表わす。 上記反応式Aにおいて、式()の化合物のフ
ツ素化は、式()の化合物を、適宜不活性溶媒
中で、例えば塩化メチレン、クロロホルムなどの
ハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル系炭化水素等の中で、
フツ素化剤で処理することにより行なうことがで
きる。使用しうるフツ素化剤としては、例えば、
ジエチルアミノフルオロクロロエタン、フエニル
テトラフルオロホスホラン、ジフルオロトリフエ
ニルホスホラン、ジエチルアミノサルフアートリ
フルオライド、ピペリジノサルフアートリフルオ
ライド、ペルフルオロプロペン−ジアルキルアミ
ン(PPDA)等が挙げられ、これらフツ素化剤は
式()の化合物1モル当り通常1〜10倍当量、
好ましくは1〜2倍当量の範囲の量で使用するこ
とができる。フツ素化の温度は用いるフツ素化剤
の種類等により異なるが、一般には−110℃〜100
℃、好ましくは−110℃〜25℃の範囲の温度とす
ることができる。 生成する式()の化合物は次いで、保護基Z1
の種類に応じて水素化分解又は加水分解すること
により、保護基Z1を離脱させる。例えば、Z1がベ
ンジル基を表わす場合の式()の化合物は、適
当な溶媒中、例えばメタノール、ジオキサン、テ
トラヒドロフランなどの中で、パラジウム、パラ
ジウム−炭素、白金、ニツケル等の触媒の存在下
にそれ自体公知の方法で接触水素化することによ
り、ベンジル基を離脱させることができる。 このようにして保護基を離脱させた式()の
化合物は、予め、例えば、1,−カルボジイミダ
ゾールと反応させてカルボキシル基を活性化した
後、カルボキシル基の1つが保護された式(X)
のマロン酸化合物、例えばマロン酸モノ(p−ニ
トロベンジル)エステル〔前記式(X)中、
R2′が【式】の化合物〕と反 応させる。本反応に際し、該マロン酸化合物はマ
グネシウムエトキシドのようなマグネシウムアル
コキシドやグリニヤール試薬で処理することによ
りメチレン基をカルバニオンに変えておくことが
重要である。本反応は、好ましくは不活性ガス雰
囲気下に、例えばジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、アセトニトリル、ジメトキシエタン等
の溶媒中で、一般に、0〜80℃の範囲の温度、好
ましくは室温で行なうことができる。式()の
化合物に対する式(X)の化合物の使用量は特に
制限されるものではないが、一般には式()の
化合物1モル当り1〜5モル、好ましくは1〜2
モルの範囲の量で使用するのが適当である。 かくして式(V)の化合物が得られ、この化合
物は次いでジアゾ化して式()の化合物に変え
る。該ジアゾ化は、適当な不活性溶媒中、例えば
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジクロロメ
タン、ジメチルホルムアミド等の中で、式(V)
の化合物をジアゾ化剤で処理することにより行な
うことができる。ジアゾ化剤としては、例えばp
−カルボキシベンゼンスルホニルアジド、p−ト
ルエンスルホニルアジド、メタンスルホニルアジ
ド、エタンスルホニルアジド等が挙げられ、これ
らは式(V)の化合物1モル当り一般に1〜5モ
ル、好ましくは1〜2モルの範囲の量で使用する
ことができる。また、該ジアゾ化は適宜トリエチ
ルアミン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミ
ン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンのよ
うな塩基の存在下に行なうことができる。反応温
度は一般に0〜50℃の範囲で変えることができる
が、通常室温で充分である。 このようにして生成する式()のジアゾ化生
成物は、必要に応じてそれ自体公知の方法で単離
した後、閉環反応に付される。式()の化合物
の閉環は、通常、例えばベンゼン、トルエン、テ
トラヒドロフラン、酢酸エチル等の溶媒中で、触
媒の存在下に、好適には不活性ガス雰囲気中で式
()の化合物を加熱することにより行なうこと
ができる。上記閉環反応に用いうる触媒として
は、例えば、ロジウム()アセテート、パラジ
ウムアセテート、銅粉末、硫酸銅等が挙げられ、
これらは式()の化合物1モル当り約0.003〜
約0.05モル程度の触媒量で使用される。また、加
熱温度としては約50℃乃至反応混合物の還流温度
の範囲の温度を使用することができるが、通常、
反応混合物の還流温度が好ましい。 かくして、式()のカルバペナム化合物が良
好な収率で得られる。次いで、この化合物は式
(X)のホスホリルハライド、例えばジフエニ
ルホスホリルクロリド、ジメチルホスホリルクロ
リド、ジエチルホスホリルクロリド等と反応させ
ることによつて式()の化合物に変える。この
反応は例えばアセトニトリル、クロロホルム、ジ
クロロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメトキ
シエタン、テトラヒドロフラン等の非プロトン性
極性溶媒中で、有利には酸結合剤、例えばジイソ
プロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリ
ジン、4−ジメチルアミノピリジン等の塩基の存
在下に行なうことができる。反応温度としては一
般に、−30℃〜40℃、好ましくは−20℃〜5℃の
範囲の比較的低温が用いられる。また、式(XI)
のホスホリルハライドは式()の化合物1モル
当り1.0〜3.0モル、好ましくは1.0〜1.2モルの範
囲の量で使用するのが好都合である。 このようにして式()の化合物が得られ、本
化合物は必要により一旦単離することもできる
が、一般には上記反応に引続きそのまま、所望に
より反応混合物に上記の如き酸結合剤を追加した
後、式(X)のピロジン誘導体と反応させるこ
とにより、前記式()の化合物に変えることが
できる。 式()の化合物と式(X)の化合物との反
応は一般に、−50℃〜40℃、好ましくは−30℃〜
25℃の範囲の低温で行なわれる。また、式(X
)の化合物の使用量は特に制限されないが、通
常、式()の化合物1モル当り1.0〜3.0モル、
好ましくは1.0〜1.5モルの範囲の量で使用するの
が適当である。 なお、上記ピロリジン誘導体のアミノ保護基Z2
としては、例えばベンジルオキシカルボニル、p
−ニトロベンジルオキシカルボニル基等が好適で
ある。 上記反応において出発原料として使用される式
(X)のピロリジン誘導体は4−ヒドロキシプ
ロリンから下記反応式Bに示す経路により製造す
ることができる。この反応式Bに示す各段階の具
体的反応条件は後記実施例1〜4に記載されてお
り、本反応式Bに示す各反応は該実施例1〜4に
準じ且つ必要に応じてそれ自体公知の修正を加え
て実施することができる。 上記式中、Eはエステル残基、例えばメチル基
を表わし;Mはアルカリ金属、例えばナトリウム
を表わし;Z3は前記の意味を有する。 かくして、ピロリジン環のアミノ基が保護され
た本発明の式()の化合物、すなわち前記式
()の化合物が得られ、この化合物は保護基の
種類に応じ、それ自体公知の方法で水素化分解又
は加水分解することにより、対応するR1が水素
原子である式(a)の化合物に変えることがで
きる。例えば、Z2がp−ニトロベンジルオキシカ
ルボニル基である式()の化合物は、例えば、
ジメチルホルムアミド−リン酸緩衝液、ジメチル
ホルムアミド−テトラヒドロフラン−リン酸緩衝
液、テトラヒドロフラン−ジオキサン−リン酸緩
衝液混合溶媒等の溶媒中で、白金、パラジウム、
パラジウム−炭素などの触媒の存在下に接触水素
化を行なうことにより、上記保護基Z2)を離脱せ
しめることができる。 また、このアミノ保護基(Z2)の離脱反応にお
いて、式()の化合物の2位のカルボン酸エス
テル残基R2′の種類によつては、例えばR2′がベ
ンジル、p−クロロベンジル、p−メトキシベン
ジル、p−ニトロベンジル、2,4−ジニトロベ
ンジル等を表わす場合には、そのエステル残基も
同時に離脱して、R1及びR2が共に水素原子であ
る式(a)の化合物が得られることがある。 このようにして得られる式(a)の化合物は
次いで式(X)で示されるイミノエステル、例
えば、メチルホルムイミデート塩酸塩、エチルア
セトイミデート塩酸塩、メチルアセトイミデート
塩酸塩、エチルプロピオイミデート塩酸塩、エチ
ルフエニルイミデート塩酸塩等と反応させること
により式(b)の化合物に変えることができ
る。 式(a)の化合物と式(X)の化合物との
反応は、一般に水溶液中で行なうことができ、反
応温度は通常約0℃〜約40℃、好ましくは氷冷下
(約0℃)乃至室温程度の比較的低い温度が適当
である。式(a)の化合物に対する式(X)
の化合物の使用割合は厳密に制限されるものでは
ないが、一般には式(a)の化合物1モル当り
約1〜約10モル、好ましくは約1〜約5モルの範
囲の量で使用するのが適当である。 なお、R2が水素原子である式(a)又は
(b)の化合物を所望とする場合、エステル残
基R2′の離脱は、前述したアミノ保護基Z2を離脱
させる段階、或いはかくして得られる式(a)
又は(b)の化合物の段階で、それ自体公知の
水素添加分解又は酵素による分解により行なうこ
とができる。 得られる式(a)又は(b)の目的化合物
はそれ自体公知の方法、例えば分子ふるい、吸着
担体及び/又はイオン交換樹脂を用いるカラムク
ロマトグラフイー等の手段を用いることにより単
離精製することができる。 以上に述べた式()の化合物の製造法によれ
ば、不斉合成が可能である。しかして、式()
の出発化合物として下記式 で示される立体構造の化合物を使用すれば、5R,
6R−立体配置を有する式()の化合物が直接
得られる。 しかしながら、本発明の式()の化合物は、
2種のジアステレオマー間の溶媒に対する溶解性
にかなり差があるという特性を有しており、従つ
て、式()の出発化合物として光学活性のもの
を特に使用しなくても(すなわちラセミ化合物を
用いても)生成する式()の化合物のジアステ
レオマー混合物は溶媒例えばクロロホルムに対す
る溶解性の差を利用して容易に光学分割すること
ができる。 また、式()の出発化合物としてジアステレ
オマー混合物を用いた場合には、前記反応式Aに
示す反応の任意の段階で光学分割を行なつてもよ
い。 さらに、前記式()の化合物と反応させる式
(X)のピペリジン誘導体としては下記式 で示される2(R),4(S)−立体配置を有するも
のが望ましい。 本発明の式()の化合物は、前述したよう
に、各種のグラム陽性及びグラム陰性細菌に対し
て広く且つ非常に優れた抗菌活性スペクトルを有
しているのみならず、哺乳動物の腎臓中の酵素に
対しても極めて安定で殆んど分解されることがな
いという特性を有しており、ヒト又はヒト以外の
動物用の抗菌剤として有用である。本発明の化合
物のかかる特性は以下の生体外試験によつて立証
することができる。 1 抗菌活性試験 抗菌活性の測定は、日本化学療法学会標準法に
もとづく寒天培地希釈法で行なつた。本発明の化
合物の2倍希釈の列をM/50リン酸緩衝液(PH
7.0)で調製し、この溶液1mlとミユーラーヒン
トン寒天培地(Difco社製)9mlとを9cm径のシ
ヤーレ内で混和し平板とした。検定菌はミユーラ
ーヒントンブロス培地(Difco)で35℃で1夜静
置培養し、生理食塩水で約106Cells/mlとなるよ
うに希釈した。この接種菌液をミクロプランター
(佐久間製作所)を用いて寒天平板上に接種した。
平板は35℃で18時間培養し、菌の生育が完全に阻
止される最低の薬剤濃度をその菌に対する本発明
の化合物の最小発育阻止濃度(MIC)とした。 結果を下記表1に示す。 【表】 【表】 本発明の新規カルバペネム誘導体(a)およ
び(b)の抗菌活性を、対照とするカルバペネ
ム化合物PS−5およびセフオタキシム(CTX)
の抗菌活性と比較してみると、上記表1の結果か
ら明らかなように、まずグラム陽性菌に対する活
性はPS−5よりも4〜30倍、セフオタキシムよ
りも1〜500倍高い。グラム陰性菌に対する活性
で注目すべきは、セフオタキシムに対して抵抗性
を示すチトロバクター・フロインデーが本発明の
新規化合物およびPS−5の0.78〜1.56mcg/mlで
生育阻止されることである。さらにカルバペネム
誘導体間で抗グラム陰性活性を比較すると、本発
明の新規化合物(a)および(b)はPS−
5より全般的に1〜8倍高い抗菌活性を示す。従
来3位の側鎖の種類が抗シユードモナス活性に重
大な影響を与えることは良く知られているところ
だが、本発明の新規カルバペネム誘導体(a)
および(b)は、PS−5よりも6〜125倍高い
抗菌活性を有する。要約すると、本発明の新規カ
ルバペネム誘導体(a)および(b)は、ベ
ータ・ラクタマーゼ生産にもとづくベータ・ラク
タム抗生物質耐性微生物も含めて、広汎なグラム
陽性およびグラム陰性微生物に対して強力な抗菌
作用スペクトルを示し、PS−5など従来のカル
バペネム化合物が無効なシユードモナス属菌に対
してもすぐれた生育阻止作用を持つている。 2 腎デヒドロペプチダーセに対する安定性試験
(キユベツトアツセイ) ブタ腎臓のミクロゾーム画分よりアセトンパウ
ダーを調製した。このアセトンパウダー250mgに
25mlの20%ブタノールM/20リン酸緩衝液(PH
7.0)を加え、5℃で2時間攪拌し、デヒドロペ
プチダーゼの可溶化を行つた。次いで、水5に
対して透析を3回くり返した後酵素標品として使
用した。市販の各種動物腎アセトンパウダー(シ
グマ社製、カタログNo.K7625:イヌ、K7750:マ
ウス、K7250:ブタ)も同様操作によりデヒドロ
ペプチダーセ活性を可溶化調製した。 M/10トリス・塩酸緩衝液(PH7.0)によつて
1mg/ml濃度に調製した被験薬剤溶液0.2mlと上
記酵素標品0.2mlを混和し、37℃に保温した光路
長1.0mmの石英キユベツト中で300nmにおけるUV
の減少を日立ダブルビーム分光光度計200−10型
により追跡した。反応開始時のO.D.を100%と
し、各反応時間のO.D.パーセントにより薬剤の
安定性を比較した。さらに反応開始時と5分後の
O.D.の差を本発明の化合物およびPS−5につい
てそれぞれ求め(本発明の化合物でのO.D.の
差/PS−5でのO.D.の差)×100を算出し、得ら
れた数値によつて本発明の化合物の安定性を比較
した。 結果を図1及び図2に示す。 従来のカルバペネム化合物類、例えばPS−5
は、前述のように試験管内で広汎、かつ強力な抗
菌スペクトルを有するにもかかわらず、生体内に
投与した場合、主として腎臓中に存在するデヒド
ロペプチダーゼによつて速かに分解され、感染症
原因菌に作用するに有効な濃度で、十分な期間血
中に維持されないという欠点があつた。 図1および図2から明らかなように、本発明の
新規化合物(a)および(b)は、ブタおよ
びイヌの腎臓のデヒドロペプチダーゼに対して
PS−5よりも著しく改善された耐性を示してお
り、感染菌症に罹患したヒトおよびその他動物に
おける投与で有意な治療効果が期待できる。 以上の生体外試験のデータから、式()の化
合物又はその塩は抗菌剤として好適であると言う
ことができる。 前記式()の化合物またはその塩は、前述し
たとおり、抗菌活性を示し、グラム陽性及びグラ
ム陰性細菌による感染症の予防、治療及び/又は
処置のための抗菌剤の活性成分として、人間のみ
ならず、人間以外の動物例えば哺乳動物、家禽
類、魚類等に対する細菌感染症の予防、治療、処
置等のために有効に使用することができる。 前記式()の化合物またはその塩は、経口
的、局所的又は非経口的(静脈内、筋肉内、腹腔
内など)に投与することができ、これら投与方法
に応じて、通常行なわれている如き種々の剤形に
製剤して使用することができる。例えば、式
()の化合物またはその塩は製薬学的に許容し
得る無毒性の担体、希釈剤、添加剤などと共に、
固体製剤(例えば錠剤、カプセル剤、粉剤、顆粒
剤、糖衣錠、トローチ、粉末、スプレー剤、坐薬
など)、半固体製剤(例えば軟膏、クリーム、半
固体状カプセル剤など)、或いは液体製剤(例え
ば、液剤、乳剤、懸濁剤、ローシヨン、シロツプ
剤、注射剤、液体スプレーなど)に製剤すること
ができる。 前記式()の化合物またはその塩を含有する
単位投与剤形は、液体、半固体、固体の如何を問
わず、一般に0.1〜99重量%、好ましくは10〜60
重量%の活性成分を含有することができる。 非経口投与における単位投与の剤形は、通常純
度100%に近い本発明の式()の化合物または
その塩を滅菌水に溶かしたものか、または容易に
溶液にすることのできる溶解性粉末にしたものと
することができる。 前記式()の化合物を治療に用いる場合、抗
生物質投与の常法に従つて、約2〜600mg/Kg/
日、好ましくは15〜150mg/Kg/日の量を好まし
くは数回に分け、すなわち1日に3ないし4回に
分けて経口的又は非経口的に投与することができ
る。この場合、前述の適当な製薬学的に許容しう
る担体又は賦形剤と共に例えば25,250,500又は
1000mgの活性成分を含有する投薬単位量に製剤し
て投与することが可能である。投薬の至適量は治
療すべき感染の種類とその程度によつて変り、一
律には規定出来ないし、また、処置すべき患者の
容態に応じて、増減し投与しうることは勿論であ
る。 次に実施例により本発明をさらに詳しく説明す
る。 実施例 1 シス−4−ヒドロキシ−N−p−ニトロベンジ
ルオキシカルボニル−D−プロリンメチルエステ
ル シス−4−ヒドロキシ−D−プロリン4g
(0.03mole)を水200mlに溶解後氷冷下1N NaOH
水溶液を61ml加えた。その溶液にジエチルエー
テル200mlに溶解したp−ニトロベンジルオキシ
カルボニルクロリド7.1g(0.033mole)を加え同
温度で2時間反応後更に室温で18時間反応させ
た。反応液のPHを9.0に調節後酢酸エチル200mlに
て抽出し未反応の試薬を除去後2N HCl水溶液に
てPH2.0とし酢酸エチル300mlにて抽出した。有機
層は無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、過後減圧
乾固した。この残査9.9gを塩化メチレン200mlに
溶解し、別に調製したジアゾメタンエーテル溶液
を氷冷下加え同温度で30分間反応させた。反応液
を減圧濃縮後メルク社製シリカゲル(キーゼルゲ
ル60)200gのカラムに吸着させベンゼン−酢酸
エチル(5:1)、(3:1)、(2:1)、(1:
1)にて溶出させた。溶出部でベンゼン−酢酸エ
チル(1:1)展開のシリカゲルTLCにてRf値
0.23にUV吸収を示す区分を集め、減圧乾固する
と表題化合物がシロツプ状物質として9.0g得ら
れた。 〔α〕24 D+13.5°(C10,CHCl3) NMR(CDCl3) δ:2.00−2.50(2H,m,C−3H2)、 3.15−3.45(1H,m,OH)、 3.50−3.80(5H,m,OCH3,C−5H2)、 4.30−4.60(2H,m,C−2H,C−4H)、 5.03−5.40(2H,m,CH2 −Ar) 7.40−7.60(2H,m,Ar・) 8.20 (2H,d,J=8.5H2,Ar・) IR νCHCl3 nax 1730,1708(エステル、ウレタン) 1520,1345(ニトロ) 実施例 2 (シス)−4−メオキシ−N−p−ニトロベン
ジルオキシカルボニル−D−プロリンメチルエス
テル 4−ヒドロキシ−N−p−ニトロベンジルオキ
シカルボニル−D−プロリンメチルエステル4.9
g(0.0148mole)を塩化メチレン100mlに溶解
し、トリエチルアミン3.1ml(0.022mole)を加え
た後、氷冷下メシルクロリド1.38ml
(0.0177mole)を含む塩化メチレン10mlを加え、
同温度で1時間、室温で3時間反応させた。反応
液に塩化メチレン200mlを加えた後飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液にて2回、水洗2回行ない無水
硫酸ナトリウムにて乾燥した。過後減圧濃縮
し、濃縮液はメルク社製シリカゲル7734(キーゼ
ルゲル60)100gのカラムに吸着させ、ベンゼン、
ベンゼン−酢酸エチル(10:1)、(3:1)にて
溶出させた。溶出部でベンゼン−酢酸エチル
(1:1)展開のシリカゲルTLCにてRf値0.36を
示す区分を減圧乾固すると表題化合物が6.58g得
られた。 〔α〕24 D+10.2°(C1.0,CHCl3) NMR(CDCl3) δ:2.55(2H,m,C−3H2)、 3.01(3H,S,SCOCH3)、 3.75(3H,S,OCH3)、 3.87(2H,d,J=4.0Hz,C−5H2)、 4.58(1H,dd,J=4.5Hz,J=6.5Hz,C
−2H)、 5.05−5.42(3H,m,C−3H,CH2
Ar)、 7.50(2H,d,J=8.5Hz,Ar・)、 8.20(2H,d,J=8.5Hz,Ar・)、 IR νCHCl3 nax 1750(エステル) 1705(ウレタン) 1518,1340(ニトロ) 1170(スルホン) 実施例 3 (トランス)−4−アセチルチオ−N−p−ニ
トロベンジルオキシカルボニル−D−プロリンメ
チルエステル (シス)−4−メシルオキシ−N−p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル−D−プロリンメチル
エステル5.49g(0.0137mole)をジメチルホルム
アミド80mlに溶解後、チオ酢酸ナトリウム2.0g
(0.02mole)を加え70℃にて2時間反応させた。
反応液を酢酸エチル400ml中に注ぎ有機層を飽和
塩化ナトリウム水溶液にて3回洗浄後無水硫酸ナ
トリウムにて乾燥した。過後溶媒を留去し、残
査を塩化メチレンに溶解し、メルク社製シリカゲ
ル7734(キーゼルゲル60)100gのカラムに吸着さ
せ、ベンゼン−酢酸エチル(10:1)、(5:1)
にて溶出させた。溶出部でベンゼン−酢酸エチル
(1:1)展開のシリカゲルTLCにてRf値0.67に
UV吸収を示す区分を減圧濃縮すると油状の表題
化合物が4.08g得られた。 〔α〕24 D+19.1°(1.0,CHCl3) NMR(CDCl3) δ:2.20−2.55(5H,m,C−3H2,COCH3)、 3.40−4.22(6H,m,C−4H,C−5H2
OCH3)、 4.48(1H,dd,J=5.5Hz,J=9.0Hz,C
−2H)、 5.05−5.43(2H,m,CH2 −Ar)、 7.35−7.60(2H,m,Ar・)、 8.21(2H,d,J=8.5Hz,Ar・)、 IR νCHCl3 nax 1742(エステル) 1695(ウレタン、チオエステル) 実施例 4 (2R,4S))−2−ヒドロキシメチル−4−メ
ルカプト−N−p−ニトロベンジルオキシカルボ
ニルピロリジン (トランス)−4−アセチルチオ−N−p−ニ
トロベンジルオキシカルボニル−D−プロリンメ
チルエステル1.26g(0.00344mole)をジオキサ
ン25ml、メタノール25ml、水20mlに溶解し、3.25
gの水素化ホウ素ナトリウムを数回にわけて加
え、室温で18時間反応させた。氷冷後2N塩酸に
てPH2.0とし酢酸エチル250mlにて抽出した。有機
層は硫酸ナトリウムにて乾燥後減圧濃縮した。残
査を塩化メチレンに溶解しメルク社製シリカゲル
5734(キーゼルゲル60)50gのカラムに吸着させ
ベンゼン−アセトン(5:1)、(2:1)にて溶
出させた。ベンゼン−酢酸エチル(1:1)展開
のシリカゲルTLCにてRf値0.23を示す区分を減
圧濃縮すると表題化合物が496mg得られた。 〔α〕24 D+53.4°(C1.0,CHCl3) NMR(CDCl3) δ:1.68(1H,d,J=7.0Hz,SH)、 1.90−2.25(2H,m,C−3H2)、 3.30−3.90(6H,m,CH2OH,C−4H,
C−5H2)、 4.13(1H,m,C−2H)、 5.23(2H,S,CH2 −Ar)、 7.50(2H,d,J=8.5Hz,Ar・)、 8.20(2H,d,J=8.5Hz,Ar・H)、 IR νCHCl3 nax 3400(ヒドロキシ)、 1685(ウレタン)、 1520,1345(ニトロ)、 実施例 5 メリロラクトンの光学分割 Tetrahedron Letters 21,2783(1980)の方
法で得られたメリロラクトン塩酸塩(ラセミ体)
1 30gを30mlの水に溶解し、飽和炭酸水素カリ
ウム水溶液を用いてPHを6.2に調整した。生じた
沈殿を取し、少量の水及びアセトン洗浄後、乾
燥して20.7gのを得た。得られた双イオン体
を900mlのアセトン、130mlのイソプロパノール、
120mlのエタノールの混液を沸とうさせたものに
懸濁させ、19.6gの(−)カンフアースルホン酸
水和物を加えた。混合液を熱時過し、20℃を保
ちながら17時間放置すると沈殿が生成した。この
沈殿を取し、乾燥して、8.91gのカンフアース
ルホン酸塩を得た。更に母液を減圧濃縮し、
600mlのアセトン/エタノール(9/1)の混液
を沸とうさせたものに溶解し、その後、室温で15
時間放置して沈殿を折出させた。沈殿を取し、
乾燥して、13.12gのカンフアースルホン酸塩
を得た。得られた塩をそれぞれ先に述べた方法で
再び双イオン体とし、8.91gからは4.4g、13.12
gからは6.32gの双イオン体を得た。これらの旋
光度を測定すると、下記のような値を示した。 8.91g→4.4g:〔α〕24 D=+102.2° (C0.3358、0.1NHCl) 13.12g→6.32g:〔α〕24 D=+99.8° (C0.339、0.1NHCl) 両者を合わせて、次の反応に用いた。 実施例 6 (3R,4S,5S)−3−アミノ−4−カルボキシ
−5−ヒドロキシヘキサン酸−1,5−ラクトン
の製造 実施例5の方法で得られた(3R,4S,5S)−3
−ベンジルアミノ−4−カルボキシ−5−ヒドロ
キシヘキサン酸−1,5−ラクトン 10.72gを250mlの酢酸に溶解し、41mlの塩化水
素/酢酸溶液(0.1N)を加え、続いて1gの酸
化白金を加えた。この混合物を5気圧の水素ガス
加圧下40℃で接触還元し、反応終了後触媒を別
し、減圧濃縮して油状の目的物を得た。 本化合物はそのまますぐに次の反応に用いた。 実施例 7 (3R,4S,5S)−3−アミノ−4−カルボキシ
−5−ヒドロキシヘキサン酸メチルエステルの製
実施例6の方法で得られた(3R,4S,5S)−3
−アミノ−4−カルボキシ−5−ヒドロキシヘキ
サン酸−1,5−ラクトンを250mlのメタノー
ルに溶解し、15時間加熱還流した。減圧濃縮後残
査を20mlの水に溶解し飽和の炭酸水素カリウム水
溶液でPHを6.3に調整した。生成した沈殿を取
後、乾燥し7.7g(92%)の表題化合物を得た。 本化合物の理化学的性状を以下に示す。 〔α〕20 D=+25.5°(C0.1、H2O) 実施例 8 (3S,4R)−3−〔(S)−1−ヒドロキシエチ
ル〕−2−オキソ−4−アゼチジン酢酸エチルエ
ステルの製造 実施例7の方法で得られた(3R,4S,5S)−3
−アミノ−4−カルボキシ−5−ヒドロキシヘキ
サン酸メチルエステル 820g(4モル)と
1370g(4.12モル)の2,2′−ベンズチアゾリル
ジスルフイドを10のアセトニトリル中に懸濁さ
せ、1150g(4.38モル)のトリフエニルホスフイ
ンを2.5のジクロルメタンに溶解したものを室
温攪拌下3時間かけて加えた。滴下後2時間室温
で攪拌を行なつた後、減圧濃縮し、その残査に3
のメタノールを加え、30分間攪拌した。不溶物
を別し、メタノールで洗い、液と洗浄液とを
合わせ、これを10の水の中に攪拌しながら注い
だ。沈殿物を別し、水洗後、液と洗浄液とを
合わせ、若干濃縮してメタノールを除去した。得
られた水溶液を活性炭を用いて脱色し、活性炭除
去後、濃縮乾固し、残査をジクロルメタンに溶解
し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。硫
酸マグネシウム別後、濃縮乾固し、得られた結
晶状の残査を取し、シクロヘキサンで洗浄後乾
燥して611.5g(収率81%)の表題化合物を得
た。 本化合物の理化学的性状を以下に示す。 融点:57−59℃ 〔α〕20 D=+56.9°(C1.0、MeOH) 元素分析値 %C %H %N C8H13NO4 calcd 51.02 6.97 7.45 (分子量:187.19) found 51.32 7.00 7.48 実施例 9 (3R,4R)−3−〔(R)−1−フルオロエチ
ル〕−2−オキソ−4−アゼチジン酢酸エチルエ
ステルの製造 80ml(0.655モル)のDAST(ジメチルアミノサ
ルフアートリフルオライド)と75mlの乾燥ピリジ
ンを1000mlの乾燥ジクロルメタンに溶解し−78℃
に冷却した溶液にアルゴンガス雰囲気下攪拌しな
がら、実施例8の方法で得た(3S,4R)−3−
〔(S)−1−ヒドロキシエチル〕−2−オキソ−4
−アゼチジン酢酸エチルエステル100g(0.53
モル)を700mlのジクロルメタンに溶解し、−78℃
に冷却した溶液を加えた。−78℃で20分間攪拌を
行なつた後、冷却をはずし、そのままゆつくりと
約10℃まで温度を上げた。2.5時間後反応液を
1200mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、
分液後有機層をさらに500mlの飽和食塩水で洗浄
し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネ
シウム別後、減圧濃縮し、残査をトルエンに溶
かし減圧濃縮する操作を3回行ない残留ピリジン
を留去した。得られた暗かつ色油状物をシリカゲ
ルカラム(φ〜10cm×20cm、0.6Kg;70〜230メツ
シユ、Merck)にチヤージし、ジクロルメタ
ン/エーテル(10/6)の溶媒系で溶出した。目
的化合物を含有する区分を集めて濃縮乾固し、表
題のフルオロアゼチジノン体を得た。その収量
及び純度は以下の通りであつた。 フラクシヨン:21g(純度約75%、 NMR分析より) フラクシヨン:34g(純度約95%、 NMR分析より) 分析用サンプルは上記サンプルを酢酸エチル/
シクロヘキサン混合溶媒により再結晶することに
より得た。 本化合物の理化学的性状を以下に示す。 融点:43−48℃ 〔α〕20 D=+33.7°(C1.0、CH3OH) 元素分析値 %C %H %N C8H12FNO3 calcd 50.78 6.39 7.40 (分子量:189.19) found 50.46 6.45 7.31 実施例 10 (3R,4R)−3−〔(R)−1−フルオロエチ
ル〕−2−オキソ−4−アゼチジン酢酸の製造 実施例9の方法で得られた(3R,4R)−3−
〔(R)−1−フルオロエチル〕−2−オキソ−4−
アゼチジン酢酸エチルエステル 33g(0.175
モル)を90mlの水に溶解し、これに1N水酸化ナ
トリウム水溶液185mlを攪拌下、一度に加えた。
そのまま室温で30分間攪拌させた後、エーテルで
1回洗浄し、続いて1N塩酸185mlで中和した。こ
の水溶液を食塩で飽和させ、酢酸エチル(500ml
×3回)で抽出した。抽出液を合わせ、飽和食塩
水200mlで1回洗浄した後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。硫酸マグネシウム別後、酢酸エ
チル溶液を1/3程度に減圧濃縮し、これに200mlの
トルエンを加え、再び濃縮乾固して白色固体を得
た。この固体をペンタン/酢酸エチル(20/1)
の混合溶媒中で摩砕した後、取し、乾燥して、
28g(収率91%9の表題化合物をほぼ純品とし
て得た。 本化合物の理化学的性状を以下に示す。 融点:128−135℃ 〔α〕20 D=+30.5°(C1.0、CH3OH) 元素分析値 %C %H %N C7H10FNO3 calcd 48.00 5.75 8.00 (分子量:175.118) found 48.06 5.80 7.78 IR(KBr):3317,2983,2923,2577,1720cm-1 NMR(CDC13/CO3OD):1.45(dd,3,J=
23.5,6.5Hz);2.62(dd,1,J=16,9Hz);
2.80(dd,1,J=16,4.5Hz);3.01(ddd,1,
J=21,6.5,2.5Hz);4.00(ddd,1,J=9,
4.5,25Hz);4.98(dq,1,J=49.5,6.5Hz)。 実施例 11 4−〔(3R,4R)−3−〔(R)−1−フルオロエ
チル〕−2−オキソアゼチジン−4−イル〕−3−
オキソ酪酸p−ニトロベンジルエステル10の製造 16.7g(0.146モル)のマグネシウムエトキサ
イドと46g(0.178モル)のマロン酸モノp−ニ
トロベンジルエステルを1の丸底フラスコに入
れ、アルゴンガス雰囲気下−20℃に冷却しながら
200mlの乾燥テトラヒドロフランを加え、生じた
懸濁液を室温で3時間攪拌した(反応液())。 別のフラスコで実施例10の方法で得られた
(3R,4R)−3−〔(R)−1−フルオロエチル〕−
2−オキソ−アゼチジン酢酸 17g(0.097モ
ル)を140mlの乾燥テトラヒドロフランに溶解し、
−30℃に冷却し、アルゴンガス雰囲気下23.5g
(0.145モル)の1,1−カルボニルジイミダゾー
ルを100mlの乾燥テトラヒドロフランに懸濁させ
たものを激しく攪拌しながら加えた。更に60mlの
乾燥テトラヒドロフランで容器に残つた1,1−
カルボニルジイミダゾールを洗い、同様に加え
た。生じた懸濁液を室温で3時間攪拌し、均一溶
液とした(反応液())。この際、反応液()
中で安定なアシル−イミダゾール中間体が結晶と
して折出する場合があるが、その場合は取し、
固体の形で使用する。 反応液()を−30℃に冷却し、攪拌下、反応
液()を加え、その後室温で16時間反応させ
た。反応液をジエチルエーテルで希釈し、0.1N
塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、飽和食塩水
で各1回づつ洗浄し、有機層を硫酸マグネシウム
で乾燥後、濃縮乾固し、白色固体を得た。この固
体をジクロルメタン/ジイソプロピルエーテルの
混液中で摩砕し、その後、取し乾燥して18.2g
(収率53%)の表題化合物10を得た。また液を
濃縮乾固し、その残査約14gをシリカゲルカラム
(〜200g;70〜240Mesh,Merck;φ4×20cm)
に吸着させ、ジクロルメタン、ジクロルメタン/
ジエチルエーテル(10/6)で順次溶出し、目的
の表題化合物10を5.8g(収率15%)得た。 分析用サンプルは上記化合物をジクロルメタ
ン/ジイソプロピルエーテルの混合溶媒を用いて
再結晶することにより得た。 本化合物の理化学的性状を以下に示す。 融点:110−112℃ 〔α〕20 D=+28.6°(C1.0、CH3OH) 元素分析値 %C %H %N C16H17FN2O6 calcd 54.29 4.92 7.77 (分子量:352.32) found 54.02 4.95 7.69 IR(CH2Cl2):3407,2928,1770,1720,1525,
1350cm1 NMR(CDC13):1.47(dd,3,J=18.7Hz);
2.86(dd,1,J=18,5,10Hz);2.94(ddd,
1,J=18,7.2Hz);3.09(dd,1,J=18.5,4
Hz);3.58(s,2);4.00(ddd,1,J=10,4,
2Hz);4.93(dd,1,J=48,7Hz);5.28(s,
2);6.18(br,1);7.52(d,2,J=9Hz);
8.26(d,2,J=9Hz)。 実施例 12 4−〔(3R,4R)−3−〔(R)−1−フルオロエ
チル〕−2−オキソアゼチジン−4−イル〕−2−
ジアゾ−3−オキソ酪酸p−ニトロベンジルエス
テル11の製造 実施例11の方法で得られた4−〔(3R,4R)−
〔(R)−1−フルオロエチル〕−2−オキソアゼチ
ジン−4−イル〕−3−オキソ酪酸p−ニトロベ
ンジルエステル10 8.3g(0.023モル)と4−カ
ルボキシベンゼンスルホニルアジド6.4g(0.028
モル)を200mlのアセトニトリルに懸濁し、氷水
冷却攪拌下、トリエチルアミン13mlを5分間かけ
て滴下した。滴下終了後、5分間そのままの温度
で5分間攪拌した後、室温で30分間反応させた。
生成した沈殿を別し、少量のジエチルエーテ
ル/酢酸エチル(1:1)の混液で洗い、液と
合わせた後、減圧濃縮した。残査を酢酸エチルに
溶解し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、
水で2回、飽和塩化アンモニウム水溶液で1回、
飽和食塩水で1回、それぞれ洗浄し(それぞれの
段階で水層から、酢酸エチルで再抽出を1回行な
つた。)、有機層を合わせて無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。硫酸マグネシウム別後、濃縮乾固
し、残渣約をシクロヘキサン/酢酸エチルの混合
溶液中で摩砕し、固体を取し乾燥することによ
り7.7g(収率89%)の表題化合物11を純品とし
て得た。 本化合物の理化学的性状を以下に示す。 融点:90−92℃ 〔α〕20 D=+42°(C1.0、CH3OH) 元素分析値 %C %H %N C16H15FN4O6 calcd 50.80 4.00 14.81 (分子量:378.32)
found 50.77 4.09 14.41 IR(KBr):3414,3204,2135,1760,1720,
1650,1520cm-1 NMR(CDC13):1.45(dd,3,J=23.5,7
Hz);3.04(ddd,1,J=19,7,2Hz);3.06
(dd,1,J=18,10Hz);3.44(dd,1,J=18,
4Hz);4.04(ddd,1,J=10,4,2Hz);4.98
(dq,1,J=48.7Hz);5.38(s,2);6.17(br,
1);7.58(d,2,J=9Hz);8.31(d,2,J
=9Hz)。 実施例 13 (5R,6R)−3,7−ジオキソ−6−〔(R)−
1−フルオロエチル〕−1−アザビシクロ
〔3.2.0〕ヘプタン−2−カルボン酸p−ニトロベ
ンジルエステル12の製造 2−ジアゾ−4−〔(3R,4R)−3−〔(R)−1
−フルオロエチル〕−2−オキソアゼチジン−4
−イル〕−3−オキソ酪酸p−ニトロベンジルエ
ステル 405mg(1.07mmol)をベンゼン40mlに
溶解後、ロジウム()アセテートタイマー7mg
(触媒量)を加え、脱気後、窒素ガス雰囲気下、
1時間加熱還流させた。反応後、ベンゼン100ml
を加えて希釈した後、飽和食塩水で2回洗浄し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、硫酸
ナトリウム別後、減圧下、濃縮乾固し、表題化
合物375mg(定量的)を得た。 本化合物の理化学的性状を以下に示す。 IRνKBr naxcm-1:1770,1750(shoulder) UVλCHCl3 naxnm(ε):266.5(10200) NMR(CDCl3,TMS): δ(ppm)1.52(3H,dd,J=6.0Hz,24.0Hz,
H3 −CHF−) 2.49(1H,dd,J=8.0Hz,18.0Hz,C4
H) 2.98(1H,dd,J=8.0Hz,18.0Hz,C4−H・
H) 3.35(1H,m,J=2.0Hz,8.0Hz,18.0Hz,C6
−H) 4.20(1H,dt,J=2.0Hz,8.0Hz,C5−H) 4.70〜5.55(1H,m,CHF) 4.80(1H,S,C2−H) 5.26(1H,d,J=14.0Hz,−CH・H−Ar) 5.40(1H,d,J=14.0Hz−CH・H−Ar) 7.50(2H,d,J=9.0Hz,Ar−H) 8.25(2H,d,J=9.0Hz,Ar−H) 〔α〕20 D=+185.7°(C1.0,CHCl3) 実施例 14 (5R,6R)−6−〔(R)−1−フルオロエチ
ル〕−3−〔2R,4S)−2−ヒドロキシメチル−1
−N−p−ニトロベンジルオキシカルボニルピロ
リジン−4−イル〕チオ−7−オキソ−1−アザ
ビシクロ〔3.2.0〕ヘプト−2−エン−2−カル
ボン酸p−ニトロベンジルエステル13の製造 実施例13の方法で得られた(5R,6R)−3,
7−ジオキソ−6−〔(R)−1−フルオロエチル〕
−1−アザビシクロ〔3.2.0〕−2−カルボン酸p
−ニトロベンジルエステル12 375mg
(1.07mmole)を10mlの乾燥DMFに溶解後、−30
℃に冷却し、ジイソプロピルエチルアミン0.280
ml(1.61mmole)を攪拌下加え、続いてジフエニ
ルホスホリルクロリド0.267ml(1.28mmole)を
加えた。同温度で30分間反応させた後、再びジイ
ソプロピルエチルアミン0.0223ml(1.28mmole)
を加え、続いて乾燥DMF1mlに溶解した実施例4
で得た(2R,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−
メルカプト−1−N−p−ニトロベンジルオキシ
カルボニルピロリジン401mg(1.28mmole)を攪
拌下加えた。同温度で30分間反応させた後、0℃
で30分間反応させ、反応終了後、酢酸エチル240
mlで抽出した。0.1Mリン酸緩衝液(PH8.4,100
ml)で洗浄し、続いてPH6.90,PH8.40の同緩衝液
で同様に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥し硫酸ナトリウム別後、減圧下濃縮乾固
し、残渣を50gのシリカゲルを用いたシリカゲル
カラムクロマトグラフイーに付した。ベンゼン:
アセトン=5:1(600ml)、同2:1(200ml)で
溶出し、展開系ベンゼン:アセトン=3:1のシ
リカゲルT.L.C.にてRf=0.22にUV吸収を有する
区分を集めて減圧下濃縮乾固し、498.7mg(72.3
%)の表題化合物を得た。 本化合物の理化学的性状を以下に示す。 IRνCHCl3 naxcm-1:1785(β−ラクタム)、 1700,1770 UVλCHCl3 naxnm(ε):270(21100)、 318(13300) NMR CDCl3,(TMS): δ(ppm)1.50(3H,dd,J=6.0Hz,23.0Hz,
CH3−CHF−) 1.85〜2.40(2H,m,CH−CH2−CH) 3.27(2H,d like,J=9.5Hz,C−4H2) 3.38〜4.25(8H,m,C−6H,CH−CH2
OH,S−CH−CH2−N) 4.28(1H,dt,J=3.0Hz,9.5Hz,C−5H) 4.55〜5.45(1H,m,CHF) 5.21(1H,d,J=13.5Hz,−CH・H−Ar) 5.25(2H,S,−CH2−Ar) 5.52(1H,d,J=13.5Hz,−CH・H−Ar) 7.50(2H,d,J=8.5Hz,Ar−H) 7.67(2H,d,J=8.5Hz,Ar−H) 8.22(4H,d,J=8.5Hz,Ar−H) 〔α〕24 D=+57.9°(C1.0,CHCl3) 実施例 15 (5R,6R)−6−〔(R)−1−フルオロエチ
ル〕−3−〔(2R,4S)−2−ヒドロキシメチルピ
ロリジン−4−イル〕チオ−7−オキソ−1−ア
ザビシクロ〔3.2.0〕ヘプト−2−エン−2−カ
ルボン酸aの製造 実施例14の方法で得られた(5R,6R)−6−
〔(R)−1−フルオロエチル〕−3−〔(2R,4S)−
2−ヒドロキシメチル−1−N−p−ニトロベン
ジルオキシカルボニルピロリジン−4−イル〕チ
オ−7−オキソ−1−アザビシクロ〔3.2.0〕ヘ
プト−2−エン−2−カルボン酸p−ニトロベン
ジルエステル13 456.3mgをジオキサン32ml、テ
トラヒドロフラン32ml、0.1Mリン酸緩衝液(PH
8.40)10mlの混液に溶解し酸化白金450mgを加え
パールの還元装置を用い、水素加圧下(4Kg/
cm2)、室温にて、2,3時間振とうした。反応後、
触媒をセライトを用いて過し、0.01Mリン酸緩
衝液(PH7.0)で洗い、約180mlの溶液とした。こ
の溶液を減圧下(ca1mmHg)約100ml程度ま
で濃縮し有機溶媒を除去、折出してきた不溶物を
別した。得られた液に5gの食塩を加えダイ
ヤイオンHP−20AG−カラム(φ1.5×25cm)に
吸着させ約100mlの水で水洗後、0−50%イソプ
ロパノール水溶液(100ml−100ml)のグラジエン
トで溶出した。300nmにUV吸収を有する区分を
集め凍結乾燥し、97.2mg(41.6%)の表題化合物
を得た。 本化合物の理化学的性状を以下に示す。 IRνKBr naxcm-1:1768(β−ラクタム)、 UVλH2O* naxnm(ε):298.5(10100)、 * 0.01Mリン酸塩緩衝液(PH7.0) NMR (D2O,DSS): δ(ppm)1.42(3H,dd,J=6.0Hz,24.5Hz,
CH3−CHF) 2.05〜2.45(2H,m,CH−CH2−CH) 3.21(2H,d,J=9.0Hz,C−4H2) 3.33〜4.13(7H,m,C−6H,CH−CH2
OH,【式】) 4.26(1H,dt,J=3.0Hz,9.0Hz,C−5H) 4.71〜5.50(1H,m,CHF) 〔α〕24 D=+55.6°(C1.0,H2O) 実施例 16 (5R,6R)−6−〔(R)−1−フルオロエチ
ル〕−3−〔(2R,4S)−1−アセトイミドイル−
2−ヒドロキシメチルピロリジン−4−イル〕チ
オ−7−オキソ−1−アザビシクロ〔3.2.0〕ヘ
プト−2−エン−2−カルボン酸bの製造 実施例15の方法で得られた(5R,6R)−6−
〔(R)−フルオロエチル〕−3−〔(2R,4S)−2−
ヒドロキシメチルピロリジン−4−イル〕チオ−
7−オキソ−1−アザビシクロ〔3.2.0〕ヘプト
−2−エン−2−カルボン酸a 38.3mg
(0.116mmole)15mlの0.1Mリン酸緩衝液(PH
8.40)に溶解し、氷水冷却攪拌下、1N水酸化ナ
トリウム水溶液を用いてPHを8.5〜9.0に保ちなが
らエチルアセトイミデート塩酸塩71.6mg
(0.580mmole)を徐々に加えた。30分後、PHを
8.0に調整し、食塩800mgを加えた後、ダイヤイオ
ンHP−20 AGカラム(φ1.5×16cm)に吸着さ
せ、約50mlの水で水洗した後、0−50%イソプロ
パノール水溶液(100ml−100ml)のグラジエント
で溶出した。300nmにUV吸収を有する区分を集
め凍結乾燥し、31mg(72.1%)の表題化合物を得
た。 本化合物の理化学的性状を以下に示す。 IRνKBr nax:1768(β−ラクタム)、 UVλH2O* nax:298.5(10700)、 *…0.01Mリン酸塩緩衝液(PH7.0) NMR (D2O,DSS): δ(ppm)1.42(3H,dd,J=6.0Hz,24.0Hz,
CH3−CHF) 1.98〜2.53(2H,m,CH−CH2−CH) 1.27及び1.37(1.5Hづつ、s,
【式】) 3.22(2H,d,J=9.0Hz,C−4H2) 3.40〜4.25(7H,m,C−6H,CH−CH2
OH,【式】) 4.27(1H,dt,J=3.0Hz,9.0Hz,C−5H) 4.68〜5.53(1H,m,CHF) 〔α〕24D=+37.5°(C1.0,H2O)
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、本発明の化合物及び対照
としたPS−5のブタ及びイヌのそれぞれの腎臓
由来デヒドロペプチダーゼ(DHP)に対する安
定性試験の結果を示すグラフであり、第1図はブ
タの腎臓由来DHP−に対する安定性を示し、
第2図はイヌの腎臓由来DHP−に対する安定
性を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式 式中、R1は水素原子又は式【式】基を表 わし、ここでR3は水素原子、低級アルキル基又
    はフエニル基を表わし;R2は水素原子又は置換
    もしくは未置換の炭化水素基を表わす、 で示される化合物。 2 R1が水素原子である特許請求の範囲第1項
    記載の化合物。 3 式 で示される化合物である特許請求の範囲第1また
    は2項記載の化合物。
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