JPH047507Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は、食品の加熱や塗装製品の乾燥など
に用いられる遠赤外線加熱乾燥炉に関する。

＜従来の技術＞ 従来から、この種の加熱乾燥炉としては、メツ
シユベルトコンベアなどが内装された角筒状の炉
体の内部上側に、高温ガスが流通して加熱される
扁平箱状の加熱ダクトを設けたうえ、この加熱ダ
クトから放射される輻射熱によつてコンベア上に
載置された処理物の加熱もしくは乾燥を行うもの
が知られていた。

＜考案が解決しようとする課題＞ しかし、上記従来構造の加熱乾燥炉においては
加熱源となる加熱ダクトが炉体の内部上側のみに
設置されていることから、コンベア上の処理物を
その全周から加熱することができなかつた。そし
て、処理物の必要かつ充分な加熱を行うには、コ
ンベアの搬送速度を遅くしたり、炉長を長くする
ことによつて加熱時間を長く設定する必要があ
り、処理能率の向上及び炉の全体構成の小型化を
図ることが難しかつた。

もちろん、コンベアの下側に加熱源を設けるこ
とも考えられるが、このようにした場合には、食
品の汁や余剰塗料などが処理物から高温の加熱源
に対して直接的に滴下して燃焼することがあり、
発生した燃焼ガスが煤煙などによつて処理物が汚
損される恐れがあるため、加熱源を下側に設置す
ることは実用上できなかつた。

本考案は、このような不都合を解消すべく創案
されたものであり、処理物をその全周から均一に
加熱することによつて処理能率の向上及び全体外
形の小型化を容易に図ることができる遠赤外線加
熱乾燥炉の提供を目的としている。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は、このような目的を達成するために、
コンベアが内装された内筒を外筒で外囲し、か
つ、この外筒の長手方向に沿う一端側から導入し
た高温ガスをその他端側へ導出する螺旋状のガス
流路を前記内筒及び外筒間に配設する一方、前記
内筒の上面を前記コンベアの載置面と平行な平坦
面として形成したことを特徴とするものである。

＜作用＞ 上記構成によれば、内外筒間を螺旋状に流れる
高温ガスによつて内筒はその全周において均一に
加熱されることになり、炉内温度のムラが小さく
なる。そこで、コンベア上の処理物は上側のみな
らず、その下側からも加熱されることになる。ま
た、内筒の上面がコンベアの載置面と平行な平坦
面となつているので、コンベア上の処理物はコン
ベアの全幅にわたつて上側から均一に加熱され
る。

特に、このとき、内筒の内面に黒化処理が施さ
れていると、遠赤外線の放射が良好に行われるこ
とになる結果、より一層能率的な加熱が行なわれ
る。さらに、内筒の上面内側にセラミツク板を取
りつければ、遠赤外線が効率よく放射され、効率
の良い加熱乾燥が行われることになる。

＜実施例＞ 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は本考案に係る遠赤外線加熱乾燥炉の全
体斜視図、第２図はその概略縦断面図であり、第
３図はその横断面図である。

この加熱乾燥炉１の炉体は、内筒２とこれを外
囲する外筒３とからなつており、この内筒２には
金属製のメツシユベルトを巻回張設してなるコン
ベア４が内装されている。そして、外筒３は円筒
状に形成されており、その長手方向に沿う一端側
には炉外に設置された燃焼バーナー（図示してい
ない）から供給される高温ガスの入口５が配設さ
れる一方、その他端側には高温ガスの出口６が設
けられている。さらに、内筒２と外筒３との間に
おける環状の空間には、螺旋状に形成された仕切
り板７が配設されており、前記入口５から出口６
に至る螺旋状のガス流路８が構成されている。

一方、内筒２は、内面が黒化処理されたステン
レス鋼板によつて形成されたものであり、外周側
から加熱されると、その内面から遠赤外線が良好
に放射されるようになつている。そして、この内
筒２の上面２ａは、これに内装されたコンベア４
の載置面と平行な平坦面として形成されている。
さらに、この平坦面とされた上面２ａの内側に
は、黒化処理面よりも効率よく遠赤外線を放射す
るセラミツク板９が密着して取りつけられてい
る。なお、このセラミツク板９は、第４図及び第
５図で示すように、縦横に並設された略方形のセ
ラミツク小板９ａの多数をネジ１０などによつて
押さえつけ支持することによつて構成されてい
る。

ところで、内筒２に内装されたコンベア４は、
処理物の種類や大きさなどに応じて全体的に上下
調節したうえで固定支持されるようになつてお
り、内筒２の上面２ａとの離間距離が変更できる
ものである。

＜考案の効果＞ 以上説明したように、本考案によれば、内筒及
び外筒間に螺旋状のガス流路を配設し、このガス
流路を流通する高温ガスによつて内筒の全体を加
熱するので、内筒に内装されたコンベア上に載置
された処理物をその全周から加熱することができ
る。そして、この内筒の上面をコンベアの載置面
と平行な平坦面としているので、処理物をコンベ
アの全幅にわたつて上側から均一に加熱すること
ができ、必要かつ充分な加熱を効率よく行うこと
ができるようになつた。その結果、処理物の高速
搬送による処理能率の向上を図ることができるば
かりか、炉長を短縮して全体外形の小型化が図れ
ることとなつた。

さらに、内筒の上面を平坦面として形成してい
るので、実施例で示したように、その内面に遠赤
外線をより効率よく放射するセラミツク板を取り
つけることが可能となる結果、より一層の処理能
率の向上が図れることになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る遠赤外線加熱乾燥炉の全
体斜視図、第２図はその概略縦断面図、第３図は
その横断正面図であり、第４図はセラミツク板の
取りつけ状態を示す平面図、第５図はその縦断図
である。 図における符号１は遠赤外線加熱乾燥炉、２は
内筒、２ａはその上面、３は外筒、４はコンベ
ア、８はガス流路である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンベアが内装された内筒を外筒で外囲し、か
   つ、この外筒の長手方向に沿う一端側から導入し
   た高温ガスをその他端側へ導出する螺旋状のガス
   流路を前記内筒及び外筒間に配設する一方、前記
   内筒の上面を前記コンベアの載置面と平行な平坦
   面として形成したことを特徴とする遠赤外線加熱
   乾燥炉。