JPH0474856A - 高強度・高延性β型Ti合金材の製法 - Google Patents

高強度・高延性β型Ti合金材の製法

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、微細な金属組織を有し、強度および延性の優
れたβ型Ti合金材を製造する方法に関するものである
[従来の技術] β型Ti合金は、冷間加工が容易であり、且つ溶体化処
理後に時効処理を施してα相を析出させることにより高
強度を示すものとなる、といった特徴を有しているとこ
ろから、自動車用構造材料や航空機の機体用構造材料等
として需要は次第に増大してきている。
現在実用化されているβ型Ti合金としては、たとえば
Ti−13V−11Cr−3AI、Ti−15V−3C
r−3Sn−3AI、Ti−15Mo−5Zr−3A 
I、Ti−3AITi−3AI−8V−6Cr−4等が
挙げられるが、これらのβ型Tf合金は前述の如く熱間
加工後β相温度域まで昇温しで溶体化処理を行ない、そ
の後時効処理によって25%程度のα相を析出させて強
化する方法が採用されている。また高強度化を更に増進
するための手段として、β相温度域で溶体化処理した後
冷間加工を施して結晶内部に転位を尋人し、次いで時効
処理することにより微細なα相を析出させる方法も提案
されている。ところがこの様な方法で十分な強度を得る
には、冷間加工時に90%程度以上の強圧下を加えなけ
ればならず、冷間加工によってその様な圧下率を与える
ことは工業的に非常に困難であり、しかも得られる強圧
下・時効処理材は延性の乏しいものになるという問題が
あった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであフ
て、その目的は、溶体化処理後の強圧下およびそわに伴
なう延性低下の問題を解消し、高強度で且つ高延性のβ
型Ti合余材を得ることのできる方法を確立しようとす
るものである。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決することのできた本発明の構成は、β型
T1合金材に対し、熱間加工、溶体化処理、冷間加工、
時効処理を順次施すに当たり、上記溶体化処理を(α+
β)2指温度域で行ない、少量のα相混入状態で冷間加
工を行なうところに要旨を有するものである。この場合
、溶体化処理前に行なわれる熱間圧延も(α+β)2指
温度域で行なえば、時効処理後のβ型T】合金の結晶組
織は更に微細なものとなり、強度および延性の一段と良
好なものを得ることかできる。
[作用] 前述の如〈従来から実施されているβ型T1合金材の加
工例では、冷間加工に先立って行われる溶体化処理を高
温のβ重相温度域で実施するのが常識とされていた。こ
れは、(α+β)2指温度域で溶体化処理を行うと、初
析α相の存在によって延性が低下し冷間加工が困難にな
ると考えられていたからである。ところが、本発明者ら
が確認したところでは、(α+β)2指温度域で溶体化
処理を行なった材料では、β相温度域溶体化材に比へて
僅かに強度が高く延性が低くなるものの、冷間加工性に
ついてはほとんど差がなく、従来と同様な強加工が可能
なことが分かった。
さらに、本発明者らが研究したところでは、β型Ti合
金を高温のβ相温度域で溶体化処理すると結晶粒が粗大
化し易く、結晶粒を一旦粗大化させると、冷間加工で強
圧下を加えなければ時効処理後に析出α相を均一で微細
なものに分散させることが出来ず、強度および延性を満
足し得る程度まで高めることかできなかった。しかし、
後記実施例で具体的に示す如く、溶体化処理を(α+β
)2指温度域で行って少量の初析α相混入状態で冷間加
工し、次いで時効処理を行うと、ミクロ組織は極めて均
一でかつ微細なものとなり、強度および延性の非常に優
れたものとなることを知った。しかも上記の溶体化処理
に先立って行われる熱間加工についても、(α+β)2
指温度域で実施すると、時効処理後のミクロ組織は一段
と均一かつ微細なものとなり、物性は更に改善されるこ
とをつきとめた。
こうした傾向が得られる理由は次のように考えることが
で包る。即ち溶体化処理をβ相温度域よりも低温の(α
+β)2指温度域で行うと、その後の冷間加工時に、β
相中に少量混在する初析α相との界面にも歪が生じて転
位が結晶全体に均一に導入され、それが析出サイトとな
り、これを時効処理すると、無数に分布して形成された
上記析出サイトからα相の析出が起こり、均一かつ微細
なミクロ組織が得られるものと考えられる。
さらに、上記溶体化処理に先立って行われる熱間加工を
(α+β)2指温度域で行い、かつ溶体化処理も(α+
β)2指温度域で行った場合には、熱間加工工程でも少
量の初析α相が生成し、更に溶体化処理工程でも初析α
相が生成してくるため、これら少量の初析α相が一層均
一に分布した溶体化処理材が得られ、モの後の冷間加工
工程でより均一多数の析出サイトが形成されるとともに
、時効処理によりα相が一段と均一な分散状態で析出し
てくるものと考えられる。また、(α+β)2指温度域
で熱間加工し、かつ溶体化処理を施した材料では結晶の
成長が抑えられて結晶粒(β粒)が非常に小さいため、
これも最終時効材のミクロ組織の均一微細化に好ましい
影響を与えているものと思われる。
いずれにしても本発明によれば、時効処理後のミクロ組
織を非常に微細なものとすることができ、高強度でしか
も高延性のものを得ることができる。
尚本発明を実施する際に採用される溶体化処理条件は、
前述の如くβ型Ti合金の種類に応じて(α+β)2相
温度域の任意の温度に設定されるが、より好ましいのは
βトランザスよりも5〜150℃低温側の温度域である
。また熱間加工時の温度についても同様の温度範囲を採
用するのがよい。また溶体化処理後の冷間加工条件は特
に限定されないが、通常は30〜95%程度、必要な強
度に応じて加工率を増加させる。冷間加工後の時効処理
は言うまでもなく微細なα相を析出させて高強度化を果
たすために行われるものであり、通常は400〜600
℃で10〜1200分程度、より一般的には400〜5
00℃で60〜600分程度の範囲が採用される。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発
明はもとより下記実施例によって限定されるものではな
く、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して
実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
[実施例コ Ti−15V−3Cr−3Sn−3AIおよびTi−1
5Mo−5Zr−3A1よりなるβ型Ti合金を、真空
アーク溶解後鍛造および熱間圧延して得た9、5■φの
線材を供試材として使用し、夫々を第1表に示す条件で
熱間加工(熱間スウェージ)−溶体化処理一冷間伸線一
時効処理を順次行ない、約2111mφの線材を得た。
得られた各β型Ti合金線材の引張強度および絞りを第
1゜2図に示す。尚これらの図には、溶体化処理ののち
圧下率80%で冷間加工し、次いで各合金につき2種類
の温度(図中に示す)で8時間の時効処理を行なったも
のの物性を示しており、比較のため溶体化処理ままの物
性も併記した。
尚第1表および第1.2図における各符号の意味は次の
通りである。
△:β相温度域で熱間加工した後、β相温度域で溶体化
処理したもの(従来例)。
○:β相温度域で熱間加工した後、(α+β)2相温度
域で溶体化処理したもの(本発明例)。
口: (α+β)2相温度域で熱間加工した後、β相温
度域で溶体化処理したもの(比較例)。
◎、(α+β)2相温度域で熱間加工した後、(α+β
)2相温度域で溶体化処理したもの(本発明例)。
第1表および第1.2図からも明らかである様に、溶体
化処理ままの物性を見ると、溶体化処理を(α+β)2
相温度域で行なったもの(○。
◎)の絞りは、β相温度域で溶体化処理を行なったもの
(口、△)に比べて悪く、延性は前者の方が悪い。とこ
ろがこれらを圧下率80%で冷間加工したのち時効処理
したものの絞りを比較すると、上記の傾向は逆転し、溶
体化処理を(α+β)2相温度域で行なったもの(0,
0)の方が明らかに高い絞り率を示しており、高延性を
示すことが分かる。尚、引張強度については両者の間に
殆んど差は認められない。
特に第1図の結果を見ると、Ti−15V−3Cr−3
Sn−3AI合金を使用し、溶体化処理を(α+β)2
相温度域で行なったものは、その後の冷間加工および時
効処理でα相を析出させた場合でも延性は殆んど低下せ
ず、高強度で高延性を示すものになることが分かる。ま
た第2図のT i−15Mo−5Zr−3AI合金を用
いた実験例では、溶体化処理をβ相温度域あるいは(α
+β)2相温度域のどちらで行なった場合でも、冷間加
工および時効処理後の絞りはかなり低下するが、その低
下傾向は(α+β)2相温度域で溶体化処理を行なった
もの(0,0)の方が緩やかであり、冷間加工および時
効処理後の絞り(%)はβ相温度域で溶体化処理を行な
ったものより高い値を示している。
また第3.4.5図は、Ti−15Mo−5Zr−3A
Iを従来法および本発明法により処理して得た金属組織
を示す図面代用写真であり、夫々下記の条件で処理した
ものである。
第3図(従来例):熱間圧延線材(9,5mmφ)→熱
間スウェージ(75%−850℃・β相温度域)−溶体
化処理(835℃×15分:β相温度域)−冷間伸線(
80%)−時効処理(500℃×8時間) 第4図(本発明例1)・熱間圧延線材(9,5mmφ)
→熱間スウェージ(75%−850℃:β相温度域)−
溶体化処理(735℃×1時間: (α+β)2相温度
域)−冷間伸線(80%)−時効処理(500℃×8時
間) 第5図(本発明例2):熱間圧延線材(9,5mmφ)
→熱間スウエージ(75%−700℃:(α+β)2相
温度域)−溶体化処理 (735℃×1時間: (α+β)2相温度域)−冷間
伸線(80%)−時効処理 (500℃×8時間) iS3〜5図からも明らかである様に、溶体化処理をβ
相温度域で行なった従来例(第3図)では結晶粒が粗大
であるが、溶体化処理を(α+β)2相温度域で行なっ
た本発明例1(第4図)では結晶粒が著しく微細化して
おり、更に熱間スウェージと溶体化処理をいずれも(α
+β)2相温度域で行なった本発明例2(第5図)では
、結晶粒は一段と微細になると共に組織が極めて均質に
なっていることが分かる。
この様に本発明によれは時効処理後の結晶粒を著しく微
細化し得ると共に組織を均質化することができ、それに
より高強度化と高延性化が達成されたものと考えられる
[発明の効果コ 本発明は以上の様に構成されており、溶体化処理を(α
+β)2相温度域で行ない、あるいは溶体化処理とその
前の熱間加工を共に(α+β)2相温度域で実施するこ
とにより、その後冷間加工および時効処理を行なった後
の結晶粒を著しく微細化すると共に組織を均質化するこ
とができ、高強度で高延性のβ型Ti合金材を提供し得
ることになった。
【図面の簡単な説明】
第1.2図は実施例で得たβ型Ti合金材の引張強さと
絞りを示すグラフ、第3〜5図は従来例および本発明例
で得たβ型Ti合金材の金属組織を示す図面代用写真で
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)β型Ti合金材に対し、熱間加工、溶体化処理、
    冷間加工、時効処理を順次施すに当たり、上記溶体化処
    理を(α+β)2相温度域で行ない、少量のα相混入状
    態で冷間加工を行なうことを特徴とする高強度・高延性
    β型Ti合金材の製法。
  2. (2)熱間加工を(α+β)2相温度域で行なう請求項
    (1)記載の製法。
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