JPS634912B2 - - Google Patents
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- JPS634912B2 JPS634912B2 JP4384485A JP4384485A JPS634912B2 JP S634912 B2 JPS634912 B2 JP S634912B2 JP 4384485 A JP4384485 A JP 4384485A JP 4384485 A JP4384485 A JP 4384485A JP S634912 B2 JPS634912 B2 JP S634912B2
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- titanium alloy
- type titanium
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Landscapes
- Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)
- Forging (AREA)
Description
発明の目的
この出願の発明は機械的強度に優れ、しかも延
性に富むβ型チタン合金材の製造方法に関する。 従来技術及び問題点 チタン及びチタン合金はその優れた比強度・耐
食性及び耐熱性を保有しているために、宇宙航空
機材料、各種化学プラント、海水淡水化装置等の
広範囲な用途に利用されている。 チタン合金の中ではα+β型チタン合金である
Ti−6Al−4V合金がよく知られているが、この
α+β型チタン合金は一般に加工性が悪く、最終
製品に到るまでに多くの煩雑な工程を要するとい
つた欠点があつた。 これに対し、β域からの急冷によつて常温でも
β単一相となるβ型チタン合金は加工性に優れ、
また、時効硬化性をもつという点で優れていると
いわれているが、その製造工程が充分に解明され
ているわけではない。 そしてまた、実際の製造に際しては、上記のよ
うな特性を充分に引出すことは難しいとされてい
た。 発明の構成 この出願の発明は、この点に鑑みてなされたも
ので、β型チタン合金鋳造インゴツトをβ変態点
+100℃以上の温度に加熱し、引続き上記温度範
囲で10%以上の加工率の鍛造又は分塊圧延を行
い、次にβ変態点+100℃〜β変態点−150℃の温
度域に加熱し、引続き上記温度範囲において少く
とも2heat以上で全加工率30%以上の鍛造又は分
塊圧延を行うことによるインゴツトブレイクダウ
ンを行うことを特徴とするβ型チタン合金材の製
造方法及びβ型チタン合金鋳造インゴツトを、β
変態点+100℃以上の温度に加熱し、引続き上記
温度範囲で、10%以上の加工率の鍛造又は、分塊
圧延を行い、次にβ変態点+100℃〜β変態点−
150℃の温度域に加熱し引続き上記温度範囲にお
いて少くとも2heat以上で全加工率30%以上の鍛
造又は分塊圧延を行うことによるインゴツトブレ
イクダウンを行つた後、β変態点−250℃〜β変
態点で熱間圧延等を行うことを特徴とするβ型チ
タン合金材の製造方法を提供するものである。 上記のβ型チタン合金は厳密に言えば準安定β
型合金であり、このような準安定β型チタン合金
として、Ti−15V−3Cr−3Sn−3Al合金、Ti−
13V−11Cr−3Al合金、Ti−11.5Mo−6Zr−
4.5Sn合金、Ti−8Mo−8V−2Fe−3Al合金など
があるが、本発明はこのような合金を含むβ型チ
タン合金に適用される。 発明の具体的説明 一般に溶解、鋳造されたインゴツトは、その鋳
造組織を破壊するとともに、その後の工程に適し
た中間素材をつくるためにインゴツトブレイクダ
ウンが行なわれるが、本発明のβ型チタン合金材
の製造に際して、まずβ型チタン合金鋳造インゴ
ツトをβ変態点+100℃以上の温度に加熱し、引
続き上記温度範囲で10%以上の加工率の鍛造又は
分塊圧延することに特徴を有している。 この工程においてインゴツトの鋳造組織が破壊
されるが、拡散速度が速くかつ加工性の良好な高
温領域が望ましい。加工率が10%未満であると鋳
造組織を破壊する前記の目的が達成されない。ま
た温度がβ変態点+100℃未満であると割れなど
が生じ易く危険である。 より好ましくはβ変態点+200℃〜β変態点+
300℃で、30%以上の加工率を与えて鍛造又は圧
延を行うとより良好な結果が得られる。 以上の工程のみでは材料のβ粒径が粗大化して
いるために、延性に劣る。 次に本発明は、β変態点+100℃〜β変態点−
150℃の温度域に加熱し、引続き上記温度範囲に
おいて少くとも2heat以上で全加工率30%以上の
鍛造又は分塊圧延を行うことにさらに特徴を有し
ている。 これによつてβ粒が細かくなり、延性が著しく
向上する。上記においてβ−150℃未満の温度で
は変形抵抗が高く、表面割れを生ずるため不適で
ある。またβ変態点+100℃を超える温度ではβ
粒の粗大化の傾向があるため延性向上の効果は期
待できない。 さらにこの工程においては少くとも2回以上繰
り返し全加工率30%以上の加工を行うことが必要
である。 繰り返し加工回数を少くとも2回以上と規定し
たのは加工回数が1回ではいかに加工率を増大さ
せても粗大な未再結晶β粒を含む混粒組織とな
り、このため最終製品(ST材)までこのこんせ
きが残存し、最終製品(ST材)の延性が低下す
ることとなる。繰り返し加工回数(加工−加熱回
数)の増大と共にβ粒の再結晶をとおしてβ粒の
均一微細化がはかられることとなり、この結果、
最終製品(ST材)の延性の向上をはかられるこ
ととなる。また全加工率で30%以上と規定したの
は全加工率が30%未満ではいかに繰り返し加工回
数を制御してもβ粒の再結晶が不十分であり、粗
大な未再結晶β粒を含む混粒組織となり、この結
果、最終製品(ST材)の延性も低下することと
なる。 以上の工程によつてインゴツトブレイクダウン
を終了するわけであるが、本方法によつて得られ
たβ型チタン合金材は極めて優れた延性を有する
ため、次工程における加工が容易であり、熱間圧
延、温間圧延、仕上鍛造、押出し、冷間圧延材な
どの中間素材として適用される。 本発明は、以上のインゴツトブレイクダウンを
終了した材料をさらにβ変態点−250℃〜β変態
点の温度域に加熱後熱間圧延等の加工を行うこと
によつて、一層優れた延性と強度を付与すること
ができる。 上限温度をβ変態点の温度と規定したのはβ変
態点温度を越える温度への加熱ではβ粒の再結
晶、粒成長を生じ圧延等の加工による加工歪の導
入の効果が失われることとなり、最終製品
(STA材)の強度の低下をまねくこととなるから
である。また下限温度をβ−250℃と限定したの
は、β−250℃未満の温度では加熱中にα相の析
出が著しく、ひきつづく加工の変形抵抗の増大と
加工性の低下をまねき、加工が不可能となるため
である。 この熱間圧延等の加工は、β変態点−250℃〜
β変態点の温度域で、加工率5%以上の圧延等の
加工を行い、その後β変態点−250℃〜β変態点
に加熱保持し、前記圧延等の加工と加熱保持を数
次繰り返して行い、通常2〜20回程度繰り返す。
この加熱と圧延等の加工のくり返しは、特に5回
〜15回で優れた上記の特性が得られる。 前記熱間圧延等の加工後のβ変態点−250℃〜
β変態点の加熱によつて、α相などが析出する。
この析出は前工程における加工歪のため短時間側
へシフトし析出が良好に行なわれる。また前記圧
延等の加工でたくわえられた歪すなわち転位は析
出サイトとなりうるため、析出が粒界へ集中する
ことがないので、材料の延性が失われることはな
い。前記熱間圧延特の加工に際して、加工中に若
干のα相などの析出が認められることがあるが、
これは本発明の効果をなんら妨げるものではな
い。 前記熱間圧延加工に加えて、熱間における鍛
造、押出し絞りなどの加工を行つても同様の効果
が得られ、本発明においては、これらの加工を全
て包含するものである。 本発明の効果 本発明は単にβ変態点以上の高温のみでインゴ
ツトブレイクダウンを行う従来の方法に比べ、極
めて延性に優れたチタン合金材を提供できるもの
である。 また本発明のインゴツトブレイクダウン後、前
記に示す温度域で熱間圧延を行うことにより、優
れた延性を維持しかつ強度を付与することができ
る著しい効果を有するものである。 次に実施例について説明する。 実施例 Ti−15V−3Cr−3Sn−3Al合金に適用した場合
のインゴツトブレイクダウン条件及び熱間圧延条
件並びにこれらによつて生ずる特性を第1表及び
第2表に示す。また同表には本発明の条件と異な
る比較例も同時に示す。 なお前記チタン合金のβ変態点は760℃であり、
710φのインゴツトを用いインゴツトブレイクダ
ウンは鍛造でおこなつた。 第1表は種々のインゴツトブレイクダウン条件
を経た材料を、溶体化(ST)状態788℃×
20minACの引張り特性と表面割れ状態で評価し
たものである。引張り試片は2mmtのJIS13号B試
片を用いた。また表面割れ状態は表面積100cm2に
おける深さ0.5mm以上の表面割れの合計長さによ
つて評価した。 また表中の工程、工程は工程を行つた後
に工程を行つている。以上第1表の本発明の実
施例1〜4から明らかなように、工程におい
て、10%以上の加工率を与えることにより、比較
例に比べ著しい延性が得られることがわかる。ま
た加工率が次第に増していくと伸びの値はさらに
向上する。 実施例3、5〜8では工程のヒート回数及び
全加工率において異つているが、ヒート回数が5
回以上になると伸びの値がさらに向上しているこ
とがわかる。このヒート回数は、2回以上であれ
ば比較例に比べて優れた延性が得られていること
がわかる。 また実施例3、10、11では工程の加工温度域
を異ならしめた例を示しているが、いずれも比較
例に比べて優れた延性を示している。この中で加
熱温度800℃において最も優れていることがわか
る。 比較例12〜17は、いずれも本発明を満していな
い条件において行なわれたものであるが、延性
(伸びの値)及び表面割れ等の面で劣つている。 第2表は本発明によるインゴツトブレイクダウ
ン後、さらに本発明の熱間圧延を行つた材料を評
価したもの、及び本発明と異なる実施条件の比較
例を示したものである。評価方法は第1表と同じ
であるが、熱処理は溶体化時効処理(STA)788
℃×20minAC+510℃×8hrACを行つている。 この第2表から明らかなように、本発明を満す
ものは強度、延性、表面状態のすべての点で良好
であるが、比較例ではこれらの点で本発明に比べ
劣つている。
性に富むβ型チタン合金材の製造方法に関する。 従来技術及び問題点 チタン及びチタン合金はその優れた比強度・耐
食性及び耐熱性を保有しているために、宇宙航空
機材料、各種化学プラント、海水淡水化装置等の
広範囲な用途に利用されている。 チタン合金の中ではα+β型チタン合金である
Ti−6Al−4V合金がよく知られているが、この
α+β型チタン合金は一般に加工性が悪く、最終
製品に到るまでに多くの煩雑な工程を要するとい
つた欠点があつた。 これに対し、β域からの急冷によつて常温でも
β単一相となるβ型チタン合金は加工性に優れ、
また、時効硬化性をもつという点で優れていると
いわれているが、その製造工程が充分に解明され
ているわけではない。 そしてまた、実際の製造に際しては、上記のよ
うな特性を充分に引出すことは難しいとされてい
た。 発明の構成 この出願の発明は、この点に鑑みてなされたも
ので、β型チタン合金鋳造インゴツトをβ変態点
+100℃以上の温度に加熱し、引続き上記温度範
囲で10%以上の加工率の鍛造又は分塊圧延を行
い、次にβ変態点+100℃〜β変態点−150℃の温
度域に加熱し、引続き上記温度範囲において少く
とも2heat以上で全加工率30%以上の鍛造又は分
塊圧延を行うことによるインゴツトブレイクダウ
ンを行うことを特徴とするβ型チタン合金材の製
造方法及びβ型チタン合金鋳造インゴツトを、β
変態点+100℃以上の温度に加熱し、引続き上記
温度範囲で、10%以上の加工率の鍛造又は、分塊
圧延を行い、次にβ変態点+100℃〜β変態点−
150℃の温度域に加熱し引続き上記温度範囲にお
いて少くとも2heat以上で全加工率30%以上の鍛
造又は分塊圧延を行うことによるインゴツトブレ
イクダウンを行つた後、β変態点−250℃〜β変
態点で熱間圧延等を行うことを特徴とするβ型チ
タン合金材の製造方法を提供するものである。 上記のβ型チタン合金は厳密に言えば準安定β
型合金であり、このような準安定β型チタン合金
として、Ti−15V−3Cr−3Sn−3Al合金、Ti−
13V−11Cr−3Al合金、Ti−11.5Mo−6Zr−
4.5Sn合金、Ti−8Mo−8V−2Fe−3Al合金など
があるが、本発明はこのような合金を含むβ型チ
タン合金に適用される。 発明の具体的説明 一般に溶解、鋳造されたインゴツトは、その鋳
造組織を破壊するとともに、その後の工程に適し
た中間素材をつくるためにインゴツトブレイクダ
ウンが行なわれるが、本発明のβ型チタン合金材
の製造に際して、まずβ型チタン合金鋳造インゴ
ツトをβ変態点+100℃以上の温度に加熱し、引
続き上記温度範囲で10%以上の加工率の鍛造又は
分塊圧延することに特徴を有している。 この工程においてインゴツトの鋳造組織が破壊
されるが、拡散速度が速くかつ加工性の良好な高
温領域が望ましい。加工率が10%未満であると鋳
造組織を破壊する前記の目的が達成されない。ま
た温度がβ変態点+100℃未満であると割れなど
が生じ易く危険である。 より好ましくはβ変態点+200℃〜β変態点+
300℃で、30%以上の加工率を与えて鍛造又は圧
延を行うとより良好な結果が得られる。 以上の工程のみでは材料のβ粒径が粗大化して
いるために、延性に劣る。 次に本発明は、β変態点+100℃〜β変態点−
150℃の温度域に加熱し、引続き上記温度範囲に
おいて少くとも2heat以上で全加工率30%以上の
鍛造又は分塊圧延を行うことにさらに特徴を有し
ている。 これによつてβ粒が細かくなり、延性が著しく
向上する。上記においてβ−150℃未満の温度で
は変形抵抗が高く、表面割れを生ずるため不適で
ある。またβ変態点+100℃を超える温度ではβ
粒の粗大化の傾向があるため延性向上の効果は期
待できない。 さらにこの工程においては少くとも2回以上繰
り返し全加工率30%以上の加工を行うことが必要
である。 繰り返し加工回数を少くとも2回以上と規定し
たのは加工回数が1回ではいかに加工率を増大さ
せても粗大な未再結晶β粒を含む混粒組織とな
り、このため最終製品(ST材)までこのこんせ
きが残存し、最終製品(ST材)の延性が低下す
ることとなる。繰り返し加工回数(加工−加熱回
数)の増大と共にβ粒の再結晶をとおしてβ粒の
均一微細化がはかられることとなり、この結果、
最終製品(ST材)の延性の向上をはかられるこ
ととなる。また全加工率で30%以上と規定したの
は全加工率が30%未満ではいかに繰り返し加工回
数を制御してもβ粒の再結晶が不十分であり、粗
大な未再結晶β粒を含む混粒組織となり、この結
果、最終製品(ST材)の延性も低下することと
なる。 以上の工程によつてインゴツトブレイクダウン
を終了するわけであるが、本方法によつて得られ
たβ型チタン合金材は極めて優れた延性を有する
ため、次工程における加工が容易であり、熱間圧
延、温間圧延、仕上鍛造、押出し、冷間圧延材な
どの中間素材として適用される。 本発明は、以上のインゴツトブレイクダウンを
終了した材料をさらにβ変態点−250℃〜β変態
点の温度域に加熱後熱間圧延等の加工を行うこと
によつて、一層優れた延性と強度を付与すること
ができる。 上限温度をβ変態点の温度と規定したのはβ変
態点温度を越える温度への加熱ではβ粒の再結
晶、粒成長を生じ圧延等の加工による加工歪の導
入の効果が失われることとなり、最終製品
(STA材)の強度の低下をまねくこととなるから
である。また下限温度をβ−250℃と限定したの
は、β−250℃未満の温度では加熱中にα相の析
出が著しく、ひきつづく加工の変形抵抗の増大と
加工性の低下をまねき、加工が不可能となるため
である。 この熱間圧延等の加工は、β変態点−250℃〜
β変態点の温度域で、加工率5%以上の圧延等の
加工を行い、その後β変態点−250℃〜β変態点
に加熱保持し、前記圧延等の加工と加熱保持を数
次繰り返して行い、通常2〜20回程度繰り返す。
この加熱と圧延等の加工のくり返しは、特に5回
〜15回で優れた上記の特性が得られる。 前記熱間圧延等の加工後のβ変態点−250℃〜
β変態点の加熱によつて、α相などが析出する。
この析出は前工程における加工歪のため短時間側
へシフトし析出が良好に行なわれる。また前記圧
延等の加工でたくわえられた歪すなわち転位は析
出サイトとなりうるため、析出が粒界へ集中する
ことがないので、材料の延性が失われることはな
い。前記熱間圧延特の加工に際して、加工中に若
干のα相などの析出が認められることがあるが、
これは本発明の効果をなんら妨げるものではな
い。 前記熱間圧延加工に加えて、熱間における鍛
造、押出し絞りなどの加工を行つても同様の効果
が得られ、本発明においては、これらの加工を全
て包含するものである。 本発明の効果 本発明は単にβ変態点以上の高温のみでインゴ
ツトブレイクダウンを行う従来の方法に比べ、極
めて延性に優れたチタン合金材を提供できるもの
である。 また本発明のインゴツトブレイクダウン後、前
記に示す温度域で熱間圧延を行うことにより、優
れた延性を維持しかつ強度を付与することができ
る著しい効果を有するものである。 次に実施例について説明する。 実施例 Ti−15V−3Cr−3Sn−3Al合金に適用した場合
のインゴツトブレイクダウン条件及び熱間圧延条
件並びにこれらによつて生ずる特性を第1表及び
第2表に示す。また同表には本発明の条件と異な
る比較例も同時に示す。 なお前記チタン合金のβ変態点は760℃であり、
710φのインゴツトを用いインゴツトブレイクダ
ウンは鍛造でおこなつた。 第1表は種々のインゴツトブレイクダウン条件
を経た材料を、溶体化(ST)状態788℃×
20minACの引張り特性と表面割れ状態で評価し
たものである。引張り試片は2mmtのJIS13号B試
片を用いた。また表面割れ状態は表面積100cm2に
おける深さ0.5mm以上の表面割れの合計長さによ
つて評価した。 また表中の工程、工程は工程を行つた後
に工程を行つている。以上第1表の本発明の実
施例1〜4から明らかなように、工程におい
て、10%以上の加工率を与えることにより、比較
例に比べ著しい延性が得られることがわかる。ま
た加工率が次第に増していくと伸びの値はさらに
向上する。 実施例3、5〜8では工程のヒート回数及び
全加工率において異つているが、ヒート回数が5
回以上になると伸びの値がさらに向上しているこ
とがわかる。このヒート回数は、2回以上であれ
ば比較例に比べて優れた延性が得られていること
がわかる。 また実施例3、10、11では工程の加工温度域
を異ならしめた例を示しているが、いずれも比較
例に比べて優れた延性を示している。この中で加
熱温度800℃において最も優れていることがわか
る。 比較例12〜17は、いずれも本発明を満していな
い条件において行なわれたものであるが、延性
(伸びの値)及び表面割れ等の面で劣つている。 第2表は本発明によるインゴツトブレイクダウ
ン後、さらに本発明の熱間圧延を行つた材料を評
価したもの、及び本発明と異なる実施条件の比較
例を示したものである。評価方法は第1表と同じ
であるが、熱処理は溶体化時効処理(STA)788
℃×20minAC+510℃×8hrACを行つている。 この第2表から明らかなように、本発明を満す
ものは強度、延性、表面状態のすべての点で良好
であるが、比較例ではこれらの点で本発明に比べ
劣つている。
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 β型チタン合金鋳造インゴツトをβ変態点+
100℃以上の温度に加熱し、引続き上記温度範囲
で10%以上の加工率の鍛造又は分塊圧延を行い、
次にβ変態点+100℃〜β変態点−150℃の温度域
に加熱し、引続き上記温度範囲において少くとも
2heat以上で全加工率30%以上の鍛造又は分塊圧
延を行うことによるインゴツトブレイクダウンを
行うことを特徴とするβ型チタン合金材の製造方
法。 2 β型チタン合金鋳造インゴツトをβ変態点+
100℃以上の温度に加熱し、引続き上記温度範囲
で、10%以上の加工率の鍛造又は、分塊圧延を行
い、次にβ変態点+100℃〜β変態点−150℃の温
度域に加熱し引続き上記温度範囲において少くと
も2heat以上で全加工率30%以上の鍛造又は分塊
圧延を行うことによるインゴツトブレイクダウン
を行つた後、β変態点−250℃〜β変態点で熱間
圧延等の加工を行うことを特徴とするβ型チタン
合金材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4384485A JPS61204359A (ja) | 1985-03-07 | 1985-03-07 | β型チタン合金材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4384485A JPS61204359A (ja) | 1985-03-07 | 1985-03-07 | β型チタン合金材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61204359A JPS61204359A (ja) | 1986-09-10 |
JPS634912B2 true JPS634912B2 (ja) | 1988-02-01 |
Family
ID=12675040
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4384485A Granted JPS61204359A (ja) | 1985-03-07 | 1985-03-07 | β型チタン合金材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPS61204359A (ja) |
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-
1985
- 1985-03-07 JP JP4384485A patent/JPS61204359A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS61204359A (ja) | 1986-09-10 |
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