JPH0474491B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、土木機械、特に掘削機の作業機器の
動作と上部車両の旋回運動を制御するための操縦
装置に関する。

〔従来の技術〕

土木機械例えば液圧掘削機の作動シリンダと作
動モータは操縦者により液圧制御弁を介して操作
される。掘削機は基本的な作業機器を作動させる
ために４〜６個の制御滑り弁を備えている。この
制御滑り弁は作業の過程で一部は順々に操作さ
れ、そして一部は同時に操作される。その際、操
縦者の操縦動作の力は直接制御滑り弁に伝えられ
るかまたはサーボ装置を介して制御滑り弁に伝え
られる。制御滑り弁を操作するために、一般的に
は２本の操縦桿を備えた装置が設けられている。
この各操縦桿は縦横に操作可能であるので、８つ
の操縦機能を有する。この操縦機能は次の通りで
ある。

・ ブームを持ち上げる。

・ ブームを下げる。

・ アームを伸長する。

・ アームを短縮する。

・ 土を掬うためにシヨベルを外側へ回転させ
る。

・ 土の排出のためにシヨベルを内側へ回転させ
る。

・ 上部車両を右側へ旋回させる。

・ 上部車両を左側へ旋回させる。

他の機能が必要な場合には、補助的にペダル操
作部材が使用される。

土木機械においては、操縦動作の方向が作業機
器の作動動作の方向と一致していることが、人間
工学上要求される。この要求は従来の装置では一
部だけしか満たされない。例えば掘削機を操縦す
る際に、縦方向に動くバケツトのための横方向操
作や、二つの動作を同時に行うための操縦桿の斜
めの操作は、操作人の自然の感覚と矛盾するの
で、集中力を必要とし、その結果精神的な負担と
なる。これと同時にあるいはその後に行われる付
加的なペダル操作は既に人間の能力の限界に達し
ている。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の課題は、操縦レバーが人間工学的に最
適に動作する、土木機械特に掘削機の操縦装置を
提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

この課題は、中央で軸承された揺動可能な操縦
スポークが運転席の前方に定置されて設けられ、
操縦スポークがその端部にそれぞれ固有の動きを
することができる傾動レバー備え、この傾動レバ
ーの切欠き内に揺動レバーが設けられ、傾動レバ
ーと揺動レバーの回転軸線が、作業機器の部品の
ヒンジ軸線に対してほぼ平行であり、傾動レバー
と揺動レバーの操縦動作の回転方向が作業機器の
動作の方向と一致していることによつて解決され
る。

この場合、傾動レバーは付加的な操作ボタンを
備えていてもよい。操縦スポークには、その長手
軸線方向に表示パネルを設け、そして更に信号ラ
ンプを取付けることができる。

本発明の操縦装置の利点は、操縦される作業機
器のすべての作業動作と操縦動作とが同方向に行
われることにある。各作業動作には別個の操縦レ
バーが対応させて設けられている。これにより、
繰り返し動作を自動化することができる。座席の
前方に定置された操縦装置は同時に、操縦者の支
持部としての働きをする。

〔実施例〕

図に基づいて本発明の実施例を説明する。

図は、中立位置から両方向に回転可能に軸承さ
れた複数の操縦レバー（操縦スポーク、傾動レバ
ーおよび揺動レバー）を有する、ユニツト構造の
多機能ハンドルを示す。土木機械（例えば掘削
機）の運転室の床に固定されたブラケツト１２に
は水平なホルダー１４が取付けられ、このホルダ
ー１４には操縦スポーク２がその中央において軸
線１３回りに回転可能に軸承されている。操縦ス
ポーク２は、土木機械の運転席１の前方の手が届
く範囲に定置されて姿勢調節可能に設けられてい
る。この操縦スポーク２はその端部に、手で掴む
ことができる傾動レバー３ａ，３ｂを備えてい
る。この傾動レバーは軸６ａ，６ｂの中心軸線６
ｃの回りに回転可能である。傾動レバー３ａ，３
ｂはその切欠き４ａ，４ｂ内に、指で調節可能な
揺動レバー５ａ，５ｂを備えている。この揺動レ
バーはそれぞれ、軸線１１ａ，１１ｂの回りに回
転可能である。

上記の傾動レバー３ａ，３ｂの回転軸線６ｃと
揺動レバー５ａ，５ｂの回転軸線１１ａ，１１ｂ
はそれぞれ、操縦される土木機械の各作業機器、
例えばブーム、アーム、シヨベル等の回転軸線
（取付けヒンジの中心軸線）に対してほぼ平行で
ある。操縦スポーク２の回転軸線１３は、例えば
無限軌道式走行装置に対する上部車両の回転軸線
に対応している。

傾動レバー３ａ，３ｂは更に、操作ボタン７
ａ，７ｂ，８ａ，８ｂを備えている。

操縦スポーク２の運転手側の面には、表示パネ
ル９がスポークの長手方向に設けられている。こ
の表示パネルは例えば土木機械の搭載コンピユー
タのデイスプレイである。このデイスプレイは土
木機械の呼び出し可能な運転データを表示する。
操縦スポーク２には更に、信号ランプ１０が組み
込まれている。

操縦される土木機械の各作業機器に対して、操
縦レバー（操縦スポーク２、傾動レバー３ａ，３
ｂ、揺動レバー５ａ，５ｂ）を人間工学的に最適
に動かすことは、次のようにして行われる。すな
わち、両傾動レバー３ａ，３ｂを回転軸線６ｃの
回りに回転させることにより、土木機械のブーム
やアームがその取付けヒンジの回りに回転し、そ
して揺動レバー５ａ，５ｂを回転軸線１１ａ，１
１ｂ回りに回転させることにより、シヨベルまた
はシヨベルフラツプがその取付けヒンジ回りに回
転する。更に、操縦スポーク２をその回転軸線１
３回りに回転させることにより、土木機械の上部
車両が走行装置に対して回転する。

好ましい実施形では、操縦装置が電気液圧式サ
ーボ装置と関連して使用される。この場合、各操
縦レバーの動作はポテンシヨメータを介して電磁
弁に伝えられ、この電磁弁によつて、制御滑り弁
を操作するための制御圧力が調節される。

〔発明の効果〕

本発明による操縦装置は、操縦動作の方向が操
縦される作業機器の作業動作の方向と一致してい
るので、操縦が人間工学的に行われるという優れ
た効果がある。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例の斜視図である。 １……運転席、２……操縦スポーク、２ａ，２
ｂ……操縦スポークの端部、３ａ，３ｂ……傾動
レバー、４ａ，４ｂ……切欠き、５ａ，５ｂ……
揺動レバー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 土木機械の作業機器の動作と上部車両の旋回
   運動を制御するための操縦装置において、中央で
   軸承された揺動可能な操縦スポーク２が運転席１
   の前方に定置されて設けられ、操縦スポークがそ
   の端部２ａ，２ｂにそれぞれ固有の動きをするこ
   とができる傾動レバー３ａ，３ｂ備え、この傾動
   レバー３ａ，３ｂの切欠き４ａ，４ｂ内に揺動レ
   バー５ａ，５ｂが設けられ、傾動レバー３ａ，３
   ｂと揺動レバー５ａ，５ｂの回転軸線が、作業機
   器の部品のヒンジ軸線に対してほぼ平行であり、
   傾動レバーと揺動レバーの操縦動作の回転方向が
   作業機器の動作の方向と一致していることを特徴
   とする操縦装置。 ２ 傾動レバー３ａ，３ｂが付加的な操作ボタン
   ７ａ，７ｂ，８ａ，８ｂを備えていることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の操縦装置。 ３ 操縦スポーク２がその長手軸線方向に表示パ
   ネル９を備えていることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の操縦装置。 ４ 操縦スポーク２が信号ランプ１０を備えてい
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   操縦装置。