JPH0474378B2 - - Google Patents

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JPH0474378B2
JPH0474378B2 JP6707988A JP6707988A JPH0474378B2 JP H0474378 B2 JPH0474378 B2 JP H0474378B2 JP 6707988 A JP6707988 A JP 6707988A JP 6707988 A JP6707988 A JP 6707988A JP H0474378 B2 JPH0474378 B2 JP H0474378B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、耐熱性、耐油性、成形加工性に優れ
た水添ブロツク共重合体組成物に関し、更に詳し
くは水添ブロツク共重合体にカルボン酸基または
その誘導体基を含有する分子単位が結合した変性
ブロツク共重合体に、ポリオレフイン系樹脂、さ
らに必要に応じてゴム用軟化剤を配合してなる変
性水添ブロツク共重合体組成物を加熱溶融下に金
属化合物と混練して得られる、耐熱性、耐油性、
成形加工性に優れた動的処理することを特徴とす
るイオン架橋水添ブロツク共重合体組成物に関す
るものである。 (従来の技術) 近年、加硫工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と
同様な成形加工性を有する熱可塑性エラストマー
が自動車部品、家電部品、雑貨、履物等の分野で
有用されている。 なかでもスチレン−ブタジエンブロツク共重合
体やスチレン−イソプレンブロツク共重合体等の
ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロツク
共重合体は、従来の加硫ゴムに近い弾性と感触を
有しているため従来加硫ゴムが使用されていた各
種ゴム成形品素材として好適であると評価されて
いる。 しかしながら、上記のビニル芳香族化合物−共
役ジエン化合物ブロツク共重合体は、熱可塑性エ
ラストマーとしては、加硫ゴムに比べて耐熱性、
耐候性、耐油性に劣るためその使用範囲に制限が
つた。 これらの欠点を改良した熱可塑性エラストマー
のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロツ
ク共重合体の水素添加物(以下、水添ブロツク共
重合体)は、耐候性、耐熱性の改良は認められる
ものの、耐油性は従来と変わらないものであり、
さらに耐熱性についてもいまだ不充分なものであ
つた。 これら水添ブロツク共重合体の欠点を改善する
ためにいくつかの提案がなされている。例えば、
特開昭59−6236号公報、および特開昭59−131613
号公報には、水添ブロツク共重合体に炭化水素油
およびポリオレフイン系樹脂、無機充てん剤を配
合したエラストマー組成物を有機パーオキサイド
と架橋性モノマーの存在下で部分架橋させ、得ら
れるエラストマー組成物の高温時のゴム弾性を改
良する提案がなされている。また特公昭63−1986
号公報には、水添変性ブロツク共重合体に、金属
化合物を加えてイオン架橋させ耐熱性を改善した
イオン架橋ブロツク共重合体組成物が開示されて
いる。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、これらの提案の中で、特開昭59
−6236号公報、特開昭59−131613号公報に示され
た、有機パーオキサイドで動的加硫した水添ブロ
ツク共重合体組成物は、高温時のゴム弾性は改善
されるものの、有機パーオキサイドに基づくラジ
カルにより重合体鎖の切断が発生し、機械的強度
が低下するという欠点を有している。また、特公
昭63−1986号公報に開示されているイオン架橋ブ
ロツク共重合体についても、耐熱性は改善される
ものの、強固なイオン結合のため、流動性が著し
く悪化し、成形加工性に劣るという欠点を有して
いる。 (課題解決の手段) 本発明者らは、かかる現状に鑑み、上記芳香族
ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロツク共重合
体の種々の問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結
果、本発明に到達した。すなわち、本発明は水添
ブロツク共重合体に特定の反応基を導入した変性
水添ブロツク共重合体とポリオレフイン系樹脂
を、加熱溶融混練し、その加熱溶融混練状況下で
金属化合物を導入するいわゆる動的熱処理を行な
うことにより、おどろくべきことに強固なイオン
結合を有していながら成形加工性の良好な熱可塑
性エラストマー組成物となり、且つ耐熱性、耐油
性にも優れるということを見い出したものであ
る。 この様な効果は、変性水添ブロツク共重合体と
ポリオレフイン系樹脂を加熱溶融混練し、その加
熱溶融混練下でイオン架橋を行なうという新しい
技術によりはじめて可能となつたものであり、従
つて本発明の組成物は公知のイオン架橋ブロツク
共重合体とはまつたく異なる新規な組成物であ
る。 すなわち、本発明は (a) 少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体
とする重合体ブロツクAと、少なくとも1個の
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロツク
Bとから成るブロツク共重合体を水素添加して
得られる水添ブロツク共重合体に、カルボン酸
基またはその誘導体基を含有する分子単位が結
合した変性水添ブロツク共重合体100重量部 (b) ポリオレフイン系樹脂20〜200重量部からな
る変性水添ブロツク共重合体組成物に (c) 1価、2価、3価または4価から選択される
少なくとも1種の金属化合物を、(a)成分中のカ
ルボン酸基またはその、誘導体基1モルに対し
て金属原子のモル比が0.1〜3.0 となる様に配合し、加熱溶融下で混練して動的処
理することを特徴とするイオン架橋水添ブロツク
共重合体組成物を提供するものである。 以下、本発明に関して詳しく説明する。 本発明で(a)成分として用いられる変性水添ブロ
ツク共重合体は、少なくとも1個のビニル芳香族
化合物を主体とする重合体ブロツクAと、少なく
とも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体
ブロツクBとからなるブロツク共重合体を水素添
加し、この水添ブロツク共重合体に、カルボン酸
基またはその誘導体基を含有する分子単位が結合
した変性水添ブロツク共重合体であり、例えば、
A−B、A−B−A、B−A−B−A、(A−B
――Si(B−A−B)――Si、A−B−A−B−
A等
の構造を有するビニル芳香族化合物−共役ジエン
化合物ブロツク共重合体を水素添加し、該水添ブ
ロツク共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘
導体を付加反応させることにより製造できる。 この水添ブロツク共重合体は、ビニル芳香族化
合物を5〜60重量%、好ましくは10〜55重量%を
含むものであり、さらにブロツク構造について言
及すると、ビニル芳香族化合物を主体とする重合
体ブロツクAは、ビニル芳香族化合物重合体ブロ
ツクまたは、ビニル芳香族化合物を50重量%を越
え好ましくは70重量%以上含有するビニル芳香族
化合物と水素添加された共役ジエン化合物との共
重合体ブロツクの構造を有しており、そしてさら
に、水素添加された共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロツクBは、水素添加された共役ジエ
ン化合物重合体ブロツク、または水素添加された
共役ジエン化合物を50重量%を越え好ましくは70
重量%以上含有する水素添加された共役ジエン化
合物とビニル芳香族化合物との共重合体ブロツク
の構造を有するものである。また、これらのビニ
ル芳香族化合物を主体とする重合体ブロツクA、
水素添加された共役ジエン化合物を主体とする重
合体ブロツクBは、それぞれの重合体ブロツクに
おける分子鎖中の水素添加された共役ジンエン化
合物又はビニル芳香族化合物の分布がランダム、
テーパード(分子鎖に沿つてモノマー成分が増加
または減少するもの)、一部ブロツク状またはこ
れらの任意の組合せで成つていてもよく、該ビニ
ル芳香族化合物を主体とする重合体ブロツクおよ
び該水素添加された共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロツクがそれぞれ2個以上ある場合
は、各重合体ブロツクはそれぞれが同一構造であ
つてもよく、異なる構造であつてもよい。 水添ブロツク共重合体を構成するビニル芳香族
化合物としては、例えばスチレン、α−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、
p−第3ブチルスチレン、1,1′−ジフエニルエ
チレン等のうちから1種または2種以上が選択で
き、中でもスチレンが好ましい。また、水素添加
された共役ジエン化合物を構成する水添前の共役
ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イ
ソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメ
チル−1,3−ブタジエン等のうちから1種また
は2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプ
レンおよびこれらの組合せが好ましい。そして、
水添される前の共役ジエン化合物を主体とする重
合体ブロツクは、そのブロツクにおけるミクロ構
造を任意に選ぶことができるが、例えばポリブタ
ジエンブロツクにおいては、1,2−ビニル結合
量が10〜65%、好ましくは20〜55%である。 また、上記した構造を有する本発明に供する水
添ブロツク共重合体の数平均分子量は、5000〜
1000000、好ましくは10000〜500000であり、本発
明組成物の物性と加工性とのバランスを保持する
上からは30000〜300000が更に好ましい範囲であ
り、分子量分布〔重量平均分子量(w)と数平
均分子量(n)との比(Mw/n)は10以下
である。さらに水添ブロツク共重合体の分子構造
は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任
意の組合わせのいずれであつてもよい。 これらのブロツク共重合体の製造方法としては
上記した構造を有するものであればどのような製
造方法で得られるものであつてもかまわない。例
えば、特公昭40−23798号公報に記載された方法
により、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中で
ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロツク
共重合体を合成し、次いで、例えば特公昭42−
3704号公報、特公昭43−6636号公報に記載された
方法、特に好ましくは特公昭和63−4841号公報及
び、特公昭63−5401号公報に記載された方法によ
り、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素
添加して、本発明に供する水添ブロツク共重合体
を合成することができる。その際、ビニル芳香族
化合物−共役ジエン化合物ブロツク共重合体の共
役ジエン化合物に基づく脂肪族二重結合は少なく
とも80%を水素添加せしめ、共役ジエン化合物を
主体とする重合体ブロツクを形態的にオレフイン
性化合物重合体ブロツクに変換させることができ
る。また、ビニル芳香族化合物を主体とする重合
体ブロツクA及び必要に応じて、共役ジエン化合
物を主体とする重合体ブロツクBに共重合されて
いるビニル芳香族化合物に基づく芳香族二重結合
の水素添加率については特に制限はないが、水素
添加率を20%以下にするのが好ましい。 該水添ブロツク共重合体中に含まれる未水添の
脂肪族二重結合の量は、赤外分光光度計、核磁気
共鳴装置等によつて容易に知ることができる。 次いで、上記の水添ブロツク共重合に不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体を溶液状態または溶融
状態において、ラジカル開始剤を使用あるいは使
用せずして付加することにより、本発明で用いる
変性水添ブロツク共重合体が得られる。かかる付
加変性に用いることができる水添ブロツク共重合
体は、前記に規定したものであればいずれでも用
いることができ、又水添ブロツク共重合体に付加
される不飽和カルボン酸又はその誘導体の例とし
ては、マレイン酸、ハロゲン化マレイン酸、イタ
コン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジ
カルボン酸、エンド−シス−ビシクロ〔2,2,
1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等や
これらジカルボン酸の無水物、エステル、アミ
ド、イミド等およびアクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸等やこれらモノカルボン酸のエステ
ル、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸グ
リシジルやアミド等の誘導体が挙げられる。これ
らの中では無水マレイン酸、が特に好ましい。 これら変性水添ブロツク共重合体の製造方法に
関しては、本発明においては特に限定はしない
が、得られた変性水添ブロツク共重合体がゲル等
の好ましくない成分を含んだり、その溶融粘度が
著しく増大して加工性が悪化したりする製造方法
は好ましくない。好ましい方法としては、例えば
押出機中で、ラジカル開始剤存在下で、未変性水
添ブロツク共重合体と不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体とを反応させる方法がある。 不飽和カルボン酸またはその誘導体の水添ブロ
ツク共重合体への付加量は、水添ブロツク共重合
体100重量部あたり20重量部以下が好ましく、10
重量部以下が更に好ましい。付加量が20重量部を
超えても、それ以下に比べて改良の効果の増加は
ほとんど見られない。本発明で用いる不飽和カル
ボン酸またはその誘導体は一種のみならず二種以
上混合しても使用できる。 つぎに、本発明の(b)成分として用いられるポリ
オレフイン系樹脂は、成形時の加工性を改良する
ほかに、耐油性および耐熱性向上に有効である。
使用するポリオレフイン系樹脂は融点120℃以上
の結晶性ポリオレフイン系樹脂であり、例えばポ
リエチレン(低密度、中密度、高密度いずれでも
よい)、ポリプロピレンやプロピレンと他のα−
オレフインとの共重合体、例えばエチレン−プロ
ピレン共重合体、1−ヘキセン−プロピレン共重
合体、4−メチル−1−ペンテン−プロピレン共
重合体等のポリプロピレン系樹脂あるいはポリ
(4−メチル−1−ペンテン)を挙げることがで
きるなかでもポリプロピレン系樹脂が好ましく、
MFR(ASTM−D1238−L条件、230℃)が0.1〜
50g/10分特に0.5〜30g/10分の範囲のものが
好適である。 これら(b)成分の配合量は、成分(a)の変性水添ブ
ロツク共重合体100重量部に対して20〜200重量
部、好ましくは30〜150重量部の範囲内で用いる
ことができる。200重量部を越して配合した場合、
得られる組成物の硬度が高くなりすぎてゴム的感
触が失なわれるばかりでなく、柔軟性を失いゴム
弾性が著しく悪化する。また20重量部未満での配
合では、得られる組成物の成形加工性が悪化する
だけでなく、耐油性にも劣り好ましくない。 次に、本発明の(c)成分で用いる金属化合物は1
価、2価、3価または4価の金属化合物から選ば
れる1種または2種以上である。これらの金属化
合物は1価、2価、3価または4価の金属イオン
を生成するものですでに従来の技術の項で述べた
公知のイオン架橋用の金属化合物を用い得るが周
期律表の、、、、族から選択されるも
のである。好ましい例としてはLi+、Na+、K+
Cs+、Ag+、Be2+、Ca2+、Zn2+、Ba2+
Fe2+Al3+、Fe3+、Ti4+などが挙げられる。以上
の金属イオン源として用いられる金属化合物は、
該金属の酸化物、水酸化物、カルボン酸塩、アル
コラート、フエノラート、有機金属化合物等が好
適に用いられる。特にアルミニウム化合物、例え
ばアルミニウムトリイソプロポキシド、トリアル
キルアルミニウム、チタン化合物、例えばチタン
テトライソプロポキシド及び亜鉛化合物、例えば
酢酸亜鉛、及びナトリウム化合物、例えばナトリ
ウムメチラートが好ましい。上記金属化合物の配
合量は、本発明の(a)成分中のカルボン酸基または
その誘導体基1モルに対して金属原子のモル比が
0.1〜3.0の範囲である。0.1モル比未満では、実質
的なイオン架橋がほとんど起こらず、3.0モル比
を越える量を配合した場合は、組成物の流動性が
低下し成形加工性が悪化する。 本発明の動的熱処理したイオン架橋水添ブロツ
ク共重合体組成物は、上記(a)〜(c)成分を動的に加
熱混合することが必須要件である。この動的熱処
理によつて本発明の組成物はイオン架橋される。
その方法としては、通常の樹脂組成物の製造ある
いはゴム組成物の製造時に用いられる方法が採用
でき、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキ
サー、加熱ロール、ブラベンダー、各種ニーダー
等の溶融混練機を用いることができる。この場合
(a)及び(b)成分を前もつて150〜300℃で加熱溶融混
練し、さらに(c)成分を添加し、再び150〜300℃で
加熱溶融混練しながら動的イオン架橋を行なう方
法、あるいは、あらかじめ(a)〜(c)成分を混合して
おき、該混合物を150〜300℃で加熱溶融混練する
ことにより動的熱処理する等の方法を採用するこ
とができるが、その製造方法に制限はない。いず
れにしても、かかる動的イオン架橋によつて該組
成物中に熱可塑性を損なわない程度に均一なイオ
ン架橋点が導入されるので、良好な流動性を保持
しながら熱的な特性が飛躍的に向上する。 また本発明の組成物には必要に応じてゴム用軟
化剤を添加することもできる。ここでいうゴム用
軟化剤とは、一般にゴム及びプラスチツク等の柔
軟性、剛性、流動性等の改良に用いられている軟
化剤であり、石油系軟化剤、脂肪族系軟化剤、合
成有機化合物の各種のものが挙げられ、例えばパ
ラフイン系プロセスオイル、ナフテン系プロセス
オイル、アロマ系プロセスオイル、ワセリン、パ
ラフイン、ポリエチレンワツクス アマニ油、大
豆油、ジオタチルフタレート、ジオクチルアジペ
ート等のエステル系可塑剤などを挙げることがで
きる。これらのうち、プロセスオイルが好ましく
特にパラフイン系プロセスオイルが好ましい。 これらゴム用軟化剤は、本発明の組成物に配合
してもよいし、(a)成分及び/または(b)成分にあら
かじめ配合しておいてもよいし、(a)成分、(b)成分
および(c)成分とゴム用軟化剤を混合したのち、本
発明でいう動的熱処理を行なつてもよい。 上記のゴム用軟化剤は、本発明の組成物に柔軟
性、流動性を付与するために必要に応じて添加さ
れる。この配合量に特に制限はないが、好ましく
は、(a)成分の変性水添ブロツク共重合体100重量
部に対して200重量部以下である。200重量部を越
える配合は、軟化剤のブリードアウトを生じた
り、機械的強度の低下を招いたりする等の可能性
があり好ましくない結果を生じることもある。 また本発明の組成物には、柔軟性、流動性を調
整するために未変性の水素ブロツク共重合体を添
加することもできる。未変性の水添ブロツク共重
合体は、本発明で用いる変性水添ブロツク共重合
体の変性前のものであつてもよいし、またまつた
く別の水添ブロツク共重合体であつてもよいし2
種以上用いてもよい。これら未変性の水添ブロツ
ク共重合体は、本発明の組成物に配合してもよい
し、(a)成分、および/または(b)成分とあらかじめ
配合しておいてもよいし、(a)成分、(b)成分および
(c)成分とこれら水添ブロツク共重合体を混合した
のち、本発明の動的熱処理を行なつてもよい。こ
れら未変性の水添ブロツク共重合体の配合量に特
に制限はないが、好ましくは(a)成分の変性水添ブ
ロツク共重合体100重量部に対して300重量部以下
である。300重量部を越える配合は、本発明の組
成物中のイオン架橋点濃度を低下させすぎる可能
性があり、耐熱性、耐油性の低下を招くこともあ
る。 また、本発明の組成物には必要に応じて充てん
剤、例えば炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、
カーボンブラツク、タルク、クレー、カオリン、
シリカ、水酸化マグネシウム、マイカ、硫酸バリ
ウム、天然ケイ酸、酸化チタン、酸化マグネシウ
ム、酸化亜鉛、ケイソウ土等を配合することがで
きる。その他、本発明の組成物には必要に応じて
酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、
滑剤、ガラス繊維、カーボン繊維、ナイロン繊維
等を配合することができる。 更に、本発明の組成物は、各種熱可塑性樹脂と
組成物化することにより新しい複合体とすること
も可能であり、熱可塑性樹脂の例として、ポリエ
チレン(低密度、中密度、高密度)、ポリプロピ
レン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ
ー、塩素化ポリエチレン等のポリオレフイン系重
合体やポリスチレン(一般用、耐衝撃性)、ABS
樹脂、AS樹脂、MBS樹脂などのポリスチレン系
重合体、ポリ塩化ビニル系重合体、ポリアミド系
重合体、熱可塑性ポリエステル系重合体、ポリフ
エニレンスルフイド系重合体、ポリフエニレンエ
ーテル系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポ
リアセタール系重合体、ポリウレタン系重合体等
を挙げることができる。 本発明の動的熱処理したイオン架橋水添ブロツ
ク共重合体は、一般に使用されている熱可塑性樹
脂成形機を用いて成形することが可能であつて、
射出成形、押出成形、ブロー成形、カレンダー成
形等の各種成形方法が適用可能である。 (実施例) 次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。 なお、実施例における各種の基本物性の評価は
下記の方法で行なつた。 〔基本物性の測定方法〕 (1) 張引特性:JIS K−6301、試料は2mm厚のイ
ンジエクシヨンシートを用い、試験片は3号ダ
ンベルを用いた。 (2) 硬度:JIS K−6301記載のJIS Aタイプ (3) 圧縮永久歪み:JIS K−6301、100℃、22時
間で25%圧縮 (4) 耐熱クリープ性能:JIS K−6301記載の3号
ダンベルを成形により作製し、120℃のギヤー
オーブン中で10Kg/cm2の応力下、2時間後の伸
びを測定した。 (5) 耐油性:JIS K−6301記載のNo.3オイルを用
いて、50mm×50mm×2mm厚の試験片を70℃で2
時間No.3オイル中に浸せきし、浸せき前後の重
量変化を求めた。 (6) 流動性(MFR):ASTM−D1238−L条件、
230℃ 実験例 A (A‐1) 特公昭63−4841号公報記載の方法にて水
添されたポリブタジエン−ポリスチレン−水添
されたポリブタジエン−ポリスチレンの構造を
有し、結合スチレン量30%、数平均分子量
175000、分子量分布1.04、水添前のポリブタジ
エン部の1,2−ビニル結合量35%、ポリブタ
ジエン部の水添率99%の水添ブロツク共重合体
を得た。 (A‐2) (A−1)と同様にして、ポリスチレン−
水添されたポリブタジエン−ポリスチレンの構
造を有し、結合スチレン量20%、数平均分子量
58000、分子量分布1.04水添前のポリブタジエ
ン部の1,2−ビニル結合量55%、ポリブタジ
エン部の水添率100%の水添ブロツク共重合体
を得た。 (A‐3) (A−1)と同様にして、(ポリスチレン
−水添されたポリブタジエン−ポリスチレン
――Siの構造を有し、結合スチレン量40%、数
平均分子量125000、分子量分布1.42、水添前の
ポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量20
%、ポリブタジエン部の水添率99%の水添ブロ
ツク共重合体を得た。 実験例 B 変性水添ブロツク共重合体の製造 (B‐1) (A−1)で得られた水添ブロツク共重合
体100重量部あたり、無水マレイン酸2.5重量
部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン0.2重量部を混合し、
30mmφ径の二軸押出機にて250℃の温度で付加
変性反応を行なつた。得られた変性水添ブロツ
ク共重合体は、該重合体100重量部あたり2.0重
量部の無水マレイン酸が付加したものであつ
た。 (B‐2) (A−2)で得られた水添ブロツク共重合
体100重量部あたり、無水マレイン酸1.5重量
部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン0.1重量部を混合し、
30mmφ径の二軸押出機にて250℃の温度で、強
制ベント(740mmHg減圧)を行ないながら付加
変性反応を行なつた。得られた変性水添ブロツ
ク共重合体は、該重合体100重量部あたり0.8重
量部の無水マレイン酸が付加したものであつ
た。 (B‐3) (A−3)で得られた水添ブロツク共重合
体100重量部あたり、無水マレイン酸3.0重量
部、ジクミルパーオキサイド0.5重量部を混合
し、45mmφ径の二軸押出機にて240℃の温度で、
強制ベント(740mmHg減圧)を行ないながら付
加変性反応を行なつた。得られた変性水添ブロ
ツク共重合体は、該重合体100重量部あたり2.5
重量部の無水マレイン酸が付加したものであつ
た。 実施例1〜7、比較例1〜4 (a)成分として、実験例Bで得られた(B−1)
を、(b)成分として旭化成(株)製ポリプロピレン
E1100(MFR(230℃、L)=0.5g/10分)を(c)成
分としてアルミニウムトリイソプロポキシド
(((CH32CHO)――Al)を用いた。さらに硬度と
流動性の調整のため、ゴム用軟化剤として出光興
産(株)製ダイアナプロセスオイルPW−380(パラフ
イン系オイル)を必要に応じて用いた。 あらかじめ(a)〜(c)成分及びゴム用軟化剤を全て
ヘンシエルミキサーで混合し、30mmφ径の二軸押
出機にて220℃の温度で、強制ベント(740mmHg
減圧)を行ないながら、加熱溶融混練して動的熱
処理したイオン架橋水添ブロツク共重合体組成物
を得た。これらの組成物を射出成形して基本物性
を測定した。ただし、比較例1の組成物は流動性
が低く、射出成形が不可能のため、圧縮成形して
評価した。結果を表1に示す。表1から明らかな
様に、本発明の組成物は、発明の範囲外の組成物
に比べて、強度、伸びといつたエラストマー的性
質が優れるのはもちろんのこと、高温(100℃)
の圧縮永久歪み、耐熱(120℃)クリープ性で代
表される耐熱性及び耐油性にも非常に優れてい
る。さらに本発明の組成物は、発明の範囲外の組
成物に比べて流動性が良好で射出成形が可能なこ
とを示している。 実施例8〜12、比較例5〜8 (a)成分として実験例Bで得られた(B−2)あ
るいは(B−3)を、(b)成分として旭化成(株)製ポ
リプロピレンM1300(MFR(230℃、L)=4.0g/
10分)を(c)成分としてナトリウムメチラート
(CH3ONa)あるいは酢酸亜鉛(CH3COOZn)を
用いた。さらに硬度と流動性の調整のため、実施
例1〜7と同様のゴム用軟化剤を必要により用い
た。 実施例1〜7と同様にして動的熱処理したイオ
ン架橋水添ブロツク共重合体組成物を得、射出成
形して基本物性を測定し、結果を表2に示した。 また、比較例5〜7では、(a)成分として実験例
Aで得られた未変性の水添ブロツク共重合体(A
−2)を用い、有機ポーオキサイド(2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘ
キサン)を1.5重量部およびジビニルベンゼン
(DVB)5重量部を用いて動的に加硫した他は実
施例と同
【表】
【表】 様にした。 さらに、比較例8では、(a)成分の変性水添ブロ
ツク共重合体(B−2)をトルエンに溶解して20
重量%溶液とし、この溶液に、ナトリウムメチラ
ートのトルエン−メタノール混合溶媒溶液をナト
リウム金属/(a)成分中のカルボン酸基のモル比で
1.0となる様に加えて室温で反応させ、ゴム用軟
化剤を加えて、イオン架橋性組成物を得た。この
組成物は流動性が低く、射出成形が不可能のため
圧縮成形して評価した。 表2より、本発明の動的熱処理したイオン架橋
水添ブロツク共重合体組成物は、公知技術の有機
パーオキサイドを用いて動的加硫した水添ブロツ
ク共重合体組成物に比べて、機械的強度、高温
(100℃)での圧縮永久歪み及び耐熱(120℃)ク
リープ性ではるかに優れていることがわかる。 また、本発明の組成物は、公知技術の溶液反応
によるイオン架橋水添ブロツク共重合体と比べて
も耐油性及び流動性の面で非常に優れていること
がわかる。
【表】
【表】
【表】 実施例13〜16、比較例9〜11 (a)成分として実験例Bで得られた種々の変性水
添ブロツク共重合体組成物、(b)成分として旭化成
(株)製ポリプロピレンE1100、(c)成分としてチタン
テトライソプロポキシド(((CH32CHO)――
Ti))を用いた。さらに硬度と流動性の調整のた
め、実施例1〜7と同様のゴム用軟化剤を用い、
実施例1〜7と同様にして動的熱処理したイオン
架橋水添ブロツク共重合体組成物を得、射出成形
して物性を測定し、結果を表3に示した。 ただし実施例16では、硬度と流動性調整のため
ゴム用軟化剤に変えて実験例Aで得られた水添ブ
ロツク共重合体である(A−2)を用いた。水添
ブロツク共重合体を用いた場合も良好な流動性を
保持しながら、機械的強度、耐熱性、耐油性に優
れた組成物を与えることがわかる。 一方、比較例9の組成物は完全ゲル状態となり
圧縮成形も不可能であつた。また比較例10の組成
物は、射出成形が不可能のため圧縮成形して評価
した。 表3より、本発明の動的熱処理したイオン架橋
水添ブロツク共重合体組成物では、4価の金属イ
オンを用いた場合でも、機械的強度、耐熱性、耐
油性、流動性に優れた組成物となるが、従来技術
の範囲内では、熱可塑性エラストマー組成物を得
ることがほとんど不可能であるか、あるいは、上
記の物性のいずれかが劣つた組成物しか得られな
い。
【表】 (発明の効果) 本発明によつて得られる動的熱処理したイオン
架橋水添ブロツク共重合体組成物は、機械的強
度、柔軟性に優れた熱可塑性エラストマー組成物
であり、且つ、耐熱クリープ性能、高温下でのゴ
ム弾性(圧縮永久歪み)といつた耐熱性、耐油性
にも優れ、さらに流動性も良好なため、自動車部
品、家電部品、電線被覆、各種工業部品等の耐熱
性、耐油性が要求される分野だけでなくレジヤー
用品、雑品等にも好適に使用できる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) 少なくとも1個のビニル芳香族化合物を
    主体とする重合体ブロツクAと、少なくとも1
    個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
    ツクBとから成るブロツク共重合体を水素添加
    して得られる水添ブロツク共重合体に、カルボ
    ン酸基またはその誘導体基を含有する分子単位
    が結合した変性水添ブロツク共重合体100重量
    部 (b) ポリオレフイン系樹脂20〜200重量部からな
    る変性水添ブロツク共重合体組成物に (c) 1価、2価、3価または4価から選択される
    少なくとも1種の金属化合物を、(a)成分中のカ
    ルボン酸基またはその誘導体基1モルに対して
    金属原子のモル比が0.1〜3.0 となる様に配合し、加熱溶融下で混練して動的処
    理することを特徴とするイオン架橋水添ブロツク
    共重合体組成物。
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DE60121965T2 (de) * 2000-06-01 2006-11-30 Kraton Polymers Research B.V. Funktionalisierte blockcopolymere enthaltende zusammensetzungen, die mit aluminiumacetylacetonaten vernetzt sind

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