JPH047366B2 - - Google Patents

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JPH047366B2
JPH047366B2 JP7288684A JP7288684A JPH047366B2 JP H047366 B2 JPH047366 B2 JP H047366B2 JP 7288684 A JP7288684 A JP 7288684A JP 7288684 A JP7288684 A JP 7288684A JP H047366 B2 JPH047366 B2 JP H047366B2
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JP
Japan
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water
weight
acrylic resin
acid
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JP7288684A
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JPS60217233A (ja
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Takeshi Masuda
Yoshihiro Okamoto
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP7288684A priority Critical patent/JPS60217233A/ja
Publication of JPS60217233A publication Critical patent/JPS60217233A/ja
Publication of JPH047366B2 publication Critical patent/JPH047366B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規なアクリル樹脂組成物に関する。
更に詳しくは木工、金属、プラスチツクおよびそ
の他の各種の表面に塗布し、高度の耐溶剤性、耐
水性及び耐腐蝕性を有する塗膜を与える新規な水
性のアクリル樹脂組成物に関する。従来、高度の
耐溶剤性、耐久性等を有する塗膜を得るには溶液
重合されたアクリル樹脂にメラミン樹脂、多官能
ウレタン樹脂或いはエポキシ樹脂等の架橋剤を併
用し、網状化された塗膜を得る方法が一般に行わ
れている。しかしながら溶液型の樹脂は引火爆発
性の高い有機溶剤を多量に含んでおり、火災に対
する危険性が高いばかりでなく人体に対する有害
性も高く、このため有機溶剤の含有量が低い水系
樹脂で溶液重合された樹脂に匹敵する高度の耐溶
剤性、耐久性等を有する塗膜を得る方法が強く要
求されてはいたが、従来の水系樹脂では困難であ
つた。水系樹脂は通常水溶性樹脂と水分散性樹脂
とに分類される。この中、カルボキシル基、スル
フオン酸基の様な酸基を主鎖中に含み、これをア
ンモニア又は有機アミノ化合物によつて中和して
製造される水溶性樹脂は水溶化させるために多量
のカルボキシル基或いはスルフオン酸基等の塩が
必要であり、この結果メラミン樹脂等の架橋剤を
併用しても高度な耐光性、耐溶剤性、耐久性を有
する網状化された塗膜を得ることは困難であつ
た。又一方、乳化剤や保護コロイドの存在下で乳
化重合したり、機械的に分散して得られる水分散
液は水溶性樹脂の様な多量のカルボキシル基やス
ルフンオ鎖基等の塩基を必要としないものの含ま
れる乳化剤や保護コロイドによる耐水性、耐蝕性
の低下が著しく、この様な水分散液も又架橋剤を
併用しても溶液重合された樹脂に匹敵する様な高
度の塗膜性能を得ることは極めて困難であつた。 本発明者等はこの様な状況下において、溶液重
合したアクリル樹脂を機械的に分散して得られる
アクリル樹脂水性分散物について鋭意研究を行
い、従来の水系樹脂では得ることができなかつ
た、極めて優れた耐溶剤性、耐水性及び耐蝕性を
有する塗膜を与える水系のアクリル樹脂、組成物
を見い出し本発明に至つたものである。 しかして、本発明は分子中に1個の重合性ビニ
ル基を有し、且つ末端基がH又はC14のアルキ
ル基である分子量1500乃至15000のポリオキシエ
チレン鎖を有する親水性モノマー(A)を1乃至15重
量部、三級窒素含有ビニルモノマー(B)を0.1乃至
15重量部及び他の重合性ビニルモノマーを加え、
全体を100重量部とした重合性ビニルモノマーを
水溶性有機溶剤中で重合させ、次いで分散させて
得られる三級窒素含有アクリル樹脂水性分散物に
分子中に1.0個を越えるエポキシ基を有するポリ
エポキシド化合物(C)を加えることから成る水性ア
クリル樹脂組成物を提供する。 かくして得られた水性のアクリル樹脂組成物は
高度の耐溶剤性、耐水性及び耐腐蝕性を有する塗
膜を与えることが出来、木材、石膏、セメント、
各種プラスチツクス、金属をはじめ各種の被塗物
に対して極めて有用な保護塗膜を与えることが認
められた。 本発明に使用される三級窒素含有アクリル樹脂
水性分散物は従来の水溶性アクリル樹脂の様な多
量のカルボキシル基やスルフオン酸基の塩を含ん
でおらず、又乳化剤や保護コロイドを使用した水
分散液と異なり、極めて溶液重合されたアクリル
樹脂とよく似た優れた耐溶剤性、耐水性及び耐蝕
性を有している。 本発明に使用される三級窒素含有アクリル樹脂
水性分散物は次の様な方法で合成される。即ち、
分子中に1個の重合性ビニル基を有し、且つ末端
基がH又はC14のアルキル基である分子量1500
乃至15000のポリオキシエチレン鎖を有する親水
性モノマーが1乃至15重量%含まれる重合性ビニ
ルモノマー100重量部を水溶性有機溶剤中で重合
させ、次いで水中に分散させることにより得られ
る。 本発明で使用される分子中に重合性ビニル基を
有し、且つ末端基がH又はC14のアルキル基で
ある分子量1500乃至15000のポリオキシエチレン
鎖を有する親水性モノマーとしては、次の様な化
合物が掲げられる。例えば、β−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、β−ヒドロキシプロピルアクリ
レート、β−ヒドロキシエチルメタクリレートの
様なヒドロキシル基を含むビニルモノマーにエチ
レンオキシドを付加して製造される様な化合物;
分子量1500乃至15000の一方の末端基がH又はC1
4のアルキル基であり、又もう一方の末端基が
ヒドロキシル基であるポリオキシエチレングリコ
ールを作成し、次いでアクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、桂皮酸の様なビニル基含有カル
ボン酸モノマーとエステル化反応により製造され
る化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸メチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸ブテルの様なビニル基含有エステル型
モノマーとエステル交換反応によつて製造される
化合物;分子量1500乃至15000の一方の末端基が
H又はC14のアルキル基であり、又もう一方の
末端基がヒドロキシル基であるポリオキシエチレ
ングリコールーのヒドロキシル基とβ−ヒドロキ
シエチルアクリレート、β−ヒドロキシプロピル
アクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートの様なヒドロキシル基又はアクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸の様なカルボキシル基を有
機ジイソシアネート化合物により反応させた化合
物等が挙げられる。 この様にして得られた分子中に1個のビニル基
を有し、末端基がH又はC14のアルキル基であ
る。分子量1500乃至15000のポリオキシエチレン
鎖を有する親水性モノマーのポリオキシエチレン
部分の分子量は1500乃至15000の範囲でなければ
ならない、ポリオキシエチレン部分の分子量が
1500以下である場合は、共重合して得られるアク
リル樹脂共重合体溶液の水分散化に十分な効果は
認められず好ましくない。又、ポリオキシエチレ
ン部分の分子量が15000以上である場合もモノマ
ーの単位分子量当り共重合しうるビニル基が極め
て少なくなり、この場合も共重合して得られるア
クリル樹脂溶液の水分散化効果は著しく低下する
ために好ましくない。上記親水性モノマーのポリ
オキシエチレン部分の分子量は好ましくは2000乃
至10000、更に好ましくは3000乃至8000である。
かかる親水性モノマーの使用量は共重合する全重
合性モノマー100重量部中1乃至15重量部含有さ
せ重合させる。親水性モノマーの使用量が1重量
部未満である場合は得られるアクリル樹脂共重合
体溶液の水分散化効果は十分でなく、このため安
定な水分散物を得ることは困難であり好ましくな
い。又、親水性モノマーの使用量が共重合する重
合性モノマー100重量部当り15重量部を越える場
合は、それ以上使用しても得られるアクリル共重
合体樹脂溶液の水分散化力はもはや余り増大せ
ず、不経済であるばかりでなく、得られるポリマ
ーの耐水性等が低下するために好ましくない。特
に好ましい前記親水性モノマーの使用量は共重合
する全重合性モノマー100重量部当り2乃至10重
量部の範囲である。 本発明で使用される三級窒素含有ビニルモノマ
ーとしては次の様な化合物が掲げられる。例え
ば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレード、N,N−ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。こ
れらは単独又は併用して使用することができる。
かかる三級窒素含有ビニルモノマーの使用量は全
重合性ビニルモノマー100重量部当り0.1乃至15重
量部の範囲である。この量が0.1重量部より少な
い場合得られるアクリル樹脂水性分散物にポリエ
ポキシド化合物を併用しても十分な性能を有する
網状化組成物を与えることができず好ましくな
い。又、三級窒素含有ビニルモノマーの使用量が
15重量部よりも多い場合、得られるアクリル樹脂
水性分散物にポリエポキシド化合物を併用しても
添加量に見合う性能向上はもはや認められず不経
済であり好ましくない。三級窒素含有ビニルモノ
マーの好ましい使用量は、通常全重合性ビニルモ
ノマー100重量部当り0.5乃至1.0重量部の範囲で
あり、更に好ましい使用量は1乃至7重量部であ
る。 本発明に使用される前記親水性モノマー及び三
級窒素含有ビニルモノマーと共重合される他の重
合性ビニルモノマーとしてはエチレン性不飽和単
量体、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸m−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシンプロピル、(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシ3−700プロピル等の(メタ)ア
クリル酸エステル類;マレイン酸、フマール酸、
クロトン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリ
ル酸の様なα,β−モノエチレン性不飽和酸;ア
クリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルア
クリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等
のα,β−不飽和アミド類;アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不
飽和ニトリル類等が挙げられる。又塩化ビニル、
塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類;スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のス
チレン誘導体類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル等のビニルエステル類;ブタジエン等の共役ジ
エン類;マレイン酸エステル類;エチレン等のα
−オレフイン類も使用することができる。尚、他
の重合性ビニルモノマーは1種又は2種以上が用
いられる。 本発明に使用される三級窒素含有アクリル樹脂
水性分散物の製造は通常、先づ前記親水性モノマ
ー、三級窒素含有ビニルモノマー及び他の重合性
ビニルモノマーを水溶性有機溶剤中で反応せし
め、次いで前記親水性モノマーを加えて更に反応
せしめ、かくして得られた三級窒素含有アクリル
共重合体樹脂溶液に水を加えて分散化することに
より行なわれる。使用される有機溶剤としては、
例えばイソプロピルアルコール、m−プロポキシ
プロパノール、ジアセトンアルコール、イソブチ
ルアルコール、m−ブチルアルコールの様なアル
コール類、プロピレングリコールモノメチルエー
テル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エ
チレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジオキサン
の様なエーテルアルコール及びエーテル類が挙げ
られそれらの一種又は二種以上が使用される。 上記の水溶性有機溶剤の使用量は特に限定され
るものではないが、通常重合すべき全重合性ビニ
ルモノマー100重量部当り10乃至100重量部の範囲
で使用される。アクリル共重合体樹脂溶液を得る
に際しては、いづれの場合も過酸化ベンゾイル、
過酸化ラウロイル、ジ−tert−ブチルパーオキサ
イド、tertブチルパーベンゾエート、tert−ブチ
ルパオクトエートもしくはアセチルパーオキサイ
ドの如き有機過酸化物系或いは2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル、2,2′−アゾビスバレロニ
トリルの如きニトリル系等のいわゆるラジカル開
始剤を用いることができる。アクリル共重合体樹
脂溶液の作成方法は、特に限定されるものではな
く、例えばポリオキシエチレン部分の分子量が
1500乃至15000である親水性モノマーを含む水溶
性有機溶剤溶液を加熱撹拌しながら、三級窒素含
有ビニルモノマーを含む重合性ビニルモノマーと
ラジカル開始剤を滴下しても良いし、水溶性有機
溶剤とラジカル開始剤とポリオキシエチレン部分
の分子量が1500乃至15000である親水性モノマー、
三級窒素含有ビニルモノマーを含む重合性ビニル
モノマーを同時に併行滴下しても良いし、水溶性
有機溶剤中で三級窒素含有ビニルモノマーを含む
重合性ビニルモノマーをラジカル開始剤で重合さ
せた後半に、ポリオキシエチレン部分の分子量が
1500乃至15000の親水性モノマーを加えてクツキ
ングすることによつても差しつかえない。 共重合体樹脂溶液の水への分散化は水を撹拌し
ながら共重合体樹脂溶液を徐々に滴下して分散し
ても良いし、逆に共重合体樹脂溶液に水を徐々に
添加して転相乳化させる方法のいづれの方法でも
可能である。一般には、共重合体樹脂溶液を約50
〜100℃に加温し、よく撹拌しながら水を徐々に
滴下し、転相乳化させる方法が微細な粒径を有す
る安定な分散液が得られ易く好ましい方法であ
る。尚、本発明のアクリル樹脂水性分散物は必要
に応じて有機酸又は無機酸により塩を形成させる
ことも可能である。かかる酸の添加は該水性分散
物の製造中又は製造後でも差しつかえない。 本発明においては使用されるポリエポキシド化
合物は分子中に1.0個を越えるエポキシ基を有す
る。即ち、分子当りのエポキシ基の平均数が1よ
り大きなポリエポキシド化合物又は混合物であれ
ばいかなるものでも良く、好ましくは分子当りの
エポキシ基の平均数が2以上のものである。ポリ
エポキシド化合物のエポキシ基の平均数は整数で
ある必要はなく、又一般には約4より小さいが、
6又はそれ以上の高い値をもとり得る。 本発明で使用しうるポリエポキシド化合物の例
としてはビスフエノールAの如きポリフエノール
のポリグリシジルエーテルが包含される。これら
は例えばアルカリの存在下ポリフエノールをエピ
クロルヒドリン又はジクロルヒドリンによりエー
テル化することによつて製造される。フエノール
性化合物としては、ビス−(4−ヒドロキシフエ
ニル)−2,2−プロパン、4,4′−ジヒドロキ
シベンゾフエノ−、ビス(4−ヒドロキシ)−1,
1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ第3級ブ
チルフエニル)−2,2−プロパン、ビス(2−
ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒドロ
キシナフタリン及び類似物が挙げられる。又、ポ
リフエノールとしてノボラツク樹脂又は同様なポ
リフエノール樹脂も使用し得る。 ポリエポキシド化合物として、多価アルコール
の脂肪族ポリグリシジルエーテルも適用される。
これらはエチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、1,2−プロピ
レングリコール、1,4−ブチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサ
ントリオール、グリセロール、ビス(4−ヒドロ
キシシクロヘキシル)−2,2−プロパンなどの
如き多価アルコールから誘導される。 ポリエポキシド化合物として多価カルボン酸の
ポリグリシジルエステルも使用し得る。これらは
エピクロルヒドリン又は同様の化合物と脂肪族又
は芳香族多価カルボン酸、例えばシユウ酸、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、
フタル酸、イソフタルン酸、テレフタル酸、2,
6−ナフチレンジカルボン酸、二量化リルン酸及
び類似物との反応によつて製造される。例として
は、ジグリシジルアジペート及びジグリシジルフ
タレートが挙げられる。又、ポリエポキシド化合
物としてオレフイン性不飽和脂肪族化合物のエポ
キシ化によつて誘導されたポリエポキシド化合物
も使用される。かかるポリエポキシ化合物として
ジエポキシド、トリ以上のエポキシド及び部分的
に1又はそれ以上のモノエポキシドを包含するエ
ポキシド混合物も使用される。これらのポリエポ
キシドは一般には非フエノール性であり、脂肪族
オレフインを、例えば、酸素及び選択された触媒
を使用して過安息香酸、アセトアルデヒドモノパ
ーアセテート又は過酢酸を使用して酸化すること
によつて製造される。 好ましい種類のポリエポキシド化合物として、
エポキシ分子にオキシアルキレン基を含有するも
のが挙げられる。かかるオキシアルキレン基は代
表的には、次の一般式
【式】 〔式中、Rは水素又はアルキル、好ましくは低級
アルキル(例えば炭素数1〜6であり、多くのの
場合mは1〜4及びnは2〜50である。〕で表わ
される基である。かかる基はポリエポキシドの主
要分子鎖に結合することができ、又は主要分子鎖
の一部自体になりうる。ポリエポキシド化合物中
のオキシアルキレン基の割合はオキシアルキレン
基の鎖長、エポキシの性質及び所望される水溶性
の程度を含む多くの因子に依存する。かかるポリ
エポキシ化合物は、少くとも約1重量%、好まし
くは5重量%以上のオキシアルキレン基を含有す
るのが望ましい。オキシアルキレン基を含有する
好ましいポリエポキシド化合物のいくつかは、例
えば上記オキシアルキレン基を含有しないポリエ
ポキシドのエポキシ基のいくつかとオキシアルキ
レン基を含有する一価アルコールとを反応させる
ことによつて製造される。かかる一価アルコール
は好都合にはアルコール、例えばメタノール、エ
タノール又は他のアルカノールをアルキレンオキ
シドによりオキシアルキル化することによつて製
造される。アルキレンオキシドとしては、エチレ
ンジオキシド、1,2−プロピレンオキシド、
1,2−ブチレンオキシドが特に有用である。他
の一価アルコールとしては、例えばセルソルブ及
びカルビトールとして知られるポリアルキレング
リコールのモノアルキルエーテルである工業的に
利用されている物質を挙げることができる。一価
アルコールとポリエポキシドとの反応は、一般に
は触媒の存在下で実施される。このためには蟻
配、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノ
ールアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン及
び場合によつては塩化第1スズが使用される。オ
キシアルキレン基を含有する同様のポリエポキシ
ドは、エポキシ樹脂を他の手段、例えば直接アル
キレンオキシドと反応させてオキシアルキル化す
ることによつて製造される。オキシアルキレンを
含有する前記ポリエポキシド化合物を製造するた
めに用いられるポリエポキシドはオキシアルキル
化後の反応生成物中に残留する、分子当りの残存
エポキシ基の平均数が1.0以上になる様に、十分
な数のエポキシ基を含有しなければならない。前
述した様なポリエポキシドは、三級窒素含有アク
リル樹脂水性分散物に加えられる。 本発明の水性アクリル樹脂組成物においては、
三級窒素含有アクリル樹脂水性分散物とポリエポ
キシド化合物の割合は変化させることができる。
最適割合は、それぞれの種類、物性等によつて異
なるが、通常三級窒素含有アクリル樹脂水性分散
物の固形分100重量部当りポリエポキシド化合物
1乃至50重量部、好ましくは5乃至30重量部であ
る。得られた水性のアクリル樹脂組成物は浸漬
法、ハケ塗り、スプレー塗り、ロール塗り等のい
づれの方法でも塗装することが可能であり、木、
紙、繊維、プラスチツク、セラミツク、無機質セ
メント基材、鉄、非鉄金属等の表面に塗装し、常
温硬化型被覆形成剤として使用される。又、焼付
乾燥型被覆形成剤として使用することもでき、従
来の水性樹脂では得ることができなかつた優れた
耐溶剤性、耐水性及び耐蝕性を付与することがで
きる。又本発明で得られる水性アクリル樹脂組成
物は皮膜形成性にもすぐれ溶剤型樹脂に匹敵する
塗工作業性及び仕上り光沢を有する。 本発明で得られる水性アクリル樹脂組成物は単
独でも使用することができるが、各種顔料、可塑
剤、溶剤、着色剤等を添加することも勿論可能で
ある。 本発明のアクリル樹脂組成物は各種の着色顔
料、体質顔料等を直接混練することが可能であ
り、且つ配合液の分散安定性及び機械的安定性に
優れ、又泡発性等の問題も極めて少ないという特
徴を有している。 次に本発明を具体的に示すために実施例を掲げ
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるべ
きものではない。尚、実施例中に出てくる部又は
%は全て重量基準である。 実施料 1 撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロート、不
活性ガス導入口を備えた2のフラスコに溶剤と
してエチルセロソルブ300部、末端基がメトキシ
基であつて、ポリオキシエチレン部分の分子量が
6000であるメタクリル酸メチルエステル誘導体35
部を仕込み、窒素ガス気流中で130℃迄昇温した。
別にビニルモノマーとしてメチルメタアクリレー
ト476部、ブチルアクリレート210部、ジメチルア
ミノエチルメタクリレート14部をあらかじめ秤量
混合しておき、同じくターシヤリープチルハイド
ロパーオキサイド14部を秤量し、各々別の滴下ロ
ートより注入して3時間にわたつて均一に滴下重
合させた。滴下終了后、更に130℃にて6時間保
持して重合を完了させる。この後、得られる溶液
を80℃迄冷却し、同温度にて水615部を約2時間
を要して滴下した。次いで、25℃迄冷却するとわ
づかに青味を帯びた均一なアクリル樹脂水性分散
物が得られた。得られた水性分散物は、不揮発分
45.2%、粘度1060cps、PH9.2平均粒子径0.2μm以
下であつた。得られたアクリル樹脂水性分散物
100部にビスフエノールAとエピクロルヒドリン
の反応によつて得られるエポキシ当量重量314の
エポキシ樹脂(分子中平均2個のエポキシ基)15
部を添加し、よく撹拌分散した組成物を作成し
た。上記組成物を鋼板に乾燥膜厚が20μmとなる
様に塗装し、100℃、20分間乾燥させたところ透
明な塗膜が得られた。かかる塗膜をソツクスレー
抽出器で4時間アセトン抽出した結果塗膜の78%
が残留した。又、塗膜は極めて優れた耐水性(沸
騰水に1時間浸漬しても異常なし)を有してい
た。 エポキシ樹脂を加えない場合は、塗膜はアセト
ンに容易に溶解した。 実施例 2 実施例1と同様な装置にブチルセロソルブ300
部、末端−H基でポリオキシエチレン部分の分子
量8000のアクリレート
【式】但し (CH2CH2O)oのMW8000〕21部を加え、窒素気
流中130℃に加温しながら重合開始剤として
AIBN6部、モノマー成分としてスチレン330部、
ブチルアクリレート300部、メタクリル酸14部、
ジエチルアミノエチルメタクリレート56部の混合
液を別の滴下口より約3時間を要して滴下した。
滴下終了後、同温度で10時間保持し重合を完了さ
せ、次いで得られる溶液を70℃迄冷却し、同温度
にて水580部を約2時間を要して滴下した。25℃
迄冷却するとわづかに青味を帯びた均一なアクリ
ル樹脂水性分散物が得られた。得られたアクリル
樹脂水性分散物は不揮発分44.6%、PH8.3、粘度
980cpsであり、平均粒子径0.2μm以下であつた。
得られたアクリル樹脂水性分散物100部にエポキ
シ当量重量355のエポキシ化ノボラツク樹脂(分
子中平均2個のエポキシ基)30部を加え、よく撹
拌分散した組成物を作成した。 上記組成物をステンレス板に乾燥膜厚15μmと
なる様に塗装し3日間室温乾燥を行つた。かかる
塗膜をソツクスレー抽出器で4時間アセトン抽出
した結果、塗膜の84%が残留した。かかる塗膜は
極めて優れた密着性、耐水性、耐塩水性を有して
いた。エポキシ樹脂を加えない場合には、塗膜は
容易にアセトンに溶解した。 実施例 3 実施例1と同様な装置にブチルセロソルブ300
部を加え、窒素気流中130℃に加温しながら重合
開始剤としてtert−ブチルパーオキシ2−エチル
ヘキサノエート6部、モノマー成分としてスチレ
ン160部、メチルメタクリレート240部、2−エチ
ルヘキシルアクリレート265部及びジメチルアミ
ノエチルメタクリレート35部から成る混合液を別
の滴下口より3時間を要して滴下した。又その間
末端基がn−ブトキシ基でポリオキシエチレン部
分の分子量3000のメタクリレート70部を3分割
し、1時間毎に分割投入を行つた。滴下終了後同
温度で8時間保持し重合を完了させた。次いで、
得られた溶液を60℃迄冷却し、同温度にて水640
部を約2時間を要して滴下した。滴下終了後、25
℃迄冷却したところ青味を帯びた均一なアクリル
樹脂水性分散物がえられた。得られたアクリル樹
脂水性分散物は、不揮発分45.1%、PH8.5、粘度
3100cpsであり、平均粒子径が0.2μm以下であつ
た。このアクリル樹脂水性分散物100部にエポキ
シ当量重量425のポリプロピレングリコールと
Epon834(ビスフエノールAとエピクロルヒドリ
ンとからなるポリエポキシ化合物、225〜290のエ
ポキシ当量重量、分子中の平均エポキシ基数2
個)との反応生成物5部を加えよく撹拌分散し組
成物を作成した。上記組成物をABS板に乾燥膜
厚10μmになる様に塗装し、60℃30分間熱風乾燥
を行つた。かかる塗膜をソツクスレー抽出器で4
時間アセトン抽出した結果、塗膜の87%が残留し
た。かかる塗膜は極めて優れた密曽性と耐ガソリ
ン性を有していた。エポキシ樹脂を加えない場合
には、塗膜はアセトンに容易に溶解した。 実施例 4 実施例1と同様な装置にブチルセロソルブ300
部を加え、窒素気流中120℃に加温しながら、末
端−H基でポリオキシエチレン部分の分子量8000
のメタクリレート35部を加え、次いで窒素気流中
120℃に加温しながら重合開始剤としてtert−ブ
チルパーオキシ2−エチルヘキサノエート5部、
モノマー成分としてスチレン350部、ラウリルメ
タクリレート30部、ブチルアクリレート310部、
ジメチルアミノエチルメタクリレート7部、アク
リル酸5部の混合液を別の滴下口より約3時間を
要して滴下した。滴下終了後、同温度で8時間保
持して重合を完了させた。得られた溶液を60℃迄
冷却し、同温度にて水600部を約2時間を要して
滴下した。滴下終了後、25℃迄冷却したところ青
味を帯びた均一なアクリル樹脂水性分散液が得ら
れた。このアクリル樹脂水性分散液をトリエチル
アミンを添加しPHを調整したところ不揮発分46.3
%、PH9.2、分散液粘度950cpsであり平均粒子径
0.2μm以下であつた。このアクリル樹脂水性分散
分100部にエポキシ当量重量225のポリプロピレン
グリコールとグリセリンジグリシジルエーテルと
の反応物(分子中の平均エポキシ基数2個)10部
を添加し、よく撹拌して組成物を作成した。上記
組成物を木工基材上に乾燥膜厚20μmになる様に
塗装し、常温で3日間乾燥を行つた。得られた塗
膜は極めて優れた密着性と耐水性(沸騰水に1時
間浸漬しても異常なし)を有していた。エポキシ
樹脂を加えない場合には、塗膜はアセトンに容易
に溶解した。 比較例 1 アクリル系乳化重合物との性能比較を行うた
め、通常の乳化重含方法により下記組成のエマル
ジヨンポリマーを試作した。 メチルメタアクリレート 476部 ブチルアクリレート 210 ジメチルアミノエチルメタリレート 14 ドデシルベンゼンスルフオン酸ソーダ 28 過硫酸アンモニウム 2.1 イオン交換水 1094.8 1824.9 得られるエマルジヨンは不揮発分は40.2%、粘
度240cps、PH8.8の性状を有していた。 得られたアクリル樹脂エマルジヨン100部にビ
スフエノールAとエピクロルヒドリンの反応によ
つて得られるエポキシ当量重量314のエポキシ樹
脂(分子中の平均エポキシ基数2個)15部を添加
し、よく撹拌分散した組成物を作成した。上記組
成物を鋼板上に乾燥膜厚が20μmとなる様に塗装
し、100℃、20分間乾燥させ塗膜を作成した。か
かる塗膜は沸騰水に浸漬したところ、速かに白化
するとともに著しいプリスターが全面に発生し
た。 比較例 2 アクリル系水溶性樹脂との性能比較を行うた
め、通常の方法により溶剤中で下記組成の重合を
行い、その後中和、水希釈を行つた。 メチルメタアクリレート 350部 ブチルアクリレート 280 ジメチルアミノエチルメタクリレート 70 ブチルセロソルブ 490 tert−ブチルパーオキシベンゾエート 7 80%ギ酸 10 イオン交換水 510 1717 得られる水溶性樹脂の性状は不揮発分41.2%、
粘度26000cps、PH9.4であつた。得られる水溶性
樹脂100部にビスフエノールAとエピクロルヒド
リンの反応によつて得られるエポキシ当量重量
314のエポキシ樹脂(分子中の平均エポキシ基数
2個)15部を添加し、よく撹拌分散した組成物を
作成した。上記組成物を鋼板上に乾燥膜厚20μm
となる様に塗装し、100℃、20分間乾燥させ塗膜
を作成した。かかる塗膜は沸騰水に浸漬したとこ
ろ著しくブリスターが塗膜全面に比較的短時間に
発生した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 分子中に1個の重合性ビニル基を有し、且つ
    末端基がH又はC14のアルキル基である分子量
    1500乃至15000のポリオキシエチレン鎖を有する
    親水性モノマー(A)を1乃至15重量部、三級窒素含
    有ビニルモノマー(B)を0.1乃至15重量部及び他の
    重合性ビニルモノマーを加え、全体を100重量部
    とした重合性ビニルモノマーを水溶性有機溶剤中
    で重合させ、次いで分散させて得られる三級窒素
    含有アクリル樹脂水性分散物に分子中に1.0個を
    越えるエポキシ基を有するポリエポキシド化合物
    (C)を加えることから成る水性アクリル樹脂組成
    物。
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