JPH0472025B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は機械式駐車設備の技術分野で利用さ
れ、特に、入出庫室にパレツト旋回用のターンテ
ーブルを備えた多層循環式駐車装置に関する。

（従来の技術） 従来、箱形循環方式を採用した多層循環式駐車
装置a₁，a₂においては、例えば第７図ないし第９
図に示すように、自動車積載用パレツトｂを横移
送して収容するための横移送路ｃが上下の二層、
すなわち上層横移送路c₁および下層横移送路c₂に
形成され、横移送路ｃの一端部にパレツト入出庫
用リフトd₁を具備する入出庫用昇降路e₁が形成さ
れるとともに、他端部にパレツト循環用リフトd₂
を具備する循環用昇降路e₂が形成され、入出庫用
昇降路e₁の最上部に接続した入出庫室f₁には、タ
ーンテーブルg₁がパレツト入出庫用リフトd₁の直
上部に位置するように設けられていた。

そして、自動車を所望の駐車位置に入庫するに
は、ターンテーブルg₁の上面に露出するように支
持されている空のパレツトｂに自動車を前進走行
で進入させたのち、このパレツトｂをパレツト入
出庫用リフトd₁の最上部の可動レールｈ上に移乗
させ、例えば上層横移送路c₁まで下降させる。次
に、このパレツトｂを含む上層横移送路c₁のパレ
ツト列と下層横移送路c₂のパレツト列とを、上層
横移送路c₁、循環用昇降路e₂、下層横移送路c₂お
よび入出庫用昇降路e₂で形成される箱形の循環経
路に沿つてパレツトｂの一個分ずつを第８図にお
ける時計方向（もしくは反時計方向）に循環させ
ることにより、自動車をパレツトｂとともに所望
の駐車位置に収容していた。

一方、この自動車を出庫させるには、そのパレ
ツトｂを上述と同様の箱形循環動作によりパレツ
ト入出庫用リフトd₁の可動レールｈ上に移乗して
その最上部に上昇させる。そして、このパレツト
ｂをターンテーブルg₁に移乗したのち、ターンテ
ーブルg₁の回転により自動車の前後を方向転換さ
せ、前進走行で入出庫室f₁から出庫していた。

また、第９図に示すような長方形の入出庫f₂で
は、ターンテーブルg₂がパレツト入出庫用リフト
d₁の直上部から自動車の進行方向（パレツトの長
さ方向）に離隔して設けられており、その出庫動
作は、パレツトｂがパレツト入出庫用リフトd₁の
最上部から後進走行でターンテーブルg₂に進入さ
せたのち、自動車の方向転換が行われていた。

（発明が解決しようとする課題） しかし、上記従来の多層循環式駐車装置a₁，a₂
においては、ターンテーブルg₁，g₂の半径が大き
く（例えば3000mm）、従つて、その下方すなわち
入出庫用昇降路e₁では、パレツト入出庫用リフト
d₁と建家側壁ｉとの間に、広い遊休空所（例えば
約1500mm）ｊが形成されるので、スペース有効利
用の観点からきほめて不経済であり、さらに、タ
ーンテーブルg₁（第７図参照）上もしくはパレツ
ト入出庫用リフトd₁の最上部（第９図参照）で出
庫自動車が出庫待ちをしているとき、他の自動車
の出庫予約を受けても、出庫自動車を積載してい
るパレツトｂが横移送路ｃのパレツト列に復帰し
ない限り、出庫準備のための箱形循環動作を行う
ことができないという不都合がある。

本発明はかかる従来の上記課題に鑑み、パレツ
ト入出庫用リフトの直上部に出庫自動車が出庫待
ちをしていても、他の自動車の出庫準備が速やか
に行われるようにした多層循環式駐車装置を提供
するにある。

（課題を解決するための手段） 本発明の上記課題を解決するための手段は、自
動車積載用パレツトを収容するための横移送路が
上下に複数層形成され、該横移送路の一端部にパ
レツト入出庫用リフトを具備する入出庫用昇降路
が形成されるとともに、他端部にパレツト循環用
リフトを具備する循環用昇降路が形成され、前記
入出庫用昇降路の最上部に接続した入出庫室にタ
ーンテーブルが設けられたものにおいて、前記パ
レツト入出庫用リフトの直上部にはパレツト持ち
上げ手段が設けられるとともに、反横移送路側に
は入出庫用昇降路および各横移送路に対しパレツ
トを搬出入させるためのパレツト待機用リフトが
設けられてなるものである。

（作用） 上記の手段による作用は、パレツト入出庫用リ
フトの直上部で出庫自動車を積載したパレツトが
出庫待ちをしているとき、他の自動車の出庫予約
を受けると、パレツト待機用リフトに収容してい
た他のパレツトを入出庫昇降路に引き出して横移
送路のパレツト列を連結させることにより、出庫
予約パレツトは上層横移送路、下層横移送路およ
び循環用昇降路と、パレツト入出庫用リフトもし
くはパレツト待機用リフトとを接続してなる箱形
循環経路に沿つて移動させたのち、パレツト待機
用リフトに収容して待機させる。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。

〔実施例 １〕 本例は第１図に示し、パレツト持ち上げ手段が
内蔵されたターンテーブルをパレツト入出庫用リ
フトの直上部に有し、パレツト待機用リフトは各
横移送路間を昇降可能に設けられたのを特徴とし
ている。

多層循環式駐車装置１は第７図および第８図と
同様に構成されたもので、自動車積載用のパレツ
ト２を横移送して駐車させるための横移送路３が
上層横移送路３ａおよび下層横移送路３ｂの二層
に形成され、該各横移送路にはパレツト２を連結
状で横移送するための横移送装置（図示省略）が
設けられている。横移送路３の一端部にパレツト
入出庫用リフト４を具備する入出庫用昇降路５が
形成されるとともに、他端部にパレツト循環用リ
フト６を具備する循環用昇降路７が形成されてい
る。

前記パレツト入出庫用リフト４は直上部にター
ンテーブル８が設けられ、かつ該ターンテーブル
に後述のパレツト持ち上げ手段１７と同様の機能
を備えたパレツト持ち上げ手段が内蔵されるとと
もに、反横移送路側（第１図において左側）に
は、入出庫用昇降路５および各横移送路３ａ，３
ｂに対しパレツト２を搬出入させるためのパレツ
ト待機用リフト９が設けられており、該パレツト
待機用リフトと前記パレツト入出庫用リフト４お
よびパレツト循環リフト６とは、パレツト２の横
行車輪２ａ（後述）を乗架させるための可動レー
ル（図示省略）が昇降手段（図示省略）により上
下方向に循環移動可能とされ、かつ各パレツト２
の四隅部には後述の連結器２ｃが固着されてい
る。

次に、上記実施例１の作用につい説明する。

(1) ターンテーブル８上で出庫自動車を積載した
パレツト２が出庫待ちをしているとき、入出庫
用リフト４により自動車の出入口階へ上昇駆動
されたパレツト２は持ち上げ手段１７により可
動レール１３ａより持ち上げられ、ターンテー
ブル８と同一レベルになり、パレツト２はこの
状態で出庫待ちをする。この時、上層横移送路
３ａ上に収容されているパレツト２Ａおよび２
Ｂに搭載した自動車が出庫予約を受けると、入
出庫用リフト４が作動し、可動レール１３ａが
横移送路３ａ，３ｂにそれぞれ適合される。次
に、上層横移送路３ａのパレツト列をパレツト
一台分だけパレツト待機用リフト９側へ横送り
をする〔第１図ａ参照〕。

(2) パレツト待機用レフト９の下降駆動によりパ
レツト２Ｃ，２Ｄをパレツト入出庫用リフト４
上の各パレツト２と連結させる〔第１図ｂ参
照〕。

(3) 下層横移送路３ｂのパレツト列をパレツト循
環用リフト６へ横送りをする〔第１図ｃ参照〕。

(4) パレツト循環用リフト６、パレツト待機用リ
フト９、上層横移送路３ａおよび下層横移送路
３ｂを接続してなる箱形循環経路を反時計方向
に移動してパレツト２Ａがパレツト待機用リフ
ト９に進入する〔第１図ｄ参照〕。

(5) パレツト待機用リフト９だけの下降駆動によ
りパレツト２Ａをその下段位置に収容し、上段
位置はパレツト２Ｂ用に確保する〔第１図ｅ参
照〕。

(6) 上層横移送路３ａのパレツト列をパレツト待
機用リフト９側へパレツト一台分横送りをして
パレツト２Ｅをパレツト待機用リフト９に進入
させたのち、パレツト待機用リフト９の上昇駆
動によりパレツト２Ａ，２Ｅを上層横移送路３
ａおよび下層横移送路３ｂのパレツト列から分
離する〔第１図ｆ参照〕。

(7) 下層横移送路３ｂのパレツト列を前記の状態
からパレツト一台分をパレツト循環用リフト６
側へ横送りをしたのち、パレツト入出庫用リフ
ト４およびパレツト循環用リフト６と各横移送
路３ａ，３ｂとで形成される箱形循環経路に沿
つてパレツト２Ｂを反時計方向に移動される
〔第１図ｇ参照〕。

(8) パレツト２Ｂがパレツト入出庫用リフト４に
進入すると、パレツト待機用リフト９の下降駆
動によりパレツト２Ｅをパレツト２Ｂと連結す
る〔第１図ｈ参照〕。

(9) 上層横移送路３ａのパレツト列をパレツト循
環用リフト６側へパレツト一台分横送りをする
ことにより、パレツト２Ｅをパレツト入出庫用
リフト４上に進入させ、パレツト入出庫用リフ
ト４の下降駆動を行う〔第１図ｉ参照〕。

(10) 上層横移送路３ａのパレツト列をパレツト待
機用パレツト９側へパレツト二台分横送りをし
てパレツト２Ｂをパレツト待機用リフト９上に
進入させたのち、パレツト待機用リフト９の上
昇駆動によりパレツト２Ａ，２Ｂは各パレツト
列から分離される。

〔実施例 ２〕 本例は第２図ないし第６図に示し、パレツト入
出庫用リフトは直上部にパレツト持ち上げ手段を
有し、パレツト待機用リフトは各横移送路に対応
する位置ごとにそれぞれ昇降可能に設けられたの
を特徴としている。

第６図に示す多層循環式駐車装置１１は、実施
例１の場合と同様にパレツト２を横移送して駆動
させる横移送路１２が上層横移送路１２ａおよび
下層横移送路１２ｂに形成され、横移送路１２の
一端部にパレツト入出庫用リフト１３を具備する
入出庫用昇降路１４が、他端部にパレツト循環用
リフト１５を具備する循環用昇降路１６が形成さ
れており、前記パレツト入出庫用リフト１３の直
上部にパレツト持ち上げ手段１７が設けられると
ともに、反横移送路側（第６図において左側）に
はパレツト持ち上げ手段１８が設けられている。

前記パレツト持ち上げ手段１７は第２図および
第３図に示すように、パレツト入出庫用リフト１
３の直上部に形成された建家１９の吹抜口１９ａ
の両側に、二個の駆動機構２０，２０と該各駆動
機構の両側に可撓軸２１，２１を介して接続した
四個のパレツト昇降機構２２…とが配設されたも
のである。

前記駆動機構２０は建家１９の床１９ｂに固
設したモータ２０ａにウオーム減速機２０ｂが接
続されている。可撓軸２１は軸部２１ａの両端に
二個の自在継手２１ｂ，２１ｂが設けられてお
り、一方の自在継手２１ｂがウオーム減速機２０
ｂの出力軸２０ｃに接続されている。

前記パレツト昇降機構２２は駆動機構２０の両
側方で床盤１９ｂに固設したウオーム減速機２２
ａの出力軸２２ｂにクランクアーム２２ｃが固設
される一方、ウオーム減速機２２ａの入力軸２２
ｄは可撓軸２１の他の自在継手２１ｂに接続され
ており、ウオーム減速機２２ａはそれぞれのクラ
ンクアーム２２ｃが互いに反対方向へ回動するよ
うに、上下反対向きに床盤１９ｂに取付けられて
いる。クランクアーム２２ｃの回動動作でパレツ
ト２の下面に固着した支持板２ｂを支承して持ち
上げることにより、パレツト２の横行車輪２ａが
パレツト入出庫用リフト１３の可動レール１３ａ
から上方へ退避するように構成されている。２ｃ
は連結器である。

前記パレツト待機用リフト１８は第４図および
第５図に示すように、パレツト２の横行車輪２ａ
を乗架させる可動レール１８ａが上層横移送路１
２ａおよび下層横移送路１２ｂに対応する位置で
それぞれ昇降可能とされ、図示のものがパレツト
２の長さ方向の両側で相対するように配設されて
いる。すなわち、床面上にそれぞれ立設した支柱
２３，２３間にビーム２４，２４が上下に間隔を
保つて架設され、該各ビームの上面に従動軸２５
が軸受２６，２６を介して枢支され、該従動軸は
中間部に従動側スプロケツト２７が、両端部に昇
降用スプロケツト２８，２８が設けられている。
一方、前記各ビーム２４の下面に減速機付き可逆
モータ２９が固設され、その出力軸２９ａに設け
た駆動側スプロケツト３０と前記従動側スプロケ
ツト２７とに無端状の伝動チエーン３１が巻回さ
れるとともに、前記各昇降用スプロケツト２８に
巻回した昇降用チエーン３２，３２は、一端部が
前記可動レール１８ａの両端部に、他端部がバラ
ンスウエイト３３の両端部に固着されており、減
速機付き可逆モータ２９の正転および逆転駆動で
可動レール１８ａが各横移送路１２ａ，１２ｂに
対応する位置に対して昇降するように構成されて
いる。

次に、上記実施例２の作用について説明する。

(1) 第６図において、パレツト入出庫用リフト１
３でパレツト２を自動車出入口階へ上昇された
後、パレツト持ち上げ手段１７を上昇駆動して
パレツト２をパレツト入出庫用リフト１３から
上方へ退避させる。この状態でパレツト２が出
庫待ちをしているとき、上層横移送路１２ａ上
に収容したパレツト２Ａに積載されている自動
車が出庫予約を受けるものである。〔第６図ａ
参照〕。

(2) パレツト入出庫用リフト１３の循環駆動で可
動レール１３ａを各横移送路１２ａ，１２ｂに
それぞれ適合させて上層横移送路１２ａのパレ
ツト列の横送りでその先端パレツト２Ｃがパレ
ツト入出庫用リフト１３に進入すると、パレツ
ト待機用リフト１８の上層側の可動レール１８
ａを下降させてパレツト２Ｂをパレツト列と連
結し、該パレツト列をパレツト循環用リフト１
５側に横送りをしてパレツト２Ｂをパレツト入
出庫用リフト１３に引き戻したのち、各パレツ
ト列を入出庫昇降路１４、下層横移送路１２
ｂ、循環用昇降路１６および上層横移送路１２
ａで箱形循環移動を行わせる〔第６図ｂ参照〕。

(3) パレツト２Ａがパレツト入出庫用リフト１３
上に進入すると、上層横移送路１２ａだけの横
送りでパレツト２Ａをパレツト待機用リフト１
８の上層側に送入したのち、その可動レール１
８ａを上昇させてパレツト２Ａをその位置で待
機させる〔第６図ｃ参照〕。

(4) 上層横移送路１２ａのパレツト列をリフト循
環用リフト１５側へパレツト一台分横送りをし
ておき、可動レール１３ａを出庫位置に戻す。
パレツト入出庫リフト１３の最上部から退避し
ていたパレツト２から出庫自動車が搬出される
と、該パレツト２はパレツト持ち上げ手段１７
の下降駆動で可動レール１３ａ上に移乗させた
のち、可動レール１３ａの下降駆動で、上層横
移送路１２ａのパレツト列と連結することによ
り、その後の箱形循環動作の準備を完了する
〔第６図ｄ参照〕。

(5) 第６図ｃの状態からパレツト２Ａを搬出する
場合は、パレツト待機用リフト１８の上層側の
可動レール１８ａを下降させて上層横移送路１
２ａのパレツト列と連結したのち〔第６図ｅ参
照〕、該パレツト列をパレツト循環用リフト１
５側へパレツト一台分横送りをしてパレツト入
出庫用リフト１３にパレツト２Ａを進入させる
〔第６図ｆ参照〕。パレツト２Ａはパレツト入出
庫用リフト１３の上昇駆動により最上部に搬送
されて出庫する。

（発明の効果） 本発明は上記の構成により、パレツト入出庫用
リフトの直上部に出庫自動車を置いた状態で他の
自動車の出庫予約を受けても、箱形循環動作を容
易に行うことができるから、自動車の出庫準備は
比較的短距離の移動で行われるので、作業性が向
上してランニングコストが節減されるばかりでな
く、入出庫用昇降路まわりの遊休空所を有効に利
用できるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施態様を例示し、第１図は実
施例１における多層循環式駐車装置の概要および
作用を説明する図、第２図は実施例２における多
層循環式駐車装置のパレツト持ち上げ手段の平面
図、第３図は同正面図、第４図はパレツト待機用
リフトの片側を示す平面図、第５図は同正面図、
第６図は多層循環式駐車装置の作用説明図、第７
図および第８図は多層循環式駐車装置の従来例を
示す平面図および正面図、第９図は他の従来例を
示す平面図である。 １……多層循環式駐車装置、２，２Ａ，２Ｂ，
２Ｃ，２Ｄ，２Ｅ……パレツト、３……横移送
路、３ａ……上層横移送路、３ｂ……下層横移送
路、４……パレツト入出庫用リフト、５……入出
庫用昇降路、６……パレツト循環用リフト、７…
…循環用昇降路、８……ターンテーブル、９……
パレツト待機用リフト、１１……多層循環式駐車
装置、１２……横移送路、１２ａ……上層横移送
路、１２ｂ……下層横移送路、１３……パレツト
入出庫用リフト、１４……入出庫用昇降路、１５
……パレツト循環用リフト、１６……循環用昇降
路、１７……パレツト持ち上げ手段、１８……パ
レツト待機用リフト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 自動車積載用パレツトを収容するための横移
   送路が上下に複数層形成され、該横移送路の一端
   部にパレツト入出庫用リフトを具備する入出庫用
   昇降路が形成されるとともに、他端部にパレツト
   循環用リフトを具備する循環用昇降路が形成さ
   れ、前記入出庫用昇降路の最上部に接続した入出
   庫室にターンテーブルが設けられたものにおい
   て、前記パレツト入出庫用リフトの直上部にはパ
   レツト持ち上げ手段が設けられるとともに、反横
   移送路側には入出庫用昇降路および各横移送路に
   対しパレツトを搬出入させるためのパレツト待機
   用リフトが設けられてなることを特徴とする多層
   循環式駐車装置。 ２ パレツト待機用リフトは、可動レールが上層
   横移送路および下層横移送路に対応する位置の相
   互間を昇降可能に設けられている請求項１記載の
   多層循環式駐車装置。 ３ パレツト待機用リフトは、可動レールが上層
   横移送路および下層横移送路に対応する位置で、
   それぞれ昇降可能に設けられている請求項１記載
   の多層循環式駐車装置。