JPH047180B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、釣糸スプールを誘導的に制動するた
めの磁気ブレーキを備えた魚釣りリールに関す
る。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

この種の磁気ブレーキは、釣糸を投げている間
釣糸を制動して、釣糸の繰出し速度より高い速度
で釣糸スプールが回転するのを阻止するために使
用される。釣糸スプールが釣糸の繰出し速度より
高い速度で回転すると、通常スプールの急激なは
ね返りやオーバーランニングになり、続いて釣糸
がもつれる。

従来技術の磁気ブレーキは、釣糸スプールの外
側に静止状態に取り付けられていて釣糸スプール
の回転軸線の延長線の周りに群れをなしている永
久磁石からなり、これらの永久磁石が、スプール
スピンドルと共に回転可能な部品（ロータ）の磁
気誘導により釣糸スプールを制動する。

従来の魚釣りリールは、リールフレームの対向
端の一方にいくつかのねじにより固定された壁部
材を取り外した後、釣糸スプールをリールフレー
ムから取り外しできるように構成されている。こ
の壁部材がフレームの端部開口部を閉じており、
それを取り外すと、釣糸スプールを解放すること
ができ、そこで直ちに取り外して開口部を通じて
再び取り付けることができる。釣糸スプールを取
り外して再び取り付ける作業は比較的面倒であ
り、かつ時間がかかり、さらにねじをゆるめて再
び取り付ける作業のために、或る種の手工具が常
に必要である。

従つて、釣糸リールの構造は、手工具の使用を
必要とせずに釣糸スプールを容易にかつ一層迅速
に取り外して再び取り付けることができるように
して、釣糸が摩滅したり、切れたりまたはもつれ
たりしたとき、または一層強い、または一層細い
釣糸を使用することが望ましいときに、特に一つ
の釣糸スプールを他のものに交換するのを容易に
するのが望ましい。

しかしながら、経験の示す所によれば、平均的
な釣り人は多かれ少なかれ機械的な熟練を欠いて
おり、特に寒い雨降りの天候で魚釣りをしている
ときに細かな機械的操作が大きらいである。

また、転り軸受または回転部品の他の軸受面の
掃除と潤滑のような、ひんぱんに起こる他のいく
つかの問題を、技術的および機械的経験のない人
により容易にしかも迅速に実施できることも望ま
しい。

周知の遠心型のオーバーランニングブレーキを
磁気型のオーバーランニングブレーキと交換しよ
うとしたのは、オーバーランニングブレーキの性
能を改善するためと、従来の遠心ブレーキをカプ
セル状に包んで取り付けることを不可能にまたは
難しくした制動効果の調整を容易にするためであ
つた。

新しい磁気ブレーキが強いられた他の改良は、
分解や手入れと関連して遠心制動おもりを失つて
しまうという問題を克服することであつた。

しかしながら、磁気ブレーキにより到達された
機能的改善は相当なものであるけれども、別の改
善が、特に魚釣りリール本体の構造と組合わせた
構造的特徴に関して考えられかつ望ましいことが
見出だされたが、また磁気ブレーキ自体の別の機
能的改善が望ましく、かつその改善は以下に説明
されるように本発明によりなしとげられる。

〔発明の目的〕

従つて、本発明の主目的は、能率的に作用しか
つ容易に調整可能な、オーバーランニングを防止
した磁気型の釣糸スプールブレーキを有し、かつ
ブレーキ本体だけではなく魚釣りリールの他の必
須部品の保守や手入れを単純化する構造を有する
魚釣りリールを提供することである。

本発明の第二の目的は、端部壁の一方のよう
な、釣糸スプールと共に回転する金属要素と協働
するように容易に取外し可能な魚釣りリールの部
品に取り付けられた比較的コンパクトな配置の永
久磁石を有する誘導作用釣糸スプールブレーキを
有する、前述した魚釣りリールを提供することで
ある。

この発明の別の目的は、支持部材に取り付けら
れた上記の種類の誘導作用釣糸スプールブレーキ
を有し、前記支持部材が次いで、魚釣りリールフ
レームの対向端部の一方に取り付けられかつそれ
から容易に取外し可能であり、また前記支持部材
が釣糸スプール軸のための端部支持または支承手
段を有する魚釣りリールを提供することである。

本発明のなお別の目的は、上記の種類の取外し
可能な支持部材に支持された永久磁石を有する釣
糸スプールブレーキであつて、前記部材が、釣糸
スプールに作用する磁気制動効果を調整するため
の手段を有し、また前記支持部材が、前記端部壁
からおよびスプール軸の前記一端部から取り外さ
れたときに、釣糸スプールとスプール軸をユニツ
トとしてリールフレームから手で引き出すことが
できる、リールフレームの一方の端部壁の十分な
大きさの開口部を閉じる容易に分離可能な端部キ
ヤツプの形態をしている釣糸スプールブレーキを
提供することである。

もう一つの目的は、できるだけ少ない構成部品
を有する、上記の種類の釣糸スプールブレーキを
有する魚釣りリールを提供することである。

〔発明の概要〕

この目的のために、次のような魚釣りリールを
設ける。すなわち、リールフレームと、フレーム
に回転可能に取り付けられた釣糸スプールと、釣
糸を投げている間釣糸スプールを制動する誘導型
磁気ブレーキとを有し、前記磁気ブレーキは、各
磁石が第一および第二の対向する極端部を有する
複数の磁石を有し、また前記磁石を前記第一極端
部が円弧に沿つて間隔を置いた状態に支持するた
めの手段を有する磁石支持部材を備え、前記第一
極端部が、前記釣糸スプールの回転軸線に対し垂
直な共通平面に位置決めされ、前記リールフレー
ムがその一端に、前記釣糸スプールを前記フレー
ム内の所定の位置に軸方向に挿入できる十分な寸
法の開口部を有し、前記磁石支持部材と前記リー
ルフレームは、支持部材が前記開口部を閉じて、
かつ前記極端部の弧が前記釣糸スプールの回転軸
線に対し同軸の位置にある状態に前記磁石を支持
する位置に前記フレームに前記支持部材を解放可
能に固定するための協働する固定手段を有し、前
記釣糸スプールが、前記平面に面するその一端
に、前記磁石と誘導的に協働するために前記平面
から短かい距離をおいて前記釣糸スプールと共に
回転可能な手段を有し、さらに前記磁石支持部材
が、前記平面の軸線方向空間を釣糸スプールと共
に回転可能な前記手段に対して調整するために魚
釣りリールの外側から近接できる調整手段を支持
しており、前記磁石支持部材は、前記リールフレ
ームから解放されたときに、前記磁石と共に前記
フレームから取外し可能であり、それにより前記
開口部を露出して前記釣糸スプールを前記開口部
より軸方向に引き出しかつ再び挿入できるように
した魚釣りリールを設ける。

本発明による魚釣りリールの好ましい実施例で
は、磁石支持体が、ほぼ円筒形の壁部材を有する
キヤツプ部材と、環状の壁部材およびこれに固定
された環状の磁石支持板を有する可動壁手段とを
有し、前記支持板は、前記釣糸スプールと反対側
に面している前記第二の極端部と接触するために
磁気伝導性材料の磁石支持面を有し、かつ前記環
状の壁部材が、前記磁石を、前記第二極端部が前
記面と接触した状態に受け入れて保持するように
配置されたほぼ円形の列のポケツトを有し、前記
リールフレームが前記一端に、前記釣糸スプール
と同軸に整合した円形の開口部を有し、前記開口
部の直径は、前記釣糸スプールをリールフレーム
のその位置から軸方向に引き出すことができるよ
うに釣糸スプールの最大直径より十分に大きくな
つており、前記キヤツプの前記円筒形壁部材が前
記開口部に挿入できるように寸法決めされ、前記
開口部の前記リールフレームおよび前記キヤツプ
の前記内筒形壁部材は、前記キヤツプを前記開口
部で全回転の小部分だけ回転させることにより互
いに係合したり離脱したりするように形成された
協働可能な係合手段を有し、前記係合手段が、互
いに係合したときに前記キヤツプを引き出せない
ように防止する。

協働可能な係合手段が前記開口部と前記円形の
端部壁部材の突出要素からなるのが好適であり、
前記突出要素は、中間の隔置された部分が取りこ
わされた一対の噛合うねじ山の隔置部分の形態を
している。キヤツプには、前記キヤツプの外側か
ら近接できるばね−付勢された押しボタンを有す
るとめ金を設けるのが好適であり、前記リールフ
レームが前記開口部に隣接したその部分に孔を有
し、また前記押しボタンは、前記孔に摺動可能に
装着された軸からなり、この軸がこれから前記開
口部に突出する突出タブを支持しており、付勢ば
ね手段が前記押しボタンを外端位置に維持するよ
うに向かう方向に前記端部壁部材と前記押しボタ
ンの間で作用するように取り付けられ、前記押し
ボタンが前記ばね手段の作用に抗して手で内端位
置へ移動可能であり、前記開口部に挿入されたキ
ヤツプを、前記突起が互いに係合する角度位置に
回転させるや否や前記とめ金の前記タブを受け入
れるために凹所が前記キヤツプの前記円筒壁部に
形成され、それにより前記とめ金のタブが前記凹
所に受け入れられたときに、前記押しボタンを押
して前記タブを前記凹所内の係合から外すまで、
キヤツプが前記突出要素の離脱位置へ互いに関し
て回転するのを防止することにより、前記とめ金
の前記タブが前記キヤツプをリールフレームの前
記開口部から取り外すのを防止する。

〔発明の実施例〕

以下、本発明を実施例について図面により説明
する。

第１図と第２図に断片的に示した魚釣りリール
は、本発明による磁気ブレーキを有し、この磁気
ブレーキは、第１−４図に示した実施例では、総
括的に符号１で示した環状磁石支持体を有し、こ
の環状磁石支持体は、魚釣りリールのフレーム
（第１−４図には示されてない）の一端壁２に設
けられていて回転可能な釣糸スプール３の一端壁
４に向かつて開放している円形中空空間に分離可
能に取り付けられている。環状板１には、いくつ
かの小さい円筒永久磁石６のための平らな底板を
構成する環状板５が配置されている。第３図と第
４図に見えるように、支持体が半径方向内側のリ
ング形壁１′を有し、その壁１′には、円柱形永久
磁石６およびねじ付きボルト７の頭端部を部分的
に囲むための、好適には弓形の壁を有するいくつ
かの円形ポケツトが形成されており、ねじ付きボ
ルト７は、支持体１のスリーブ形壁部８を通つて
延びる円柱シヤンク部分を有し、かつ外端壁２の
スリーブ形壁部８′に分離可能に取り付けられ、
その壁部８′の外側にボルト７がねじ付き端部
７′で調節ノブ９を担持している。第２図に示し
たように、ボルト７と支持体１が、支持体１と外
端壁２の間に挿入された螺旋ばね１０により釣糸
スプール３，４に向かつて内側方向にばね−付勢
されている。ボルトは摩擦によりまたは何か他の
方法で支持体１に固着されていて、かつスリーブ
形部分８′に対して変位可能である。ボルト７の
ねじ部に取り付けられた調節ノブ９は、外端壁２
の平らな支持面と係合する内側フランジを有す
る。ノブを一方向に回転させることにより、磁石
支持体１を釣糸スプール３の端壁４から離れる方
向に移動させることができ、またノブを反対方向
に回転させることにより、支持板がばねにより釣
糸スプールの方へ戻される。このようにして、永
久磁石６の端部とスプール端壁４の間の間隙に、
従つて磁力を変えることができる。

第４図に示したように、小さな円柱磁石６は、
あらゆる他の磁石がその北極端を有し、かつあら
ゆる他の磁石が、釣糸スプールに面するその南極
端を有するように位置決めされている。必要に応
じて、第３図に一点鎖線で示したように、二つの
磁石を挿入しても良いし、またはなしで済まして
も良い。このようにして、いろいろな重さの釣糸
スプールを制動するのに必要な制動力に依存し
て、種々の型式や大きさの魚釣りリールに対し所
望の数の磁石を磁石支持リングに使用することが
できる。

第１図に２で示した魚釣りリールの外端壁のそ
の部分は、いくつかのねじ２５によりリールフレ
ームの残りに解放可能に固定された分離可能なキ
ヤツプの形態をしており、かつプラスチツクで作
るのが好ましい磁石支持リング１は、キヤツプの
内側に変位可能に案内されている。端部壁４はア
ルミニユームのような金属で作つても良いし、ま
たは磁石と磁気誘導協働作用をするように金属被
覆をしても良い。底板５を薄板金または他の磁性
材料で作ることができる。磁石をそれらの後端に
より板に支持し、そして板が磁気回路を閉じる。
所望ならば、磁石を摩擦と弾性的な締付により保
持できるリング内のポケツトに磁石を所定の位置
に押し込むことができるようにプラスチツクリン
グを形成することができる。また、磁石を磁石支
持体に固着するこれらの実際的な方法を組合わせ
ることも考えられる。

支持板１の底板５は支持体の外側環状壁１″の
肩に係合することができ、また底板５をプラスチ
ツクリングに接着するか、またはそこから分離可
能であることができる。前述したように、底板５
は、磁石の北極と南極の間の磁気結合を確立する
金属からなるのが望ましいが、底板５はまた、例
えば、または好ましくは、プラスチツクリングと
一体にされたプラスチツク板でも良く、その場合
に、磁石と接触している底板の表面を金属被覆を
するか、または磁気的に伝導性の金属円板を担持
することができる。

調節装置は、独立して取り外し可能な三つの構
成要素だけ、すなわちボルト、調節ノブおよびば
ねからなる限りでは非常に単純である。ボルトの
取り付けには、ボルトの円柱形支承面と、魚釣り
リールフレームに連結された端部壁部材またはキ
ヤツプ２のスリーブ形部分２′の対応する支承ま
たは案内面しか必要ではない。

本発明による磁気ブレーキでは、制動効果が、
釣糸スプール３の一端壁４の隣接する側面から磁
石の距離を軸方向に調整することにより制御され
る。このようにして、磁極の全端部面積と釣糸ス
プール端部壁４の最大円周を利用することができ
る。磁極と釣糸スプール端部壁４の間の空気間隙
は、釣糸スプールが磁気ブレーキと機械的接触の
ない状態になることしか必要でない最小から、釣
糸スプール端部壁４の磁気誘導による磁石の制動
効果が実質的にゼロである最大まで調整できる。

磁気ブレーキの調整は、調節ノブ上の０から９
までの目盛刻印と、端部壁キヤツプ２の指示点に
より示すことができる。例えば、キヤツプにいく
つかの凹所だけでなくピンとばねを設けることに
より、一連の停止位置０、１、２…10を確立しか
つ感知することができる。

第２図に示したように、釣糸スプールが軸１４
に支持され、その突出端部がスリーブ１６に摺動
可能にかつ回転可能に受け入れられており、スリ
ーブ１６が次いで、釣糸スプール３に対し同軸に
かつその方向に、キヤツプ２の底から突出する中
央スタツド１８に形成された円筒孔に挿入されて
いる。釣糸スプール３を、軸１４に転り軸受によ
り回転可能に取り付けることができる。これに代
る方法として、第２図に示した軸１４の端部１
４′を、スリーブ１６にまたは中空スタツド１８
に転り軸受で支承することができる。キヤツプ２
を魚釣りリールのフレーム（図示省略）に取外し
可能に固定するために用いたねじ２５を解放後、
キヤツプ２が取外し可能であり、そしてキヤツプ
を取り外すと、釣糸スプールを手で取り上げるこ
とができる。

以上の記載から明らかなように、第１図と第２
図によるブレーキは少数の構成部品しか有しな
い。つまり、磁石支持体、すなわちプラスチツク
リングおよび薄板金リングからなる底板、調整ノ
ブおよび支承面を有する調整ボルト（二つの構成
要素）、ボルトのための支承面を有するキヤツプ
のスリーブ形部分、ノブを支持するためのキヤツ
プの平らな支承面、および５個から８個の数で良
い単純な円柱磁石からなる。

本質的な利点は、釣糸スプールおよび本発明に
よる磁気ブレーキが容易に分離可能なことであ
る。前述したようにねじ２５を解放することによ
りキヤツプ２を解放した後、キヤツプをリールフ
レームから取り外すことができ、そしてキヤツプ
２の取外しによりリールフレームに露出された開
口部を通じて、釣糸スプールをリールフレームか
ら軸方向に取り上げることができる。ノブ９をボ
ルト７からゆるめて全体の磁石支持体１をボルト
７と共に取り外すことにより、磁石支持体がキヤ
ツプから容易に分離される。このことは、磁気ブ
レーキと釣糸スプールを、魚釣りリールの製造中
未熟な作業者によつても困難なく取り付けること
ができることを意味し、また解体検査と保守のた
めの取外しと再取付けを現場の条件の下で釣り人
自身により容易に実施することができる。そのよ
うな作業に釣り人が必要とする唯一の手工具は、
ねじ２５を解放するためのねじ回しである。しか
しながら、ねじ２５に、拡大されたきざみ付頭
（図示省略）を設けても良く、それによつてねじ
２０を工具なしで手で解放することができる。

第５図〜第８図は本発明による魚釣りリールの
好ましい実施例を示し、この実施例では、第１図
〜第４図に示された実施例によるキヤツプ２が改
変されて総括的に２０で表わされている。キヤツ
プ２０は端部壁部材２２の円形開口部２１に解放
可能に固定されており、端部壁部材２２はいくつ
かのねじ２５によりリールフレーム２４に解放可
能に固定されている。第５図〜第８図に示した実
施例のキヤツプ２０と比較して、第１図〜第４図
によるキヤツプ２は２つの部品に分割されている
ことを認めなければならない。これらの２つの部
品のうちの一方は端部壁部材２２であり、この端
部壁部材は、リールフレームの解放可能な部分
と、他方の部品、すなわちキヤツプ２０の解放可
能な取付けのための支持体を形成しており、また
キヤツプ２０は第１図〜第４図のキヤツプ２より
一層コンパクトであることが明らかである。実際
の所、キヤツプ２０はフレーム端部壁部材２２の
開口部２１の直径と調和するように寸法決めされ
ており、次いでその開口部２１は、キヤツプ２０
を取り外した後釣糸スプール３をスプール軸１４
と共に楽に引き出せるのに十分なだけの寸法を有
する。これらの前提の下でキヤツプ２０の直径
は、魚釣りリールを、釣糸スプールの回転軸線が
垂直位置の状態で保持したときに、釣糸スプール
が重力により開口２１を通つてすべり出せるよう
にスプール端部壁４の直径より十分に大きくなけ
ればならないと理解される。

第６図〜第８図に示したキヤツプ２０は、円筒
形内端部の外周面から突出する、第８図の符号２
７のようなノブまたは肩部の形態の突出要素（突
起）２７を有し、この突起２７は、開口部２１の
内周面から突出する、第５図の符号２６のよう
な、ノブまたは肩部の形態の突出要素（突起）２
６に対し差込連結機構を構成し、第５図に示した
開口部２１に解放可能に取り付けられ、かつ錠止
されている。これらの突出要素２６，２７は、隔
置された部分が取りこわされた一対の噛合うねじ
山の部分要素を形成する構造と言うことができ
る。キヤツプ２０により支持されたこれらの突出
要素２７は、キヤツプをその円筒形内端部で開口
部２１に挿入したときに、突出要素２６の間の空
間を通つて軸方向に動くのが自由である。それか
ら、キヤツプを全回転の小部分だけ、例えば数度
回転させることにより、キヤツプの突起２７が壁
部材２２の内周面の突起２６の下に係合する。キ
ヤツプ２０がこの係合位置に、全体的に３０で示
したばね負荷されたとめ金により自動的に錠止さ
れて、壁部材２２の中空部分に取り付けられる。
このとめ金は、ピンの形態の押しボタン３０′に
より解放可能であり、その押しボタン３０′は、
壁部材２２に形成された孔３１に摺動可能に装着
され、かつ壁部材２２の外側から指で近接でき
る。

第７図に示したように、とめ金３０は螺旋ばね
３２により付勢され、かつ舌状部３３を有し、こ
の舌状部３３は、突起２６，２７が相互係合して
いる係合位置にキヤツプを角度的に錠止するため
にキヤツプ２０の外周面の凹所３４の中へ移動可
能である。押しボタン３０を押した後、キヤツプ
を、壁部材２２から取り外せる自由な位置へ回転
させることができる。それから、第１図〜第４図
に関して述べた実施例のように磁気ブレーキに近
接可能であり、そして釣糸スプールを開口部２２
より引き出すことができる。このようにして、魚
釣りリールのきわめて重要な部品に保守のために
近接できる。

このように、押しボタン３０′を楽に押すこと
により、キヤツプを回転させるのが自由になり、
キヤツプを数度回転させた後、それを引き出すこ
とができ、そしてキヤツプをリールフレームから
取り外したときに、通路、すなわち開口部２１が
露出されて、釣糸スプールをリールフレームから
軸方向に引き出すことができる。60秒より短かい
ような、ごく短かい時間で、釣糸スプールを取り
外し、新しい釣糸スプールを挿入し、そしてキヤ
ツプを再び取り付けて所定の位置に錠止し、その
後釣り人が興味をもつているもの、すなわち魚釣
りに戻ることができる。もちろん、キヤツプ２０
を分離すると、第１図〜第４図に関して述べたよ
うに手入れするために近接でき、また釣糸スプー
ルを取り外すと、魚釣りリールのきわめて重要な
内部部品が、砂の粒子を落とす掃除、潤滑などの
ような小さい手入れのために露出される。

このようにして、釣り人が通常家で実行する
か、または専門家に任せて実行させる多くの手入
れ作業を、魚釣りの短かい中断の間に釣り人自身
により容易に行なうことができる。

本発明は、以上に例示して述べた実施例に限定
されないで、特許請求の範囲内で種々の仕方で改
変することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は磁気ブレーキのための調整ノブを有す
る、魚釣りリールの固定外側端部壁を示す図、第
２図は第１図の線−に沿つて切断した魚釣り
リールの部分断面図、第３図は所定の位置に取り
付けられた磁石を示す磁石支持体の平面図、第４
図は第３図の線−に沿つて部分的に断面して
示した磁石支持体の側面図、第５図はキヤツプ錠
止手段と釣糸スプール軸またはスピンドルの端部
を示すために分離可能な端部キヤツプを取り外し
てある魚釣りリールの好ましい実施例の拡大斜視
図、第６図は端部キヤツプが取り付けられて所定
の位置に解放可能に錠止されている、第５図の魚
釣りリールの端面図、第７図は第６図の線−
に沿つて切断した部分断面図、第８図は第６図に
示した端部キヤツプの部分を含む端部キヤツプの
部分側面図である。 １……磁石支持部材、２，２０……キヤツプ、
５……底板、６……磁石、７，９……調整手段、
２１……開口部、２７，２６……突起、３０……
とめ金、３４……凹所。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ リールフレームと、フレームに回転可能に取
   り付けられた釣糸スプールと、釣糸を投げている
   間釣糸スプールを制御するための誘導型磁気ブレ
   ーキとを備え、前記磁気ブレーキは、各磁石がＳ
   極及びＮ極の極端部を有する複数の磁石からな
   り、また前記磁石を前記極端部が弧に沿つて間隔
   を置いた状態になるよう支持するための磁石支持
   部材を備え、前記極端部が、前記釣糸スプールの
   回転軸線に対して垂直な共通平面に位置決めさ
   れ、前記リールフレームがその一端に、前記釣糸
   スプールを前記フレーム内の所定の位置に軸方向
   に挿入できる十分な直径の開口部を有し、前記磁
   石支持部材と前記リールフレームは、支持部材が
   前記開口部を閉じて、かつ前記磁石を、前記極端
   部の弧が前記釣糸スプールの回転軸線に対して同
   軸位置にある状態で支持する位置に前記フレーム
   に前記支持部材を解放可能に固定するための固定
   手段を有し、前記釣糸スプールが、前記平面に面
   するその一端に、前記磁石と誘導的に協働するた
   めに前記平面から短い距離をおいて前記釣糸スプ
   ールと共に回転可能な手段を有し、さらに前記平
   面からの軸方向距離を釣糸スプールと共に回転可
   能な前記手段に対して調整するために前記磁石支
   持部材が魚釣りリールの外側から近接できる調整
   手段を支持しており、前記磁石支持部材は、前記
   リールフレームから解放されたときに、前記磁石
   と共に前記フレームから取外し可能であり、それ
   により前記開口部を露出して前記釣糸スプールを
   前記開口部より軸方向に引き出しかつ再び挿入で
   きるようにし、前記磁石支持体は、ほぼ円筒形の
   壁部材を有するキヤツプ部材と、環状壁部材およ
   びこれに固定された環状の磁石支持体を有する可
   動壁手段とからなり、前記支持板が、前記釣糸ス
   プールと反対側に面する前記極端部と接触するた
   めに磁気的に伝導性の材料の磁石支持面を有し、
   および前記環状壁部材が、前記磁石を、前記極端
   部が前記面と接触した状態に受け入れて保持する
   ように配置されたほぼ円形の列のポケツトを有
   し、前記リールフレームが前記一端に、前記釣糸
   スプールと同軸に接合した円形開口部を有し、前
   記開口部の直径は、前記釣糸スプールをリールフ
   レームのその位置から軸方向に引き出させるよう
   に釣糸スプールの最大直径より十分に大きくなつ
   ており、前記キヤツプの前記円筒形壁部材が前記
   開口部に挿入可能に寸法決めされ、前記開口部の
   前記リールフレームと前記キヤツプの前記円筒形
   壁部材は、前記開口部の前記キヤツプを全回転の
   小部分だけ回転させることにより互いに係合した
   り離脱したりするように形成された協働可能な係
   合手段を有し、前記係合手段は、互いに係合した
   ときに、前記キヤツプが引き出されるのを防止
   し、前記キヤツプには、前記キヤツプの外側から
   近接可能なばね付勢された押しボタンを有すると
   め金が設けられ、前記リールフレームが前記開口
   部に隣接したその部分に孔を有し、前記押しボタ
   ンが、前記孔に摺動可能に装着された軸からな
   り、この軸は軸から前記開口部の中へ突出する突
   出タブを支持しており、前記移動可能な押しボタ
   ンを外側端部位置に維持するように向かう方向に
   前記端部壁部材と前記押しボタンの間で作用する
   ように付勢ばね手段の作用に抗して手で内端位置
   へ移動可能であり、前記開口部に挿入されたキヤ
   ツプを、前記突起が互いに係合する角度位置に回
   転させるや否や、前記とめ金の前記タブを受け入
   れるように凹所が前記キヤツプの前記円筒形壁部
   に形成され、それにより前記とめ金の前記タブが
   前記凹所に受け入れられたときに、前記押しボタ
   ンを押して前記タブを前記凹所の係合から外すま
   で、キヤツプが前記突起の離脱位置へ互いに関し
   て回転するのを阻止することにより前記とめ金の
   タブが前記キヤツプをリールフレームの前記開口
   部から取り外すのを防止する魚釣りリール。 ２ 前記の協働可能な係合手段が前記開口部およ
   び前記円形端部壁部材の突出要素からなり、前記
   突出要素は、中間の隔置部分が取りこわされた一
   対の噛み合うねじ山の隔置部分の形態をしてい
   る、特許請求の範囲第１項に記載の魚釣りリー
   ル。 ３ 前記釣糸スプールを前記リールフレームに回
   転可能に支持するためのスピンドルを有し、前記
   フレームが対抗した端部壁部材を有し、前記スピ
   ンドルが、前記釣糸スプールの対向端から突出す
   る対向端部を有し、前記の対向するフレーム端部
   壁の各々が、前記の突出するスピンドル端部のう
   ちの対応する端部を回転可能に支持するための軸
   箱を支持しており、各軸箱が前記釣糸スプールの
   方向に解放していて、かつそこに前記の対応する
   スピンドル端部を軸方向に挿入できるようになつ
   ており、前記キヤツプが、キヤツプの中央部分に
   固定された前記軸箱のうちの一つを支持してお
   り、その軸箱が、前記磁石を取り付けてある前記
   ポケツトを有する前記環状壁部材により囲まれて
   おり、また前記キヤツプおよび前記磁石、前記調
   整手段およびそれにより支持された前記一つの軸
   箱が、前記前記キヤツプを前記リールフレームの
   前記開口部から取り外すことにより前記フレーム
   からおよび前記スピンドルからそれぞれユニツト
   として取外し可能である、特許請求の範囲第１項
   に記載の魚釣りリール。