JPH0470100B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はトランスフアープレスの分割型フイー
ドバーに用いられる連結装置に関する。

〔従来技術〕

トランスフアープレスは、多数の金型２を直線
上に並べておき（第４図）、これら各金型２によ
つてプレス加工される各々の加工物３（第５図）
を順次隣の金型へ搬送させつつ、複数のプレス加
工工程を効率良く進めていくプレス装置である。
そして前記加工物の搬送を行なうためにトランス
フアー装置４が用いられる。このトランスフアー
装置４はフイードバー６と呼ばれる２本の直線状
のバーを備えており、このフイードバー６を繰返
し運動させることにより、前記複数の加工物３を
同時にそれぞれ隣の金型２へ搬送するようになつ
ている。即ち、２本のフイードバー６は内側にフ
インガー７と呼ばれる治具を有しており、フイー
ドバー６が互いに近づくクランプ動作を行なうこ
とによりフインガー７が加工物を保持するように
なつている。続いてフイードバー６は上昇し加工
物を金型２（下金型）から持ち上げる（リフト動
作）。そしてフイードバー６は長手方向に前進し
加工物を隣の金型２（下金型）の上方に移動させ
る（アドバンス動作）。そこでフイードバー６が
下降すると加工物は次の金型２（下金型）の中に
配置される。この配置が終わると、２つのフイー
ドバー６は互いに離れアンクランプ動作を行な
う。その後フイードバー６は次の搬送のため後退
し、元の金型の位置に戻る（リターン動作）。こ
のような各動作を繰返し行ない加工物は次から次
へ隣の金型へ搬送される。

一連のプレス加工工程を行なう前記複数の金型
２は、ムービングボルスター８の上に載せられ、
トランスフアープレスが全く別の加工物をプレス
加工する際には、ムービングボルスター８ごと取
替えられる。またフイードバー６は、各加工物の
保持に適したフインガー７が取付けられているこ
と、また搬送する加工物の重さにあわせ、その重
さによつて生じる曲げモーメントや捩じりモーメ
ントに耐えられる強度のものが必要であること等
により、前記複数の金型２とセツトにして扱われ
る。このときトランスフアー装置から取外された
フイードバー６を載せるための受座９が、ムービ
ングボルスター８に設けられている。

フイードバー６の取外しが容易に行なえるよう
に、フイードバー６は、トランスフアー装置４側
に固定されて残されている固定側フイードバー１
０，１０Ａ，１０Ｂと、金型が代わる度に取替え
られる取外し側フイードバー１２に分割でき、連
結装置を使つて固定側と取外し側両フイードバー
間の連結及び解除を行う。即ち、一方の側（右
側）の固定側フイードバー１０Ａはトランスフア
ー装置４に固定されており、トランスフアーユニ
ツト１４によりリフト動作、アドバンス動作、ダ
ウン動作、リターン動作からなるボツクス運動を
繰返しておこなうようになつている。またクラン
プユニツト１３により、クランプ動作とアンクラ
ンプ動作の往復運動を繰返して行なうようになつ
ている。この固定側フイードバー１０Ａに連結さ
れる取外し側フイードバー１２は、連結後の全体
が一本になるフイードバーの中央部分を構成する
ことになる。この取外し側フイードバー１２の他
方の分割端（左側）には、もう一方の固定側フイ
ードバー１０Ｂが連結される。取外し側フイード
バー１２は、前記トランスフアーユニツト１４や
クランプユニツト１３によつて直接駆動されるも
のではないが、スライド部材１６の上を長手方向
にスライド可能となつており、前記固定側フイー
ドバー１０Ａ，１０Ｂを介して駆動力を受け前記
ボツクス運動を行なうようになつている。

従来の連結装置を第６図に示す。固定側フイー
ドバー１０と取外し側フイードバー１２の分割端
１８は、図に示すように、略Ｚ型の分割面２０に
よつて接しており、前記Ｚ型の分割面２０のう
ち、フイードバーの長手方向に平行な面には、凹
凸２２が設けられ、長手方向の駆動力が両フイー
ドバー１０，１２の間で伝達されるようになつて
いる。この凹凸２２があるため、フイードバー６
の分割作業或いは連結作業の際には、取外し側フ
イードバー１２を長手方向と直角な方向から嵌め
込むようにして、両分割端１８を噛み合わせなけ
ればならない。

なお、このように分割作業及び連結作業の際に
取外し側フイードバー１２を長手方向と直角な方
向から嵌め込まなけれなばならない技術が開示さ
れている刊行物として実公昭62−45782号公報、
実公昭62−45781号公報等がある。

〔発明の解決しようとする課題〕

しかしながら、従来のフイードバーの連結装置
は、長手方向と直角な方向から取外し側フイード
バーを嵌め込まなけらばならず、このため以下の
欠点があつた。即ち、フイードバーの分割作業或
いは連結作業の際に作業員が手作業により、取外
し側フイードバーを長手方向と直角な方向から移
動させ嵌め込みや分割を行なわなければならなか
つた。そして、分割し取外した取外し側フイード
バーは、前記ムービングボルスターに設けられた
受座の上に手作業によつて載せなければならなか
つた。

また、この種装置の従来例として実開昭59−
99038号公報に開示されたものがあるが、この装
置は、連結する一方のトランスフアバーの長手方
向にシリンダ及びピストンそしてピストン先端に
延伸するテーパ状連結ピンが内設され、他方のト
ランスフアバーの縦断面中心に一方のテーパ状連
結ピンに係合する楔部材を設けた構造で、トラン
スフアバー間の連結が迅速に対応できず、さらに
は部品点数が多く装置自体が大掛かりとなり、フ
イードバー内への取付、設置が面倒であつた。

また、この種の装置はバーの長手方向に平行な
軸廻りに微少量回動する、いわゆる倒れによるガ
タを抑止できないばかりか、各バーに働くせん断
力をも抑止できないきらいがあつた。

本発明は以上の問題点を解決するためになされ
たもので、分割作業或いは連結作業が迅速に対応
でき、構成が簡単で、部品点数が少なく、安価
で、しかも連結によるガタやフイードバー動作時
に作用するせん断力などの物理的作用に充分耐え
得ることのできるフイードバーの連結装置を提供
することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は以上の目的を達成するためになされた
もので、トランスフアープレスの分割型フイード
バーを連結する装置において、固定側フイードバ
ーの分割端には嵌入部がバー長手方向に設けら
れ、取外側フイードバーの分割端には前記嵌入部
が嵌入する中空部が形成され、前記嵌入部には、
嵌入方向と直角な方向に突出できる一対のピスト
ンピンと、該ピストンピンを収納し圧力流体が注
入されるシリンダ室が設けられ、前記中空部の内
壁には前記ピストンピンが挿入される孔が形成さ
れているものである。

〔作用〕

分割作業の際にはシリンダ室に圧力流体を注入
しピストンピンを引つ込めると、ピストンピンが
孔から抜ける。この状態で、取外し側フイードバ
ーを固定側フイードバーに対し、相対的に長手方
向に移動させ、嵌入部を中空部から脱離させるこ
とができる。この長手方向の移動は、フイードバ
ーをムービングボルスターの受座の上においた状
態で行なうことができる。さらに、前記移動は、
フイードバーのアドバンス動作を利用して容易に
行なうことができ、連結作業の自動化への道を開
くことができる。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を第１図〜第３図を基
に説明する。第１図は本実施例のフイードバーの
連結装置の水平断面図、第２図は第１図の分割が
行なわれた状態を示す斜視図、第３図は第１図の
側面図である。このフイードバー６は従来と同様
に、フイードバー６の中央側の大部分を占める取
外し側フイードバー１２と、その両端に位置し連
結される固定側フイードバー１０からなる。よつ
て連結装置は２カ所に設けられる。トランスフア
ー装置には、このようなフイードバーが２本用い
られる（第４図参照）。

第１図は従来の第６図に略対応する図である。
本実施例のフイードバー６は角パイプからなつて
おり（第２図）、固定側フイードバー１０の分割
端内部には、嵌入部ハウジング２６が設けられ、
外側からねじ２８により取付け固定されている。
嵌入部ハウジング２６の前端部２９はフイードバ
ー６の長手方向に突出しており、取外し側フイー
ドバー１２の分割端の内周形状に沿つた断面形状
を有している。取外し側フイードバー１２の分割
端は、角パイプが切断された形状となつており、
内部は前記嵌入部ハウジング２６の前端部２９が
嵌入する中空部３０が形成されている。そして、
前記嵌入部ハウジング２６の前端部２９の側面に
は、一対のピストンピン３２が水平に対向して設
けられている。このピストンピン３２は円柱状の
ピストン本体３４の先端に、拡径した第２ピスト
ンたるピストンヘツド部３６が設けられ、後端
に、拡径し外周囲にＯリング３８が嵌め込まれた
第１ピストンたるピン基部４０が形成されてい
る。ピン基部４０は、嵌入部ハウジング２６の内
部に設けられたシリンダ室４２内に収納されてい
る。シリンダ室４２には３つの注入孔４４，４５
が形成されており、圧力流体であるエアーが注入
されるようになつている。三つの注入孔のうち、
１つ４５はシリンダ室４２の長手方向中央に設け
られ、２つのピストンピン３２を突出させるため
に用いられる。残りの２つ４４はシリンダ室４２
の端に設けられ、ピストンピン３２を引つ込める
ために用いられる。

ピストンヘツド部３６は、前記シリンダ室４２
の両端側に設けられた摺動室４６内を摺動するよ
うになつている。摺動室４６と前記シリンダ室４
２との間の貫通孔４８をピストン本体３４がＯリ
ング５０を介して摺動し往復動をするようになつ
ている。前記取外し側フイードバー１２の中空部
３０の内壁には、前記摺動室４６に対応する孔５
２が明けられ、この孔５２はリング状のボス５４
が外周縁に溶接されることにより補強されてい
る。

次に本実施例の作用について説明する。分割作
業の際には、シリンダ室４２の端部に設けられた
２つの注入孔４４からエアーを注入すると同時
に、中央の注入孔４５からエアーを排出する。こ
れにより２つのピストンピン３２はエアーの力に
よつて引つ込み、ピストンヘツド３６はボス５４
から内側に引つ込む。その後、取外し側フイード
バー１２を固定側フイードバー１０から相対的に
長手方向に移動させるが、この移動はトランスフ
アー装置４が本来備えているトランスフアーユニ
ツト１４（第４図参照）によつて行なえる。即
ち、前述したようにフイードバー６はトランスフ
アーユニツト１４によりリフト動作、アドバンス
動作、ダウン動作、リターンからなるボツクス運
動を繰返して加工物を搬送するものであるが、前
記アドバンス動作或いはリターン動作を行なうこ
とにより、取外し側フイードバー１２の相対的な
長手方向の移動を行なうことができる。この移動
により嵌入部ハウジング２６の前端部２９が中空
部３０から脱離し、フイードバー６の分割が行な
われ得る。このとき、フイードバー６は長手方向
にのみ移動すればよいので、フイードバー６をム
ービングボルスター８の受座９（第５図参照）に
載せたまま分割作業を行なうことができる。従つ
て作業員による手作業を大巾に省くことができ、
ひいては自動的に分割作業を行なうことが可能と
なる。

連結作業の際には、前記分割作業の際と同様
に、取外し側フイードバー１２をムービングボル
スター８の受座９の上に載せた状態で固定側フイ
ードバー１０の長手方向の移動を行なう。この移
動により固定側フイードバー１０の嵌入部ハウジ
ング２６の前端部２９が、取外し側フイードバー
１２の中空部３０に嵌入する。この嵌入の後、シ
リンダ室４２の中央の注入孔４５からエアーを注
入し２つのピストンピン３２を突出させる。この
突出によりピストンヘツド部３６はボス５４と摺
動室４６の間に存在することになり（第１図参
照）、フイードバー６に働く剪断力を拡径された
ピンヘツド部３６により受け持つことができる。
従つて、ピン本体３４は細くても十分に大きな剪
断力に耐えることができる。

また第１図に示すように、拡径されたピンヘツ
ド部３６と拡径されたピン基部４０は、ピン本体
３４に比べ十分に径が大きくなつており、ピンの
倒れによる連結装置のがたつきを抑止することが
できる。即ちピストンピン３２の摺動部分、例え
ばピストンピン３２とシリンダ室４２の内壁或い
は摺動室４６の内壁には、摺動が行なわれ得るた
めに必要な微小な隙間が存在する。この隙間の存
在により、ピストンピン３２はフイードバー６の
長手方向に平行な軸周りに微小量回動し、いわゆ
る倒れを生じる。この倒れが大きくなると連結装
置にがたが生じ、連結されたフイードバー６が全
体として１本のフイードバーの働きをしにくくな
る。本実施例においては前記したようにピストン
ピン３２のピンヘツド部３６とピン基部４０が拡
径されており、ピン本体３４の径が小さいにも係
らず、ピストンピン３２の倒れはピストン全長に
おいて径が拡径されたものと同じにまでに抑止さ
れる。換言すれば、摺動部分であるピストンヘツ
ド部３６及びピン基部４０が拡径されていること
により、拡径がされておらず全体がピン本体と同
一の小さな径を有する場合に比べ、微小隙間によ
る倒れを小さくできるものである。

また、従来例に比べ連結は、嵌入部ハウジング
２６の前端部２９と中空部３０の枠体内壁の接触
のみならず、ピストンピン３２を介して行なわれ
る摺動室４６と孔５２との係合係止により行なわ
れるので、強固に行なわれる。従つてピストンピ
ン３２をそれほど大きなものとする必要がない。
またピストンピン３２の往復動をストロークは小
さくてよく、よつてシリンダ室４２に注入される
エアーの量も少なくてすむ。またピストンピン３
２自体も短くてよい。

〔発明の効果〕

以上の説明したように本発明のフイードバー連
結装置によれば、取外し側フイードバーを固定側
フイードバーに対し長手方向に相対的に移動させ
ることでそれらフイードバーの連結作業及び分割
作業を行うことができ、連結作業の自動化への道
を開くことが可能となることは勿論のこと、従来
に比べ連結部分が短い構造のため、その分それら
フイードバーの連結及び分割の各作業を迅速にで
きる。また、第２ピストンが中空部枠体の孔を介
して緊密に嵌合し、しかも第２ピストンは摺動室
に摺動可能に設けられており、第１ピストンもシ
リンダ室に摺動可能に設けられていることから、
フイードバーの連結は従来に比べ緊密且つ強固に
行われ、特にフイードバーの長手方向に平行な軸
廻りに微少量回動する、いわゆる倒れによるガタ
を抑止できるので、連結によるガタやフイードバ
ー動作時に作用するせん断力に充分耐え得る。さ
らに、従来に比べて構成が簡単で、部品点数が少
なく、安価である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のフイードバーの連結装置の一
実施例を示す水平断面図、第２図は第１図の連結
装置が外れた状態を示す斜視図、第３図は第１図
の側面図、第４図は連結装置が備えられた従来の
分割型フイードバーを有するトランスフアー装置
の全体平面図、第５図は第４図の−断面図、
第６図は第４図の部の拡大縦断面図である。 １０……固定側フイードバー、１２……取外し
側フイードバー、２６……嵌入部ハウジング、３
０……中空部、３２……ピストンピン、４２……
シリンダ室、４６……摺動室、５４……ボス。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ トランスフアープレスの分割型フイードバー
   のうち取外側フイードバー１２を固定側フイード
   バー１０に対し長手方向に相対的に移動して連結
   作業及び分割作業をなすフイードバー６の連結装
   置において、固定側フイードバー１０の分割端に
   は嵌入部ハウジング２６が突設され、取外側フイ
   ードバー１２の分割端には前記嵌入部ハウジング
   ２６と嵌合する中空部３０が形成され、前記嵌入
   部ハウジング２６には、前記中空部３０との嵌入
   方向と直角な方向に、圧力流体が供給或は排出さ
   れる第１ピストン部４０用のシリンダ室４２と、
   第２ピストン部３６用の摺動室４６とが一体形成
   され、これらシリンダ室４２と摺動室４６には、
   該嵌入方向と直角な方向に突出する突出側先端部
   に拡径した前記第２ピストン部３６を形成すると
   ともに、該第２ピストン部３６の後端部に拡径し
   た第１ピストン部４０を一体形成した一対のピス
   トンピン３２が、前記シリンダ室４２と摺動室４
   ６に摺動可能にそれぞれ収納され、前記中空部３
   ０の枠体には前記第２ピストン３６に緊密に嵌合
   する孔５２が形成されてなることを特徴とするフ
   イードバーの連結装置。