JPH046761Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は生鮮食料品等、臭気の発生源となり易
いものを収納するところの透明な包装容器の内壁
面に貼付けて僅かな臭気でも除去するとともに必
要とする表示を有するラベルに関するものであ
る。

従来の技術 従来の脱臭剤は、例えば活性炭や硫酸第一鉄
（FeSO₄・7H₂Ｏ）の如きものの粉体を結合剤を
用い又は用いずして、粒状、顆粒状、平板状等に
造粒又は加工し、通気性の紙とか、各種の織布か
らなる袋又は箱に入れて、使用する場所に設置す
るか、又は、硫酸第一鉄／Ｌ−アスコルビン酸系
水溶液等、溶液状態のものをそのまま、もしくは
溶剤、液化ガスに溶解し、エアゾルタイプのもの
として、脱臭をしようとする対象物（容器、家
具、靴の内部等）に散布するか、又は脱臭剤の溶
液を活性炭、珪藻土、鋸屑、ゼオライト、軽石、
多孔性プラスチツク、発泡コンクリート、不織
布、布、綿、紙等の担体に含浸担持させたものを
脱臭を必要とするところに設置して用いていた。

考案が解決すべき問題点 上記に示したような従来の技術では固型脱臭剤
ではこれを設置するための一定のスペースが必要
となるし、エアゾルタイプのものは溶剤を用いる
結果、使用時に細心の注意を必要とする外、使用
場所は溶剤で悪影響のないものに限られる外、脱
臭機能が低下した場合はこれを剥離する必要があ
るがその作業が手数がかかる等の諸問題があつ
た。

その対策として例えば実願昭57−5833号では脱
臭効果のある鉱物粉末を空気透過性の２枚のシー
ト間に挟着したもので、シート状とした点では一
つの新商品を生み出すものではあるが、前記従来
の技術の形を変えたものを示したに過ぎず、任意
のところに貼付けられるものではない。

又、従来の技術はいづれのものであつてもラベ
ル化したものは知られておらず、その点からの改
良は待望されていたところである。

問題点を解決するための手段 本考案は上述の如き実情に鑑み、従来実在しな
かつた脱臭ラベルについて検討の結果、以下に示
す如き構造のものを生み出した。

その要旨は支持体に脱臭剤を担持せしめてなる
脱臭シート１の表面に、表示事項のプリント２が
設けられ、その上には透明接着層３が施されてい
る脱臭ラベルである。

作 用 このようなラベルは脱臭作用を有するとともに
表示事項として例えば内容物の品名、数量、価
格、社名、店名、模様、マーク等を表示したプリ
ントを用いることにより実用機能が非常に高ま
り、又透明な接着層を利用して任意のもの、場所
に接着させることができる。

従つて例えば生鮮食料品のパツク等透明な包装
の内部側より貼付ければ、表示機能と脱臭、鮮度
保持機能とを併せて発揮させることができる。

以下本考案の脱臭ラベルの構成材料と製造方法
の概略について述べる。

支持体は紙、プラスチツクフイルム、金属箔、
不織布等が適用されたこれに脱臭剤を含浸、塗
工、抄造（混抄）練り込み等によつて脱臭シート
とされる。

ここに脱臭剤を挙げれば、亜鉛石鹸 「（C₁₈H₃₂O₃）₂Zn」、無水フタル酸の如き酸無水
物、金属フタロシアニン系、シアナミド系、グリ
オキザール、ナフトキノン類、硫酸第一鉄
（FeSO₄・7H₂Ｏ）／Ｌ−アスコルビン酸／系水
溶液等がある。この中でFeSO₄・7H₂Ｏ／Ｌ−ア
スコルビン酸はアスコルビン酸（H₂ASC）の作
用によりFe（）が活性状態となり、悪臭成分と
錯体を形成する。（例えばアンモニアガスの場合
アンミン錯イオンを形成する。）そして酸素がFe
（）により分子状酸素から活性酸素となり、元
の酸素より酸化力が強く、スーパーオキシドとし
て殺菌効果等の反応性を示すので脱臭と、殺菌の
両面の作用を発揮するので好ましい材料である。

表示プリントは内容物の品名、数量、価格、社
名、店名、マーク、模様等を通常の印刷手段でプ
リントする。

次に接着剤層として用いられる粘着剤はアクリ
ル酸エステル樹脂、エチレン／酢酸ビニル系共重
合樹脂等のエマルジヨン型で用いるものと、天然
ゴム系、合成ゴム系、ポリアクリル酸エステル
系、ポリビニルアルコール系等の溶剤型のものが
用いられ、粘着剤層の形成及びセパレータの付着
に当つては脱臭シートの表示プリント面に粘着剤
を塗布しドライラミネーシヨンでセパレータと貼
り合わせるか、セパレータに感圧粘着剤を塗布
し、脱臭シートの表示プリント面と貼合せること
により行なわれる。

次にセパレータとしては紙等の支持体にシリコ
ーン樹脂や弗素系樹脂等の離型剤を塗布含浸した
もの又は、シリコーン樹脂弗素系樹脂等の離型作
用の優れたプラスチツクテープが用いられる。

又、接着剤として用いられる感湿接着剤として
はポリビニルアルコールやデキストリン澱粉糊等
があげられて常時は乾燥状態で吸湿により粘着性
を帯びるものである。

上記工程によつて得られたテープ状の脱臭ラベ
ルシートは、長尺のシートとして作成したものを
予め予定されているラベルの寸法形状（プリント
されている表示内容等に合せて形状サイズが定め
られている）に従つて裁断もしくは打ち抜きして
本考案のラベルを得るものであり、実際の使用に
当つてはラベルの接着剤層を利用して透明包装物
等の内側より貼り付ける。

本考案で透明接着剤層とは先に述べたように粘
着剤を用いた場合と、感湿接着剤を用いた場合と
があり、これにより図示の如き実施例があげられ
る。

即ち第１図は支持体に脱臭剤を担持せしめてな
る脱臭シート１の表面に所定の表示事項のプリン
ト２を設け、その上に透明粘着剤層３ａを施し、
これにセパレータ４が仮接着されている脱臭ラベ
ルで、使用に当つてはセパレータ４を剥取り透明
粘着剤層３ａを露出させて透明包装内面等に接着
させる。

第２図は支持体に脱臭剤を担持せしめてなる脱
臭シート１の表面に所定の表示事項のプリント２
を設け、その上に透明感湿接着剤層３ｂを施した
脱臭ラベルで、使用に当つては水分を前記感湿接
着剤層３ｂに付与して粘着性にした上で透明包装
内面等に接着させる。

実施例 例１ 坪量50〜240ｇ／m²、密度0.5〜0.7ｇ／cm³、
湿潤強度0.5〜２Kg／15mmの紙を支持体とし、こ
れに硫酸第一鉄（FeSO₄・7H₂Ｏ）／Ｌ−アスコ
ルビン酸系水溶液を対パルプ５〜40％となるよう
に含浸せしめた後、乾燥し脱臭シートを得、これ
に所定の表示プリントを施す。

次にこの表示プリントの上にエチレン・アクリ
ル酸エステル等の透明性の粘着剤を塗布し、これ
にシリコーン離型紙を付着させて本考案の脱臭ラ
ベルシートを得る。

得られた脱臭ラベルシートを所定の大きさのラ
ベルに打抜きセパレータにより剥離して生鮮食料
品の透明パツクの内側に貼付したところ、優れた
脱臭効果と鮮度保持効果が確認された。

例２ 坪量50〜100ｇ／m²、密度0.7〜0.9ｇ／cm³、
湿潤強度0.5Kg／15mmサイズ度10秒以上の紙を支
持体とし、これに亜鉛石鹸〔（C₁₈H₃₂O₃）₂Zn〕液
を10ｇ／m²塗工し脱臭シートを得、これに所定の
表示プリントを施す。

次にこの表示プリントの上にエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂等のエマルジヨン型の透明性の
粘着剤を塗布し、これにシリコーン離型紙をドラ
イラミネーシヨンにより付着させて本考案の脱臭
ラベルシートを得る。

得られた脱臭ラベルシートを所定の形状・大き
さのラベルに打抜き、セパレータより剥離して生
鮮食料品の透明パツクの内側に貼付したところ実
施例１と同様に優れた効果を確認した。

例３ パルプ100重量部に対し、脱臭剤として超
塩基性岩塩（SiO₂32.5％、CaO19.4％、MgO16.8
％、その他21.4％、H₂O9.9％……商品名アミヨ
ン、アミヨン社製）30重量部を抄き込んだ紙（坪
量50〜240ｇ／m²、密度0.8ｇ／cm³）を支持体とし
て用い、その他は例１と同様にして本考案の脱
臭・ラベルシートを得る。

得られた脱臭ラベルシートを所定のラベルの形
状・大きさのラベルに裁断し、生鮮食料品の透明
パツクの内側に貼付したところ実施例１と同様に
優れた効果を確認した。

考案の効果 本考案によるときはセパレータを剥がして粘着
層を透明体（透明包装内部、透明容器の内部）に
貼り付けることによつて、表示プリントを外部か
ら読みとることができるとともに、脱臭シートの
脱臭力により内部の臭気を吸収除去することがで
き、特に硫酸第一鉄／Ｌ−アスコルビン酸等脱臭
とともに殺菌作用を有するものを使用すれば生鮮
食料品を包装容器中に収納する場合、一層長期間
鮮度を保たせることができるので、スーパー等の
食品パツクの内面貼付けラベルとして使用すれ
ば、非常に実用価値が高い。

なお本考案の実施に当つて表示プリントのイン
ク中にも脱臭剤を入れておけば一層脱臭効果を高
めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の実施例を示す脱臭
ラベルの断面図である。 １……脱臭シート、２……表示事項のプリン
ト、３ａ……透明粘着剤層、３ｂ……透明感湿接
着剤層、４……セパレータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支持体に脱臭剤を担持せしめてなる脱臭シート
   １の表面に、表示事項のプリント２が設けられ、
   更にその上に透明接着剤層３が施されていること
   を特徴とする脱臭ラベル。