JPH0467019B2 - - Google Patents

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JPH0467019B2
JPH0467019B2 JP60200595A JP20059585A JPH0467019B2 JP H0467019 B2 JPH0467019 B2 JP H0467019B2 JP 60200595 A JP60200595 A JP 60200595A JP 20059585 A JP20059585 A JP 20059585A JP H0467019 B2 JPH0467019 B2 JP H0467019B2
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JP
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data
control
cylinder
speed
calculation
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JP60200595A
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JPS6260958A (ja
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Kyoichi Fujimori
Rei Sekiguchi
Satoshi Kamya
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Bosch Corp
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Zexel Corp
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Publication date
Application filed by Zexel Corp filed Critical Zexel Corp
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Priority to KR1019860006163A priority patent/KR930011044B1/ko
Publication of JPS6260958A publication Critical patent/JPS6260958A/ja
Publication of JPH0467019B2 publication Critical patent/JPH0467019B2/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/14Introducing closed-loop corrections
    • F02D41/16Introducing closed-loop corrections for idling

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は内燃機関用アイドル運転制御装置に関
し、更に特定して述べると、多気筒内燃機関の各
気筒の出力のばらつきが小さくなるように各気筒
毎に供給燃料の調節を行ない、アイドル運転を安
定に行なうことができるようにした内燃機関用ア
イドル運転制御装置に関する。
(従来の技術) 従来の多気筒内燃機関の燃料噴射量の制御は、
燃料噴射量を全気筒共通に一律に制御するもので
あるため、内燃機関及びまたは燃料噴射ポンプの
製造公差などにより、各気筒の出力が均一になら
ず、特にアイドル回転時に内燃機関の安定性が著
しく損なわれ、排気ガス中に含まれる有害成分の
量が増大し、機関に振動が生じるほか、機関の振
動により騒音が発生する等の不具合が生じ易すか
つた。
上述の不具合を解消するため、内燃機関の各気
筒毎に噴射される燃料の制御を行なう所謂各筒制
御方式の装置が種々提案されてきている。この種
の装置として、例えば、気筒数の整数倍のサンプ
リングによつて内燃機関の平均回転速度を求めて
目標値とし、各気筒の回転速度とこの目標値との
差から、所謂学習方式によつて、各気筒に対する
燃料噴射量の制御を行なうようにした装置が開示
されている(特開昭58−176424号公報、特開昭58
−214627号公報及び特開昭58−214631号公報参
照)。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、上述の従来装置は、いずれも、平均機
関速度とその時々の各筒の速度との差から次回の
噴射量を予測する所謂学習制御方式であるので、
マイクロコンピユータ内において学習結果を評価
するのに時間を要し、制御の応答性が悪く、更
に、学習結果を評価するために複雑なアルゴリズ
ムを必要とするので、その開発に多大な工数を必
要とするという問題点を有している。
一方、この種の制御を行なう場合、各筒制御の
ための制御ループの制御状態は目標アイドル回転
速度によつて異なつてくるため、例えば、空気調
和装置を使用する等の理由によつて目標アイドル
回転速度が変更され所謂フアーストアイドル状態
となると、不均率制御が良好に行なえず、目標ア
イドル回転速度の変更により制御状態が悪化し、
機関の回転状態が悪化し不安定になるという不具
合を有していた。
本発明の目的は、従つて、目標アイドル回転速
度が変更されても各筒制御に従う機関の運転が安
定に行なわれるようにした内燃機関用アイドル運
転制御装置を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するための本発明の構成は、多
気筒内燃機関の各気筒の所定のタイミングにおけ
る瞬時速度を順次検出する検出手段と、上記検出
手段の検出結果に応答して上記内燃機関の平均速
度を示す平均速度データを演算出力する手段と、
所要の目標アイドル回転速度を示す目標速度デー
タを出力する手段と、上記目標アイドル回転速度
を得るために上記内燃機関に供給すべき燃料の量
に関連した第1制御データを出力するため上記平
均速度データと上記目標速度データとに応答して
所要の演算を行なう第1演算手段と、上記検出手
段から順次出力される検出結果に応答し各気筒に
対する瞬時速度と各気筒に対して夫々定められて
いる基準の気筒に対する瞬時速度との差分に応じ
た差データを全ての気筒に対して順次繰返し演算
出力する速度差演算手段と、上記差データにより
示される差分を零とするために必要な燃料供給量
に関連した第2制御データを得るため上記差デー
タに応答して所要の制御演算を行なう第2演算手
段と、各気筒の作動タイミングを検出するタイミ
ング検出手段と、該タイミング検出手段による検
出結果に基づき上記各気筒に対する次回の燃料調
節行程以前において上記第1制御データと上記第
2制御データとに応答し上記内燃機関への供給燃
料を調節するための調節部材の制御を行なう手段
と、上記内燃機関の運転状態を示す状態データを
出力する手段と、上記状態データに応答し上記第
1及び第2演算手段において実行される各制御演
算のための制御定数を定める手段とを備えた点に
特徴を有する。
(作用) 第1制御データにより、内燃機関の平均速度が
所要の目標アイドル回転速度に制御されるよう調
節部材の制御がフイードバツク制御により行なわ
れる。これと同時に、第2制御データにより、内
燃機関の各気筒の瞬時速度が等しくなるように各
気筒に対する調量制御がフイードバツク制御によ
り実行される。この結果、各筒制御は、内燃機関
の平均速度が所要の値に維持される状態のもとに
おいて実行されるので、各筒制御を安定に行なう
ことができる。更に、機関の運転パラメータに従
い、各フイードバツク制御系の制御定数が機関の
その時の運転状態に見合つた最適な値に設定さ
れ、これにより、目標アイドル回転速度が変更さ
れても各筒制御による機関の運転状態の安定性が
確保される。
(実施例) 第1図には、本発明による内燃機関用アイドル
運転制御装置をデイーゼル機関のアイドル運転制
御に適用した場合の一実施例がブロツク図にて示
されている。アイドル運転制御装置1は、燃料噴
射ポンプ2から燃料の噴射供給を受けるデイーゼ
ル機関3のアイドル回転速度の制御を行なうため
の装置である。
デイーゼル機関3のクランク軸4には、クラン
ク軸4が所定の基準角度位置に達したことを検出
するために、パルサ5と電磁ピツクアツプコイル
6とから成る公知の回転センサ7が設けられてい
る。図示の実施例では、デイーゼル機関3は、4
サイクル4気筒であり、パルサ5の周縁に90°間
隔で形成されたコグ5a乃至5dのうちのコグ5
a及び5cがデイーゼル機関3の4つの気筒のう
ちの2つの気筒の各ピストンが上死点に達したと
きに電磁ピツクアツプコイル6に対向するよう、
パルサ5とクランク軸4との間の相対位置関係が
定められている。
第2図aには、デイーゼル機関3の瞬時回転速
度Nが示されており、第2図bには、このとき回
転センサ7から得られる交流信号ACの波形が示
されている。交流信号ACは、各コグが電磁ピツ
クアツプコイル6に対向する毎にそのレベルが正
負に変動して一対の正負のピークを生じる波形と
なつており、各正負のピーク間の零クロス点の時
刻t1,t3,t5,……,t17が、夫々、デイーゼル機
関3のいずれかのシリンダピストンの上死点タイ
ミングに対応している。時刻t2,t4,……は、ク
ランク軸で上死点から90°過ぎたタイミングを示
している。一方、瞬時回転速度Nの各谷となつて
いる時刻t1,t3,t5,……t17が各気筒における爆
発タイミングであり、この爆発によつて瞬時機関
速度Nは上昇し、時刻t2,t4,……t16において、
機関速度Nは低下しはじめ、夫々次に爆発する気
筒の爆発行程の直前で瞬時機関速度Nは極小値と
なる。デイーゼル機関3の瞬時速度は上述の理由
によつて、周期的に変動し、その変動周期はクラ
ンク軸4の1/2回転に一致している。
尚、瞬時機関速度Nの各谷は、厳密に言えば、
各気筒のピストンが圧縮上死点のときと一致しな
い場合もあるが、本明細書においては、便宜上一
致するものとして説明する。
ここで、デイーゼル機関3の4つの気筒を夫々
気筒C1,C2,C3,C4と名づけ、これらの気筒C1
乃至C4が、夫々時刻t1,t3,t5,t7において爆発
行程に入り、以後、この順序で各気筒が順次爆発
行程に入るものとして以下の説明を行なう。
交流信号ACの各零クロス点により示されるタ
イミングがどの気筒の如何なるタイミングを示す
のかを検出するため、交流信号ACは、気筒C1
装着されている燃料噴射弁(図示せず)の針弁リ
フトセンサ9からの針弁リフトパルス信号NLP1
が基準タイミング信号として印加されているタイ
ミング検出部10に入力されている。針弁リフト
パルス信号NLP1は、第2図cに示されているよ
うに、気筒C1の爆発タイミングであるt1,t9
t17,……の直前に出力される。タイミング検出
部10は、交流信号ACの正方向パルスに応答し
てその入力パルス数を計数すると共に、針弁リフ
トパルス信号NLP1によりリセツトされる2進カ
ウンタとして構成されており、その計数結果を示
す2進データが、識別データDiとして出力され
る。従つて、この識別データDiにより、交流信号
AC中の任意の零クロス点が、どの気筒の如何な
る作動タイミングに対応しているのかを容易に識
別することができる(第2図d参照)。識別デー
タDiは、後述するようにして切換制御されるスイ
ツチSWを介して取出され、速度検出部8に入力
される。
速度検出部8は、各気筒における爆発タイミン
グ後、クランク軸4が90°回転するのに要する時
間θ11,θ21,……,θ41,θ12,θ22,……を交流信
号ACに基づいて計測するためのものであり、第
3図にその具体的な回路が示されている。第3図
を参照すると、速度検出部8は、交流信号ACよ
り充分に周波数の高い一定周期のカウントパルス
CPを出力するパルス発生器81と、カウントパ
ルスCPのパルス数を計数するためのカウンタ8
2とを備えている。カウンタ82は、カウントパ
ルスCPが入力されている入力端子82aのほか
に、カウンタ82の計数内容をリセツトして計数
動作をスタートさせるためのスタートパルスを与
えるためのスタート端子82bと、カウンタ82
の計数動作を停止させその計数内容を保持してお
くためのストツプパルスを与えるためのストツプ
端子82cとを備えている。各端子82b,82
cには、デコーダ83,84の各出力線83a,
84aが接続されており、これらのデコーダ8
3,84には識別データDiが入力されている。
識別データDiは、既に説明したように、針弁リ
フトパルス信号NLP1によつてリセツトされたカ
ウンタにより、交流信号AC中にその後生じた正
方向パルスの数を示すものであり、図示の実施例
では、針弁リフトパルス信号NLP1によりリセツ
トされたときに識別データDiの内容が零となるよ
うにタイミング検出部10が構成されている。従
つて、識別データDiの内容は、第2図dに示され
るように、t=t1にて1となり、t2で2、t3で3
となり、このようにして交流信号ACの正方向パ
ルスが発生する毎に1だけ増加し、t8で8となつ
たのち、t9の直前に出力される針弁リフトパルス
信号NLP1により0となり、以後同様にしてその
内容が変化する。
デコーダ83は、識別データDiの内容が1,
3,5,7のいずれかになつたことに応答して、
その出力線83aのレベルを短時間だけ「H」レ
ベルとし、これによりカウンタ82のスタート端
子82bにスタートパルスを供給する。一方、デ
コーダ84は、識別データDiの内容が2,4,
6,8のいずれかになつたことに応答して、その
出力線84aのレベルを短時間だけ「H」レベル
とし、これによりカウンタ82のストツプ端子8
2cにストツプパルスを供給する。
この結果、カウンタ82は、各気筒の爆発タイ
ミング(t1,t3,t5,……)後クランク軸4が90°
回転するまでの間だけカウントパルスCPの計数
を行なうことになる。従つて、各時間θ11,θ21
……,θ41,θ12,……に応じて計数データCDがカ
ウンタ82から出力される。計数データCDは、
更に、変換回路85に入力されており、ここで、
計数データCDはそのの時の各時間θ11,θ21,……
を示すデータに変換され、このデータは、各気筒
の爆発直後の機関の瞬時機関速度を示す瞬時速度
データとして順次出力される。
上述の如くして、各気筒の爆発タイミングを示
す交流信号ACの零クロス点タイミングから次の
零クロス点タイミングまでの時間θ11,θ21,……
を示すデータが速度検出部8から得られるが、以
後、本明細書においては、気筒Ciに対する瞬時回
転速度を示す瞬時速度データを、速度検出部8に
おいて検出された順序に従つて、一般に、Nio(n
=1,2,……)と表示することとする。
従つて、速度検出部8から出力される瞬時速度
データNioの内容は、第2図eに示す如くなる。
瞬時速度データNioは、平均値演算部11に入
力され、ここでデイーゼル機関3の平均速度が演
算され、その演算結果を示す平均速度データが
出力される。
デイーゼル機関3のその時々の運転状態に見合
つた目標アイドル回転速度を演算し、その演算結
果を示す目標速度データNtを出力するため、目
標速度演算部12が設けられている。目標速度演
算部12には、デイーゼル機関3の冷却水の温度
を検出する水温センサSEから出力されその時々
の冷却水温度を示す水温データTwと、図示しな
い空気調和装置のオン、オフを示す作動信号
COMとが入力されており、水温データTw及び作
動信号COMに従つてその時々の運転状態に応じ
た最適なアイドル回転速度を示す目標速度データ
Ntを出力する。平均値演算部11から出力され
る平均速度データと目標速度データNtとは、
加算部13において図示の極性で加算され、その
加算結果は誤差データDeとして第1PID演算部1
4に入力され、PID制御のためのデータ処理が行
なわれる。
第1PID演算部14における演算結果は噴射量
の次元のデータQideとして取出され、加算部15
を介して平均速度データが入力されている変換
部16に入力され、誤差データDeの内容を零と
するために必要な、噴射量調節部材17の目標位
置を示す目標位置信号S1に変換される。位置セン
サ18は、燃料噴射ポンプ2の噴射量を調節する
ための噴射量調節部材17のその時々の位置を検
出し、その位置を示す実位置信号S2を出力し、実
位置信号S2は、変換部16からの目標位置信号S1
と加算器19において図示の極性で加算される。
加算器19からの加算出力信号は第2PID演算
部20に入力され、PID制御のための信号処理が
施されたのち、パルス巾変調器21に入力され、
第2PID演算部20からの出力に応じたデユーテ
イ比のパルス信号PSが出力される。パルス信号
PSは、駆動回路22を介して噴射量調節部材1
7の位置制御を行なうためのアクチエータ23に
印加され、これにより、噴射量調節部材17は、
デイーゼル機関3が目標アイドル回転速度でアイ
ドル運転されるように位置制御される。
平均機関速度及び噴射量調節部材の実際の位置
に応答する上述の閉ループ制御系により、デイー
ゼル機関3の平均アイドル回転速度を所望の目標
アイドル回転速度に一致させるための制御が行な
われる。この制御がデイーゼル機関3の運転条件
の如何に拘らず円滑に行なわれるようこの閉ルー
プ制御系の制御定数を設定することができるよう
にするため、第1PID演算部14において行なわ
れるPID演算の各定数をデイーゼル機関3の運転
条件に応じて定めるための第1定数設定回路32
が設けられている。第1定数設定回路32には平
均速度データ及び水温データTwが入力されて
おり、これらの入力データの内容に従つてその時
のPID演算に最適なPID定数を示す第1定数デー
タDc1が演算出力され、第1PID演算部14に入力
される。第1定数設定回路32は読出し専用メモ
リ(ROM)を用いたマツプ演算回路として構成
することができる。すなわち、機関の平均速度と
水温との種々の組合せに対応させて予めPID定数
をメモリしておき、平均速度データ及び水温デ
ータTwの内容に従つて所要のPID定数を示すデ
ータを第1定数データDc1として出力する構成と
することができる。このマツプ演算のためのマツ
プデータは、予め実験を行なうなどして、適宜に
定めることができる。
このように、デイーゼル機関3の運転条件に従
つて第1PID演算部14において実行されるPID
演算のための定数を変更する構成とすると、平均
機関速度を所要の目標アイドル回転速度に一致さ
せるための制御を機関の運転条件の如何に拘らず
安定に行なうことができる。
本装置1は、更に、デイーゼル機関3の各気筒
の出力を同一とするように制御する、所謂各筒制
御を行なうため、別の閉ループ制御系を備えてお
り、次に、この閉ループ制御系について説明す
る。
各筒制御のための閉ループ制御系は、各気筒の
瞬時速度の差が零となるよう各気筒に供給される
燃料を調節するためのものであり、瞬時速度デー
タNioに応答して、気筒C1乃至C4の夫々に対する
瞬時速度と各気筒に対して予め定められている基
準の気筒に対する基準瞬時速度との差分を演算す
る速度差演算部24を備えている。本実施例で
は、着目した気筒に対する瞬時速度の直前に得ら
れた瞬時速度が基準の瞬時速度として考慮され、
従つて、N11−N21,N21−N31,N31−N41,……
が差データDdとして速度差演算部24から順次
出力される。これらの差データの出力タイミング
が第2図fに示されている。各気筒の瞬時速度は
相互に同一値であることが望ましく、差データ
Ddの値は零となることが望まれる。従つて、差
データDdは、零を内容とする基準データDrと、
加算部25において図示の極性で加算され、その
加算結果は、第3PID演算部26においてPID制
御のために必要な処理が施された後、噴射量の次
元を有する制御データDpとして出力される。第
3PID演算部26におけるPID演算は、後述する
第2定数設定回路33からの第2定数データDc2
に従つて実行される。
デイーゼル機関3の平均速度データは、速度
検出部8から新しい瞬時速度データNioが出力さ
れる毎に更新され、従つて、その内容は、第2図
gに示すように、12,……の如く変化して
いる。
出力制御部27は、差データDdに基づく制御
出力データDpの出力タイミングを制御するため
のものであり、識別データDiに従つて、その出力
タイミングが以下のように制御される。
即ち、或るタイミングで得られた制御出力デー
タDpは、その制御データの基となつている差デ
ータに関連する気筒CiとCi+1のうち、気筒Ci+1
対する次の燃料調節動作の制御のために出力さ
れ、その時の第1PID演算部14の出力であるア
イドル制御量データQideと加算部15において加
算される。従つて、例えば、時刻t4において得ら
れた差データNd(=N11−N21)は、気筒C1とC2
との間の瞬時速度差を示すものであるから、気筒
C2が次に爆発行程に入る時刻t11より少なくとも
前であつて、気筒C1が爆発する時刻t9より後のタ
イミングで出力される。この場合、N11−N21
差データに基づく制御データDpは、平均速度デ
ータ3に相応するアイドル制御量データQideと加
算されることになる。この結果、前回の速度差
N11−N21を零にするように噴射量調節部材17
の位置制御が行なわれ、気筒C1と気筒C2との瞬
時速度を等しくするための調量制御が行なわれ
る。
上述の出力制御部は、気筒C2とC3との間の出
力差、気筒C3とC4との間の出力差、及び気筒C4
とC1との間の出力差を夫々零とするように、気
筒C1とC2との間の出力差を零とする場合の動作
と同様の制御を行ない、これにより、各気筒に供
給すべき燃料噴射量が各気筒毎に制御され、各気
筒の出力が等しくされる。
上述した各筒制御のための閉ループ制御系にお
いても、その制御定数をデイーゼル機関3の運転
条件に従つて変更し、デイーゼル機関3の運転条
件の如何に拘らず各筒制御が円滑に行なわれるよ
うにするため、第3PID演算部26において行な
われるPID演算の各定数は、第2定数設定回路3
3からの第2定数データDc2によつて与えられる
構成となつている。第2定数設定回路33は、第
1定数設定回路32の場合と同様に、平均速度デ
ータ及び水温データTwに応答して作動し、そ
の時々におけるこれらのデータの値に見合つた
PID定数を示す第2定数データDc2を出力する。
従つて、各筒制御のための閉ループ制御動作も、
デイーゼル機関3の運転条件の如何に拘らず常に
安定な状態で行なうことができる。
出力制御部27の出力側には、ループ制御部2
8によりオン、オフ制御されるスイツチ29が設
けられており、各筒制御で安定に行ないうる所定
の条件が満たされていることがループ制御部28
により検出された場合にのみ、スイツチ29を閉
じて各筒制御を行ない、所定の条件が満たされな
い場合にはスイツチ29を開き、各筒制御を中止
し、各筒制御によりアイドル運転がかえつて不安
定になるのを防止するように構成されている。
即ち、上述の各筒制御による角速度制御は、ア
イドル回転速度が、所望の目標値に対して所定の
範囲内に入つている安定した状態にて行なうのが
望ましい。これは、噴射系及び内燃機関のばらつ
きが周期的に規則正しく現われる場合において、
上述の各筒制御がうまく作動するためである。従
つて、加減速操作を行なつている場合、或るい
は、制御系に異常が生じている場合には各筒制御
を行なうとかえつてアイドル運転が不安定とな
る。
従つて、本実施例では、目標アイドル回転速
度と実際のアイドル回転速度との差が所定時間以
上連続して所定値a1より大きくないこと、アク
セルペダルの踏込量が所定値a2以下となつている
こと、及び冷却水温が所定温度以上となつてい
ることの諸条件が全て満足された場合にのみ、ス
イツチ29が閉じられ、各筒制御のための制御ル
ープが構成される。
一方、目標アイドル回転速度と実際のアイド
ル回転速度との差が所定値a3(≧a1)以上となつ
たこと、アクセルペダルの踏込量が所定値a4
(≧a2)以上となつたこと、制御系に何らかの
異常が生じたことのうちの少なくとも1つに該当
するに至つた場合には、スイツチ29を開いて、
各筒制御が中止される構成となつている。
また、上述の実施例においては、ループ制御部
28によりスイツチ29が閉じられると同時に、
パルス巾変調器21からのパルス信号PSの周波
数が、デイーゼル機関の回転速度と干渉関係にな
い所定の周波数に変更され、これにより、各筒制
御時には、アクチユータ23の応答性の向上を図
つている。
尚、各筒制御を行なうか否かによつて制御の状
態が変わるので、第1及び第2PID演算部におけ
るPID定数を、スイツチ29の開閉状態に応じて
変更するように構成し、より一層の安定運転を図
るようにすることができる。
上述の如く、各筒制御を行なうために必要な各
気筒の動作タイミングの検出を交流信号ACと針
弁リフトパルス信号NLP1とに基づいてタイミン
グ検出部10によつて行なう構成であると、針弁
リフトセンサ9の故障時にタイミング検出部10
におけるタイミング検出動作が不可能となり、上
述の各筒制御動作が行なえず、これを放置する
と、アイドル制御状態はかえつて悪い状態となつ
てしまうという不具合が生じる。このような不具
合が生じるのを避けるため、本装置1は、交流信
号ACのみに基づいて各筒の作動タイミングを検
出するための予備タイミング検出部30を備えて
おり、予備タイミング検出部30において検出さ
れた検出結果を示す予備識別データDjが、スイ
ツチSWに入力されている。
針弁リフトセンサ9が故障したか否かを検出す
るため、針弁リフトパルス信号NLP1、平均速度
データ及び実位置信号S2が入力されている故障
検出部31が設けられており、故障検出部31
は、針弁リフトセンサ9からの針弁リフトパルス
信号NLP1の出力が停止した場合に、データ及
び信号S2に基づき機関が無噴射運転領域に入つて
いるか否かを判別し、若し無噴射運転領域に入つ
ていない場合には、切換信号HSを出力し、スイ
ツチSWを実線で示される状態から点線で示され
る状態に切換え、識別データDiに代えて予備識別
データDjが速度検出部8及び出力制御部27に
供給される。
第4図には、予備タイミング検出部30の構成
を示す詳細ブロツク図が示されている。予備タイ
ミング検出部30は、交流信号AC(第5図a参
照)を波形整形するための波形整形回路90を有
し、波形整形回路90からは、交流信号ACの正
方向パルスに相応したパルスから成る基本パルス
列信号Paが出力される(第5図b)。基本パルス
列信号Paは、T型フリツプフロツプ91に入力
され、T型フリツプフロツプ91は、基本パルス
列信号Paの各パルスの立上りタイミングにおい
て作動し、Q出力及び出力が得られる(第5図
c,d)。
基本パルス列信号Paは、アンドゲート92,
93の各一方の入力に印加されており、Q出力が
アンドゲート92の他方の入力に印加され、出
力がアンドゲート93の他方の入力に印加されて
いる。従つて、アンドゲート92はQ出力が
「H」レベルにあるときのみ開かれ、アンドゲー
ト93は出力が「H」レベルにあるときのみ開
かれる。この結果、アンドゲート92からは、基
本パルス列信号Paを構成するパルスが1つおき
に取り出され、これらのパルスから成るパルス列
信号が第1パルス列信号Pa1として出力される
(第5図e)。一方、アンドゲート93からは、基
本パルス列信号Paを構成するパルスのうち、第
1パルス列信号Pa1を構成するパルスに相応しな
いパルスが取り出され、これらのパルスから成る
パルス列信号が第2パルス列信号Pa2として出力
される(第5図f)。
従つて、既に説明したように、アンドゲート9
2,93のいずれか一方から出力されるパルス列
信号のパルスが、各気筒における爆発行程に入る
直前の、シリンダピストンの上死点タイミングを
示していることになる。第5図a又は第5図bか
らすぐ判るように、この場合には、第1パルス列
信号Pa1を構成するパルスが、いずれかの気筒の
爆発行程直前におけるシリンダピストンの上死点
タイミングを夫々示していることになる。この事
実を、針弁リフトパルス信号NLP1を用いること
なく、基本パルス列信号Paにおける相隣るパル
スの時間間隔の相違から判別するため、第1及び
第2パルス列信号Pa1,Pa2により制御されるカウ
ンタ94,95が設けられている。これらのカウ
ンタ94,95は、第3図に示したカウンタ82
と同一の構造のものであり、各入力端子94a,
95aには、交流信号ACの周期に比べて充分に
短い周期のカウントパルスPbがパルス発生器9
6から入力されている。カウンタ94のスタート
端子94b及びカウンタ95のストツプ端子95
cには、第1パルス列信号Pa1が入力されており、
カウンタ94のストツプ端子94c及びカウンタ
95のスタート端子95bには、第2パルス列信
号Pa2が入力されている。従つて、カウンタ94
は、第1パルス列信号Pa1のいずれかのパルスに
よつてリセツトされてカウントパルスPbの発生
個数を計数しはじめ、この後はじめて出力される
第2パルス列信号Pa2のパルスによりその計数動
作が停止せしめられ、その計数内容を保持するこ
とになる。カウンタ94の出力データは、第2パ
ルス列信号Pa2に応答して入力データのラツチを
行なうラツチ回路97に入力されており、従つ
て、カウンタ94の計数内容は、直ちにラツチ回
路97にラツチされることになる。
カウンタ95は、第2パルス列信号Pa2のパル
スにより計数動作が開始せしめられ、第1パルス
列信号Pa1のパルスによりその計数動作が停止せ
しめられるように配線されている。そして、カウ
ンタ95の計数内容は、第1パルス列信号Pa1
パルスに応答してラツチ回路98にラツチされ
る。
従つて、カウンタ94は、第1パルス列信号
Pa1を構成するパルスが出力されてから、第2パ
ルス列信号Pa2を構成する次のパルスが出力され
るまでの時間T11,T12,T13,……に相応するデ
ータDT11,DT12,DT13,……を出力し、これ
らのデータがラツチ回路97に上述のタイミング
でラツチされることになる(第5図e,f,g参
照)。同様に、カウンタ95は、第2パルス列信
号Pa2を構成するパルスが出力されてから、第1
パルス列信号Pa1を構成する次のパルスが出力さ
れるまでの時間T21,T22,T23,……に相応する
データDT21,DT22,DT23,……を出力し、こ
れらのデータがラツチ回路98に上述のタイミン
グでラツチされることになる(第5図e,f,h
参照)。
ラツチ回路97,98の内容は比較回路99に
入力され、いずれのラツチデータが小さいかの判
別を行ない、その判別結果を示すデータG1は、
第1及び第2パルス列信号Pa1,Pa2が印加されて
いるセレクタ100に選択制御データとして与え
られている。セレクタ100は、両信号Pa1,Pa2
のうちのいずれか一方を選択的に取出すためのも
のであり、ラツチ回路97,98のうち、より大
きなデータをラツチしているラツチ回路にラツチ
信号として与えられている方のパルス列信号を選
択する。従つて、この場合には、ラツチ回路98
の内容の方がラツチ回路97の内容より大きいの
で、ラツチ回路98に印加されている第1パルス
列信号Pa1がセレクタ100により選択され、4
進カウンタ101にカウントパルス信号として入
力される。即ち、各気筒の爆発行程直前における
シリンダピストンの上死点タイミングを示すパル
スから成るパルス列信号がカウンタ94,95の
カウント結果に基づいて選択されることになる。
4進カウンタ101の内容は、従つて、第5図
iに示されるように、第1パルス列信号Pa1を構
成する各パルスが入力される毎に1つづつ増加
し、0から3までの計数を繰り返えすことにな
る。従つて、4進カウンタ101からの出力デー
タが、その時爆発行程にあるシリンダを特定する
識別データとなり、予備識別データDjとして出
力される。
尚、予備識別データDjの内容によつては、気
筒C1乃至C4のいずれかが爆発行程にあるかを対
応づけて示すことはできないが、上述の説明から
判るように、各筒制御を行なうには全く支障がな
いものであり、予備識別データDjによつて、各
筒制御を正常に行なうことができる。
このため、針弁リフトセンサ9の故障が生じて
も、各筒制御を正常に続行せしめることができ
る。
尚、上記実施例では、針弁リフトセンサ9が故
障した場合にのみ予備識別データDjを制御等に
与える構成としたが、タイミング検出部10の代
りに第4図に示す回路を設け、常時、針弁リフト
センサ9からの針弁リフト信号NLP1によらず、
識別データを速度検出部8及び出力制御部27に
供給する構成としてもよい。
上述の構成によればデイーゼル機関の平均速度
及び噴射量調節部材の位置に基づく閉ループ制御
により、機関速度のアンダーシユート等の過渡的
な変化に対する制御及びアイドル回転速度を目標
値に概略至らしめる等の制御が実行され、これに
より、アイドル回転速度がほぼ安定した状態にお
いて、各筒制御により、各気筒の角速度変動が同
一となるように制御が行なわれる。各筒制御が行
なわれている際にも、平均速度の制御は行なわれ
ており、出力量の大半を担い、各筒制御はそれを
補正する機能を果している。そして、いずれの閉
ループ制御系においても、その制御定数がデイー
ゼル機関3の運転条件に応じて設定され、常に安
定な制御状態が得られる。従つて、空気調和装置
のコンプレツサを作動させることにより所謂フア
ーストアイドル状態となつても、これに見合つた
制御定数の変更が各々の閉ループ制御系において
行なわれるので、各筒制御を安定に続行すること
ができるものである。
また、予備タイミング検出部30を設けたの
で、リフトセンサが故障したとしても、各筒制御
を不都合なく続行することができるので、信頼性
の面においても充分満足できるものである。
尚、上述の如く、各筒制御は、アイドル回転速
度が目標値の近傍にある場合にのみ実行される構
成としたが、このような領域では、平均アイドル
回転速度の制御の利得は小さく設定されており、
各筒制御の動作に大きな影響を与えないようにな
つている。
また、上記実施例では、各気筒の角速度を検出
するため、着目した気筒が圧縮上死点に到つてか
らクランク軸が90°回転するまでの間の時間を基
にしているので、爆発トルクの変動を最もよく検
出することができ、制御性能の向上に役立つてい
る。
第6図には、第1図に示したアイドル運転制御
装置1をマイクロコンピユータを用いて実現する
ようにした本発明の他の実施例が示されている。
第6図に示されるアイドル運転制御装置110の
各部のうち、第1図に示した部分と同一の部分に
は同一の符号を付し、その説明を省略する。符号
111で示されるのは、第4図に示した波形整形
回路90と同一の機能を有する波形整形回路であ
り、この波形整形回路111により交流信号AC
が波形整形されて成る上死点パルスTDC、針弁
リフトセンサ9からの針弁リフトパルス信号
NLP1及び位置センサ18からの実位置信号S2
は、読出し専用メモリ(ROM)112を備えて
いるマイクロコンピユータ113に入力されてい
る。ROM112内には、第1図に示される装置
によつて実行されるアイドル回転速度制御と同等
の機能を果たすための制御プログラムがストアさ
れており、この制御プログラムがマイクロコンピ
ユータ113によつて実行されることにより、所
要のアイドル回転速度制御が行なわれる。
第7図には、ROM112内にストアされる制
御プログラムのフローチヤートが示されている。
制御プログラムは、プログラムのスタート後、初
期化を行なうステツプ120と、アクセルペダルの
操作量に応じた目標噴射量の演算及び噴射量調節
部材17の位置制御を行なうステツプ121とから
成る主制御プログラム122のほかに、針弁リフ
トパルス信号NLP1が出力されたことに応答して
実行される割込プログラムINT1と、上死点パ
ルスTDCの出力に応答して実行される別の割込
プログラムINT2とを備えている。
割込プログラムINT1は、ステツプ123におい
て先ずソフトカウンタTDCTRの内容を8にセツ
トし、次いで、フラグTFを「0」としてその実
行を終了する。このフラグTFは、後述する割込
プログラムINT2において、噴射量データQi
演算を行なうのか、または演算されている噴射量
データQiを出力するのかを決めるためのフラグで
ある。割込プログラムINT2は、上死点パルス
TDCの発生に応答して実行され、ソフトカウン
タTDCTRの内容を1だけ減じ(ステツプ125)、
TDCTR=0か否かの判別がステツプ126にて実
行される。TDCTR=0の場合は、ステツプ127
に進み、ソフトカウンタTDCTRの内容を8にセ
ツトした後、ステツプ128に進み、フラグTFの反
転を行なう。ステツプ126の判別結果がNOの場
合には、ステツプ128に進み、フラグTFの反転を
行なわれる。しかる後、上死点パルスTDCの発
生間隔に基づいて、相隣るパルスの間の時間間隔
を示すデータM1,M2,……が演算され、それに
基づいて回転速度が演算される(ステツプ129)。
データM1,M2,……は第5図に示される時間
T11,T21,T12,……を示すものであり、後で使
用される。次に、ステツプ130において、針弁リ
フトセンサ9が故障か否かの判別が行なわれる。
この判別は、カウンタTDCTRの内容が8よりも
大きくて、且つ燃料噴射中であることが検出され
た場合に故障(NG)であると判別される。針弁
リフトセンサ9が故障していなければ、ステツプ
131乃至133において、機関の冷却水温Twが所定
値Tr以上となつているか否か、アクセルペダル
の踏込量θが所定値a2以下となつているか否か、
目標アイドル回転速度Ntと平均アイドル回転速
度との差−Ntの値が所定時間以上連続して
a1以上でないか否かの判別を行ない、ステツプ
131乃至133の判別結果が全てYESの場合のみ、
アイドル運転のための瞬時機関速度に基づく各筒
制御演算が実行され(ステツプ134)、ステツプ
135において、平均機関速度に基づくアイドル回
転制御が、各筒制御演算の演算結果を考慮して行
なわれる。一方、ステツプ131乃至133の少なくと
も1つにおける判別結果がNOの場合には、ステ
ツプ132での各筒制御演算は実行されず、平均機
関速度によるアイドル回転制御のみが実行され
る。
尚、冷却水温が低い場合には、燃焼が不安定の
ためその爆発が同じ傾向を示さず、出力トルクの
大きさが不安定となり、各筒制御の前提である各
筒毎に生じる燃焼の同一傾向の周期的変動が保証
できない。このように、冷却水温の状態は、各筒
制御を行なう場合の前提条件を判別するためのフ
アクターの1つとして考えられるものであり、従
つて、Tw≧Trの場合に各筒制御を許す構成とな
つている。
針弁リフトセンサ9が故障している場合には、
ステツプ136において各筒制御を行なうか否かを
示すフラグFATCが「1」か否かの判別が実行さ
れ、FATC=「1」であればステツプ131に進み、
FATC=「0」であれば、ステツプ137に進む。ス
テツプ137では、アイドル運転状態が所定時間T0
以上継続されているか否かの判別が行なわれ、そ
の判別結果がNOの場合にはステツプ135に進み、
その判別結果がYESの場合とは、ステツプ138に
進む。
ステツプ138では、相隣る上死点パルスTDCの
時間間隔を示すデータのうち、現在の割込プログ
ラムINT2の実行において得られたデータMoと、
1回前の割込プログラムINT2の実行時に得ら
れたデータMo-1との大小比較が行なわれる。既
に述べたように、上死点パルスTDCのパルスの
間隔は、長い状態と短い状態とが交互に繰返し生
じるので、データMoとMo-1との比較により、各
気筒の作動タイミングがそのいずれの状態にある
のかを判別することができる。若し、Mo<Mo-1
であれば、今回の割込プログラムINT2の実行
を行なわせた上死点パルスTDCに対応する気筒
が爆発行程の中間に達したタイミング(第2図で
t2,t4,t6,……に相応するタイミング)を示す
パルスであつたことになる。一方、Mo>Mo-1
あれば、いずれかの気筒が爆発行程に入る直前に
そのシリンダピストンが上死点に達したタイミン
グ(第2図でt1,t3,t5,……に相当するタイミ
ング)を示すパルスであつたことになる。
従つて、ステツプ138の判別結果がNOの場合
には、各筒制御演算は行なわず、ステツプ135に
進み、その判別結果がYESの場合には、ステツ
プ139に進み、フラグFNが「1」か否かの判別
が行なわれる。フラグFNは、ステツプ137の判
別結果がYESとなつたことが1回でもあるか否
かを判別するために設けらたものであり、FNが
「0」の場合には、ステツプ139の判別結果はNO
となり、ステツプ140においてFN=「1」とされ
ると共に変数Nの内容がカウンタTDCTRの内容
とされ、ステツプ135に進む。従つて、次回から
はステツプ139の判別結果はYESとなり、ステツ
プ141に進むことになる。
ステツプ141では、K=K+1とされ、しかる
のち、K=4か否かの判別がステツプ142におい
て行なわれる。Kは、いずれかの気筒が爆発行程
となる毎に1づつ大きくなる。ステツプ142の判
別結果がNOであれば、ステツプ135に進む。ス
テツプ142の判別結果がYESであれば、ステツプ
144に進み、変数Nの値がカウンタTDCTRの値
と一致しているか否かの判別が行なわれ、1サイ
クル経過(クランク軸720°回転)していて、N=
TDCTRの場合には、ステツプ145に進み、
FATC=「1」、TDCTR=8、TF=「0」とした
後、ステツプ135に進む。ステツプ144の判別結果
がNOの場合には、ステツプ143に進み、K=
「0」、FN=「0」とされ、ステツプ135に進む。
このように、針弁リフトセンサ9が故障でない
と判別された場合には、直ちにステツプ131に進
むが、針弁リフトセンサ9が故障した場合には、
データMoとMo-1との大小比較を行なうことによ
り、その時々における機関の各気筒の作動タイミ
ングの判別が行われ、この判別結果に従つて各筒
制御演算のステツプ134が実行される。
次に、ステツプ134に示される各筒制御演算に
ついて、第8図の詳細フローチヤートを参照して
説明する。
先ず、ステツプ150においてフラグTFの判別が
行なわれ、フラグTFが「0」となつている場合
には、各筒制御のための制御データの演算のため
のステツプが以後実行され、一方、フラグTFが
「1」となつている場合には、各筒制御のための
制御データを出力するためのステツプが以後実行
される。フラグTFが「0」の場合とは、針弁リ
フト信号NLP1が出力されてから偶数個の上死点
パルスTDCが出力されており、その次の上死点
パルスTDCがまだ出力されていない状態である。
即ち、各気筒がいずれも爆発行程にない期間であ
り第2図において、t2〜t3,t4〜t5,t6〜t7,……
の各期間に相応している。一方、フラグTFが
「1」の場合とは、上記説明から判るように、い
ずれかの気筒が爆発行程にある期間であり、第2
図において、t1〜t2,t3〜t4,t5〜t6,……の各期
間に相応している。
フラグTFが「0」の場合には、ステツプ151に
おいて、その時の機関の運転条件が、各筒制御を
行なえる所要の条件を満たしているのか否かの判
別が行なわれ、その判別結果がNOとなつたとき
には、各筒制御のための各気筒への燃料噴射制御
量を示すデータの内容を零とする。(ステツプ
152)。本明細書では、各筒制御のための噴射量制
御データを一般にQAioと表示することとする。こ
こで、iは気筒の番号を示し、nはこのデータの
演算されたタイミングを示すものとする。この
後、ステツプ153において第1定数データDc1の演
算が行なわれ、ステツプ154ではこの第1定数デ
ータDc1に基づくPID制御演算がその時の目標ア
イドル回転速度と平均機関速度との差分を示すデ
ータに対して実行され、平均速度に基づくアイド
ル回転制御のための噴射量制御データQiの演算が
ステツプ155において行なわれる。次いで、ステ
ツプ156において、この制御データQiに、1サイ
クル前に演算した次の気筒のための噴射量制御デ
ータQA(i+1)(o-1)を加えたものを制御データQiとす
る。この制御データQiは、マイクロコンピユータ
113内のRAM114にストアされる。
ステツプ151の判別結果がYESの場合には、ス
テツプ157において、今日出力された上死点パル
スTDCに基づく速度Nioと、1つ前に出力された
上死点パルスTDCに基づく速度N(i-1)oとの差分
ΔNioを演算し、次いで、ステツプ158において、
ステツプ157において得られた差分ΔNioと、更に
1サイクル前において同様にして得られた差分
ΔNi(o-1)との差分ΔΔNiが演算される。しかる後、
ステツプ159においてPID制御のための第2定数
データDc2が演算され、この第2定数データDc2
より示されるPID制御定数に従つて各筒制御のた
めのPID制御演算がΔNi及びΔΔNiに対して実行
される(ステツプ160)。このPID制御演算の結果
得られた各筒制御用の制御データQAioがRAM1
14にストアされる(ステツプ161)。次いで、平
均機関速度に従うアイドル制御用のデータQiがス
テツプ153,154で既述の如く処理され、制御デー
タQiがRAM114にストアされる(ステツプ
155)。しかる後、ステツプ156に進み、ステツプ
155においてストアされたデータQiと、QA(i+1)(o-1)
とが加えられる(ステツプ156)。
ステツプ150の判別結果がYESとなつた場合に
は、アクセスペダルの踏込量に応じた制御データ
QAPPの値にその時のデータQiの値を加算し、デー
タQDRVとし(ステツプ162)、これをその時圧縮行
程にある気筒への噴射量制御データとして出力す
る。(ステツプ163)。
尚、ステツプ133の判別結果がNOの場合には、
ステツプ153に進み、第8図に示されるステツプ
153乃至155と同じ演算が実行され、その結果得ら
れた制御データQiがその時のアイドル制御データ
として出力される。
(効果) 本発明によれば、上述の如く、デイーゼル機関
の平均速度及び噴射量調節部材の位置に基づく閉
ループ制御により、機関速度のアンダーシユート
等の過渡的な変化に対する制御及びアイドル回転
速度を目標値に概略至らしめる等の制御が実行さ
れ、これにより、アイドル回転速度がほぼ安定し
た状態において、各筒制御により、各気筒の角速
度変動が同一となるように制御が行なわれる。従
つて、各筒制御が行なわれている際にも、平均速
度の制御は行なわれており、出力量の大半を担
い、各筒制御を安定に行なうことができる。更
に、各閉ループ制御系において、各制御定数が内
燃機関の運転条件に応じて設定され、運転条件が
変つても常に安定な状態で各筒制御を行なうこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すブロツク図、
第2図a乃至第2図gは第1図に示す装置の作動
を説明するためのタイムチヤート、第3図は第1
図の速度検出部の詳細ブロツク図、第4図は第1
図に示す予備タイミング検出部の詳細ブロツク
図、第5図a乃至第5図iは第4図に示した予備
タイミング検出部の動作を説明するためのタイム
チヤート、第6図は本発明の他の実施例を示すブ
ロツク図、第7図は第6図に示す装置のマイクロ
プロセツサにて実行される制御プログラムのフロ
ーチヤート、第8図は第7図に示すフローチヤー
トの一部の詳細フローチヤートである。 1,110……アイドル運転制御装置、2……
燃料噴射ポンプ、3……デイーゼル機関、4……
クランク軸、7……回転センサ、8……速度検出
部、10……タイミング検出部、11……平均値
演算部、12……目標速度演算部、14……第
1PID演算部、17……噴射量調節部材、23…
…アクチユータ、24……速度差演算部、26…
…第3PID演算部、27……出力制御部、30…
…予備タイミング検出部、31……故障検出部、
32……第1定数設定回路、33……第2定数設
定回路、SW……スイツチ、AC……交流信号、
Di……識別データ、Dg……予備識別データ、Nio
……瞬時速度データ、Dp……制御出力データ、
Nt……目標速度データ、……平均速度データ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 多気筒内燃機関の各気筒の所定のタイミング
    における瞬時速度を順次検出する検出手段と、該
    検出手段の検出結果に応答して前記内燃機関の平
    均速度を示す平均速度データを演算出力する手段
    と、所要の目標アイドル回転速度を示す目標速度
    データを出力する手段と、前記目標アイドル回転
    速度を得るために前記内燃機関に供給すべき燃料
    の量に関連した第1制御データを出力するため前
    記平均速度データと前記目標速度データとに応答
    して所要の演算を行なう第1演算手段と、前記検
    出手段から順次出力される検出結果に応答し各気
    筒に対する瞬時速度と各気筒に対して夫々定めら
    れている基準の気筒に対する瞬時速度との差分に
    応じた差データを全ての気筒に対して順次繰返し
    演算出力する速度差演算手段と、前記差データに
    より示される差分を零とするために必要な燃料供
    給量に関連した第2制御データを得るため前記差
    データに応答して所要の制御演算を行なう第2演
    算手段と、各気筒の作動タイミングを検出するタ
    イミング検出手段と、該タイミング検出手段によ
    る検出結果に基づき前記各気筒に対する次回の燃
    料調節行程以前において前記第1及び第2制御デ
    ータに応答し前記内燃機関への供給燃料を調節す
    るための調節部材の制御を行なう手段と、前記内
    燃機関の運転状態を示す状態データを出力する手
    段と、前記状態データに応答し前記第1及び第2
    演算手段において実行される各制御演算のための
    制御定数を定める手段とを備えて成ることを特徴
    とする内燃機関用アイドル運転制御装置。
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