JP2710058B2 - アイドル運転時のエンジン燃焼制御システム - Google Patents

アイドル運転時のエンジン燃焼制御システム

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JP2710058B2
JP2710058B2 JP63223638A JP22363888A JP2710058B2 JP 2710058 B2 JP2710058 B2 JP 2710058B2 JP 63223638 A JP63223638 A JP 63223638A JP 22363888 A JP22363888 A JP 22363888A JP 2710058 B2 JP2710058 B2 JP 2710058B2
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昌孝 石川
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、アイドル運転時のエンジン燃焼制御システ
ムに関する。
(従来の技術) エンジンの回転速度は、各気筒のピストンが圧縮行程
での上死点近傍にある時に最低になり、各気筒の膨張行
程での一時点で最高になる。したがって、4サイクル4
気筒エンジンの場合には、クランクシャフトが180°回
転する時間を周期としてエンジン回転速度の変化が繰り
返され、4サイクル6気筒のエンジンの場合には、クラ
ンクシャフトが120°回転する時間を周期として、エン
ジン回転速度の変動が繰り返される。この回転速度の変
動に起因してエンジンに振動が生じる。この振動は、エ
ンジンの本質的な機能から生じるものである。
また、燃料噴射ポンプ、および両者を連携させる燃料
供給通路系等に製作誤差等があるため、各気筒に対する
目標燃料噴射量を等しくすると、実際の燃料噴射量は各
気筒毎に異なり、ひいては発生トルクに差が出る。ま
た、実際の燃料噴射量を等しくしても、エンジンの各気
筒とピストン等に製作誤差があるため、発生トルクに差
が出る。この各気筒間の発生トルクの差により、各気筒
の膨張行程毎のエンジン回転速度に変動が生じ、これに
起因してエンジン振動には、上記エンジンの本質的機能
から生じる周波数成分とともに、これより低い周波数成
分が表われる。この低い周波数成分は、全気筒の燃焼が
一巡する時間、すなわち4サイクルエンジンの場合クラ
ンクシャフトが2回転する時間に相当する周期を有して
いる。
アイドル運転状態ではエンジン回転速度が低いため、
上記のクランクシャフト2回転に対応する周期の振動成
分は非常な低周波となって運転者に不快感を与えてしま
う。
そこで、特開昭59-201936号の制御システムでは、ア
イドル運転時に、エンジンの各気筒毎に燃料噴射量を調
節し、各気筒の膨張行程毎のエンジン回転速度を等しく
することによりエンジン振動の上記低周波成分を除去し
ている。具体的には、全気筒の膨張行程での回転速度の
平均値を演算し、各気筒の膨張行程での回転速度と平均
回転速度との偏差を演算し、この回転速度偏差を無くす
ように、各気筒への燃料噴射量を制御している。又、特
開昭61-212644号,62-60958号の制御システムでは、燃焼
順序において前の気筒膨張行程での回転速度と次の気筒
の膨張行程での回転速度の偏差情報に基づいて、各気筒
の燃料噴射量を制御している。
これら公報の制御システムでは、エンジン回転速度が
目標アイドル回転速度に維持されて、アイドル運転状態
が安定している時には、各気筒の膨張行程毎のエンジン
回転速度が等しくなり、エンジン振動の低周波成分を除
去できる。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、通常運転状態でアクセルを離した場合、エ
ンジン回転速度は目標アイドル回転速度に移行する。ま
た、目標アイドル回転速度はエアコンディショナーのス
イッチのON,OFFに応じて切り替えられるが、この切り替
え時にエンジン回転速度は一方の目標アイドル回転速度
から他方の目標アイドル回転速度に移行する。
上記公報の制御システムでは、このような目標アイド
ル回転速度に移行して安定したアイドル運転に到達する
までの過渡的運転状態において、上述した低周波振動が
エンジンに発生するのを抑えることができなかった。こ
れは、過渡運転状態では各気筒毎の製作誤差に起因する
出力トルクの差を無くすような制御が困難であることに
起因している。
なお、上記特開昭62-60958号公報には、燃料噴射量を
演算する際に用いられるPID定数を、エンジン平均回転
速度とエンジン冷却水温度に応じて変えることが示され
ているが、各気筒に対応するPID定数は互いに等しい。
また、特開昭59-160056号公報には、各気筒毎の制御に
ついては記載がないが、アイドル運転時の負荷に応じて
PI定数を変える技術が開示されている。
(問題点を解決するための手段) 本発明は上記問題点を解決するためになされたもの
で、第1図に示す構成のアイドル運転時のエンジン燃焼
制御システムを提供する。
エンジンEの複数気筒C0〜C5に対して、燃料噴射装
置1から順に燃料が噴射される。この燃料噴射装置1は
噴射量調節用アクチュエータ20を備えている。エンジン
Eの回転に伴ない回転信号発生手段30からパルス信号が
出力される。気筒判別手段51では回転信号発生手段30か
らのパルス信号に基づいて、特定された行程にある気筒
を判別する。回転速度検出手段52では、気筒判別手段51
からの気筒判別信号と、回転信号発生手段30からのパル
ス信号を受けて、各気筒の膨張行程毎の実際のエンジン
回転速度を検出する。目標アイドル回転速度設定手段53
では目標アイドル回転速度を設定する。回転速度偏差演
算手段54では、各気筒燃焼毎の実際の回転速度と目標ア
イドル回転速度との実質的な偏差を演算する。噴射量演
算手段55では、上記回転速度偏差に基づいて、各気筒毎
の目標燃料噴射量を演算する。駆動手段70は、上記噴射
量演算手段55からの目標燃料噴射量に基づいて、燃料噴
射装置1の噴射量調節用アクチュエータを駆動する。本
発明の制御システムでは、更に演算定数設定手段56を備
えている。この演算定数設定手段56は、上記噴射量演算
手段で比例,積分演算を含む演算により各気筒の目標燃
料噴射量を演算する毎に、その比例演算,積分演算のう
ちの少なくとも一つのための演算定数として異なる演算
定数を設定し、この演算定数が、燃焼順序にしたがって
一巡する過程で、気筒に対応して大小を複数回繰り返す
ようにする。
(作用) 目標アイドル回転速度での安定したアイドル運転に至
る前の過渡的運転状態において、回転速度偏差に基づく
比例演算,積分演算により各気筒毎の燃焼噴射量を演算
する際、演算定数が異なっており、燃焼順序にしたがっ
て一巡する過程で、気筒に対応する演算定数が大小を複
数回繰り返す。このような演算定数を用いることによ
り、低周波振動成分を抑えることができる。その作用原
理は明確ではないが、次のように推測される。すなわ
ち、回転速度偏差に基づく燃料噴射量が演算定数の変動
の影響を受けて変動する。この結果、全気筒の燃焼が一
巡する時間に相当する周期の低周波振動成分の代わり
に、演算定数の変動の周期に対応するより高い周波数の
振動成分が表われ、低周波振動成分を抑えることができ
る。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を第2図から第10図までの図
面に基づいて説明する。第2図には、4サイクル6気筒
のディーゼルエンジンEに燃料を供給するための燃焼制
御システムが示されている。このエンジンEの気筒は燃
焼順序にしたがってC0〜C5の符号で示されている。
燃焼制御システムは、燃料噴射ポンプ1(燃料噴射装
置)を備えている。燃料噴射ポンプ1はポンプハウジン
グ2を有している。ポンプハウジング2の内部は低圧室
3となっており、この低圧室3には、ポンプハウジング
2に設置されたフィードポンプ(図示しない)からの低
圧燃料が満たされている。
ポンプハウジング2の側壁にはプランジャバレル4が
挿入固定され、このプランジャバレル4には、6つの吸
入通路5aと1つの吐出通路5bとを有するプランジャ5が
往復動可能でかつ回転可能に挿入されている。プランジ
ャ5の一端は、ポンプハウジング2を貫通する駆動シャ
フト6に対して、カプラ7により、回転伝達可能で軸方
向移動を許容された状態で連結されている。プランジャ
5の一端にはフェイスカム8が固定されており、このフ
ェイスカム8に対向しカプラ7を囲むようにして環状の
ローラホルダ9が配置されている。ローラホルダ9には
4個のローラ(図示しない)が装着されており、フェイ
スカム8はスプリングに押されてこのローラに接してい
る。
上記駆動シャフト6には、エンジンEのクランクシャ
フトKの回転が1/2に減速されて伝達される。プランジ
ャ5は、駆動シャフト6とともに回転し、フェイスカム
8とローラのカム作用により、1回転毎に気筒数に対応
して6回、軸方向に往復動する。
プランジャバレル4の奥部には、プランジャ5の往復
動により容積が変化する燃料加圧室10が形成させてい
る。プランジャ5の復路行程において、この燃料加圧室
10の容積が増大し、プランジャ5の回転角度に応じて選
択された吸入通路5aと供給通路11を介して、低圧室3の
燃料が燃料加圧室10に吸入される。
また、プランジャバレル4とポンプハウジング2には
6つの圧送通路12(第2図では一つのみ示す)が形成さ
れている。各圧送通路12は、ポンプハウジング2に設置
された各デリバリバルブ(図示しない)と、このデリバ
リバルブから延びるパイプ14とを介して、エンジンEの
各気筒C0〜C5に装着された噴射弁15に連なっている。
プランジャ5の往路行程において、燃料加圧室10の容積
が減少した時、燃料加圧室10の燃料が、吐出通路5bを
経、更にプランジャ5の回転角度に応じて選択された圧
送通路12,デリバリバルブ,パイプ14を経て、噴射弁15
ヘ供給され得る状態となる。
したがって、燃料噴射ポンプ1では、駆動シャフト6
が1回転する毎に、すなわちクランクシャフトKが2回
転する毎に、各気筒C0〜C5へ燃料を1回ずつ噴射する
ようになっている。
ポンプハウジング2には、常開電磁弁20(噴射量調節
用アクチュエータ)が装着されている。この電磁弁20
は、バルブボディ21を有しており、前述した燃料加圧室
10は、このバルブボディ21に形成された逃がし通路22a,
22bおよびポンプハウジング2に形成された逃がし通路1
3を介して、低圧室3に連なっている。
電磁弁20は更に、弁エレメント24と、この弁エレメン
ト24を開き方向に付勢するコイルスプリング25と、弁エ
レメント24を閉じ方向に付勢するソレノイド26とを有し
ている。
上記プランジャ5の往路行程において、ソレノイド26
に通電されず、弁エレメント24がコイルスプリング25に
よりバルブボディ21の弁座21aから離されている時に
は、逃がし通路22a,22b,13を介して、燃料加圧室10の燃
料が低圧室3へ逃げるため、燃料噴射は行なわれない。
同往路行程において、ソレノイド26に通電され、弁エレ
メント24が弁座21aに当たっている時には、燃料加圧室1
0の燃料が低圧室3へ逃げずに噴射弁15へ送られるた
め、燃料噴射が行なわれる。
上記のようにして、電磁弁20が閉じた時点から燃料の
噴射が実質的に開始され、この閉じ期間の長さにより燃
料の噴射期間の長さ、換言すれば燃料噴射量が決定され
る。
第3図に示すように、燃焼制御システムは回転信号発
生手段30を有している。この回転信号発生手段30は、駆
動シャフト6に取り付けられたパルサ31a,31bを有して
いる。一方のパルサ31aの周面の1箇所には、コグ32aが
形成されており、他方のパルサ31bの周面には、例えば1
0°間隔毎に合計36個のコグ32bが形成されている。各パ
ルサ31a,31bの周囲には、このパルサ31a,31bからわずか
に離れて、電磁ピックアップコイル33a,33bが配置され
ている。
一方の電磁ピックアップコイル33aでは、駆動シャフ
ト6が1回転する毎に、すなわちクランクシャフトKが
2回転する毎に、レファレンスパルスReを出力する。他
方の電磁ピックアップコイル33bでは、駆動シャフト6
が10°回転する毎に、すなわちクランクシャフトKが20
°回転する毎にスケールパルスScを出力する。
制御システムは、さらにマイクロコンピュータ50を有
している。マイクロコンピュータ50には、電磁ピックア
ップコイル33aからのレファレンスパルスReおよび電磁
ピックアップコイル33bからのスケールパルスScが、波
形整形回路(図示せず)を介して入力される。また、マ
イクロコンピュータ50には、運転状態検出手段としての
水温センサ61やアクセルセンサ62から、A/D変換器63を
介してエンジン冷却水温度Twおよびアクセル操作量Acの
信号が入力され、エアコンディショナースイッチ64か
ら、ON,OFFを表わすスイッチ信号Esも入力される。更
に、マイクロコンピュータ50には、回転速度検出用のカ
ウンタ65から計数値情報が入力される。カウンタ65は、
隣接するスケールパルスSc間におけるクロックパルスCL
Kを計数するので、その計数値はエンジン回転速度の情
報を含んでいる。
マイクロコンピュータ50は、上記入力情報に基づいて
演算を行なうものであり、実質的に第1図の気筒判別手
段51、回転速度検出手段52、目標アイドル回転速度設定
手段53、回転速度偏差演算手段45、噴射量演算手段55、
演算定数設定手段56を備えている。
マイクロコンピュータ50の演算結果に基づいて、駆動
手段70では電磁弁20を駆動する。駆動手段70は、アンド
回路71と、パルスタイミング設定用タイマ72と、パルス
幅設定用タイマ73と、駆動回路74とを備えている。
上述構成において、マイクロコンピュータ50では、第
4図のメインルーチンを実行する。まずステップ100
で、アクセルセンサ62からのアクセル操作量Ac、水温セ
ンサ61からのエンジン冷却水温度Tw、エアコンディショ
ナースイッチ64からのスイッチ信号Es等を読み込む。次
のステップ101では、上記アクセル操作量Ac,冷却水温度
Twおよび後述するエンジン回転速度Npに基づき、基礎目
標噴射量Qr、目標噴射タイミング角度Θrを演算する。
上記目標噴射タイミング角度Θrは、各気筒C0〜C5
での圧縮行程の初期に対応する駆動シャフト6の回転角
度位置(以下、サブ共重合体回転位置と称する)を0°
とした時、そこからのプランジャ5の回転角度として表
わされている。
次のステップ102では、上記スイッチ信号Esと冷却水
温度Twにより目標アイドル回転速度Nrを演算する。目標
アイドル回転速度NrはエアコンディショナーがONの時高
く、OFFの時低くなり、また所定の温度領域では冷却水
温度が上昇するにつれて目標アイドル回転速度Nrは低く
なる。
電磁ピックアップコイル33aからマイクロコンピュー
タ50にレファレンスパルスReが入ってきた時には、第5
図の割込ルーチンを実行し、ステップ105でレファレン
スパルスReの入力を表わすフラグREF-FLGを“1"にす
る。
また、電磁ピックアップコイル33bからマイクロコン
ピュータ50にスケールパルスScが入ってきた時には、第
6図の割込ルーチンを実行する。すなわち、ステップ11
0でREF-FLGを判別し、“1"であればステップ111でREF-F
LGを“0"にするとともに、レジスタSEQの内容を「0」
にする。また、REF-FLGが“0"であれば、ステップ112で
レジスタSEQの内容に1を加算する。
上記ステップ110〜112では、入ってきたスケールパル
スがレファレンスパルスから数えて何番目か(本実施例
では0番〜35番)を検出し、その内容をレジスタSEQに
蓄えるのである。
次のステップ113では、レジスタSEQの内容を、各気筒
毎に計数されるべきスケールパルスの数すなわち6で割
り、その商iCYLに蓄えるとともに、その余εをレジスタ
SUBに蓄える。
ここで、レジスタCYLの内容は、圧縮行程にある気筒
を判別するものであり、換言すれば現在何番目の気筒を
対象として燃料噴射動作を行なおうとしているか、また
は行なっているかを示すものである。
また、レジスタSUBの内容は、上記噴射対象気筒Ciに
対応するプランジャ5のサブ基準回転位置から、プラン
ジャ5が進んだ回転角度を10°の単位で示すものであ
り、本実施例では「0」〜「5」の整数値をとることに
なる。したがって、SUBが「0」の時にプランジャ5は
各気筒毎のサブ基準回転位置にある。
次のステップ114ではレジスタSUBの内容を判別し、
「0」の場合には、ステップ115で基礎目標噴射量Qrと
噴射対象気筒Ciのためのアイドル補償量ΔQiとを加算し
て、補正された目標噴射量Qr′を演算し、この補正目標
噴射量Qr′に対応する噴射期間ΔTを演算する。このア
イドル補償量Qiは、対象気筒Ciの前回燃焼による膨張過
程でのエンジン回転速度に基づいて決定されるものであ
り、後で第7図の各筒制御タスクにおいて詳述する。
上記ステップ114でレジスタSUBが「0」でないと判断
した時には、ステップ116でレジスタSUBが「4」である
か否かを判断する。「4」であると判断した場合には、
ステップ117で、カウンタ65からの計数値を読み込み、
この計数値に基づいてエンジン回転速度Npを演算する。
このエンジン回転速度Npは、現時点でのエンジン回転速
度すなわち噴射対象気筒Ciの前の気筒C(i−1)の膨
張行程でのエンジン回転速度を表わしている。更に次の
ステップ118で第7図の各気筒制御タスクの起動要求を
行なう。
上記ステップ116でレジスタSUBが「4」でないと判断
した時には、ステップ119でレジスタSUBが「5」である
か否かを判断する。「5」と判断した時には、ステップ
120において、目標噴射タイミング角度Θrからコグ32b
の角度間隔である10°を最初に差し引くとともに、その
差引値を10°で割って、その商PLS.Hとその余りPLS.Lを
求める。
したがって、PLS.Lは、目標噴射タイミング角度Θr
と、その直前に入力されるスケールパルスScに対応した
プランジャ5の回転角度との差(10°未満)を表わして
いる。また、PLS.Hは、目標噴射タイミング角度Θrに
達する直前のスケールパルスScより更に一つ手前のスケ
ールパルスScが付与されるべき番号(0番から5番まで
のいずれか)を表わす。
上記ステップ119でレジスタSUBの内容が「5」でない
と判断した後、または、ステップ115,118,120のいずれ
かを実行した後では、ステップ121で出力ポートPORTを
Lレベルにし、次のステップ122でSUBとPLS.Hが一致し
ているか否かを判断する。一致している場合には、ステ
ップ123で出力ポートPORTをHレベルにすることにより
アンド回路71を開き、電磁弁20の閉じ動作の準備態勢を
整える。なお、この出力ポートPORTの出力は、次のスケ
ールパルス割込におけるステップ121でLレベルに戻さ
れる。
さらに、次のステップ124では、回転速度Npに基づい
てPLS.Lの角度データを時間データΔtに変換する。さ
らに、この時間データΔtと上記噴射期間ΔTをタイマ
72,73に出力する。
上記ステップ121でSUBとPLS.Hが一致しないと判断し
た場合には、ステップ123,124をパスする。
次に、本発明の特徴部をすマイクロコンピュータ50で
の各筒制御タスクについて第7図を参照して説明する。
この各筒制御タスクは、前述のステップ118を実行する
割込ルーチンが終了した直後に起動されるものであり、
この割込ルーチンで判別された噴射対象気筒Ciの一つ前
の気筒C(i−1)に対して、次の燃焼時のためのアイ
ドル補償量Q(i−1)を演算するものである。まず、
目標アイドル回転速度Nrから実際の回転速度Npを差し引
いて、回転速度偏差ΔNを求める(ステップ130)。回
転速度Npは、噴射対象気筒Ciの一つ前の気筒C(i−
1)の膨張行程でのエンジン回転速度を表わしている。
次に、ROMに記憶された6つの比例定数および6つの積
分定数の中から、上記気筒C(i−1)に対応するも
の、すなわちKP(i−1),KI(i−1)をロードす
る。なお、この定数選択は、前述したレジスタCYLの内
容に基づく番地指定により行なう。
上記ROMには、第8図(a),(b)に示すように各
気筒毎の比例定数KP1〜KP5と積分定数KI0〜KI5が記憶さ
れている。比例定数KP0,KP2,KP4は、比例定数KP1,KP3,K
P5に比べて例えば倍の大きさを有している。したがっ
て、比例定数KP0〜KP5は燃焼順序にしたがって大小大小
大小となり、大小関係のパターンを3回繰り返す。積分
定数KI0〜KI5も、同様であり大小関係のパターンを3回
繰り返す。
次のステップ132では、積分項INT(i−1)を演算す
る。すなわち、前回燃焼後に演算された積分項INT(i
−1)に上記回転速度偏差ΔNと積分定数KI(i−1)
との積ΔN・KI(i−1)を加算して、積分項INT(i
−1)を求める。更に、この積分項INT(i−1)に、
上記回転速度偏差ΔNと比例定数KP(i−1)の積すな
わちΔN・KP(i−1)を加算してアイドル補償量ΔQ
(i−1)を求める。
駆動手段70では、マイクロコンピュータ50の制御を受
けて作動する。この駆動手段70の作動を第9図のタイム
チャートを参照しながら説明する。なお、このタイムチ
ャートにおいて、スケールパルスScには、サブ基準回転
角度で発生したものを「0」として順に番号が付されて
いる。噴射タイミング角度Θrがサブ基準回転角度から
34°の場合を想定すると、PLS.Hは「2」となるから、
「2」番目のスケールパルスScがマイクロコンピュータ
50に入力された時に出力ポートPORTがHレベルとなり、
アンド回路71が開く。したがって、次の「3」番目のス
ケールパルスはアンド回路71を通り、トリガ信号として
タイマ72に供給される。
タイマ72では、上記トリガ信号を受けて出力をハイレ
ベルにし、この時からクロックパルスCLKを計数する。
そして、この計数値が、上記マイクロコンピュータ50か
ら送られてきた時間データΔtと一致した時に、出力を
ローレベルにする。タイマ73では、タイマ72の出力の立
ち下がりによりトリガされて出力をハイレベルにし、こ
の時からクロックパルスCLKを計数する。そして、この
計数値が、マイクロコンピュータ50から送られてきた噴
射期間ΔTと一致した時に出力をローレベルにする。タ
イマ73のハイレベルの出力は、電磁弁20を閉じるための
駆動パルスとなって、駆動回路74に送られる。この結
果、最適のタイミングで最適量の燃料噴射が行なわれ
る。
通常運転状態では、目標アイドル回転速度Nrに比べ
て、実際のエンジン回転速度Npがはるかに高い。この場
合には、回転速度偏差ΔNは負の値になる。しかし、ス
テップ132で演算される積分項INTとアイドル補償量ΔQ
は、負の値をとるのが禁じられており、ゼロとなる。し
たがって、通常運動状態ではアイドル補償量による目標
噴射量の補正はなく、ステップ101で演算された目標噴
射量Qrになるように、燃料噴射ポンプ1に対する制御が
行なわれる。
アイドル運転の定常状態では、各気筒の膨張行程での
実際の回転速度Npと目標アイドル回転速度Nrとの偏差Δ
Nに基づいて、アイドル補償量ΔQが演算されるから、
各気筒の膨張行程毎の回転速度を第10図に示すように互
いに等しくすることができ、目標アイドル回転速度Nrと
一致させることができる。したがって、エンジンEには
クランクシャフトKの120°回転に対応する周期の振動
のみ生じ、これより低周波の振動は生じない。
上記通常運転状態でアクセルを離してアイドル運転状
態に移行する場合、目標噴射量Qrが低くなる。これに伴
ないエンジン回転速度も低下し、一旦目標アイドル回転
速度より下回る。この状態から、上述の安定したアイド
ル運転状態に至るまでが過渡的な運転状態になる。な
お、エアコンディショナーのスイッチのON,OFFにより、
アイドル目標回転速度が高い状態から低い状態に切替わ
った場合にもエンジン回転速度が一旦低い方の目標アイ
ドル回転速度より下回るため、過渡的な運転状態が生じ
る。更に、アイドル目標回転速度が低い状態から高い状
態に切替わった場合にも、勿論過渡的運転状態が生じ
る。
上記過渡的運転状態において、本発明では低周波のエ
ンジン振動を抑えることができる。詳述すると、回転速
度偏差ΔNに基づく各気筒毎のアイドル補償量ΔQの演
算に用いられるPI定数は、燃焼順序にしたがって大小関
係のパターンを複数回繰り返する。アイドル補償量ΔQ
は、各気筒毎に演算定数の変動の影響を受けるため、こ
の演算定数の変動の周期に対応した周波数成分がエンジ
ン振動に生じる。その代わりに、製作誤差等に起因した
低周波成分、すなわち、全気筒の燃焼が一巡する時間
(クランクシャフトKの720°回転)に相当する周期の
低周波成分を低く抑えることができる。この結果、運転
者に不快感を与えるのを防止することができる。なお、
この作用は実験により確認されている。
本発明は上記実施例に制約されず種々の態様が可能で
ある。例えば、第8図(a),(b)に示すように、比
例定数KP0〜KP5および積分定数KI0〜KI5をそれぞれ燃焼
順序で大小大小大小とする場合、ROMに記憶された大小
2つの比例定数および大小2つの積分定数を、各気筒毎
のアイドル補償量演算の際に交互にロードしてもよい。
第11図(a),(b)に示すように、比例定数KP0〜K
P5および積分定数KI0〜KI5をそれぞれ燃焼順序で大中小
大中小としてもよい。この場合、大小関係のパターンが
2回繰り返される。更に、第12図(a),(b)に示す
ように、比例定数KP0〜KP5および積分定数KI0〜KI5をそ
れぞれ燃焼順序で小大小小大小としてもよい。この場合
も大小関係のパターンが2回繰り返される。その他、種
々の態様が可能である。
比例定数および積分定数のうち、一方を全気筒にわた
って一定とし、他方を、大小関係のパターンを複数回繰
り返す要領で設定してもよい。
上記演算定数は、運転状態例えばエンジン冷却水温度
や負荷により変えてもよい。ただし、各気筒毎の大小パ
ターンはそのまま維持する必要がある。
全気筒の平均回転速度と、各気筒の膨張行程に対応す
る回転速度との偏差に基づいて燃料噴射量の演算を行な
ってもよい。この場合、平均回転速度が目標アイドル回
転速度と一致するように制御が行なわれるから、実質的
に目標アイドル回転速度との噴射対象気筒の膨張行程に
対応する回転速度と偏差に基づいた演算を行なっている
ことになる。
また、燃焼順序における前の気筒と、対象気筒の各膨
張行程での回転速度の偏差に基づいて噴射量の演算を行
なってもよい。
回転速度偏差に基づく噴射量の演算は、PID演算でも
よいし、回転速度偏差を無くすような他の演算でもよ
い。
また上記実施例では、基礎目標噴射量と、回転速度偏
差に基づくアイドル補償量とを加算して補正された目標
噴射量を得たが、回転速度偏差に基づく演算だけでアイ
ドル運転時の目標噴射量を求めてもよい。
回転信号発生手段として、レファレンスパルスはエン
ジンの特定気筒例えば気筒C0における噴射弁15(第2
図)のリフト信号から得てもよい。さらに、スケールパ
ルスはクランクシャフトの回転から得てもよい。
燃料噴射装置としては、電磁弁制御式の他、コントロ
ールスリーブやコントロールラックの位置に基づいて燃
料噴射量を制御するタイプのものも用いることができ
る。
マイクロコンピュータの機能の一部または全部を通常
のハードウエアに置き換えてもよい。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明では、過渡的なアイドル
運転状態においても、エンジンの低周波振動を抑えるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的構成を示す回路ブロック図、第
2図〜第10図は本発明の一実施例を示すものであり、第
2図は燃料噴射ポンプの要部断面図、第3図は燃焼制御
システムの回路ブロック図、第4図〜第7図はマイクロ
コンピュータで実行されるプログラムのフローチャー
ト、第8図(a),(b)は演算定数の値を示す図、第
9図は制御システムの作動を示すタイムチャート、第10
図は安定したアイドル運転時におけるエンジン回転速度
の変化を示すタイムチャートである。第11図(a),
(b)および第12図(a),(b)はそれぞれ演算定数
の異なる態様を示す図である。 1……燃料噴射ポンプ(燃料噴射装置)、20……電磁弁
(噴射量調節用アクチュエータ)、30……回転信号発生
手段、50……マイクロコンピュータ、51……気筒判別手
段、52……回転速度検出手段、53……目標アイドル回転
速度設定手段、54……回転速度偏差演算手段、55……噴
射量演算手段、56……演算定数設定手段、70……駆動手
段、E……ディーゼルエンジン、C0〜C5……気筒、K
……クランクシャフト。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ) 噴射量調節用アクチュエータを備
    え、エンジンの複数気筒に対して順に燃料を噴射する燃
    料噴射装置と、 (ロ) エンジンの回転に伴ないパルス信号を出力する
    回転信号発生手段と、 (ハ) 上記回転信号発生手段からのパルス信号に基づ
    いて、特定された行程にある気筒を判別する気筒判別手
    段と、 (ニ) 上記気筒判別手段からの気筒判別信号と、回転
    信号発生手段からのパルス信号を受けて、各気筒の膨張
    行程毎の実際のエンジン回転速度を検出する回転速度検
    出手段と、 (ホ) 目標アイドル回転速度を設定する目標アイドル
    回転速度設定手段と、 (ヘ) 各気筒燃焼毎の実際の回転速度と、目標アイド
    ル回転速度との実質的な偏差を演算する回転速度偏差演
    算手段と、 (ト) 上記回転速度偏差に基づいて、積分演算と比例
    演算を含む演算を行い、各気筒毎の目標燃料噴射量を求
    める噴射量演算手段と、 (チ) 上記噴射量演算手段からの目標燃料噴射量に基
    づいて、燃料噴射装置の噴射量調節用アクチュエータを
    駆動する駆動手段、 とを備えたシステムにおいて、更に、 (リ) 上記噴射量演算手段で各気筒の目標燃料噴射量
    を演算する毎に、上記比例演算,積分演算のうちの少な
    くとも一つのための演算定数として異なる演算定数を設
    定し、この演算定数が、燃焼順序にしたがって一巡する
    過程で、各気筒に対応して大小を複数回繰り返すように
    した演算定数設定手段、 を備えたことを特徴とするアイドル運転時のエンジン燃
    焼制御システム。
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