JPH0466210B2 - - Google Patents

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JPH0466210B2
JPH0466210B2 JP59107605A JP10760584A JPH0466210B2 JP H0466210 B2 JPH0466210 B2 JP H0466210B2 JP 59107605 A JP59107605 A JP 59107605A JP 10760584 A JP10760584 A JP 10760584A JP H0466210 B2 JPH0466210 B2 JP H0466210B2
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JP
Japan
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cells
leukocytes
tumor
lectin
insoluble carrier
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Goji Kaieda
Kimimasa Yamada
Naokuni Yamawaki
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、白血球より免疫抑制性細胞を除去あ
るいは不活性化する方法と、白血球を刺激活性化
して抗腫瘍免疫細胞を誘導する方法とを併用して
成る悪性腫瘍治療のための処理済み白血球の製造
方法および該製造方法に用いる装置に関する。 (従来の技術) 周知のように、生体の悪性腫瘍に対する免疫監
視機構を荷う抗腫瘍免疫細胞としては、キラーT
細胞、NK細胞、活性化マクロフアージ、K細胞
等が重要な役割をはたしていることが報告されて
いる。〔福沢正洋:医学のあゆみ、126,420(′
83)〕したがつて、悪性腫瘍に対する免疫学的療
法としては、癌患者免疫細胞(白血球)を活性化
して、これらの抗腫瘍免疫細胞を効率的に誘導活
性化することが考えられる。しかしながら、実際
の癌患者体内においては、このような悪性腫瘍に
対する免疫監視機構の存在にもかかわらず腫瘍細
胞が増殖する。 その主要なメカニズムの一つとして、腫瘍細胞
による免疫抑制性細胞(サプレツサーT細胞、サ
プレツサーマクロフアージ等)の誘導活性化が報
告されている〔S.Fujimoto etal:J.Immunol,
116,791(′76)〕。かかる免疫抑制性細胞は、腫瘍
細胞を障害する機能を荷う種々の抗腫瘍免疫細胞
の誘導活性化を抑制し、ために腫瘍細胞の増殖を
許し、ますます腫瘍に対する免疫応答能の低下を
まねくと考えられる。また、その他のメカニズム
として、腫瘍細胞による免疫抑制性因子の産生に
より、腫瘍細胞に対する免疫応答が抑制されてい
る可能性も報告されており〔J.A.Roth etal:J.
Immunol,128,1955(′82)〕、かかる免疫抑制状
態下にある癌患者体内においては、効率的な抗腫
瘍免疫細胞の誘導活性化は困難であると言わなけ
ればらない。 したがつて、免疫抑制のない抗腫瘍免疫細胞誘
導活性化に最適な条件を体外に設定し、癌患者か
ら取り出した白血球を刺激活性化して、強力な抗
腫瘍免疫細胞を誘導し、これを元の癌患者にもど
すことによつて癌を治療しようとする方法は、効
果の高い新しい癌免疫療法となる可能性を有する
と考えられ、抗腫瘍免疫細胞の中でも特に抗癌免
疫において主役をはたしていると考えられるキラ
ーT細胞を、体外で誘導活性化しようとする研究
が精力的になされてきた〔Y.Ichino etal:
Gann,74,584(′83)〕。 すなわち、体外に取り出した癌患者末梢血白血
球に、摘出した患者腫瘍細胞を感作させ、患者白
血球を活性化して、特異的に患者腫瘍細胞だけを
障害し、患者正常細胞は障害しないキラーT細胞
を誘導して、これを癌患者にもどすことにより癌
を治療しようとする試みである。しかしながら、
この方法で誘導したキラーT細胞は、治療効果を
期待できるほど強力ではなく、また、キラーT細
胞を誘導するためには、抗原細胞として癌患腫瘍
細胞が必要で手術の必要があること、すなわち、
操作が非常に煩雑であること、および一部の癌患
者でしかキラーT細胞の誘導が可能でないこと
等、解決されなければならない問題点が多い。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、従来の方法よりも飛躍的に実用
性を向上させた抗腫瘍免疫細胞誘導活性化法を見
い出すべく研究を行ない、種々のリンパ球活性化
物質を不溶性担体に結合させた刺激剤を用いるこ
とにより、ヒト白血球から強力な抗腫瘍免疫細胞
を誘導できることを見い出し、先に特許出願した
(特願昭58−228496)。しかしながら、活性化白血
球移入による癌治療は、いかに強力な抗腫瘍免疫
細胞を誘導できるかにかかつており、さらに強力
な抗腫瘍免疫細胞誘導法の開発が要求される。 (問題を解決するための手段) 本発明者らは、前記の問題を解決するため鋭意
研究した結果、白血球より免疫抑制性細胞を除去
する方法と、上記刺激剤を用いて白血球を刺激活
性化する方法を併用したところ、驚くべきこと
に、さらに強力な抗腫瘍能および癌治療能を有す
る抗腫瘍免疫細胞が誘導されることを見い出し
た。すなわち、マウスあるいはヒトの白血球をサ
プレツサーT細胞に対する抗体と補体で処理して
サプレツサーT細胞を除去、あるいは鉄粉をとり
込ませることによつて大部分の単球を除去した
後、レクチン結合不溶性担体(刺激剤)で刺激を
行なうと、さらに強力な抗腫瘍免疫細胞が誘導さ
れること、および動物実験において顕著な癌治療
能を有する活性化白血球が誘導されることを見い
出し、本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は、白血球をレクチンまたは
プロテインAから選ばれる物質を不溶性担体に結
合して得られる白血球刺激材で刺激活性化して抗
腫瘍免疫細胞を誘導する方法と、白血球より免疫
抑制性細胞を除去あるいは白血球中の免疫抑制細
胞を該抑制細胞に対する抗体およびまたは補体で
処理して不活性化する方法とを併用することを特
徴とする悪性腫瘍治療のための処理済み白血球の
製造方法である。また、本発明は、白血球の流入
口および流出口を有する容器内にサプレツサーT
細胞に対する抗体、アラキス・ヒポガエ由来のピ
ーナツツレクチン、ヒスタミンから選ばれる物質
を不溶性担体に結合させたサプレツサーT細胞除
去材または単球に対する抗体を不溶性担体に結合
させた単球除去材あるいはガラスビーズ、ポリス
チレンビーズから選ばれる単球除去材を収容し、
この容器の流出口と、レクチンまたはプロテイン
Aから選ばれる物質を不溶性担体に結合して得ら
れる白血球刺激材を収容した容器の口とを、着脱
自在に嵌合してなることを特徴とする悪性腫瘍治
療のための処理済み白血球の製造に用いる装置で
ある。 本発明における白血球とは、血液細胞の内赤血
球および血小板を除いたいわゆる白血球を指す
が、この白血球より顆粒球あるいはB細胞を除去
した細胞分画も、本発明における白血球の概念に
含まれる。本発明において処理を行なう白血球
は、公知の連続遠心分離法にて末梢血より採血し
た白血球分画を用いてもよく、また、公知のフイ
コールパーク重層遠心分離法にて分離した単核細
胞分画を使用しても、強力な抗腫瘍免疫細胞の誘
導が可能である。 本発明において誘導活性化する抗腫瘍免疫細胞
は、白血球の中で顆粒球、単球、マクロフアージ
を除くリンパ球分画に属し、とりわけT細胞の性
格を有している。 本発明において用いる刺激剤としては、リンパ
球を活性化する作用を持つた物質を使用するが、
特にTリンパ球を活性化する物質が好ましい。T
リンパ球を活性化する物質としてよく知られてい
るものにレクチンがあるが、本発明の目的を達成
するためには、抗腫瘍免疫細胞誘導能を有するレ
クチンを使用する。すなわち、フアセオラス・ブ
ルガリス(Phaseolus vulgaris)由来のアカイン
ゲンマメレクチン(PHA)、コンカナバリア・エ
ンシフオルミス(Concanavalia ensiformis)由
来のコンカナバリンA(Con A)、ウイステリ
ア・アオリバンダ(Wisteria aoribanda)由来
のノダクジマメレクチン(WFA)、レンズ・キユ
リナリス(Lens culinaris)由来のレンズマメレ
クチン(LCH)、フイトラツカ・アメリカーナ
(Phytolacca americana)由来のアメリカヤマ
ゴボウレクチン(PWM)、グリシン・マツクス
(Glycine max)由来のダイズレクチン(SBA)、
フオセオラス・リメンシス(Phaseolus
limensis)由来のリママメレクチン(LBA)、ロ
ビナ・プソイドアカシア(Robina
pseudoacacia)由来のニセアカシアレクチン
(RPA)、ソホラ・ジヤポニカ(Sophora
japonica)由来のイヌエンジユマメレクチン
(SJA)、ピサム・サチバム(Pisum sativum)
由来のエンドウマメレクチン(PSA)、ビシア・
フアバ(Vicia faba)由来のソラマメレクチン
(VFA)等を使用する。中でも特にアカインゲン
マメレクチン(PHA)、コンカナバリンA(Con
A)、ノダクジマメレクチン(WFA)、レンズマ
メレクチン(LCH)、アメリカヤマゴボウレクチ
ン(PWM)は、強力に抗腫瘍免疫細胞を誘導す
る。また、スタフイロコツカス・アウレウス
(Staphylococcus aureus)由来のプロテインA
も強力に抗腫瘍免疫細胞を誘導する。 白血球より免疫抑制性細胞を除去するには、以
下のようにして行なう。すなわち、白血球よりサ
プレツサーT細胞を除去するには、サプレツサー
T細胞に対する抗体あるいはアラキス・ヒポガエ
(Arachig hypogaea)由来のピーナツツレクチ
ンを白血球浮遊液に添加して凝集させて除去して
もよいし、あるいはこれらの抗体、レクチンもし
くはヒスタミン等の除去材を不溶性担体に結合さ
せた除去材を用いてもよい。白血球より単球を除
去するには、単球に対する抗体(除去材)を不溶
性担体に結合させた除去材を使用してもよいし、
あるいは選択的に単球を吸着する公知の担体、た
とえば、ガラスビーズ、ポリスチレンビーズ等を
使用してもよい。もしくは鉄粉等をとりこませて
分離する等の公知の方法を用いることができる。
ただし、単球を完全にに除去すると抗腫瘍免疫細
胞の活性化が阻害されるので、最適量を残す必要
がある。すなわち、単球の量が1〜0.2%、好ま
しくは0.6〜0.3%となるように単球除去処理を行
ない、白血球を20〜3%添加する必要がある。免
疫抑制性細胞を不活性化するには、免疫抑制性細
胞に対する抗体と補体で処理して、これらの免疫
抑制性細胞を障害してもよく、これらの抗体およ
び補体は、一般に市販されている抗血清、抗体お
よびウサギ、モルモツト、ヒト等の補体が使用で
きる。 本発明で用いられる不溶性担体は、親水性担
体、疎水性担体いずれも使用できるが、疎水性担
体を用いる場合には、特に担体への血清成分の非
特異的吸着が生じるため、親水性担体の方が好ま
しい結果を与える。不溶性担体の形状は、粒子
状、繊維状、中空糸状、膜状等いずれの公知の形
状も用いることができる。粒状もしくは球状不溶
性担体としては、粒径1ミクロン〜3000ミクロン
のものが使用できる。粒径1ミクロン以下では活
性化白血球との分離が困難である。とくに粒径50
ミクロン以上でであれば、容易に活性化白血球と
の過分離が可能であり、粒径3000ミクロン以上
では、白血球との担体単位重量あたりの接触面積
が低下するため好ましくない。粒径80〜2000ミク
ロンのものが本発明においては特に良好である。 不溶性担体の材質としては、アガロース系、デ
キストラン系、セルロース系、ポリアクリルアミ
ド系、ガラス系、活性炭系、ポリアミド系、ポリ
エステル系、ポリウレタン系等の物質あるいは再
生セルロース系、ナイロン、アクリル、ポリエス
テル等公知の繊維性物質を一般に用いることがで
きる。 刺激剤あるいは除去材を不溶性担体の表面に固
定する方法としては、共有結合、イオン結合、物
理吸着等あらゆる公知の方法を用いることができ
るが、刺激剤あるいは除去材の溶出性から考える
と、共有結合で固定して用いることが望ましい。
そのためには通常固定化酵素、アフイニテイクロ
マトグラフイで用いられる公知の方法を用いるこ
とができる。例えば、臭化水素(CNBr)でアガ
ロース、セフアロース等を活性化し、あるいはシ
リカガラスビーズをγ−アミノプロピルトリエト
キシシランと反応させてアルキルアミノガラスを
得、これをグルタルアルデヒドで活性化し、刺激
剤あるいは除去材と結合させる等の方法を用いる
ことができる。また必要に応じて、不溶性担体と
刺激剤あるいは除去材の間に任意の長さの分子
(スペーサー)を導入して使用することもできる。
例えば、アガロースのヒドロキシル基とヘキサメ
チレンジイソシアナートの片側のイソシアナート
基を反応結合させ、残つたイソシアナート基と刺
激剤あるいは除去材のアミノ基を反応結合させる
ごとく実施することができる。 刺激剤結合不溶性担体による末梢白血球の活性
化は、血清成分含有培地で行なうと強力な抗腫瘍
免疫細胞の誘導が可能である。すなわち、牛胎児
血清、牛血清、馬血清等の動物血清あるいはヒト
血清を2〜20%含有した培地を調製する。好まし
くはヒト血清を2〜20%含有した培地を調製す
る。この場合の培地は、動物細胞培養に一般的に
用いられる培地、例えば、RPMI1640培地、
MEM培地等が使用できる。また、血清成分例え
ば血清アルブミンを添加したRPMI1640培地でも
使用が可能である。 調製した培地中に、種々の方法で採取した末梢
血白血球を0.5〜10×106個/mlの細胞濃度で浮遊
させ、これに適当量の刺激剤結合不溶性担体を添
加し、温度25〜45℃で培養を行なう。温度25℃以
下ではほとんど有効な白血球の活性化が起こら
ず、温度45℃以上では白血球の生存率が低下す
る。培養は市販の細胞培養用のプラスチツク製容
器を使用し、CO2インキユベーター中で行なえば
簡便である。培養数時間で白血球は刺激剤結合不
溶性担体粒子表面に付着し活性化される。 付着活性化された白血球と担体との分離は、刺
激剤と白血球の結合を阻害する物質を用いれば簡
単に行なえる。例えばCon A、LCHを刺激剤と
して使用する場合には、α−メチルマンノースを
分離材として使用すれば、刺激剤結合不溶性担体
より活性化白血球を回収できる。 除去材による免疫抑制性細胞の除去は、白血球
浮遊培地に除去材を添加して温度0℃〜40℃で、
20分〜数時間保持して免疫抑制性細胞を除去材に
結合させた後、非結合白血球を回収することによ
り効率よく行なうことができる。あるいは除去材
を充填して温度0℃〜40℃に設定したカラムに、
白血球浮遊培地を適当な速度で流して免疫抑制性
細胞を除去材に結合させて除去し、非結合白血球
を回収することによつて操作性よく行なうことが
できる。 また、免疫抑制性細胞の不活性化は、あらかじ
め予備実験を行なつて最適添加量を決定した免疫
抑制性細胞に対する抗体と補体を、白血球浮遊培
地に添加することによつて行なうことができる。 白血球に対する免疫抑制性細胞除去処理および
抗腫瘍免疫細胞刺激活性化処理の順序は、前者の
処理を先に行なつた方がより好ましい結果を与え
た。 このようにして刺激剤で白血球を刺激活性化す
る方法と、白血球より除去材を使用して免疫抑制
性細胞を除去する方法を併用することにより、各
種ヒト癌細胞(ZR75−30乳癌細胞、MKN−1
胃癌細胞、PC−9肺癌細胞、C−1結腸細胞、
NBT−2膀胱癌細胞、NRC−12腎癌細胞等)を
強力に障害する抗腫瘍免疫細胞が誘導され、ま
た、マウスにおいてはBALB/cマウスより同
系腫瘍Colon26,C57BL/6マウスより同系腫瘍
B−16メラノーマを強力に障害する抗腫瘍免疫細
胞が誘導された。さらに、このようにして誘導し
たマウスの抗腫瘍免疫細胞をマウス腫瘍Colon26
と混合して、BACB/cマウス皮下に移植した
ところ、腫瘍の増殖は完全に阻止され、強力な抗
腫瘍活性を有することが判明した。 本発明における刺激剤および除去材を実際の臨
床に用いる場合には、例えば、図面に示した抗腫
瘍免疫細胞誘導装置を用いる。この装置について
説明すると、容器1内に抗サプレツサーT細胞抗
体あるいはピーナツツレクチンあるいは抗単球抗
体等を不溶性担体に結合させた除去材3が収容さ
れ、別に容器2内にレクチンを不溶性担体に結合
させた刺激剤4が収容されている。容器1には、
一端に白血球浮遊培地流入口5、他端に白血球浮
遊培地流出口6が設けられ、容器2には、白血球
浮遊培地流入口7が設けられていて、容器1の流
出口6と容器2の流入口7が着脱自在に接合され
ている。なお、容器1には、除去材3の流出を阻
止するためのフイルター8が設けられている。 癌患者末梢血より連続遠心分離等の公知の方法
を用いて採取した白血球(3×109個)を、ヒト
血清を10%添加したRPMI培地300mlに浮遊させ、
これを容器1の流入口5より流入させる。白血球
中に存在する免疫抑制性細胞は除去材3に結合
し、流出口6より免疫抑制性細胞が除去された白
血球が流出する。300mlの10%ヒト血清添加
RPMI培地をさらに流して、免疫抑制性細胞除去
白血球を回収し、これを接続した容器2に導入す
る。容器1を除去して容器2の流入口7にふたを
した後、炭酸ガス細胞培養器に収容して培養を行
なう。免疫抑制性細胞が除去された白血球は、容
器2の刺激剤4との接触により、強力な抗腫瘍免
疫細胞に活性化される。充分に白血球を活性化し
て強力な抗腫瘍免疫細胞を誘導した後、分離剤添
加もしくは容器を振盪することにより、抗腫瘍免
疫細胞を刺激剤から分離して回収し治療に用い
る。 (発明の効果) 本発明の抗腫瘍免疫細胞誘導法および遊導装置
は、癌患者白血球を効率よく活性化し、かつ操作
性よく強力な抗腫瘍免疫細胞を誘導するものであ
り、胃喝、肺癌、乳癌、肝癌等の癌治療に用いよ
うとするものである。 (実施例) 実施例 1 抗腫瘍免疫細胞誘導用刺激剤および免疫抑制性
細胞除去材の調製は次のようにして行なつた。す
なわち、CNBr活性化セフアロース6MB(スエー
デン、フマルマシア社製、粒径250〜350ミクロ
ン)に、刺激剤としてアカインゲンマメクチン
(PHA,EYラボラトリーズ社製)、あるいは除去
材として抗Leu−2aモノクローナル抗体(ベクト
ン・デイキンソン社製)を通常の方法によつて結
合せしめ、過剰の活性基をグリシンでブロツキン
グした後、PH4−0.1M酢酸バツフアー、PHを0.5
炭酸ナトリウムバツフアーでくり返し洗浄後、生
理食塩水で洗浄、水切りして実験に供した。不溶
性担体の刺激剤あるいは除去材保持量は、初めに
添加した刺激剤あるいは除去材量より、結合反応
後の上清含量および洗浄液中の量をさし引いて結
合量を求め計算したところ、不溶性担体1mlあた
り刺激剤保持量は1〜3mg、除去材保持量は0.5
〜3mgであつた。なお、刺激剤量あるいは除去材
量は280nmの吸光度で測定した。 ヒト白血球は次のようにして得た。すなわち、
採血したヒト末梢血をハンクス液で2倍希釈し、
フイコールバーク液(フアルマシア社製)に重層
し、2000rpmで20分間遠心分離した後、中間層の
白血球層を分離して、これをハンクス液で洗つた
後、自己血清を10%添加したRPMI1640培地(ニ
ツスイ)に浮遊させた。 サプレツサーT細胞の除去は、次のようにして
行なつた。すなわち、除去材5mlを充填したカラ
ムにヒト白血球浮遊培地(2.5×107/ml)2mlを
加え、室温にて30分保持した後、培地20mlを加え
て非吸着性白血球を回収した。サプレツサーT細
胞の除去率は、回収した非吸着性白血球をFITC
標識抗Leu2aモノクローナル抗体(ベクトン・デ
イキンソン社製)で測定したところ90%以上であ
つた。 抗腫瘍免疫細胞の誘導は、次のようにして行な
つた。すなわち、除去材非吸着性白血球浮遊培地
(2×106/ml)20mlに刺激剤0.5mlを添加して、
CO2インキユベーター中で温度37℃で培養を行な
つた。培養1時間ほどで白血球の担体表面上への
付着が観察される。24時間培養を行なつた後、培
養液をピペツテイングして活性化白血球を担体表
からはがして静置すると、担体は容器の底に沈下
するので、上清細胞液をとり、これをハンクスで
洗つた後、自己血清10%添加RPMI培地に5×
106/mlの細胞濃度で浮遊させる。 この活性化白血球が腫瘍細胞障害性を有するか
どうかは、次のような腫瘍細胞障害活性測定法を
用いて評価した。培養プレートに付着して増殖す
るヒト胃癌細胞株(MKN−1)を標的細胞とし
て、5×104個/mlの細胞濃度で10%牛胎児血清
添加RPMI1640培地に浮遊させ、これを10μず
つ10μ容テラサキプレートに分注し、CO2イン
キユベーター中で温度37℃で培養する。24時間培
養を行なうと、癌細胞は培養プレート底面に強く
付着する。これを培養液で洗つた後、活性化白血
球浮遊液(5×106/ml)10μを添加し、37℃で
4時間、CO2インキユベーター中で培養し、プレ
ートに付着している癌細胞を障害させる。障害を
受けた癌細胞は、プレート底面への付着性を喪失
し、ハンクス液で洗うと活性化白血球とともに除
去される。生残してプレート底面に付着して癌細
胞をメタノールで固定し、ギムザ液で染色した
後、顕微鏡で計数する。腫瘍細胞障害活性は次式
により計算する。 腫瘍細胞障害活性=(1−活性化白血球を添加した場合
の生残腫瘍細胞数/活性化白血球を添加しない場合の生
残腫瘍細胞数)×100(%) このような腫瘍細胞障害活性測定法を用いて、
ヒト白血球よりLeu2a抗原陽性のサプレツサーT
細胞を除去後、レクチン結合担体で刺激活性化し
て得た抗腫瘍免疫細胞のキラー活性を測定すと、
77%の腫瘍障害活性が得られた。 比較例 1 実施例1でサプレツサーT細胞の除去操作を行
なわない場合、誘導した抗腫瘍細胞の腫瘍障害活
性は65%であり、実施例1に比較して誘導腫瘍障
害活性は低かつた。 実施例 2 除去材として抗抗Leu−M2モノクローナル抗
体(ベクトン・デイキンソン社製)を使用して、
ヒト白血球より単球を除去する以外は、実施例1
と同様にして行なつた。抗Leu−M2モノクロー
ナル抗体結合担体を収容したカラム通過によつ
て、単球は約90%除去された。なお、除去率の測
定は、FITC標識抗Leu−M2モノクローナル抗体
を使用した。単球除去後の白血球を刺激剤
(PHA結合担体)で刺激することにより、78%の
腫瘍障害活性を示す腫瘍細胞が得られた。 比較例 2 実施例2と同時に行なつた実験で、単球を除去
しない場合には、67%の腫瘍障害活性が観察され
た。 実施例 3 あらかじめ予備実験を行なつて最適添加量を決
定した抗Leu2aモノクローナル抗体(ベクトン・
デイキンソン社製、0.3%BSA含有RPMI培地で
希釈する)2mlと、2×107個のヒト末梢血白血
球(0.3%BSA含有RPMI培地に浮遊させる)2
mlを混合して、4℃で1時間保持させ、ヒト末梢
血白血球中に存在するサプレツサーT細胞膜面に
抗体を結合させる。その後、これに最適量のウサ
ギ補体(0.3%BSA含有RPMI培地で希釈、セダ
レーン社製)2mlを添加して37℃で1時間保持
し、サプレツサーT細胞を障害する。本処理によ
るサプレツサーT細胞の除去率をFITC標識抗
Leu2aモノクローナル抗体で測定したところ、90
%以上の除去率であつた。このサプレツサーT細
胞除去ヒト白血球を実施例1と同様にして刺激剤
(PHA結合セフアロース6MB)で刺激活性化す
ることにより75%の腫瘍障害活性を示す抗腫瘍細
胞が得られた。 比較例 3 実施例3と同時に行なつた実験で、抗Leu2a抗
体を使用しない場合は、63%の腫瘍障害活性を示
した。 実施例 4 常法にて採取したBALB/cマウス脾細胞1
×108個を10%FCS含有培地10mlに浮遊させ、こ
れに等量の2%ピーナツツレクチン結合赤血球
(PNA−RBC)液(ハンクス液に浮遊させる)
を添加し、37℃にて1時間保持する。マウス脾細
胞中のPNA結合性サプレツサーT細胞はロゼツ
トを形成する。この混液をパスツールピペツトで
ゆるやかに混合した後、リンホライトーM(セダ
レーン社製)に重層し、遠心分離することによ
り、ロゼツトを形成したPNA結合性サプレツサ
ーT細胞を除去して、界面よりPNA非結合性脾
細胞を回収する。PNA−RBCの調製は常法どお
り行なつた。すなわち、無菌的に採取した
BALB/cマウス末梢血赤血球を生理食塩水で
よく洗つた後、ペレツト200μを試験管にとり、
これにピーナツツレクチン(PNAボEYラボラト
リーズ社製)を500μg/mlの濃度で溶解させた
生理食塩水200μおよび2.5×10-4塩化クロム生
理食塩水液2mlを加え、37℃で10分間保持した
後、ハンクス液でよく洗つた後、ハンクス液10ml
を加え2%液とした。 このようにして得たPNP非結合性脾細胞を、
Con A結合セフアロース6MBを刺激剤として使
用して、37℃で3日間培養した後、実施例1と同
様にして同系腫瘍Colon26に対する障害活性を測
定したところ、71%の腫瘍障害活性が観察され
た。 比較例 4 実施例4でPNA結合性サプレツサーT細胞を
除去しないで、Con A結合セフアロース6MBで
刺激した場合Colon26に対する腫瘍障害活性は60
%であつた。 実施例 5 常法にて採取したBALB/cマウス脾細胞1
×109個を10%FCS含有培地100mlに浮遊させ、実
施例1に示した方法で作製した抗Ly−2モノク
ローナル抗体(セダレーン社製)結合セフアロー
ス6MBを収容したカラムに流し、実施例1のご
とくサプレツサーT細胞を除去したマウス脾細胞
を得る。これを5×106/mlの濃度で10%FCS含
有RPMI培地に浮遊させた液100mlに、実施例4
で使用したCon A培地セフアロース6MB5mlを
添加して、温度37℃で培養する。培養3日後に活
性化白血球を回収し、ハンクス液でよく洗つた
後、生理食塩水にて2×108/mlの抗腫瘍免疫細
胞浮遊液とする。一方、BALB/cマウス由来
の同系腫瘍Colon26を1×106/mlの細胞濃度で
浮遊させた生理食塩水液を調製し、これに抗腫瘍
免疫細胞浮遊液(2×108/ml)を倍々希釈した
液を等量混合し、その50μをBALB/cマウス
皮下に注入する。1×106/mlのColon26腫瘍細
胞浮遊液に対して5×107/ml(50倍)以上の抗
腫瘍免疫細胞液を等量混合すると、腫瘍増殖は完
全に阻止され、マウスは生残した。 比較例 5 実施例5において、抗腫瘍免疫細胞液を混合し
ないでColon26腫瘍細胞だけを皮下に移植したマ
ウスは、腫瘍が増殖し、腫瘍死した。また、実施
例5で除去材を用いてサプレツサーT細胞を除去
せずに、刺激剤だけを用いて誘導した抗腫瘍免疫
細胞は、Colon26腫瘍に対して100倍以上の細胞
数を混合すると、腫瘍の増殖を阻止した。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の抗腫瘍免疫細胞誘導装置の1例
を示す説明図である。 1……除去材容器、2……刺激剤容器、3……
除去材、4……刺激剤、5……白血球浮遊培地流
入口、6……白血球浮遊培地流出口、7……流入
口、8……フイルター。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 白血球をレクチンまたはプロテインAから選
    ばれる物質を不溶性担体に結合して得られる白血
    球刺激材で刺激活性化して抗腫瘍免疫細胞を誘導
    する方法と、白血球より免疫抑制性細胞を除去あ
    るいは白血球中の免疫抑制細胞を該抑制細胞に対
    する抗体およびまたは補体で処理して不活性化す
    る方法とを併用することを特徴とする悪性腫瘍治
    療のための処理済み白血球の製造方法。 2 白血球の流入口および流出口を有する容器内
    にサプレツサーT細胞に対する抗体、アラキス・
    ヒポガエ由来のピーナツツレクチン、ヒスタミン
    から選ばれる物質を不溶性担体に結合させたサプ
    レツサーT細胞除去材または単球に対する抗体を
    不溶性担体に結合させた単球除去材あるいはガラ
    スビーズ、ポリスチレンビーズから選ばれる単球
    除去材を収容し、この容器の流出口と、レクチン
    またはプロテインAから選ばれる物質を不溶性担
    体に結合して得られる白血球刺激材を収容した容
    器の口とを、着脱自在に接合してなることを特徴
    とする悪性腫瘍治療のための処理済み白血球の製
    造に用いる装置。
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