JP3728489B2 - 白血病細胞分離材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、白血病患者の血液中の白血病細胞を分離、除去して、白血病を治療したり、あるいは病状の進行度を判断するのに有用な白血病細胞分離材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の白血病の治療は、抗ガン剤投与、放射線照射及び骨髄移植が基本になっている。この際の抗ガン剤の投与は、白血病患者の血液中から白血病細胞が完全に消失するまで行われるが、通常の抗ガン剤は、強い副作用を有するため、白血病患者はこの間過酷な闘病生活に耐えなければならない。
【0003】
ところで、一般に抗ガン剤を用いてガン患者の治療を行う場合には、抗ガン剤を経口的又は非経口的にガン患者に投与し、循環系器官を経由して患部に到達させ、ガン細胞と接触させる方法がとられている。
【0004】
しかしながら、このような方法では、抗ガン剤が患部以外の組織にも供給され、患部に到達する分が希釈されるため、有効量を確保するには、治療に必要とされる量よりもかなり多量に投与しなければならないし、また患部以外の組織に悪影響を及ぼすリスクもある。
【0005】
したがって、このような抗ガン剤を実用に供する場合には、投与された抗ガン剤ができるだけ患部に集中し、ガン細胞に効果的に作用する工夫が行われているが、まだ十分満足できるものは知られていない。
【0006】
一方、最近、白血病細胞を選択的に認識して凝集させることができる白血病細胞凝集剤として、ある種の植物又は動物由来のレクチンタンパク質や化合物が見出され、白血病患者の治療剤として注目を浴びている(特開平9−206096号公報、特願平10−376914号)。
これらの白血病細胞凝集剤は、正常細胞よりも血液中の白血病細胞を選択的に認識することができるので、白血病細胞除去剤として非常に実用性の高いものということができる。
【0007】
ところで、生体起源の物質には、酵素と基質、抗原と抗体、レクチンと糖や細胞、ホルモンとホルモン受容体のように、相互に特異的な親和性を示す相補的物質の対が存在することが知られており、そして、この相補的物質の対の一方の物質、例えば酵素と基質においては基質が、抗原と抗体においては抗体が、レクチンと糖や細胞においてはレクチンが、ホルモンとホルモン受容体においてはホルモンが、いわゆるリガンドである。
【0008】
そして、このようなリガンドを不溶性の担体に固定化し、これに該リガンドと親和性を示す物質を含む試料液を接触させ、試料液中のリガンドと親和性を示す物質のみを吸着、分離することが、アフィニティクロマトグラフィーや臨床診断分野などにおいて行われている。
【0009】
上記リガンドを固定化させる担体としては、様々なものが知られているが、その1つとして磁性粒子がある。この磁性粒子にリガンドを担持させたものは、目的物質をリガンドに吸着させたのち、磁場中に置くことで、試料液中からの分離や洗浄操作が極めて容易となる。
【0010】
しかしながら、これまで、該磁性粒子を担体とするタンパク質、核酸、ある種の細胞などの分離材は開発されているが、磁性粒子を担体とする白血病細胞の分離材はこれまで知られていなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、白血病患者の血液中の白血病細胞を分離、除去して、白血病を治療したり、あるいは病状の進行度を判断するのに有用な白血病細胞分離材を提供することを目的としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、白血病細胞分離について鋭意研究を重ねた結果、ある種のレクチンタンパク質が白血病細胞に対するリガンドとして作用することに着目し、このようなリガンドを白血病細胞結合剤として磁性粒子に担持させることにより、血液中の白血病細胞を効率よく、分離、除去しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は、生理的に不活性な磁性粒子担体と、それに担持された、キノコ由来又はトウアズキ種子由来のレクチンタンパク質である白血病細胞結合剤とからなる白血病細胞分離材提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の白血病細胞分離材は、磁性粒子担体に、白血病細胞結合剤が担持されたものであるが、この白血病細胞結合剤としては、キノコ由来のレクチンタンパク質、例えばヤナギマツタケ(Agrocybe cylindracea)の果肉から抽出されるレクチンタンパク質やマメ科植物種子由来のレクチンタンパク質、例えばトウアズキ(Abrus precatorius)の種子から抽出されるレクチンタンパク質などを用いることができる。
【0015】
これらのレクチンタンパク質は、例えば以下の方法により得ることができる。まず、原料のヤナギマツタケの果肉やトウアズキの種子などを、リン酸塩緩衝生理的食塩水中でホモジェナイズしたのち、ろ過し、さらに遠心分離処理して得られた上澄み液に硫酸アンモニウムを加えて塩析を行う。次いで、これを遠心分離処理し、得られた沈殿を透析処理後、カラムクロマトグラフィーで分画したのち、ゲルろ過及びイオン交換により精製処理することにより、所望のレクチンタンパク質が得られる。
このようにして得られたレクチンタンパク質は、白血病細胞に対するリガンドとして機能する。
【0016】
次に、これらの白血病細胞結合剤を担持させる磁性粒子担体としては、生理的に不活性なものが用いられる。ここで、生理的に不活性とは、血液、リンパ液などの生理液と接触したときに、有害な物質の溶出や変質を生じ、それらの体内での生理液としての働きに悪影響をもたらすことがないという意味である。
【0017】
磁性粒子としては、特に制限はなく、従来臨床診断分野などにおいて、リガンドの担体として使用されているものを用いることができる。この磁性粒子としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルトなどの金属粒子、α‐、γ‐酸化鉄粒子、各種フェライト粒子などが挙げられるが、これらの中で鉄系粒子が好ましい。この磁性粒子は、そのままでは、前記レクチンタンパク質を担持させることが困難であるので、粒子表面に、通常、該レクチンタンパク質のアミノ基などと共有結合しうる官能基、例えばp‐トルエンスルホニル基をもつ被覆層が設けられる。この被覆層としては、磁性粒子との密着性がよく、かつ生理的に不活性なものが用いられ、このようなものとして好適なのは、例えばレクチン反応性の官能基をもつポリウレタンである。磁性粒子表面に上記ポリウレタンからなる被覆層を形成するには、例えば磁性粒子を懸濁させた水性媒体中において、対応するポリイソシアネートとジオールとを反応させたのち、p‐トルエンスルホニルクロリドで活性化することによって行うことができる。
このようにして、表面に被覆層が形成された磁性粒子の平均粒径は、通常1〜10μm、好ましくは3〜5μmの範囲にあるのが有利である。
【0018】
本発明の白血病細胞分離材は、このようにして得られた表面にレクチン反応性の官能基をもつ被覆層を有する磁性粒子担体に、リガンドとして前記レクチンタンパク質を化学的に結合させることにより担持させたものである。
【0019】
このものは、例えば、該磁性粒子をホウ酸緩衝液などで十分に洗浄したのち、レクチンタンパク質を加え、さらにウシ血清アルブミンを添加し、20〜40℃程度の温度で1〜24時間程度反応させたのち、十分に洗浄することによって製造することができる。なお、この反応において、未反応のまま残った官能基は、例えばさらにウシ血清アルブミンを含むトリス塩酸緩衝液を加え、反応させてブロックされる。
【0020】
このようにして得られた本発明の白血病細胞分離材は、例えば以下のようにして用いられる。
すなわち、白血病患者の血管から抜き出された白血病細胞を含む血液と、本発明の白血病細胞分離材を混合し、白血病細胞のみを該分離材のレクチンタンパク質に結合させる。次いで、分離材が懸濁した血液を磁場に設置された分離カラムに通すことにより、磁性粒子(白血病細胞結合磁性粒子、未結合磁性粒子)のみがカラム内に保持され、白血病細胞が除去された血液はカラムを通過し、患者の体内へ戻される。このようにして、患者の血液の正常な機能を損なうことなく、白血病細胞を除去することができるので、安全かつ確実に白血病患者の治療を行うことができる。
【0021】
このように、白血病患者の血液中の白血病細胞は、レクチンタンパク質と結合して除去されるが、処理終了後、これに使用したレクチンを認識する糖、例えばラクトースの溶液を通すことにより、白血病細胞を溶出させることができるので、これによってレクチンを再生し、白血病細胞分離材を繰り返し利用することができる。このカラムを磁場から外すことにより、該白血病細胞分離材を容易に回収することができる。
【0022】
また、溶出した白血病細胞の分化度や成熟度などの病理的性質を調べることにより、病状の進行度を判断することができるので、本発明の白血病細胞分離材は、白血病の治療の外、臨床診断にも有用である。
【0023】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0024】
実施例1
磁性粒子[ダイナル社製,商品名「DYNABEADS M−450」(4×10粒子/ml)]0.5mlをよくかきまぜたのち、0.1モル/リットルホウ酸緩衝液(pH9.5)でよく洗浄した。これにヤナギマツタケ由来のレクチンタンパク質50μgを加え、37℃で10分間反応させたのち、ウシ血清アルブミンを0.1重量%濃度になるように添加し、さらに37℃で16時間反応させた。
次いで、この粒子を0.1重量%ウシ血清アルブミンを含むリン酸緩衝生理的食塩水(pH7.4)で2回洗浄したのち、0.1重量%ウシ血清アルブミンを含むトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)中で37℃にて4時間反応させて、未反応の官能基をブロックし、さらに0.1重量%ウシ血清アルブミンを含むリン酸緩衝生理的食塩水(pH7.4)で1回洗浄することにより、白血病細胞分離材を得た。
【0025】
実施例2
白血病細胞の代表として、急性リンパ性白血病由来のT細胞系ジャーカット(Jurkat)細胞を、リン酸塩緩衝生理的食塩水に懸濁し、細胞数を1×10個/mlに調整した。この懸濁液の濁度(A600)を光学計により測定したところ、0.53であった。
次に、このジャーカット細胞懸濁液に、実施例1で得られた白血病細胞分離材を、1×10粒子/mlになるように加え、室温で10分間反応させたのち、これを磁石で磁場を付した分離カラムに通したところ、白血病細胞分離材はカラムに保持され、カラムを通過した液の濁度(A600)は0.08であった。すなわち、約85%の細胞が該分離材に結合し、除去されたことになる。
次に、このカラムに0.1モル/リットルのラクトース溶液1mlを流したところ、流出液の濁度(A600)は0.37であり、細胞が白血病細胞分離材から遊離することが確認できた。
【0026】
【発明の効果】
本発明の白血病細胞分離材を用いることにより、白血病患者の血液中から白血病細胞のみを選択的に除去できるので、安全かつ確実に白血病患者の治療を行うことができる。また、分離した白血病細胞の病理的性質を調べることにより、病状の進行度を判断することができるので、本発明の白血病細胞分離材は、臨床診断においても有用である。

Claims (3)

  1. 生理的に不活性な磁性粒子担体と、それに担持された、キノコ由来又はトウアズキ種子由来のレクチンタンパク質である白血病細胞結合剤とからなる白血病細胞分離材。
  2. 磁性粒子担体における磁性粒子が鉄系のものである請求項1記載の白血病細胞分離材。
  3. 生理的に不活性な磁性粒子担体が、表面にレクチン反応性の官能基をもつポリウレタン被覆層を有する請求項1又は2記載の白血病細胞分離材。
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