JPH0741072B2 - 免疫機能調節器 - Google Patents

免疫機能調節器

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JPH0741072B2
JPH0741072B2 JP61005536A JP553686A JPH0741072B2 JP H0741072 B2 JPH0741072 B2 JP H0741072B2 JP 61005536 A JP61005536 A JP 61005536A JP 553686 A JP553686 A JP 553686A JP H0741072 B2 JPH0741072 B2 JP H0741072B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は生体の免疫機能調節のための器具に関する。さ
らに詳しくは生体外に取り出された白血球を含む液体を
処理したのち生体内に戻し、生体の免疫機能に変化を与
えるための調節器に関する。
[従来の技術および発明が解決しようとする問題点] 近年、種々のリンパ球の免疫機能調節物質(リンフォカ
イン)が発見、同定され、さらに遺伝子工学、細胞培養
などの技術による種々のリンフォカインが入手可能とな
り、悪性腫瘍、免疫不全症の治療を目的として臨床応用
が進められている。
しかしながら、これらのリンフォカインは体内での半減
期の短いものが多く、薬理効果を上げようとすれば大量
に投与する必要があった。したがって大量投与による副
作用がしばしば見られ、必ずしも所期の効果を上げてい
ないのが現状である。
さらにはこれらの問題点を解決するため患者の血液から
白血球を分離して体外へ取り出し、インターロインキン
2などのリンフォカインを加えて培養し、キラー活性を
向上させたのち患者の体内へ戻すいわゆる養子免疫療法
が試みられかなりの効果を上げている。
しかしながら、この療法は操作が煩雑であるため治療で
きる患者数に限りがあり、また操作中の汚染など安全面
でも充分とはいえない。
[問題点を解決するための手段] リンフォカインを水不溶性物質に固定してなる免疫調節
器を用いることにより、リンフォカインの半減期を大幅
に延長し、かつ局所的に高濃度とすることができ、キラ
ー活性を効率的に向上させることができる。
[実施例] 本明細書でいう免疫調節性リンフォカインとは、主とし
てT細胞により生産され、B細胞が最終的に抗体産生細
胞にまで分化する際のT細胞に補助、あるいはT細胞の
増殖分化等への関与、および多くの免疫応答細胞を機能
的に活性化する等の機能を有する体液性因子を言う。
免疫調節性リンフォカインの代表例としては、インター
ロイキン1、インターロイキン2、インターロイキン
3、コロニー形成刺激因子、γ−インターフェロン、マ
クロファージ活性化因子(MAF)、キラーヘルパーファ
クター(KHF)、B細胞増殖因子(BCGF)、B細胞分化
因子(BCDF)等があげられるがこれらに限定されるわけ
ではない。
これらのリンフォカインは単独で用いてもよいし、2種
以上混合して用いてもよい。
本発明に用いる水不溶性物質はいかなるものを用いても
よいが、毒性、特に細胞毒性の低いものが望ましい。
代表例としては、ポリスチレン、アクリル、ポリアミ
ド、ポリエステル、アガロース、セルロース、デキスト
ラン、コラーゲン、フィブリン等の合成および天然高分
子およびそれらの架橋物、ガラス、シリカ、アルミナ、
ヒドロキシアパタイト等の無機物などがあげられるがこ
れらに限定されるものではない。
水不溶性物質の形状は繊維状、平板状、球状、膜状、ホ
ローファイバー状等いかなる形状のものを用いてもよ
い。
免疫調節性リンフォカインを水不溶性物質に固定する方
法の代表例としては、物理的あるいは化学的吸着による
方法、水溶性高分子と混合したのち架橋等により不溶化
する方法、水不溶性物質に混合したのち成型する方法、
共有結合により固定する方法等があり目的に応じて適当
な方法を用いればよい。
本発明の免疫機能調節器を用いて免疫機能を増強あるい
は抑制された体液を製造する方法としては、リンパ球お
よび/またはマクロファージ等の免疫担当細胞を本発明
の免疫機能調節器に接触させうる方法であればいかなる
方法を用いてもよく、目的に応じて全血、白血球分画、
リンパ球分画、さらにはT細胞分画等を本発明の免疫機
能調節器に接触させればよい。これらの代表的な具体例
としては、連続遠心分離法で末梢血より採取された白血
球分画、重層遠心分離法により採取された単核細胞分
画、さらにはこれらを公知の方法、たとえばナイロンフ
ィルター等により分画したリンパ球分画等があげられる
がこれらに限定されるものではない。
これらのリンパ球および/またはマイクロファージを含
む液体と本発明の免疫機能調節器との接触時間はリンフ
ォカインにより免疫担当細胞が変化を生じるに充分な時
間であればよく、通常数秒から数日の範囲で適当な時間
を選べばよい。またリンパ球および/またはマクロファ
ージを含む液体と本発明の免疫機能調節器との接触に際
し、本発明の免疫機能調節器を適当な温度に保つことに
より免疫担当細胞に効果的に変化を生じさせることもで
きる。
叙上の方法により処理されたリンパ球および/またはマ
クロファージを含む液体を生体内へ返還することにより
生体の免疫機能を調節することができる。この際用いる
リンパ球および/またはマクロファージを含む液体は、
免疫機能を調節しようとする生体とは別の生体より採取
されたものを用いてもよい。
さらにリンフォカインはもちろんのことリンフォトキシ
ン、腫瘍壊死因子(TNF)等の生体由来の免疫機能調節
剤、あるいは化学剤その他の免疫機能調節剤を本発明の
方法と併用してもよい。
つぎに本発明を実施例を用いてさらに詳しく説明する
が、本発明はもとよりこれらに限られるものではない。
実施例1 CNBr活性化セファロースCL−6B(ファルマシア社製、粒
径250〜350μm)10mlに免疫調節性リンフォカインとし
てレコンビナントインターロイキン2(ゼンザイム社
製)10,000Uを通常の方法で固定した。
つぎにヒト末梢血をハンクス液で希釈し、フィコール−
ハイパーク(Ficoll−Hypaque)液を用いて重層遠心分
離したのち、再びハンクス液で洗浄して単核球分画をえ
た。これをヒト血清3%を含むRPMI1640培地に浮遊させ
た液(2×106/ml)5mlを上記のインターロイキン2固
定セファロース2mlと混合し、ローラーボトル中で穏や
かに回転しながら37℃で96時間培養した。
培養上清を採取しハンクス液で洗浄後上記の培地に同濃
度で白血球を浮遊させた。
インターロイキン2固定セファロースによる処理および
未処理の白血球浮遊液につきK562細胞をターゲット細胞
として51Cr遊離法によりキラー活性を測定したところイ
ンターロイキン2固定セファロース処理を施した白血球
浮遊液のキラー活性は未処理のものに比べて約2培の活
性を有していた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】免疫調節性リンフォカインを水不溶性物質
    に固定してなる免疫機能調節器。
JP61005536A 1986-01-14 1986-01-14 免疫機能調節器 Expired - Fee Related JPH0741072B2 (ja)

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