JPH0465182B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、建造物の屋根面や外壁面を構成する
面構造体に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、前記のような建造物の面構造体として、
チヤンネル状部の開口を建造物内側に向けかつ前
記チヤンネル状部の開口端両側にフランジを外向
きに直角に突出させると共に、チヤンネル状部の
両側板に段を形成し、これらの段よりも建造物外
側のチヤンネル状部の幅を狭くした長尺の取付部
材を母屋などの支持部材と直交する方向に所要間
隔で複数本直列に配置し、前記取付部材のフラン
ジを耐火材などの板状の内層部材と重ねて前記支
持部材の建造物外側面に支持固定し、取付部材の
チヤンネル状部に形成した段に遮音材などの板状
の外層部材を支持させ、前記内層部材と外層部材
との間に空間部を形成し、さらに取付部材のチヤ
ンネル状部の建造物外側に位置する壁板に、取付
部材および前記外層部材を覆う面板を固定したも
のがあつた。

また、取付部材のチヤンネル状部の両側板に多
数の横長孔などの孔を形成し、これらの孔の一部
に電気配線まだは配管を前記取付部材の長手方向
と交差するように通して内層部材と外層部材との
間の空間部に配設したものもあつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

前述したように構成された従来の建造物の面構
造体は、内層部材と外層部材との間の空間部の厚
さ調整が困難であり、また取付部材の強度が必ず
しも十分ではなく、とくに電気配線や配管のため
に取付部材のチヤンネル状部の両側板に孔を形成
したものは、積雪地帯などで大きな荷重が取付部
材に加わる屋根面に用いるには取付部材の強度が
不十分であるという問題点があつた。

本発明は、前述した従来のものの問題点を解決
して内層部材と外層部材との間の空間部の厚さ調
整が容易にでき、また取付部材の強度が十分に強
い建造物の面構造体を提供することを目的として
いる。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明による建造物の面構造体は、チヤンネル
状部の開口を建造物内側に向けかつ前記チヤンネ
ル状部の開口端両側にフランジを外向きに直角に
突出させた長尺の第１取付部材を、母屋などの支
持部材と直交する方向に所要間隔で複数本直列に
配置し、前記第１取付部材のフランジを耐火材を
含んでいる板状の内層部材と重ねて前記支持部材
の建造物外側面に支持固定し、第１取付部材のチ
ヤンネル状部より建造物内外方向の寸法が短いチ
ヤンネル状部の開口を建造物内側に向けかつ開口
端両側にフランジを外向きに直角に突出させた長
尺の第２取付部材を、第１取付部材の建造物外側
部分に第１取付部材の長手方向に沿つて嵌合固定
し、前記第２取付部材のフランジに遮音材のよう
な板材からなる外層部材を支持させ、前記内層部
材と外層部材との間に空間部を形成し、さらに第
２取付部材のチヤンネル状部の建造物外側に位置
する壁板に、第２取付部材および外層部材の建造
物外側面を覆う面板を固定したものである。

〔作用〕

本発明による建造物の面構造体は、長尺の第２
取付部材を、長尺の第１取付部材の建造物外側部
分に第１取付部材の長尺方向に沿つて嵌合固定し
たことにより、第１取付部材の建造物外側部分が
第２取付部材によつて補強され、前記第１、第２
取付部材全体としての強度を十分に強くでき、ま
た第２取付部材のフランジの位置調整により、内
層部材と外層部材との間に形成される空間部の厚
さを容易に調整することができる。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例につき、図面を参照して
説明する。

第１図乃至第４図は本発明を屋根に実施した一
例を示す。

第１図乃至第４図中、１は木材或いは断面略〓
形状の金属製の母屋などの支持部材であり、これ
らの支持部材１上に、吸音材２ａと耐火材２ｂと
を重ね合せた板状の内層部材２が敷設され、この
内層部材２上には長尺の第１取付部材３のフラン
ジ３ａが重ね合され、第１取付部材３が支持部材
１の上方にこれらと直交する方向に配設されてい
る。

第１取付部材３は、チヤンネル状部の開口を建
造物内側に向け、チヤンネル状部の１対の側板３
ｂの下部には多数の横長孔３ｃが側板３ｂの長手
方向に沿つて所定間隔で形成され、側板３ｂの建
造物内側端すなわちチヤンネル状部の開口端両側
に外向きに直角にフランジ３ａが突出している長
尺材から構成されたハツト形状の横断面のもので
あり、前記フランジ３ａの上方から釘、木ねじの
ような固定具４を内層部材２に挿し通して支持部
材１に打ち込むことで、多数本の第１取付部材３
が内層部材２を介して支持部材１にこれらと直交
するように支持固定されている。

第１取付部材３の上端部すなわち建造物外側部
の外周には第２取付部材５がスポツト溶接、ビス
止めなどの適宜の手段で嵌合固定されている。第
２取付部材５は、第１取付部材３とほぼ同様にチ
ヤンネル状部の開口を建造物内側に向けて配設さ
れ、第１取付部材３の側板３ｂの建造物内外方向
すなわち上下方向の寸法より第２取付部材５のチ
ヤンネル部両側板５ｂの上下方向寸法が短く、両
側板５ｃの建造物内側端すなわちチヤンネル状部
の開口端両側に外向きに直角にフランジ５ａが突
出したハツト形状の横断面のものであり、また支
持部材１と直交する長尺材からなり、第１取付部
材３とともに垂木を構成している。

第２取付部材５のフランジ５ａ上に遮音材から
なる板状の外層部材６の両端部が支持固定され
て、第２取付部材３の間に外層部材６が敷設さ
れ、内、外層部材２，６間には空間部７が形成さ
れている。この空間部７には第１取付部材５の側
板３ｂに設けた横長孔３ｃを通して屋内の電気配
線８が空間部７に配設されている。

なお、電気配線８は第２図のようにパイプ８ａ
に挿通し、止め具９で内層部材２に固定してもよ
い。

第２取付部材５の建造物外側壁板すなわちチヤ
ンネル状部上壁板５ｄには切り起し突片５ｂが上
方に突設され、これらの突片５ｂによつて面板で
ある屋根板１０が掛止め固定され、屋根板１０は
第２取付部材５および外層部材６上を覆つて横葺
きされている。

そして、第４図に示すものは、ともに長尺の第
１、第２取付部材３，５が嵌つており、第１取付
部材３に長孔３ｃがあつても、支持部材１と直交
するこれらの取付部材３，５全体の強度が大きく
なるので、雪国の屋根面など、荷重が大きくかか
る面構造体に適する。

第５図に示すものは、他の実施例の正面図であ
つて、第１取付部材３の形状は、チヤンネル状部
が段付きに形成され、この段部１２に第２取付部
材５が嵌合固定される。このようにすると強度性
の点でより優れた効果が得られる。

本発明において、第１、第２取付部材は亜鉛メ
ツキ鋼板、アルミニウム板、その他の金属板、金
属押出成形材などで構成でき、また、内層部材は
耐火材だけとしてもよく、外層部材は遮音材と吸
音材または耐火材を重ね合せたものとするなど、
内、外層部材の構成は適宜を変更できるが、内層
部材は耐火性のもの、外層部材は遮音性があるこ
とが必要であり、さらに内、外層部材間の空間部
にガラスウール等の断熱材を充填してもよく、空
間部には電気配線の他に水道、ガス等の配管を設
けてもよい。

そして、本発明において、屋根板のような面板
は亜鉛メツキ鋼板、アルミニウム板、その他の金
属板の長尺材等適宜の材質、構成のものを用いる
ことができる。

以上本発明を屋根の場合について説明したが、
本発明は建造物の外壁の構造体にも面板材を変更
するだけで適用できる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明の面構造体は、支
持部材の建造物外側に内、外層部材によつて空間
部を形成したので、この空間部の断熱作用と遮音
作用とで断熱性と遮音性がよく、また外層部材に
遮音材を用いたことで遮音性がすぐれたものとな
り、さらに内層部材として耐火材を用いたことで
耐火性がすぐれたものとなる上に、長尺の第２取
付部材を、長尺の第１取付部材の建造物外側部分
に第１取付部材の長手方向に沿つて嵌合固定した
ことにより、第１取付部材の建造物外側部分が第
２取付部材によつて補強され、前記第１、第２取
付部材全体としての強度を十分に強くでき、した
がつて第１取付部材のチヤンネル状部両側板に多
数の横長孔などの孔を形成したものを、積雪地帯
などに用い、大きな荷重が加わつても、この荷重
に第１、第２取付部材で耐えられる。

さらに、第１、第２取付部材に分けたことによ
り、これらの製作が容易となり、安価に提供で
き、空気層の上下方向の高さなどの厚さ調整を第
２取付部材の支持板の位置調整で簡単に行うこと
ができて非常に便利であると云う効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による建造物の面構造体の一実
施例を示す一部切り欠き部分斜視図、第２図は同
要部の斜視図、第３図は同断面正面図、第４図は
同第１、第２取付部材を示す斜視図、第５図は本
発明に用いる第１、第２取付部材の変形例を示す
正面図である。 １……支持部材、２……内層部材、２ａ……吸
音材、２ｂ……耐火材、３……第１取付部材、３
ａ……フランジ、３ｃ……横長孔、４……固定
具、５……第２取付部材、５ａ……支持板、６…
…外層部材、７……空間部、８……電気配線、９
……止め具、１０……屋根板（面板）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ チヤンネル状部の開口を建造物内側に向けか
   つ前記チヤンネル状部の開口端両側にフランジを
   外向きに直角に突出させた長尺の第１取付部材
   を、母屋などの支持部材と直交する方向に所要間
   隔で複数本直列に配置し、前記第１取付部材のフ
   ランジを耐火材を含んでいる板状の内層部材と重
   ねて前記支持部材の建造物外側面に支持固定し、
   第１取付部材のチヤンネル状部より建造物内外方
   向の寸法が短いチヤンネル状部の開口を建造物内
   側に向けかつ開口端両側にフランジを外向きに直
   角に突出させた長尺の第２取付部材を、第１取付
   部材の建造物外側部分に第１取付部材の長手方向
   に沿つて嵌合固定し、前記第２取付部材のフラン
   ジに遮音材のような板材からなる外層部材を支持
   させ、前記内層部材と外層部材との間に空間部を
   形成し、さらに第２取付部材のチヤンネル状部の
   建造物外側に位置する壁板に、第２取付部材およ
   び外層部材の建造物外側面を覆う面板を固定した
   ことを特徴とする建造物の面構造体。 ２ 第１取付部材は、チヤンネル状部の両側板
   に、第２取付部材の嵌合固定部より建造物内側に
   位置する多数の孔を所定間隔で長手方向に沿つて
   形成した特許請求の範囲第１項に記載の建物の面
   構造体。