JP3559125B2 - ランナー固定金具の取付構造 - Google Patents

ランナー固定金具の取付構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、断熱内壁下地パネルを施工する際に用いられるランナー固定金具の取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄骨構造の建物において、外壁にカーテンウォール構造を採用する場合、特開平8−13654号公報に記載されるように、内壁の施工に際して、縦桟および横桟によって矩形に枠組みされた木製枠材の各区画された枠内部に断熱材を詰め込むとともに、その片面に防水防湿シートを貼着してなる断熱内壁下地パネルを外壁から離隔して床材に立設することにより、断熱内壁下地を形成することが提案されている。
【0003】
この断熱内壁下地は、断熱内壁下地パネルの上端部に金具本体を固定する一方、床材に鉄骨梁に合わせてランナーを固定し、断熱内壁下地パネルの下端部をランナーに差し込むとともに、金具本体を鉄骨梁の下フランジの室内側端縁に当接させ、固定部材を金具本体を通して鉄骨梁の下フランジの室内側端縁部に噛み込ませて固定することにより形成されるものである。この結果、室内空間の断熱性を高めると同時に、外壁裏面と断熱材との間に通風空間を確保して内部結露の発生を防止するようにしている。
【0004】
また、図10に示すように、鉄骨梁Hの表面をロックウールとセラミックファイバーなどから形成された耐火被覆材Rで覆う耐火仕様も設定されている。この耐火被覆材Rは、詳細には図示しないが、火災に際して鉄骨梁Hから簡単に脱落しないように表面に金網が装着されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した断熱内壁下地を形成する場合、断熱内壁下地パネルの立設位置は、鉄骨梁に合わせて床材に固定されたランナーおよび鉄骨梁の下フランジの室内側端縁に当接する金具本体によって自動的に決定されることから、断熱内壁下地パネルを外壁により近づけて、あるいは、外壁からより離して立設するためには、外壁に対する断熱内壁下地パネルの立設位置に合わせて大きさの異なる複数種類の金具本体が必要になるものである。したがって、大きさが同じ単一の金具本体を使用するかぎり、室内空間をより広く確保しようとする場合や、和室に障子を設ける場合、あるいは、柱との関係などにより、外壁からの距離を変えて断熱内壁下地パネルを立設することは不可能である。
【0006】
また、鉄骨梁の表面を耐火被覆材で覆った耐火仕様の建物において、前述した金具本体を固定部材によって鉄骨梁に固定するには、金具本体を挿入し、さらには、固定部材を嵌め込むことができるように、金具本体の取付位置において耐火被覆材を大きく切り開いて鉄骨梁を露出させなければならない。この結果、耐火性能が低下する他、耐火被覆材の表面に装着されている金網を大きな面積にわたって切断するために多くの作業時間を必要とするものである。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、耐火被覆材の耐火性能を低下させることなく鉄骨梁に簡単に取り付けることができるとともに、断熱内壁下地パネルを建て込む際に用いられるランナーを任意の位置に取り付けることのできるランナー固定金具の取付構造を提供するものである。
【0008】
本発明は、鉄骨梁に固定可能な取付金具と、この取付金具に固定可能な下地金具からなり、前記取付金具は、水平部、この水平部の両端から上方に向けて折曲されるとともに、前後方向に長穴が形成された垂直部およびこれらの垂直部の上端から外方に向けて折曲された当接部を備える断面逆ハット状の金具本体と、この金具本体の各当接部の端部に固定され、鉄骨梁の下フランジの左右端縁に係合可能な係合部を有する係合バネ片と、から構成され、また、前記下地金具は、取り付け部およびこの取り付け部の両端に形成された補強部を備える下地材と、この下地材に固定され、前記取付金具の金具本体の各垂直部に形成された長穴に係合可能な係合部を有する係合バネ片と、から構成され、下地材の取り付け部および補強部は、断熱内壁パネルの上端部が差し込まれる断面略コ字状のランナーの中心と鉄骨梁の中心とが一致する標準位置から室外側または室内側に一定距離移動させた位置にそれぞれランナーを固定することができる長さに形成されてなり、取付金具の係合バネ片が鉄骨梁の下フランジの左右端縁に係合されて鉄骨梁の下フランジに取付金具が固定され、この取付金具とともに鉄骨梁の表面に耐火被覆材が被覆され、取付金具の取付位置に合わせて耐火被覆材が切り開かれて取付金具の水平部が露出され、 下地金具の係合バネ片が取付金具の長孔に係合されて取付金具の水平部に下地金具の取り付け部が当接固定され、この下地金具の取り付け部において、ランナーが、その中心と鉄骨梁の中心とが一致する標準位置、あるいはこの標準位置から室外側または室内側に下地金具の取り付け部の長さの範囲内において一定距離移動させた位置に、ビス固定されてなることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1には、本発明のランナー固定金具が示されている。
【0011】
このランナー固定金具1は、鉄骨梁Hの下フランジh1に固定可能な取付金具2と、この取付金具2に固定可能な下地金具3と、から構成されている。
【0012】
まず、取付金具2は、水平部211、この水平部211の両端から上方に向けて折曲されるとともに、前後方向に長穴212aが形成された垂直部212およびこれらの垂直部212の上端から外方に向けて折曲された当接部213を備える断面逆ハット状の金具本体21と、この金具本体21の各当接部213の端部にリベットを介して固定され、鉄骨梁Hの下フランジh1の左右端縁に係合可能な係合部22aを有する係合バネ片22と、からなり、一対の係合バネ片22の係合部22aの間隔は、鉄骨梁Hの下フランジh1の幅よりも若干短く設定されている他、係合バネ片22の係合部22aと金具本体21の当接部213との間隔は、鉄骨梁Hの下フランジh1の厚みに設定されている。
【0013】
一方、下地金具3は、取り付け部311およびこの取り付け部311の両端縁に逆U字状の補強部312を形成した下地材31と、この下地材31にスポット溶接で溶着され、前述した取付金具2の金具本体21の各垂直部212に形成された長穴212aに係合可能な係合部32aを有する係合バネ片32と、からなり、一対の係合バネ片32の係合部32aの間隔は、金具本体21の垂直部212の間隔よりも若干短く設定されている。
【0014】
この取付金具2および下地金具3からなるランナー固定金具1を鉄骨梁Hに取り付けるには、まず、取付金具2を把持して各係合バネ片22を鉄骨梁Hの下フランジh1の左右端縁に押し付け、係合バネ片22をその弾性により押し開いて鉄骨梁Hの下フランジh1の左右端縁に係合させる。この際、金具本体21の当接部213が鉄骨梁Hの下フランジh1の下面に当接することから、取付金具2は、係合バネ片22の係合部22aと金具本体21の当接部213とによって鉄骨梁Hの下フランジh1を挾持するものである(図2参照)。
【0015】
取付金具2が固定されたならば、この取付金具2とともに、鉄骨梁Hの表面を覆って耐火被覆材Rを取り付ける。耐火被覆材Rの取り付けが終了すれば、先に取り付けた取付金具2の取付位置に合わせて耐火被覆材Rをカッターにより切り開き、その金具本体21の水平部211を露出させる(図3参照)。この場合、下地金具3の係合バネ片32を挿入できるように切り込みを入れる程度でよく、耐火性能を低下させることはない。なお、耐火被覆材Rの金網は、予めはさみで切断しておく。
【0016】
次いで、下地金具3を把持して各係合バネ片32を取付金具2の金具本体21の各垂直部212に押し付け、係合バネ片32をその弾性により押し開いて金具本体21の各垂直部212に形成された長穴212aに係合させる。この際、下地材31の取り付け部311が金具本体21の水平部211に当接することから、下地金具3は、その係合バネ片32の係合部32aと下地材31の取り付け部311とによって取付金具2の金具本体21を挾持するものである(図4参照)。
【0017】
このように、係合バネ片22を鉄骨梁Hに押し付けるだけで取付金具2を鉄骨梁Hに簡単に取り付けることができるとともに、係合バネ片32を取付金具2に押し付けるだけで下地金具3を取付金具2に簡単に取り付けることができる。
【0018】
ところで、前述したランナー固定金具1の下地金具3には、後述する断熱内壁下地パネル6の上端部を差し込むことができるように、断面略コ字状に形成されたランナー4がビスを介して固定されるようになっている。この際、ランナー4は、基準位置から設定された距離をおいて下地金具3の下地材31の取り付け部311に付された墨出し線に合わせて固定されるものである。すなわち、ランナー4は、その中心と鉄骨梁Hの中心とが一致する標準位置(図5(a)参照)あるいは下地金具3の下地材31の長さの範囲内において標準位置から室外側または室内側に一定距離移動させた位置(図5(b),(c)参照)にそれぞれ固定することができる。
【0019】
一方、ランナー4を介して上端部が差し込まれた断熱内壁下地パネル6の下端部を固定する固定金具5は、図6に示すように、断熱内壁下地パネル6の奥行きに相当する長さに形成された水平部51および水平部51の一端に上方に向けて折曲された垂直部52によって断面L字状に折曲されており、水平部51の他端には係止片53が延設されている。そして、固定金具5は、前述したランナー4の固定位置に合わせて床材Fに付された墨出し線に沿って固定されるものであり、その垂直部52に断熱内壁下地パネル6の下端部背面が当接するようになっている。
【0020】
なお、断熱内壁下地パネル6は、縦桟および横桟によって矩形に枠組みされた木製枠材61の各区画された空間内にロックウールやグラスウールなどの断熱材62を詰め込み、片面に防水防湿シート(図示せず)を貼着して形成されている。
【0021】
次に、前述したランナー固定金具1、ランナー4、固定金具5および断熱内壁下地パネル6によって断熱内壁下地10を形成する場合について、図7に基づいて説明する。まず、鉄骨梁Hにランナー固定金具1の取付金具2を取り付ける。すなわち、取付金具2の各係合バネ片22を鉄骨梁Hの下フランジh1の左右端縁に押し付け、係合バネ片22をその弾性により押し開いて鉄骨梁Hの下フランジh1の左右端縁に係合させ、金具本体21の当接部213との間で鉄骨梁Hの下フランジh1を挾持する。
【0022】
次いで、ランナー固定金具1の取付金具2および鉄骨梁Hを覆って耐火被覆材Rを装着するとともに、柱の表面にケイ酸カルシウム板などの耐火ボードBを取り付ける。このような耐火被覆工事が終了すれば、先に取り付けた取付金具2の取付位置に合わせて耐火被覆材Rをナイフで切り開き、その金具本体21の水平部211を露出させる。その後、下地金具3を把持して各係合バネ片32を取付金具2の金具本体21の各垂直部212に押し付け、その係合部32aを押し開いて各垂直部212に形成された長穴212aに係合させ、その下地材31との間で取付金具2の金具本体21を挾持する。
【0023】
ランナー固定金具1の下地金具3が取り付けられたならば、その下地材31の取り付け部311に基準位置から設定された距離をおいて墨を打ち、その墨出し線に合わせてランナー4を配置し、ビスを介して固定する。さらに、ランナー4の固定位置に合わせて床材Fに墨を打ち、その墨出し線に合わせて一定間隔をおいて複数個の固定金具5をビスを介して固定する。この結果、ランナー4および固定金具5は、家を建築する際の基準位置から正確に距離をおいて位置決めされることになる。
【0024】
次いで、断熱内壁下地パネル6を把持し、その上端部をランナー4に差し込むとともに、その下端部背面を固定金具5の垂直部52に当接させた後、固定金具5の係止片53を上方に向けて折り返して断熱内壁下地パネル4の下端部表面に密着させ、ビスを介して固定する。以下、同様に断熱内壁下地パネル6を建て込んで区画する。その後、石膏ボードなどの内壁ボード7を取り付け、天井8を施工すればよい(図8および図9参照)。
【0025】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、鉄骨梁の下フランジの左右端縁に各係合バネ片の係合部を係合させてこの係合部と金具本体の当接部との間で鉄骨梁の下フランジを挟持することにより、鉄骨梁に取付金具を簡単に取り付けることができる。また、金具本体の垂直部に形成された長穴に下地金具のバネ片の係合部を係合させることで、取付金具に下地金具を簡単に取り付けることができる。したがって、鉄骨梁に取付金具を取り付け、これら鉄骨梁および取付金具を耐火被覆材で被覆し、取付金具の位置の耐火被覆材を切り開いて、露出した取付金具に下地金具を取り付けることで、耐火被覆材の耐火性能を低下させることなく鉄骨梁に簡単にランナー固定金具を取り付けることができる。また、下地金具の取り付け部および補強部は、ランナーの中心と鉄骨梁の中心とが一致する標準位置から室外側または室内側に一定距離移動させた位置にそれぞれランナーを固定することができる長さに形成ているので、この下地金具の取り付け部にランナーをビス固定することで、標準位置と、この標準位置から室外側または室内側に一定距離移動させた位置とにランナーを取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のランナー固定金具を構成する取付金具および下地金具を示す斜視図である。
【図2】本発明のランナー固定金具の取付金具を鉄骨梁に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明のランナー固定金具の取付金具および該取付金具が取り付けられた鉄骨梁を覆う耐火被覆材を切り開いて取付金具を露出させた状態を示す斜視図である。
【図4】本発明のランナー固定金具の下地金具を露出させた取付金具に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図5】本発明のランナー固定金具に対するランナーの固定位置を示す断面図である。
【図6】固定金具を示す斜視図である。
【図7】断熱内壁下地の施工状態を示す説明図である。
【図8】断熱内壁下地を有する内壁の縦断面図である。
【図9】図8の内壁を一部省略して示す拡大図である。
【図10】鉄骨梁の表面を耐火被覆材で覆った耐火仕様を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ランナー固定金具
2 取付金具
21 金具本体
211 水平部
212 垂直部
212a 長穴
213 当接部
22 係合バネ片
22a 係合部
3 下地金具
31 下地材
311 取り付け部
312 補強部
32 係合バネ片
32a 係合部
4 ランナー
5 固定金具
6 断熱内壁下地パネル
10 断熱内壁下地
H 鉄骨梁
h1 下フランジ
R 耐火被覆材

Claims (1)

  1. 鉄骨梁に固定可能な取付金具と、この取付金具に固定可能な下地金具からなり、前記取付金具は、水平部、この水平部の両端から上方に向けて折曲されるとともに、前後方向に長穴が形成された垂直部およびこれらの垂直部の上端から外方に向けて折曲された当接部を備える断面逆ハット状の金具本体と、この金具本体の各当接部の端部に固定され、鉄骨梁の下フランジの左右端縁に係合可能な係合部を有する係合バネ片と、から構成され、また、前記下地金具は、取り付け部およびこの取り付け部の両端に形成された補強部を備える下地材と、この下地材に固定され、前記取付金具の金具本体の各垂直部に形成された長穴に係合可能な係合部を有する係合バネ片と、から構成され、
    下地材の取り付け部および補強部は、断熱内壁パネルの上端部が差し込まれる断面略コ字状のランナーの中心と鉄骨梁の中心とが一致する標準位置から室外側または室内側に一定距離移動させた位置にそれぞれランナーを固定することができる長さに形成されてなり、
    取付金具の係合バネ片が鉄骨梁の下フランジの左右端縁に係合されて鉄骨梁の下フランジに取付金具が固定され、この取付金具とともに鉄骨梁の表面に耐火被覆材が被覆され、取付金具の取付位置に合わせて耐火被覆材が切り開かれて取付金具の水平部が露出され、 下地金具の係合バネ片が取付金具の長孔に係合されて取付金具の水平部に下地金具の取り付け部が当接固定され、
    この下地金具の取り付け部において、ランナーが、その中心と鉄骨梁の中心とが一致する標準位置、あるいはこの標準位置から室外側または室内側に下地金具の取り付け部の長さの範囲内において一定距離移動させた位置に、ビス固定されてなることを特徴とするランナー固定金具の取付構造
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