JPH0463820A - 不飽和基を含有する含フッ素ブロック共重合体及びその製造方法並びに活性エネルギー線硬化型樹脂用表面改質剤 - Google Patents

不飽和基を含有する含フッ素ブロック共重合体及びその製造方法並びに活性エネルギー線硬化型樹脂用表面改質剤

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JPH0463820A
JPH0463820A JP17555390A JP17555390A JPH0463820A JP H0463820 A JPH0463820 A JP H0463820A JP 17555390 A JP17555390 A JP 17555390A JP 17555390 A JP17555390 A JP 17555390A JP H0463820 A JPH0463820 A JP H0463820A
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倫久 山田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は特に紫外線や電子線等の活性エネルギー線に対
して感応性を有し、活性エネルギー線硬化型樹脂の表面
改質剤やレジスト材料等として有用な、不飽和基を含有
する含フッ素ブロック共重合体及びその製造方法に関す
るものである。
〔従来の技術〕
本発明者らは先に、含フッ素ブロック共重合体が高分子
材料の表面改質剤として有用であることを提案した。例
えば特開昭60−22410号公報では、含フッ素ブロ
ック共重合体を高分子材料に添加すると、含フッ素ブロ
ック共重合体が表面に配向し、材料表面にパーフルオロ
アルキル基の持つ撥水撥油性や防汚性等の優れた特性が
付与でき、その改質効果の持続性に優れていることが示
されている。また、ブロッキング防止剤として(特開平
2−4877号公報)及び防湿性付与剤として(特開平
2−4812号公報)有用なことか知られている。
熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂だけに限らず、活性エネル
ギー線硬化型樹脂においても撥水撥油性、ブロッキング
防止性、防湿性等の特性の付与か求められる場合が多い
。例えばプラスチックボトル等の印刷に使用されるUV
硬化型インキには耐水性が求められており、またソルダ
ーレジスト材料等には防湿性が求められている。本発明
者らは、このような材料に対する改質剤としても含フッ
素ブロック共重合体が有用であることを提案してきた(
特開平2−4812公報)。
活性エネルギー線に対して感応性を育する材料について
は極めて数多い提案があるが、その中で、レジスト材料
やコーティング材料として使用することを目的とした、
活性エネルギー線感応型の含フッ素ブロック共重合体に
関する提案も行われている。例えば、特開昭58−21
5411号公報では、側鎖に光二量化反応性を有する単
量体と含フッ素単量体とのラジカル共重合反応により含
フッ素感応性材料が得られることを提案している。
また、特開昭62−25104号、同63−30126
8号公報では、水酸基含有ビニルエーテルとフルオロオ
レフィンの共重合によって得られる含フッ素重合体と、
イソシアネート基と不飽和基とを有する化合物との反応
により活性エネルギー線で硬化のできる重合体の得られ
ることを報告している。さらに特開昭62−19026
4号公報では、OH基を有する含フッ素ブロック共重合
体と、イソシアネート化合物と、OH基と不飽和基とを
有する化合物との3成分間の反応より得られる重合物を
含有する塗料組成物が開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
前述したように、表面配向性に優れた含フッ素ブロック
共重合体によって活性エネルギー線硬化型樹脂の表面改
質が可能である。この場合、含フッ素ブロック共重合体
の一方のポリマー鎖であるフッ素を含有しない重合体部
分による改質の対象となる樹脂との高分子のからみあい
効果により、改質効果の良好な持続性が付与されるが、
この両者を共有結合させることができれば、さらに持続
性が改善される。
また、含フッ素ブロック共重合体を単独でコーティング
材料として使用する場合、含フッ素重合体部分が高密度
に空気側表面に配向し、フッ素を含有しない重合体部分
が基材側に高密度に配向するため、良好な密着性を維持
しながら含フッ素重合体部分に由来する機能を膜表面側
に付与することが出来る。この特性を生かした上で、さ
らに活性エネルギー線に対する感応性か発現できれば、
フッ素の機能を持つ各種のレジスト材料としての応用も
期待できる。
このような目的を達成するために特開昭6219026
4号公報において、すでに不飽和基を含有する含フッ素
ブロック共重合体に関する提案がなされているが、この
提案においては、イソシアネート化合物を用いた反応に
より不飽和基を導入する方法を採用しているため、反応
時にゲル化が生じやすいという問題点がある。含フッ素
ブロック共重合体と不飽和基含有化合物に対して、多量
のイソシアネート化合物を用いることによってゲル化が
抑制できる傾向を示すものの、このように多量のイソシ
アネート化合物を用いて合成した場合、含フッ素ブロッ
ク共重合体の多量化が進行して分子量が増大し、しかも
含フッ素重合体部分の比率が減じるため表面性能が低下
する傾向を示す。
この提案のように特定の用途に利用する場合には、含フ
ッ素ブロック共重合体の機能が発現されても、広く活性
エネルギー線硬化型樹脂の表面改質剤として用いるには
、表面活性能の点で問題があり、さらに改善が望まれる
段階にあった。また、この方法によって得られる重合体
をレジスト材料等に利用する場合、含フッ素重合体部分
の表面配向性が低い傾向を示すこと、活性エネルギー線
未照射部分も網目的な高分子量化が進んでいるため各種
の現像剤に対して現像性が必ずしも良好でない等の問題
点がある。
本発明は前記問題点を解決するためになされたものであ
って、その目的は活性エネルギー線に対する感応性、現
像性、基材に対する密着性等の機能に加え、撥水撥油性
等の機能を発揮でき、その結果活性エネルギー線硬化型
樹脂の表面改質剤や、フッ素の機能を兼ね備えたL/シ
スト材利等として利用できる、不飽和基を含有する含フ
ッ素ブロック共重合体及びその製造方法を提供すること
にある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明における第1の発明では、下記一般式(I)から
誘導される構造単位(A)と、下記一般式(II)から
誘導される重合体部分及び下記一般式(III)を単位
とする重合体部分からなる構造単位(B)からなり、構
造単位(A)/構造単位(B)の割合が重量比で80/
20〜10/90であり、構造単位(B)の良溶剤であ
る非フッ素系有機溶剤に溶解又は分散させて20重量%
に調整した溶液の粘度が258Cにおいて0.05〜1
0ポイズであるという手段を採用している。
CH2=CRICOOR2Rf−−・−・・(I)式中
、R1は水素原子又はメチル基、R2は−Cp H4F
  、  C(CPH2P+l) H、CH2C(CP
H2P+l) H−又は−CH2CF(20−R[はC
−F 2−+1.  (CF 2)。H,(CF2)P
OC,R2,、ClF21+1.  (CF2)POC
,Hzmc IF 21H! である。但し、pは1〜10.nは1〜16.mはO〜
10,1は0〜16の整数である。
CR2=CR3R,・・・・・・(II)式中、R3は
水素原子又はメチル基又Ct CH2但し、Pは1〜l
09nは1〜16.rは2〜20、sは0〜8の整数で
ある。) 、−CONR6R7(式中、R6は水素原子
又はCPH2P+1. R7は水素原子、直線状又は分
岐状のCPH2P+1、又はCH20Hである。但し、
pは1〜10の整H3)2CH2COCH3、−CON
HC(CHOCOC,R2,、++ (式中、nは1〜
16の整数であり、直鎖状、分岐状のいずれでもよい。
)(CH−CRa)−・・・・・・(III)CH2C
HCH2,CH2CH”CHz。
\1 直鎖状又は分岐状のC*H2i+1+直鎖状又(よ分岐
状のCPH2F+108.   CH2CH(OH) 
CR3、(C2H40)−C3H2S+1゜〔CH2C
H(CH3)0〕、C3H2S+lである。
式中、R8は水素原子又はメチル基、R9はCH2=C
H−、CH2=C(CH3)て前記構造単位(A)が一
般式(I)から誘導される重合体部分40重量%以上及
び一般式(II)から誘導される重合体部分60重量%
以下からなるという手段を採用している。
さらに、第3の発明では、前記第1又は第2の発明にお
いて、前記一般式(I)から誘導される構造単位(A)
と、前記一般式(II)から誘導される重合体部分及び
下記一般式(IV)から誘導される重合体部分からなる
構造単位(B′)からなる含フッ素ブロック共重合体、
又は前記一般式(I)から誘導される重合体部分40重
量%以上及び前記一般式(n)から誘導される重合体部
分60重量%以下からなる構造単位(A)と、前記一般
式(n)から誘導される重合体部分及び下記一般式(I
V)から誘導される重合体部分からなる構造単位(B’
)からなる含フッ素ブロック共重合体と、下記一般式(
V)で示される化合物とを反応させて、不飽和基を含有
する含フッ素ブロック共重合体を製造するという手段を
採用している。
式中、R8は水素原子又はメチル基である。
R9C0OH・・・・・・ (V) 次に、本発明の各構成要件について説明する。
まず本発明のブロック共重合体における構造単位(A)
について説明する。ブロック共重合体が充分に表面活性
であり、含フッ素重合体としての機能を発現させるため
に、この構造単位は第1及び第3の発明では前記一般式
(I)から誘導される重合体であり、第2及び第3の発
明では前記一般式(I)から誘導される重合体部分40
重量%以上及び前記一般式(n)から誘導される重合体
部分60重量%以下からなっている。構造単位(A)が
前記一般式(1)から誘導される重合体部分40重量%
未満から構成されると、表面活性能が低下して表面改質
剤としての機能が不足する上に、本発明のブロック共重
合体単独から膜を形成し、レジスト材料として使用した
場合にも、その機能が低下する。
前記一般式(I)において、p、mが10を越えるとパ
ーフルオロアルキル基に由来する特性か減じるため好ま
しくない。また、n、lが16を越えると、製造が容易
でなく、しかもパーフルオロアルキル基に由来する特性
か必すしも良好とはいえないため好ましくない。pは1
〜4、mは0〜4、n及びlは1〜10で、かつパーフ
ルオロアルキル基の末端は−CF3であることがさらに
好ましい。
前記一般式(I)で示される単量体としては、特に製造
の容易性の点から次のようなものか好適に使用できる。
CF、(CF2)アCH2CH20CO−CH=CH2 CF、CH20COCH=CH2、 CF 3(CF 2 >  4 CH2CH20COC
(CH3)  = CH2 C7F tsc ON  (C2H5)CH2OCOC
(CH3)  = CH2 CF3  (CF2)7SO2N  (CH3)−CH
2CH20COCH=CH2 C2F5SO□N  (C3H7)CH2CH2−OC
OC(CH3)  −CH,。
C6F 13802N  (C2H5)CH2CH2O
COC(CH3)  = CH2 上記の単量体以外に、以下のような単量体を使用するこ
ともできる。
(CF3) 2CF (CF2) 6 (CH2) 3
−OCOCH=CH2 (CF3)2CF  (CF2)Io (CH,)30
COC(CH3)=CH2 CF3  (CF2)4CH(CH3)0 COC(C
Hs )  −CH2 CF 3CH20CH2CH20COCH= CH2C
2F 5  (CH2CH2O)2CH2OC0CH=
CH2 (CF 3)  2CF O(CH2)  sOC0C
H=CH2 CF 3 (CF 2 )  40 CH2CH20C
OC(CH3)=CH2 C2F 5CON  (C2H5)CH2OCOCH”
 CH2 CF3 (CF2)2CON  (CH3)CH(CH
3)  CH20COCH= CH2H(CF 2) 
 ac  (C2H5)  OCOC(CH3)  =
 CH2 H(CF2)llcH20cOcH=cH2H(CF2
)4CH20COCH=CH2H(CF 2)ec H
2OCOC− (CH3)=CH。
CF3(CF2)  フS 02N  (CH3)  
CH2CH2OCOC(CH3)= CH2 CF3  (CF2)7SO2N  (CH3)(CH
2)I。0COCH−CH2 C2F 、S 02N  (C2H5)CH2CH2O
COC(CH3)  −CH2 CF s (CF 2)  7802N  (CH3)
(CH2)40COCH=CH2 C2F5SO2N  (C2H5)C(C2H5)HC
H20COCH= CH2 これらの単量体は1種又は2種以上が適宜選択して使用
される。
次に、一般式(n)で表される単量体は、第2及び第3
の発明では構造単位(A)を構成するのに使用され、第
1〜第3の発明では構造単位(B)を構成する不可欠の
ものである。一般式(II)で表される単量体として具
体的には、アクリル酸メチル及び/又はメタクリル酸メ
チル〔以下(メタ)アクリル酸メチルと総称する。以下
同様〕  (メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、
(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸n
−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)ア
クリル酸tert〜ブチル、(メタ)アクリル酸−2−
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ
)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル
、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリ
ル酸ペンシル、(メタ)アクリル酸−N、N−ジメチル
アミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ
)アクリル酸ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−クロル
−2−ヒドロキシプロピルのような(メタ)アクリル酸
のヒドロキシエステル、(メタ)アクリル酸トリエチレ
ングリコールエステル、(メタ)アクリル酸ジプロピレ
ングリコールエステルような(メタ)アクリル酸のポリ
エチレングリコールやポリプロピレンクリコールのエス
テルを好適に使用することができる。
これら単量体以外に、スチレン、ビニルトルエン、α−
メチルスチレン等の芳香族ビニル型単量体、キ酸ビニル
、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニ
ル等のカルボン酸ビニルエステル、(メタ)アクリルア
ミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N、N
−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アク
リロイルモルホリン、2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸等のアミド基含有ビニル系単量体、
(メタ)アクリル酸、イタコン酸等を使用することがで
きる。これらの単量体は、1種又は2種以上か適宜選択
して使用される。
次に、本発明のブロック共重合体における構造単位(B
)について説明する。
構造単位(B)は、活性エネルギー線に対する感応性を
発現するために前記一般式(III)を構成成分とする
ことが不可欠である。構造単位(B)に占める割合は、
好ましくは1〜98重量%の範囲内において、本発明の
ブロック共重合体の使用目的及び不飽和基の種類によっ
て適宜決定される。
いずれの不飽和基の場合も一般式(III)の占める割
合が1重量%に達しない場合、感応性が不足する傾向が
ある。
か発現される場合かあるが、この場合においても98重
量%を越えると基材に対する密着性や現像性等が低下す
る傾向がある。また、この不飽和基においては、充分な
感応性を発現させるために、20重量%以上存在するこ
とがより適切である。
不飽和基かCH2=CH−、CH2=C(CH3)−の
場合は一般式(I)の占める割合が、3〜70重量%の
範囲がより適切である。
また、構造単位(B)は、前記一般式(II)を不可欠
の成分として構成されることにより、基材に対する良好
な密着性、成膜性及び現象性が付与される。また、活性
エネルギー線硬化型樹脂の表面改質剤として使用した場
合、樹脂との良好な混和性を発現させることに寄与する
次に、本発明のブロック共重合体における構造単位(A
)と構造単位(B)の重量比率は80/20−10/9
0である。構造単位(A)の比率が80重量%を越える
と、活性エネルギー線に対する感応性か低下したり、基
材に対する密着性が低下したり、また、活性エネルギー
線硬化型樹脂の表面改質剤として使用した場合、樹脂と
の混和性に問題か生じる場合かある。一方、構造単位(
A)の比率が10重量%に満たない場合、構造単位(A
)に由来するフッ素の機能を充分に発現することができ
ない。特に活性エネルギー線硬化型樹脂の表面改質剤と
して使用した場合に表面配向性が不足する。
本発明の含フッ素ブロック共重合体の分子量は、構造単
位(A)、構造単位(B)の共通良溶剤の選択が難しく
、従って真の値を測定することが困難であるが、適切な
範囲を重合体溶液粘度で設定することができる。即ち、
構造単位(B)の良溶剤である非フッ素系有機溶剤例え
ばジメチルホルムアミド(DMF)又はメチルエチルケ
トン(MEK)に溶解又は分散させて20重量%に調整
した溶液の粘度が25℃において0.05〜1oポイズ
であることが必要である。0.05ポイズ未満ではブロ
ック共重合体をレジスト材料等に使用する際、成膜性及
び現像性が低下する。また、10ポイズを越えると、特
に活性エネルギー線硬化型樹脂の表面改質剤として使用
した場合には表面配向性が不足する。この重合体溶液粘
度は、0.1〜5ボイズであることが好ましい。
次に、本発明の不飽和基を含有する含フッ素重合体部分
の製造方法について説明する。
まず、従来公知の方法に従って、前記の構造単位(B′
)と構造単位(A)とを有する含フッ素ブロック共重合
体を合成する。この方法としては、特に工業的な生産性
の容易さ、多義にわたる性能的な面より、1分子中に2
個以上のペルオキシ結合を持つポリメリックペルオキシ
ド、1分子中に2個以上のアゾ結合を持つポリアゾ化合
物を重合開始剤とししたラジカル重合により製造するこ
とが好ましい。重合方法としては、通常の塊状重合法、
懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合法等が採用される。
ポリメリックペルオキシドを重合開始剤とじた場合の製
造方法を具体的に説明すると以下の通りである。まず、
ポリメリックペルオキシドを用いて、構造単位(B′)
を形成する前記一般式(II)で示される単量体及び前
記一般式(IV)で示される単量体の共重合反応を行う
ことにより、連鎖中にペルオキシ結合か導入されたペル
オキシ結合含有ビニル重合体が得られる。これに、構造
単位(A)を形成する前記一般式(I)で示される単量
体を加えて重合を行うか又は前記一般式(■)で示され
る単量体と前記一般式(II)で示される単量体の混合
物を加えて重合を行うと、ペルオキシ結合かその含有す
るペルオキシ結合において開裂し、効率よくブロック共
重合体が得られる。
次いで、構造単位(B′)と構造単位(A)とを有する
ブロック共重合体と、前記一般式(V)で示される化合
物との反応により、不飽和基が導入された含フッ素ブロ
ック共重合体が得られる。
反応条件としては、ブロック共重合体中の構造単位(B
′)に含有されるグリシジル基量と化合物(V)との比
率がモル換算で、1/’0.4〜1/1゜3であること
が好ましい。110.4未満の場合、良好な反応率を達
成できない傾向を示す。化合物(V)の比率が高いほど
不飽和基導入量は増大するが、1/1.3を越えると過
剰仕込み量の化合物(V)の除去工程が煩雑になったり
、不純物として残存したりするので好ましくない。
また、充分な反応性が達成でき、しかも不飽和基の重合
によるブロック共重合体の高分子量化を防止するために
、反応系内にペルオキシ結合が存在しないように留意す
る必要がある。また、公知の重合禁止剤を併用し、反応
温度を50−100℃とすることが適切である。さらに
、反応を円滑に進行させるために、公知の触媒として知
られているアミン化合物、第四級アンモニウム塩化合物
等を使用することが好ましい。
なお、化合物(V)は、市販品として入手して使用する
ことが出来、また、公知の方法に従って合成して使用す
ることも出来る。
本発明の不飽和基を含有する含フッ素ブロック共重合体
の組成分析は、NMR,IR1元素分析等の公知の手段
で行うことが出来る。
〔実施例〕
以下に本発明を具体化した実施例について比較例と対比
して説明する。なお、各実施例、比較例、参考例におい
て、%は重量%を表す。
(実施例1) (1)ペルオキシ結合含有重合体の合成温度計、撹拌器
及び還流冷却器を備えた反応器に、MEK200gを仕
込み、窒素ガスを吹き込みながら708Cに加熱し、M
EK232g、メタクリル酸メチル(以下MMAという
)80g、メタクリル酸グリシジル(以下GMAという
)120g、 [C0(CH2)、C00(C2H,0)3CO(CH
2)、C00O]10−18 gからなる混合液を2時
間かけて仕込み、更に5時間重合反応を行ってペルオキ
シ結合金を重合体の溶液を得た。
MMA、GMAの重合転化率は、ガスクロマトグラム(
以下GCという)により残存単量体量を測定した結果、
いずれも97%以上であった。この重合体溶液をMEK
で4倍量に希釈し、次いで大過剰のメタノール中に攪拌
しながら投入して、重合体の再沈を行った。沈澱した重
合体を充分に乾燥して粉末状の重合体を得た。GC分析
の結果、単量体が残存しないことが確認された。この粉
末状の重合体の活性酸素量は0.12%であり、ゲルパ
ーミェーションクロマトグラフ(GPC)で測定したポ
リスチレン換算の数平均分子量は13000であった。
(2)ブロック共重合体の合成 前記(1)で得られた粉末状の重合体28g、CF3(
CF2)7CH2CH20COCH=CH212g 、
 M E K60gの混合溶液を、温度計、攪拌機及び
還流冷却器を備えた反応器に仕込み、窒素ガスを吹き込
みながら70°Cで15時間重合反応を行った。フッ素
単量体の重合転化率は99%であった。活性酸素量を測
定した結果、ペルオキシ結合はほぼ完全に消失している
ことがわかった。
得られた重合体溶液をMEKで4倍量に希釈して大過剰
のメタノール中に攪拌しながら投入し、重合体の再沈を
行った。沈澱した重合体を充分に乾燥して粉末状の重合
体を得た。
この重合体の微粉末30gをメタノール150g、酢酸
ブチル450gからなる混合溶剤に投入し、50°Cで
8時間攪拌して、副生じた一方の成分であるフッ素を含
有しないアクリル系重合体の抽出を行った。次に、残っ
た重合体をトリクロロトリフルオロエタン600gに投
入し、40°Cで48時間攪拌して含フッ素重合体の抽
出を行った。
その結果、上記粉末はブロック共重合体/フッ素を含有
しないアクリル系重合体/含フッ素重合体の構成比率が
6.9 /2.410.7から構成されていることがわ
かった。従って、ブロック゛共重合体における含フッ素
重合体部分〔構成単位(A)〕とフッ素を含有しない重
合体部分〔構成単位(B’)〕の重量比率は34/66
であることがわかった。また、ブロック共重合体を重水
素置換アセトンを用いてNMR分析を行った結果、フッ
素を含有しない重合体部分の構成成分は仕込み通りMM
A/GMAが40/60であることがわかった。
(3)ブロック共重合体への不飽和基の導入反応温度計
、攪拌機及び還流冷却器を備えた反応器H=C)(−C
OOH2,5g (カルボキシル基の量か0.017m
ol ) 、トリメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド0.25 g1、DMF32.25gを仕込んで反応
溶液を調製した。次いで、窒素ガスを吹き込みながら1
00℃に昇温しで同温度で6時間反応を行った。反応終
了後、重合体溶液約2gをジオキサン20g中に測り取
り、KOHの0゜CH−COOHが反応に消費されたこ
とかわかった。
さらに、重合体溶液をDMFで3倍量に希釈して大過剰
の水/メタノール(1/1の混合溶液)中に攪拌しなが
ら投入し、重合体の再沈・精製を行った。重合体の粉末
を充分に乾燥した後、DMFを溶離液としたGPC分析
を行ったところ、はぼ完全に除去されていることがわか
った。
重合体にDMFを加えて20%溶液を調製して、KBr
の透明板上に成膜後充分に乾燥してIR測測定行った結
果、1640cm利付近にCH2=CH−基に由来する
特性吸収が見られ、不飽和基の導入されていることが確
認された。
また、重水素置換DMFを用いてNMR分析を行った結
果、CH2=CH−基に由来するプロトンピークが新た
に生じ、グリシジル基に由来するプロトンピークが減じ
ていることがわかった。MMA成分のメチルエステルプ
ロトンのピークも考慮したピーク面積比から、反応前の
グリシジル基(OH)CH2−基に置き変わっているこ
とが明らかとなった。
この結果、本反応で得られた重合体は、構造単位(B)
に占める一般式(III)を単位とする重合体部分の割
合が71%であり、構造単位(A)/構造単位(B)の
割合が重量比で29/71であることが示された。
また、この重合体の粉末にMEKを加えて作成した20
%に調整した溶液は青白色の分散液の外観を呈し、粘度
は25°Cにおいて0,6ポイズてあった。
(実施例2〜5) 次に、前記実施例1の(3)の場合と同じ反応器を用い
、実施例1の(2)で得たブロック共重合体と、表−1
に示した不飽和基含有カルボン酸との反応により、ブロ
ック共重合体への不飽和基の導入反応を行った。
表−1に示した反応溶液を調製後、実施例1と同じ条件
で反応を行った。精製法及び得られた重合体の分析方法
は、実施例1の(3)と同じである。重合体の分析結果
、重合体のMEK溶液の粘表−1 表−1中の化合物は次のものを表す。
TEBAC: トリエチルベンジルアンモニウムクロラ
イド MMHQ :モノメトキシハイドロキノン化合物(3)
: CH2=C(CH3)C00H(実施例6.7) (1)ブロック共重合体の合成 実施例1で使用したのと同じ反応器を用い、反応器中に
DMF 150 gを仕込み、窒素カスを吹き込みなが
ら70°Cに加熱し、DMF 204 g、MMAlo
og、HEMA50gXGMA50g。
−(Co(CH2)、C00(C2H,0)3CO(C
H2)、C00O)I。−17’gからなる混合溶液を
2時間かけて仕込み、さらに4.5時間重合反応を行っ
てペルオキシ結合含有重合体を得た。GCによる残存単
量体量を測定した結果、重合転化率は98%以上であっ
た。
引き続いて、DMF 160 gと、 C,F、3S02N(C2H5)C,H40COC(C
H3)=CH286gとの混合溶液を30分かけて滴下
し、さらに70°Cで3時間、その後77°Cで10時
間重合反応を行った。GC分析の結果、単量体の重合転
化率は98%以上であった。また、活性酸素量を測定し
た結果、ペルオキシ結合はほぼ完全に消失していること
がわかった。
(2)不飽和基の導入反応 前記(1)で合成した重合体溶液をDMFで希釈して、
有効成分濃度が30%になるように調整した。次いで、
表−3に示した不飽和基含有カルボン酸との反応により
、ブロック共重合体への不飽和基の導入反応を行った。
表−3に示した反応溶液を調製後、実施例1と同じ条件
で反応を行った。その後、アセトンで3倍量に希釈して
大過剰の水/メタノール混合溶剤(重量比で1/l)中
に攪拌しながら投入して重合体の再沈、精製を行った。
充分に乾燥した重合体の粉末を実施例1と同じ方法でG
PC分析を行ったところ、いずれの重合体にも低分子化
合物が含有されていないことがわかった。また、IR分
析及びNMR分析により不飽和基の導入されていること
がわかった。
この各重合体の粉末100gを各々メタノール300g
、トルエン1700gからなる混合溶剤に投入し、50
°Cで8時間攪拌して、副生じた一方の成分であるフッ
素を含有しないアクリル系重合体(不飽和基は含有する
)の抽出を行った。次いで、残った重合体をトリクロロ
トリフルオロエタン2000gに投入し、40℃で24
時間攪拌して含フッ素重合体の抽出を行った。抽出物の
重量を測定し、粉末中の、ブロック共重合体/フッ素を
含有しないアクリル系重合体/含フッ素重合体の構成比
率を求めた。NMR分析による不飽和基の導入率と照合
しながらブロック共重合体における含フッ素重合体部分
〔構造単位(A)〕とフッ素を含有しない重合体部分〔
構造単位(B)〕の重量比率を算出した。
さらに、副生物抽出後のブロック共重合体を重水素置換
アセトンに溶解、分散させてNMR分析を行って、実施
例1と同様の方法により構造単位(B)に占める一般式
(III)を単位とする重合体部分の割合を求めた。ま
た、ブロック共重合体の粉末にMEKを加えて作成した
20%溶液の2500における粘度を測定した。これら
の結果を表4に示す。
(実施例8.9) ブロック共重合体を合成する際の、第1段重合時にMM
A60g1メタクリル酸n−ブチル(以下n −B M
 Aという)60g、GMA80g、(CO(CH2)
4C00(C2H,0)3CO(CH,)、C00O)
IQ−23gを用い、第2段重合時にDMF 557 
g、CF3(CF2)7CH2CH20COCH= C
Hz 300 gの混合溶液を用いた以外は、実施例6
と全て同じ条件でブロック共重合体を合成した。
さらに、不飽和基の導入反応とブロック共重合体の精製
及び分析を実施例6.7と同゛じ条件で行った。不飽和
基の導入反応時の反応溶液の組成と、得られた結果を表
−3及び表−4に併せて示す。
表−4 表−3中の略号、TEBA及びMMHQは前記表−1中
の略号の意味と同じであり、注(1)は重合体粉末10
0g中のブロック共重合体/フッ素を含有しない重合体
/含フッ素重合体の構成比率を表す。
(比較例1.2) 前記実施例6.7と対比するために、実施例6の(1)
と同じブロック共重合体と、イソシアネート化合物、H
EMA (比較例1)又はHEA(比較例2)を反応さ
せることにより、不飽和基の導入を行った。
実施例6と同じ反応器中で、実施例6の(2)で使用し
たものと同じ重合体溶液を120g仕込み、さらにヘキ
サメチレンジイソシアネートのビューレット体(旭化成
工業株式会社製商品名ジュラネート24A)52gとジ
ブチル錫ジラウレー)200ppmを仕込んで、70℃
に加温して反応させた。次に、反応液を室温まで冷却さ
せた後にI−(EMA54g(比較例1)、又はHEA
48g(比較例2)、ハイドロキノンジメチルエーテル
50ppmを加えて65℃に加温して4時間反応させた
。反応終了後、アセトンで2倍量に希釈して大過剰のメ
タノール中に攪拌しながら投入し重合体の再沈、精製を
行った。
充分に乾燥した比較例1の重合体粉末にMEKを加えて
20%溶液を調製したが、溶解、分散がしに<<、実施
例6の場合と比較して長時間を要した。25℃における
粘度を測定したところ、11ポイズであった。比較例2
の化合物は、乾燥時にゲルが生じ、再溶解が不可能であ
った。
(比較例3.4) 実施例8.9と対比するために、MMA、n−BMA、
 GMAXCF3(CFり7CH2CH20COCH=
CH2との四元重合反応によりランダム共重合体を合成
した。次いで、実施例7と同様に不飽和基の導入反応を
行い、不飽和基を含有する含フッ素ランダム共重合体を
得た。
このランダム共重合体は、実施例7と同じ反応器にDM
F239gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら80°
Cに加温し、MMA36 g、 n−BMA 36 g
、 GMA 48 g、 CF3(CF2)7C1(2
CH20COCH”CH2180g、 CL(CH2)
3CH(C2H+、)COOOC(CH3)3 11 
g、 DMF 200 gの混合溶液を2時間かけて滴
下し、さらに同温度で10時間反応することにより得た
。GC分析による各単量体の転化率は97%以上であっ
た。得られた重合体溶液をDMFで希釈して30%溶液
とした。
不飽和基の導入反応は次のように行った。比較例3では
、実施例8と同じ条件、同じ方法によりアクリル酸との
反応を行った。アクリル酸の反応率は約60%であり、
実施例8と比べ12%程低い値を示した。精製後、GP
C分析から低分子化金物が含有されていないこと、IR
分析から不飽和基の導入されていることがわかった。ま
た、NMR分析を行ったところ重合体のグリシジル基の
約60%が消失して不飽和基が導入されていることが明
らかとなった。導入率は実施例7と比較して12%程低
い値であった。また、DMFの20%溶液を調製したと
ころ、溶液の状態が不安定であり、静置後まもなく重合
体の沈澱がみられたため、粘度の測定が出来なかった。
DMFで15%まで希釈してはじめて安定な重合体溶液
となった。
比較例4では、実施例9と同じ条件、同じ方法によりメ
タクリル酸との反応を行った。メタクリル酸の反応率、
重合体への不飽和基の導入率は比較例3とほぼ同一であ
った。また、DMFの20%溶液を調製したところ、溶
液の状態が不安定であり、静置後まもなく重合体の沈澱
が見られたため、粘度の測定ができなかった。DMFで
15%まで希釈してはじめて安定な重合体溶液となった
(参考例1〜12) 実施例1〜9、比較例1.3.4で得た不飽和基を有す
る含フッ素重合体の紫外線(UV)に対する感応性を評
価し、合わせて各種の試験を行った。
各実施例、比較例の粘度測定に用いた20%溶液に光重
合開始剤(メルク社製ダロキュア−1173)又は増感
剤(5−ニトロアセナフテン)を重合体100gに対し
4g加えて試験溶液を用意した。次いで、アルミニウム
板(日本テストバネ/L4f:製A 1100 )又は
軟質塩ビフィルム(D。
P50%含有)上に乾燥膜厚が10μmになるようにバ
ーコーターで塗布後、基材がアルミニウムの場合は12
0℃で5分、軟質塩ビフィルムの場合は、70℃で1時
間加熱乾燥させて試験板を作成した。この試験板に対し
、2kwの高圧水銀灯を20cmの距離から所定時間を
照射した。
照射後の試験板に対し、下記の評価を行った。
(1)耐溶剤性 この試験でUV硬化が進行したかどうかを判定した。試
験板塗工時の成膜溶剤を用いて、基材がアルミ板の場合
は、常温で24時間の浸漬試験を行った。塩ビフィルム
の場合は、溶剤を潰した木綿布で表面を20往復擦った
。評価基準は次の通りである。
◎:外観に全く変化がない。
○:膜がやや膨潤したが劣化には到らなし)。
△:膜が膨潤し、一部劣化がみられた。
×:膜が溶解した。
(2)接触角 水とトチカンに対する接触角を測定し、表面の撥水撥油
性を評価した。
(3)密着性 塗膜を形成した基材に対して、90度の折曲げを30回
繰り返した後の塗膜の剥離度合いを評価した。
◎;膜のひび割れがなく剥離も全くない。
○:膜は一部ひび割れたが、剥離がない。
△:折曲げた線に沿つ、て、一部剥離がみられた。
×:折曲げた線から離れたところまで剥離がみられた。
照射時間と測定結果を表−5及び表−6に示す。
表−6 表−5及び表−6において、光開始剤等は次のものを表
す。
a:光重合開始剤、タロキュアー11フ3b:増感剤、
5−ニトロアセナフテン 上記表−5及び表−6の結果から、本発明の実施例1〜
9における不飽和基を有する含フッ素ブロック共重合体
が、UVに感応して硬化反応をしていることが明らかと
なった。また、基材に対する密着性と、表面における撥
水撥油性がきわめて良好であることがわかった。さらに
、UVを照射していない場合は、溶剤に対し良好な溶解
性を示し、塗膜が不溶となるUVが照射された場合に比
べ著しい差がみられた。これらの結果から、レジスト材
料としても、充分に応用出来ることがわかる。
一方、比較例1の重合体の場合、密着性は良好に発現さ
れたが、実施例8等の重合体と比べ、表面の撥水撥油性
が不足した。また、UVに対する感応性も実施例8の場
合よりも鈍い傾向を示した。
アルミニウムに塗布した試験板において、UV照射前後
の膜の、溶剤に対する溶解性の差があまり太き(ないこ
とかわかった。また、比較例3.4のランダム共重合体
の場合、実施例8.9の重合体と比べ、基材に対する密
着性が不足し、感応性も低い傾向を示した。
(参考例13〜22) 実施例4〜9の重合体、実施例1の(2)及び比較例1
.3.4の重合体の表面改質剤としての性能を評価した
前記の重合体の粉末をジアクリル酸ネオペンチルグリコ
ールで重合体の濃度が20%になるように希釈した。
エポキシアクリレート(昭和高分子株式会社製商品名S
P−1506)30g、ウレタンアクリレート(東亜合
成化学工業株式会社製商品名M−1,1100)30、
エチレングリコールシアクリ゛レート35g、ベンゾイ
ンイソブチルエーテル5gからなる溶液を調製し、この
溶液100gに対して前記の20%溶液を各々10g添
加した。次に、参考例1で使用したアルミ板にアプリケ
ーターを用いて膜厚が35μmとなるように塗布した。
これを、参考例1と同じ高圧水銀灯を用いて、10cm
の距離から10秒間照射して硬化膜を作成した。この硬
化膜をアセトン、10%硫酸水に48時間浸漬し、浸漬
前後の表面の撥水撥油性を評価した。この結果を表−7
及び表−8に示す。
表−7 上記表−7及び表−8の結果から、本発明のブロック共
重合体を活性エネルギー線硬化型樹脂に添加した場合、
表面にフッ素の持つ機能である撥水撥油性が付与できる
ことがわかった。特に、アセトン浸漬後も、撥水撥油性
はほとんど低下せず、マトリックスポリマーと化学結合
して、改質効果の持続性が非常に優れていることがわか
った。
これに対し、不飽和基を持たないブロック共重合体では
、硫酸水浸漬後の性能低下は少ないものの、アセトン浸
漬後撥水撥油性が低下する傾向を示した。また、比較例
1.3.4の重合体では、初期改質効果が不足する傾向
を示した。
(参考例23〜26) 実施例6〜9の重合体の表面改質剤としての性能を評価
した。
ウレタンアクリレート(前記M−1100)をMEKに
溶解して20%溶液とし、光重合開始剤(前記ダロキュ
ア−1173)を重合体100gに対し4g加えて試験
溶液を調製した。この溶液に参考例6〜9で調製した溶
液を各々3g加えた後、参考例1と同様の方法でアルミ
板上に成膜、乾燥して試験板を作成した。
この試験板に対し、参考例13と同じ条件でUVを照射
した。その後参考例13と同じ10%硫酸水浸漬試°験
を行った。幅5 cmの積水化学工業株式会社製の粘着
テープ上に2kgのローラーを2往復させて、粘着テー
プを硬化膜上に圧着した。この状態で50℃に3日間放
置後テープを引き剥がして、テープ表面をESCA分析
(X線光電子分析装置による分析)して、フッ素成分の
転写がないかどうかを評価した。その結果を表−9に示
す。
上記表−9の結果から、実施例6〜9の重合体を使用し
た場合、硫酸水浸漬によっても表面の性能に低下が見ら
れず、また、被着体に対してもフッ素成分の転写がない
ことがわかった。
〔発明の効果〕
本発明の第1の発明によれば、ブロック共重合体におけ
る不飽和基か導入された重合体部分によって活性エネル
ギー線硬化型樹脂に対する混和性、活性エネルギー線に
対する感応性と現像性、基材に対する密着性等の特性が
発揮されるとともに、含フッ素重合体部分によってフッ
素の有する撥水撥油性等の特性か発揮され、従って各種
の活性エネルギー線硬化型樹脂の表面改質剤、レジスト
材料等として有用であるという優れた効果を奏する。
また、第2の発明によれば、ブロック共重合体中の構造
単位(A)が一般式(n)から誘導される重合体部分を
所定量有するものであっても、上記第1の発明の効果が
有効に発揮されるという効果を奏する。
さらに、第3の発明によれば、構造単位(A)と、一般
式(II)から誘導される重合体部分及び一般式(IV
)から誘導される重合体部分からなる構造単位(B1)
からなる含フッ素ブロック共重合体に対し、一般式(V
)で示される化合物を反応させることにより、エポキシ
基とカルボキシル基との反応に基づいて不飽和基の熱重
合が抑制された状態で目的とするブロック共重合体が容
易に得られるという優れた効果を奏する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、下記一般式( I )から誘導される構造単位(A)
    と、下記一般式(II)から誘導される重合体部分及び下
    記一般式(III)を単位とする重合体部分からなる構造
    単位(B)からなり、構造単位(A)/構造単位(B)
    の割合が重量比で80/20〜10/90であり、構造
    単位(B)の良溶剤である非フッ素系有機溶剤に溶解又
    は分散させて20重量%に調整した溶液の粘度が25℃
    において0.05〜10ポイズであることを特徴とする
    不飽和基を含有する含フッ素ブロック共重合体。 CH_2=CR_1COOR_2Rf・・・・・・(
    I )式中、R_1は水素原子又はメチル基、R_2は−
    C_pH_2_p−、−C(C_pH_2_p_+_1
    )H−、−CH_2C(C_pH_2_p_+_1)H
    −又は−CH_2CH_2O−、RfはC_mF_2_
    m_+_1、(CF_2)_mH、(CF_2)_pO
    C_mH_2_mC_1F_2_l_+_1、(CF_
    2)_pOC_mH_2_mC_1F_2_lH、▲数
    式、化学式、表等があります▼ である。但し、pは1〜10、nは1〜16、mは0〜
    10、lは0〜16の整数である。 CH_2=CR_3R_4・・・・・・(II)式中、R
    _3は水素原子又はメチル基又はCH_2COOH、R
    _4はCOOR_5(式中、R_5は水素原子、▲数式
    、化学式、表等があります▼、▲数式、化学式、表等が
    あります▼、▲数式、化学式、表等があります▼ 、−CH_2CH_2N(C_sH_2_s_+_1、
    )_2、▲数式、化学式、表等があります▼、▲数式、
    化学式、表等があります▼、 直鎖状又は分岐状のC_mH_2_m_+_1、直鎖状
    又は分岐状のC_pH_2_p_+_1OH、−CH_
    2CH(OH)CH_3、(C_2H_4O)_rC_
    sH_2_s_+_1、〔CH_2CH(CH_3)O
    〕_rC_sH_2_s_+_1である。 但し、Pは1〜10、nは1〜16、rは2〜20、s
    は0〜8の整数である。)、−CONR_6R_7(式
    中、R_6は水素原子又はC_pH_2_p_+_1、
    R_7は水素原子、直線状又は分岐状のC_pH_2_
    p_+_1、O又はCH_2OHである。但し、pは1
    〜10の整数である。)、▲数式、化学式、表等があり
    ます▼、−CONHC(C H_3)_2CH_2COCH_3、−CONHC(C
    H_3)_2CH_2SO_3H、▲数式、化学式、表
    等があります▼、−CN又は−OCOC_mH_2_m
    _+_1、(式中、nは1〜16の整数であり、直鎖状
    、分岐状のいずれでもよい。)▲数式、化学式、表等が
    あります▼・・・・・・(III) 式中、R_8は水素原子又はメチル基、R_9はCH_
    2=CH−、CH_2=C(CH_3)−、▲数式、化
    学式、表等があります▼、▲数式、化学式、表等があり
    ます▼である。 2、前記構造単位(A)が一般式( I )から誘導され
    る重合体部分40重量%以上及び一般式(II)から誘導
    される重合体部分60重量%以下からなることを特徴と
    する請求項1に記載の不飽和基を含有する含フッ素ブロ
    ック共重合体。 3、前記一般式( I )から誘導される構造単位(A)
    と、前記一般式(II)から誘導される重合体部分及び下
    記一般式(IV)から誘導される重合体部分からなる構造
    単位(B′)からなる含フッ素ブロック共重合体、又は
    前記一般式( I )から誘導される重合体部分40重量
    %以上及び前記一般式(II)から誘導される重合体部分
    60重量%以下からなる構造単位(A)と、前記一般式
    (II)から誘導される重合体部分及び下記一般式(IV)
    から誘導される重合体部分からなる構造単位(B′)か
    らなる含フッ素ブロック共重合体と、下記一般式(V)
    で示される化合物とを反応させて、不飽和基を含有する
    含フッ素ブロック共重合体を製造することを特徴とする
    請求項1又は2に記載の不飽和基を含有する含フッ素ブ
    ロック共重合体の製造方法。 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・(IV) 式中、R_8は水素原子又はメチル基である。 R_9−COOH・・・・・・(V) 式中R_9は、CH_2=CH−、CH_2=C(CH
    _3)−、▲数式、化学式、表等があります▼、▲数式
    、化学式、表等があります▼ である。
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