JPH0463594B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一般家庭用として使用されるビデオ
テープレコーダに適用して好適な再生回路に関す
る。

〔発明の概要〕

本発明は、回転磁気ヘツドにより再生され、
FM復調された信号をノンリニア特性を有するデ
イエンフアシス回路により特性補正をするに際
し、このデイエンフアシス回路の前段に低減増幅
回路を挿入し、後段に高域増幅回路を挿入するこ
とにより、画像の輪郭におけるノイズを逓減し、
画像の細い部分も明瞭に再生できるようにした。

〔従来の技術〕

放送局等で使用されるいわゆるプロフエツシヨ
ナル級のビデオテープレコーダにあつては、単位
時間当りの磁気テープの使用量を充分大きく採つ
てあるので、回転磁気ヘツド装置における磁気−
電気の変換系におけるSN比は充分よく、よつて
この変換系において生ずるノイズは実際上ほとん
ど問題にはならない。

しかし乍ら、一般家庭用で使用されるビデオテ
ープレコーダでは、磁気テープをできる丈け有効
に使用しようとしている為に、必然的に単位時間
当りの磁気テープの使用量が小さくなり、これに
伴つてSN比は悪くなる。即ち上記した変換系に
おいて生じるノイズが問題となる。

ところで従来では、一般家庭用として使用され
るビデオテープレコーダの再生回路として、第４
図に示すものが使用されている。これを簡単に説
明すると、１は磁気テープ、２は回転磁気ヘツド
装置、３ａ，３ｂはその一対の回転磁気ヘツドで
ある。これら磁気ヘツドにより再生された信号
（FM）は前置増幅器４により増幅され、高域フ
イルタ５−ドロツプアウト補償回路６−リミツタ
７を通じてFM復調回路８に供給され、復調され
る。更にこの復調信号はノンリニアデイエンフア
シス回路９−低減フイルタ１０−主増幅回路１１
を通じて出力端子１２に得られる。

このノンリニアデイエンフアシス回路９は周知
の如く、記録回路（図示せず）内において、高域
におけるSN比の確保のために挿入されているノ
ンリニアプレエンフアシス回路に対するもので、
このノンリニアプレエンフアシス回路の特性が第
５図に示すように、高域に大きなエネルギー成分
が存在する程、強調の度合が低くなるように高域
を強調するようにしたものであるに対し、ノンリ
ニアデイエンフアシス回路９の特性は、第６図に
示すように、その逆の特性を有する。グラフ内の
入力信号レベルは一例を示す。以上説明した両エ
ンフアシス回路により、映像信号の高域成分の
SN比が相当に改善されている。尚第４図は輝度
信号系のみを示し、色信号系は省略してある。

〔発明が解決しようとする課題〕

このようにノンリニアデイエンフアシス回路９
を使用することにより、第７図に示すようにモニ
タ即ち受像管１４上に再生された画像１５の輪郭
例えば顔にあつて、向つて左側の輪郭線上におい
て水平方向に僅かの長さの線（横線）１６が多数
発生してこれらがいわゆるチラツキ、見ずらい場
合が多い。

これは第８図に示すように、画像１５の輪郭を
司るFM復調された信号（急激に立上る信号）S₁
には、その上端に、いわゆるオーバーシユートに
基づくヒゲS₂が生じるは勿論であるが、このヒゲ
S₂に対して更に上述した変換系で生じた高周波成
分のエネルギーの大きなノイズが乗ることによ
り、ヒゲS₂の高さが変動し易く、かかる信号S₁が
ノンリニアデイエンフアシス回路９を通ることに
より、第９図に示すようにヒゲS₂に基づく部分
Δdがノイズのエネルギー成分によつて変動し、
このオーバーシユートにより影響される時間ｔも
変動し、ことにより再生画像に多数の横線１６の
明るさが変化し、又横線１６の長さも変り、これ
によりこれらがチラついて見えるものである。

尚、このノンリニアデイエンフアシス回路９に
代えて、リニアな特性をもつデイエンフアシス回
路を使用すると、この第９図で説明したΔdはエ
ネルギー成分では変化しないので一定となり、且
つヒゲにより影響される時間ｔも一定となり、且
つ充分短かくなり、よつて上述したチラつきはな
くなる。

〔課題を解決するための手段〕

本発明においては、ノンリニアデイエンフアシ
ス回路９の前段に、画像の輪郭を司る信号成分を
強調する強調回路１７を挿入し、後段に画像の細
部を司る信号成分を強調する強調回路１８を挿入
したものである。

〔作用〕

この作用としては、第９図に示すΔd及びｔが
従来より短縮され、見良い再生画面が得られる。

〔実施例〕

以下、図面の第１図〜第３図について、本発明
によるビデオテープレコーダの再生回路の一例を
説明するに、第４図との対応部分には、同一符号
を附してその説明を省略する。

即ち、本発明においては、FM復調回路８の後
段、即ちノンリニアデイエンフアシス回路９の前
段に低減強調回路としての低減増幅回路１７を挿
入し、ノンリニアデイエンフアシス回路９の後段
（次段）に、高域増幅回路１８を挿入したもので
ある。

この場合の低減増幅回路１７としては第１図に
示すように、トランジスタ２０のエミツタを抵抗
器２１を通じて接地し、そのコレクタを抵抗器２
２及び共振回路２３を通じて直流電源端子２４に
接続し、ベースを抵抗器２８を通じて直流電源端
子２４に接続すると共に、抵抗器２９及びコンデ
ンサ３０よりなる並列回路を通じて接地し、上述
した共振回路２３をインダクタンス阻止２５及び
コンデンサ２６よりなる並列回路をもつて構成し
た場合であり、２７は共振回路に並列に接続した
抵抗器である。そしてFM復調回路８よりの出力
をトランジスタ２０のエミツタに供給し、コレク
タに得られる出力をノンリニアデイエンフアシス
回路９に供給するようにしている。又この場合、
この低減増幅回路１７を通ずる映像信号のうち、
第２図に示すように、f₁＝700kHz程度の周波数成
分の信号を２〜3dB程度強調するように選ぶ。こ
れは共振回路２３の定数を選定することにより行
ない得る。

一方、高域増幅回路１８も同様に構成すること
ができるので、対応部分には同一符号を附してそ
の説明を省略する。但しこの高域増幅回路１８で
は、第３図に示すように、映像信号のうち、f₂＝
2MHz程度の信号を同様に２〜3dB程度、増幅す
るように選ぶ。これも共振回路２３の定数の選定
により行ない得る。そしてノンリニアデイエンフ
アシス回路９よりの出力をトランジスタ２０のエ
ミツタに供給し、コレクタよりの出力を低減フイ
ルタ１０に供給する。

このような構成によれば、FM復調回路８によ
り復調された映像信号のうち700kHz附近の信号
が低減増幅回路１７により増幅される。即ち再生
画像の輪郭を司る信号が強調され、この状態でノ
ンリニアデイエンフアシス回路９に供給される。
即ち、画像信号の輪郭成分が強調された状態で特
性補正されるものであるから、たとえ、FM復調
出力にノイズ成分が多く含まれていたとしても、
画像輪郭成分の信号に対するノイズ成分の比は小
さなものとなり、よつてこのノンリニアデイエン
フアシス回路９において、第９図で説明したΔd
及びｔがそれぞれ小さくなり、即ち、第７図で説
明した横線１６が小さく且つ輝度変化の小さなも
のとなり、従つてこの横線の目立ちを極めて抑圧
することができるものである。

ノンリニアデイエンフアシス回路９の出力は、
全体的に高域成分が不足し、よつて画像の細部が
ぼける傾向にあるが、本発明によれば、ノンリニ
アデイエンフアシス回路９の後段に2MHz附近の
高域成分を強調する高域増幅回路１８を挿入して
あるので、これにより画像信号の細部も強調さ
れ、低減増幅回路１７を挿入したことによる高域
成分不足を補うことができる。

〔発明の効果〕

以上説明した本発明によれば、磁気テープより
再生された映像（画像）に対して、従来第７図で
説明したように横線１６が表われ、これがちらつ
いて見えたものを適切に抑え込むことができ、よ
つて従来より見易い画像を再生できる特徴を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるビデオテープレコーダの
再生回路の要部の一例を示すブロツク図、第２図
及び第３図はそれぞれその特性図、第４図は従来
の再生回路を示すブロツク図、第５図及び第６図
はそれぞれノンリニアなプレエンフアシス特性と
デイエンフアシス特性を説明する曲線図、第７図
は再生された画像の一例を示す正面図、第８図及
び第９図はそれぞれ第４図の動作の説明の為の波
形図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 磁気テープ上に記録された信号を、回転磁気
   ヘツドにより再生し、該再生信号をFM復調後に
   おいてノンリニア特性を有するデイエンフアシス
   回路により特性補正をするビデオテープレコーダ
   の再生回路において、 上記デイエンフアシス回路の前段に画像の輪郭
   を司る信号成分を強調する低域増幅回路を挿入
   し、 上記デイエンフアシス回路の後段に画像の細部
   を司る信号成分を強調する高域増幅回路を挿入し
   た ことを特徴とするビデオテープレコーダの再生回
   路。