JPH0463561A - 食品用材料およびその製造方法 - Google Patents

食品用材料およびその製造方法

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JPH0463561A
JPH0463561A JP2176641A JP17664190A JPH0463561A JP H0463561 A JPH0463561 A JP H0463561A JP 2176641 A JP2176641 A JP 2176641A JP 17664190 A JP17664190 A JP 17664190A JP H0463561 A JPH0463561 A JP H0463561A
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JP
Japan
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fatty acid
starch
food
amylose
food material
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JP2176641A
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English (en)
Inventor
Makoto Watabe
誠 渡部
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、食品用材料およびその製造方法に関するもの
である。詳しく述べると本発明は、従来の澱粉に比べて
消化・吸収速度の緩やかな食品用材料およびその製造方
法に関するものである。
(従来の技術) 近年、先進社会においては食生活の豊潤化により肥満症
患者が急増している。肥満度の高い人は、正常体重の人
に比べて糖尿病、動脈硬化症、心臓病などに2.3倍か
かりやすく、また痛風や手術後の合併症、胆石症、腰痛
症、肝臓病など肥満と関係の深い病気は増加の一途であ
る。このように肥満症は社会保健上重大な問題になりつ
つある。
このような肥満症の治療および予防の手段としては、従
来は例えば摂取カロリーを低減させることが考えられて
いた。しかしながら、摂取食物量を単に低減させただけ
では強い空腹感、飢餓感により長続きしないので、同時
に以下の方法がとられている。
その一つは、少量の食物摂取によっても胃に機械的伸展
刺激が加わるように、胃内に風船を留置するか、胃の大
部分を閉塞して胃容積を著しく狭める方法である。しか
し、これらの方法は、手術を必要とする恒久的な処置で
あり、しかも副作用等が懸念されるため望ましくない。
もう一つの方法は、食物繊維などの増量剤、増粘剤を単
独または他の食品に混合して摂取させる方法である。こ
れは、食物繊維が難消化性であることを利用し、単位重
量当りのカロリーを低下させたものである。しかしなが
ら、食物繊維は味、食感が好ましくないため、単独での
大量摂取は困難であり、食品に添加したものであっても
多くの場合、その味、食感が著しく低下するという欠点
を有している。また、大量の食物繊維の摂取は、他の有
益な栄養素の吸収を阻害したり、下痢や、便秘を起こす
などの副作用があり好ましくない。
一方、近年になって消化・吸収の緩やかな糖質は、消化
・吸収の速やかなものと比べて肥満につながりにくいこ
とが明らかになってきた(ジエンキンスら、ザ アメリ
カン ジャーナル オンクリニカル ニュートゥリショ
ン 34.1981年3月、第362〜366頁[Je
nkins、 D、 J。
A、、 et at、、 Am、 J、 Cl1n、 
Nutr、 34: MARCH1981、pp、36
2−366] )。従って、消化・吸収の緩やかな糖質
を含む食品を用いれば、上記のような低カロリー化によ
らなくとも、効果的な肥満の防止または改善が行なわれ
ると考えられる。
また、このような食品を用いれば、摂取後の血糖値が急
激に上昇することを抑えられる(例えば、ジェンキンス
ら、“ザ ディアベティック ダイエツト、ダイエタリ
イ カルボヒトレート アンド ディファレンス イン
 デイゲスティビリティ 、ダイアベトロシア 23、
第477〜484頁、1982年[Jenkins、 
D、 J、 A、、 et al、:The C1ab
etic Diet、 Dletary Carboh
ydrete andDifferences in 
Digestibility、 Diabetlogl
a、 23: 477−484. (1982)] 、
コリア−ら、“エフェクト オン コインゲスッション
 オン ファツトオン ザ メタポリツク レスポンス
 ツウスローリイ アンド ラッピッドリイ アブソー
ブト 力ルポヒドレートス”、ダイアベトロシア26、
第50〜54頁、1984年[Co11ier。
et al、: Effect of co−1nge
stion of fat on themetabo
lic responses to slowly a
nd rapidly absorbed carbo
hydrates、 Diabetologia、 2
6:5O−54(1984)])ので、糖尿病患者の病
態および栄養の管理が容易になると考えられる。
従来、消化・吸収の緩やかな糖質として知られるものと
しては、アミロメーズ種のとうもろこしより調製された
、いわゆるハイアミロースコーンスターチおよび大量の
油脂とともに調理した各種糖類がある。しかしながら、
前者の場合は用途が限定されており、かつ風味、食感が
悪いことからあまり利用されておらず、後者については
、摂取カロリーの増大をもたらすことから有効でない。
このように消化・吸収が緩やかで、かつ通常の澱粉と同
等の風味、食感を有し、広範な用途を持つ食品用材料は
未だ知られていない。
(発明が解決しようとする課題) 従って本発明は、新規な食品用材料およびその製造方法
を提供することを特徴とするものである。
本発明はまた、消化・吸収が緩やかで、かつ通常の澱粉
と同様の味、食感を有し、広範な用途を有する食品用材
料およびその製造方法を提供することを目的とするもの
である。
(課題を解決するための手段) 上記諸目的は、アミロース含有量が25〜60重量%で
ある澱粉質と、該澱粉質に結合された脂肪酸化合物とを
有し、澱粉質の脂肪酸化合物によるアミロース占有率が
10%以上である消化・吸収の緩やかな食品用材料によ
って達成される。
本発明はまた、前記脂肪酸化合物は両親媒性物質である
食品用材料を示すものである。本発明はさらに、前記両
親媒性物質が、脂肪酸エステルである食品用材料を示す
ものである。
上記諸目的はさらに、アミロース含有量が25〜60重
量%である澱粉質を、溶媒の存在下に、脂肪酸化合物を
接触させることを特徴とする消化・吸収速度の緩やかな
食品用材料の製造方法によっても達成される。
本発明はまた、アミロース含有量が25〜60重量%で
ある澱粉質100重量部に対し、溶媒10〜10000
重量部、脂肪酸化合物0.5〜20重量部を用いるもの
である食品用材料の製造方法を示すものである。本発明
はさらに、溶媒が水、アルコール、グリセリン、アルキ
レングリコールおよびアセトンからなる群から選ばれた
1種または2種以上のものである食品用材料の製造方法
を示すものである。加えて、本発明は上記製造方法によ
り得られた食品用材料を、乾燥・粉砕し、該粉砕物を焼
成することを特徴とする消化・吸収の緩やかなパンない
し菓子の製法を示すものである。
本発明はまた上記製造方法により得られた食品用材料を
、乾燥・粉砕し、さらに加水・混練を行なうことを特徴
とする消化・吸収の緩やかな麺の製法を示すものである
上記諸目的はさらに、アミロース含有量が25〜60重
量%である澱粉質と、該澱粉質に結合された脂肪酸化合
物とを有し、澱粉質の脂肪酸化合物によるアミロース占
有率が10%以上である消化・吸収の緩やかな食品用材
料またはアミロース含有量が25〜60重量%である澱
粉質を、溶媒の存在下に、脂肪酸化合物と接触させるこ
とを特徴とする消化・吸収速度の緩やかな食品用材料の
製造方法により得られた食品用材料を含有することを特
徴とする食品によっても達成される。本発明はまた抗肥
満性用である食品を示すものである。
本発明はまた、糖尿病患者用である食品を示すものであ
る。
(作用) 本発明者らは、消化・吸収の緩やかな食品用材料を得る
ために鋭意研究を行なった結果、澱粉質に特定量以上の
脂肪酸化合物を結合させると消化・吸収速度の遅延化が
もたらされることを見い出した。これは澱粉質中のアミ
ロースの疎水性部分が脂肪酸化合物と結合し、酵素との
複合体を形成しにくい構造となるため澱粉質がアミラー
ゼ等の消化酵素による作用を受けにくくなるためと考え
られ、通常の澱粉質に比べて消化・吸収の速度が遅くな
るものである。なお、脂肪酸化合物の1種である脂肪酸
エステルを小麦粉あるいは米粉などに乳化剤として少量
添加し、生地の伸びの改良、食感の改良、老化防止等の
改善を図ることは従来より知られていることであるが、
比較的多量の脂肪酸化合物を使用しかつこの脂肪酸化合
物を特定量以上、すなわちアミロース占有率が10%以
上となる程度に結合させることで、消化・吸収が緩やか
になるということは従来何ら知られていなかったことで
ある。
本発明者らは、このような知見のもとにさらに鋭意研究
を進めた結果、澱粉質に脂肪酸化合物を結合させた際に
おける消化・吸収速度の遅延化は、アミロース含有量が
25%以下である一般的な穀物由来の澱粉質よりも、ア
ミロース含有量がそれ以上の範囲にある澱粉質を用いた
場合においてより効果的に表れることを見い出した。し
かもこれは、澱粉質のアミロース含有量が高くなること
によってより多くの脂肪酸化合物が結合するためである
ということに起因するのみではなく、何らかの因子によ
ってそれ以上の効果が表れるものであった。
従って、本発明におけるごとくアミロース含有量が25
〜60重量%である澱粉質に脂肪酸化合物を結合させれ
ば、該澱粉質自体が通常の澱粉質よりも消化・吸収が緩
やかであることも相俟って、極めて優れた消化・吸収速
度の遅延化がもたらされるものとなる。
なお、本明細書において、「消化・吸収速度の遅い」も
のとは、例えば、アミラーゼによる分解が通常の澱粉、
すなわち未処理の澱粉に対し、95%以下、より好まし
くは85%以下となるものである。
以下、本発明を実施態様に基づきより詳細に説明する。
本発明において原料として用いられる澱粉質としては、
その澱粉質中のアミロース含有量が25〜60重量%、
さらに好ましくは30〜50重量%とされたものである
周知のように澱粉は、アミロースとアミロペクチンの2
つの成分からなるが、−船釣な穀物由来の澱粉、例えば
、米、小麦、大麦、ライ麦、燕麦、とうもろこし、馬鈴
薯、甘藷、あるいはタピオカなどから調製した澱粉は、
いずれもアミロース含有量が25%未満である。本発明
において使用される澱粉質がこのような一般的な穀物由
来の澱粉よりも高いアミロース含有量を有するものとさ
れるのは、後述する脂肪酸化合物を結合させることによ
って消化・吸収の遅延化を図った場合に、少量の脂肪酸
化合物によっても十分な改質効果が得られるためであり
、多量の改質剤を使用することによって澱粉質の風味・
食感を低下させてしまう虞れがないためである。なお、
澱粉質のアミロース含有量が60重量%を越えるもので
あると、澱粉質それ自体の風味・食感が著しく低下する
のみならず、後述する脂肪酸化合物の結合によって消化
・吸収が過度に抑えられて消化不良を起す虞れがあるた
め、本発明において使用される澱粉質は、上記範囲のア
ミロース含有量を有するものとされる。
このような25〜60重量%のアミロース含有音を有す
る澱粉質としては、穀物由来の澱粉、物理化学的あるい
は生物学的に合成された澱粉、およびそれらの粗原料や
加工物等のいずれであってもよいが、現在のところ比較
的容易に入手できる高アミロース含有量の澱粉質は、ア
ミロメーズ種のとうもろこしより調製された、いわゆる
ハイアミロースコーンスターチ(アミロース含有量的7
0%)および純アミロース(アミロース含有率100%
)であるので、これらの高アミロース含有量澱粉質、特
にハイアミロースコーンスターチと、上記したような一
般的な穀物由来の澱粉とを混合して、その混合物におけ
るアミロース含有量を上記25〜60重量%の範囲とな
るようにしたものが好適に用いられる。
一方、このような澱粉質と結合される脂肪酸化合物とし
ては、遊離脂肪酸、脂肪酸塩あるいは脂肪酸エステルな
どが含まれ、このうち特に、上記澱粉と複合体を形成す
るための疎水性のアルキル(脂肪酸)部分と、澱粉に効
率よく接触するための親水性の水酸基供与体を合せ持つ
物質であればより好ましく用いる−ことができ、脂肪酸
エステルが望ましい。なお、上記の理由から脂肪酸化合
物であっても、トリグリセリド等の水酸基供与体を持た
ない物質は使用し得えない。脂肪酸エステルは、カルボ
キシル基を有する飽和または不飽和のアルキル化合物と
アルコール性水酸基を有する化合物(アルコール供与体
)とがエステル結合した状態の物質をいう。これらの脂
肪酸化合物の構成脂肪酸としては、例えばカプリル酸、
ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸
、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パル
ミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン
酸、アラキン酸、ベヘン酸、ウンデシル酸、オレイン酸
、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン
酸、リノール酸、リルン酸、アラキドン酸などのような
炭素数8〜22のものが好ましい。
脂肪酸塩としては、上記のような脂肪酸のナトリウム塩
、カリウム塩、マグネシウム塩などがある。
また脂肪酸エステルのアルコール供与体としては、グリ
セリン、プロピレングリコールないしポリプロピレング
リコール類、ショ糖およびマルトースなどの糖類、ソル
ビット、マンニット、エリトリット、アラビットなどの
糖アルコール類、グリセロリン酸などがある。なお、脂
肪酸エステル化合物として具体的なものをいくつか例示
すると、例えば、デカグリセリルモノラウレート、デカ
グリセリルモノミリステート、ヘキサグリセリルモノス
テアレート、デカグリセリルモノステアレート、モノグ
リセリルモノステアレート、デカグリセリルジステアレ
ート、デカグリセリルトリステアレート、デカグリセリ
ルモノオレエート、デカグリセリルトリオレエート、ヘ
キサグリセリルモノオレエート、デカグリセリルペンタ
オレエートなどのグリセリン脂肪酸エステル類、ショ糖
ステアレート、ショ糖パルミテート、ショ糖オレエート
、ショ糖ラウレート、ショ糖ベヘネートなどのショ糖脂
肪酸エステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタ
ンモノステアレート、ソルビタンモノオレエートなどの
ソルビタン脂肪酸エステル類、レシチン、リゾレシチン
などが挙げられる。
なお、このような脂肪酸エステルのHL B (fly
d。
rophilic Lipophilic Ba1an
ce )は何れの領域のものを用いても良い。
本発明の食品用材料において、原料の澱粉質と脂肪酸化
合物の結合比率は、使用される澱粉質の種類、殊にアミ
ロース含有量、および脂肪酸化合物の種類や製造条件に
よっても異なってくるが、脂肪酸化合物による澱粉質の
アミロース占有率が10%以上とされる。すなわち、脂
肪酸化合物による澱粉質のアミロース占有率が10%未
満であると、消化・吸収速度の十分な遅延化がもたらさ
れない虞れがあるためである。なお、アミロース占有率
が70%を越えるものとしても、消化・吸収速度の遅延
化は、アミロース占有率がそれ以下のものと実質的に変
わりなく、かつ風味・食感の低下する虞れがありまたコ
スト高となることから、アミロース占有率が10〜70
%となることがより望ましいものである。
なお、本明細書における「脂肪酸化合物による澱粉質の
アミロース占有率」とは、電流滴定法を用いたヨウ素親
和力(アミロースとヨウ素の結合曾)の測定値より算出
されたものである。すなわち、ヨウ素親和力は、ヨウ素
が澱粉中の主としてアミロースと結合して複合体を形成
することを利用してアミロース含量を推定するものであ
るが、本発明の食品用材料におけるように脂肪酸化合物
で澱粉質を処理した場合には、脂肪酸化合物と結合した
アミロース(ヨウ素を結合しない)の割合だけ未処理の
澱粉質よりもヨウ素親和力が小さくなる。従って、未処
理の澱粉質のヨウ素親和力から処理した澱粉質のヨウ素
親和力を差引いた値を、未処理の澱粉質のヨウ素親和力
で割った値に百をかけたものが、脂肪酸化合物による澱
粉質のアミロース占有率(%)である。
(脂肪酸化合物による澱粉質のアミロース占有率) =
(未処理の澱粉質のヨウ素親和力)−(処理した澱粉質
のヨウ素親和力)xloo(%)(未 理の澱  のヨ
ウ    ) 上記したような本発明の食品用材料は、アミロース含有
量が25〜60重量%である原料澱粉質を、適当な溶媒
の存在下に接触させることにより製造することができ、
例えば、上記アミロース含有量の原料澱粉質に、予め溶
媒に溶解あるいは分散させた脂肪酸化合物を添加し、澱
粉質と脂肪酸化合物を接触させること操作により行なわ
れる。
使用される溶媒は、澱粉質と脂肪酸化合物を均一に効率
よく接触させるために添加するが、澱粉になじみ易い親
水性の溶媒であり、かつ脂肪酸化合物を均一に分散させ
る溶媒であることが望ましい。具体的には、水、アルコ
ール、グリセリン、アルキレングリコール、アセトンの
いずれか1つまたは2つ以上の混合物を、脂肪酸化合物
の性状によって適宜選択して用いればよいが、好ましく
は水が用いられる。また溶媒の量は、使用される澱粉質
、脂肪酸化合物および溶媒の種類によっても左右される
が、澱粉質100重量部に対し10〜10000重全部
、特に50〜500重量部であることが望まれる。また
溶媒に予め溶解あるいは分散させられた脂肪酸化合物の
量は、澱粉質100重量部に対し、0.5〜20重量部
、特に1〜10重量部であることが望まれる。
原料の澱粉質と脂肪酸化合物の接触に際しての反応系の
温度としては、溶媒の凝固しない温度であれば特に限定
されるものではない。しかしながら、食品用材料として
加熱調理されるものを得ようとする場合には、原料の澱
粉質が完全に糊化してしまわない温度において行なわれ
る必要がある。
この場合、経済性等の面から0℃以上でかつ糊化が起ら
ない温度という点で糊化開始温度(澱粉質の種類によっ
て異なるが、概ね60℃前後〜70℃前後)以下とする
ことが望ましい。なお、このような糊化開始温度以下の
温度において、予め溶媒に溶解あるいは分散させた脂肪
酸化合物を澱粉質に添加して、澱粉質を脂肪酸化合物と
接触させても脂肪酸化合物を澱粉質に結合させることが
でき、さらにこのような温度域で脂肪酸化合物を結合さ
せた澱粉質は、糊化温度自体が上昇するために、その後
加熱調理した場合においても糊化が起りにくくなり、消
化・吸収の遅延化がより促進される。一方、食品用材料
として加熱調理を必要としないものを得ようとする場合
には、もちろん糊化開始温度以上の温度条件において行
なうことが可能である。
本発明の食品用材料は、このようにアミロース含有率が
25〜60重量%である澱粉質と脂肪酸化合物とを適当
な溶媒の存在下に接触させ、澱粉質に脂肪酸化合物を結
合させることによって得られるが、このような操作にお
いて澱粉質に残留する溶媒は、必要に応じて、例えば凍
結乾燥、減圧乾燥、風乾などの各種の乾燥方法によって
除去される。
また本発明の食品用材料を得るには、予め溶媒に分散さ
せたアミロース含有率が25〜60重量%である澱粉質
に脂肪酸化合物を添加して、澱粉質と脂肪酸化合物を溶
媒の存在下に接触させる、あるいはまた、アミロース含
有率が25〜60重量%である澱粉質と脂肪酸化合物を
同時に溶媒に添加して、これらを溶媒に溶解あるいは分
散させ、澱粉質と脂肪酸化合物を溶媒の存在下に接触さ
せることも別途考えられる。なお、これらの場合におい
て、使用される溶媒の種類および量、ならびに処理温度
条件等は上記の方法と同様のものが適用され得る。
さらに、本発明の食品用材料は、原料となる澱粉質の風
味・食感を損なわないので、通常の澱粉と同様に使用が
可能である。すなわち、そのまま食品として食すること
ができるほか、通常澱粉を用いて製造される食品すべて
に応用されることができる。なお、このように加工され
て食品とされる場合、必要に応じて本発明の食品用材料
に対し洗浄、破砕、加熱等の処理を加えることができる
特に、本発明の食品用材料を乾燥、粉砕し、この粉砕物
に必要によりデキストリン等の糖質、食塩、かんすい、
色素、蛋白質、各種のミネラルおよびビタミンなどを添
加し、加水して混練することにより、消化・吸収の緩や
かな麺を製造することができる。
また、本発明の食品用材料を乾燥、粉砕し、この粉砕物
に必要により油脂、糖類、粉乳、卵、ベーキングパウダ
ー等の膨張剤、食塩、酵母、酵母食品、L−アスコルビ
ン酸等の酸化還元剤などを添加し、これらを混合して、
得られた混合物を焼成することにより、消化・吸収の緩
やかなパンないし菓子を製造することができる。
このようにして得られる本発明に係わる食品は、通常の
澱粉を含有するものと比較して、風味・食感などは何ら
遜色がなく、消化・吸収速度は有意に緩やかなものであ
り、抗肥満性食品として、あるいは糖尿病患者用食品と
して好適に使用される。
さらに、本発明に関する食品は、ヒト用のみでなく、ヒ
ト以外の動物用としても用いることができるものである
(実施例) 以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
実施例1 市販の小麦粉(アミロース含有間約22%)930gと
ハイアミロースコーンスターチ(アミロース含有間約7
0%)70gをあらかじめ混合して、アミロース含有量
が約25%となる澱粉質原料を調製した。
このようにして調製された澱粉質原料1kgに対して、
ソルビタンラウリン酸エステル(エマゾールし−10、
花王■製)15gを予め溶解してなる水5gを加え、こ
の混合物を121℃で20分間加圧加熱(オートクレー
ブ)しながら保持し、その後凍結乾燥して食品用材料試
料を得た。
得られた試料に対し、以下に述べるような方法に従い脂
肪酸化合物による澱粉質のアミロース占有率、PPAに
よる消化性、ならびに食感を調べた。結果を第1表に示
す。なお、PPAによる消化性に関して比較対照として
は、上記のごとく調製した澱粉質原料を、ソルビタンラ
ウリン酸エステルを添加していない水5g中で121℃
で20分間加圧加熱しながら保持し、その後凍結乾燥し
て得られたものを用いた。
実施例2 澱粉質原料として、市販の小麦粉(アミロース含有間約
22%)833gとハイアミロースコーンスターチ(ア
ミロース含有間約70%)167gを混合してアミロー
ス含有量が約30%となるように調製されたものを用い
る以外は、実施例1と同様にして食品用材料試料を得、
得られた試料に対し、以下に述べるような方法に従い脂
肪酸化合物による澱粉質のアミロース占有率、PPAに
よる消化性、ならびに食感を調べた。結果を第1表に示
す。なお、PPAによる消化性に関して比較対照として
は、上記のごとく調製した澱粉質原料を実施例1の比較
対照の場合と同様にソルビタンラウリン酸エステルを添
加していない系において処理して得られたものを用いた
実施例3 澱粉質原料として、市販の小麦粉(アミロース含有間約
22%)520gとハイアミロースコーンスターチ(ア
ミロース含有間約70%)480gを混合してアミロー
ス含有量が約45%となるように調製されたものを用い
る以外は、実施例1と同様にして食品用材料試料を得、
得られた試料に対し、以下に述べるような方法に従い脂
肪酸化合物による澱粉質のアミロース占有率、PPAに
よる消化性、ならびに食感を調べた。結果を第1表に示
す。なお、PPAによる消化性に関して比較対照として
は、上記のごとく調製した澱粉質原料を実施例1の比較
対照の場合と同様にソルビタンラウリン酸エステルを添
加していない系において処理して得られたものを用いた
実施例4 澱粉質原料として、市販の小麦粉(アミロース含有全豹
22%)208gとハイアミロースコーンスターチ(ア
ミロース含有間約70%)792gを混合してアミロー
ス含有量が約60%となるように調製されたものを用い
る以外は、実施例1と同様にして食品用材料試料を得、
得られた試料に対し、以下に述べるような方法に従い脂
肪酸化合物による澱粉質のアミロース占有率、PPAに
よる消化性、ならびに食感を調べた。結果を第1表に示
す。なお、PPAによる消化性に関して比較対照として
は、上記のごとく調製した澱粉質原料を実施例1の比較
対照の場合と同様にソルビタンラウリン酸エステルを添
加していない系において処理して得られたものを用いた
比、較例1 澱粉質原料として、市販の小麦粉(アミロース含有曾約
22%)1kgを用いる以外は、実施例1と同様にして
食品用材料試料を得、得られた試料に対し、以下に述べ
るような方法に従い脂肪酸化合物による澱粉質のアミロ
ース占有率、PPAによる消化性、ならびに食感を調べ
た。結果を第1表に示す。なお、PPAによる消化性に
関して比較対照としては、小麦粉を実施例1の比較対照
の場合と同様にソルビタンラウリン酸エステルを添加し
ていない系において処理して得られたものを用いた。
比較例2 澱粉質原料として、市販のハイアミロースコーンスター
チ(アミロース含有量的70%)1kgを用いる以外は
、実施例1と同様にして食品用材料試料を得、得られた
試料に対し、以下に述べるような方法に従い脂肪酸化合
物による澱粉質のアミロース占有率、PPAによる消化
性、ならびに食感を調べた。結果を第1表に示す。なお
、PPAによる消化性に関して比較対照としては、上記
のごとく調製した澱粉質原料を実施例1の比較対照の場
合と同様にソルビタンラウリン酸エステルを添加してい
ない系において処理して得られたものを用いた。
第1表 PPA分解性    食感 アミロース含有量  了;ロース占有率  (対比較対
照)比較例1221%   38%   96%  優
実施例125%   30%   93%  優実施例
230%   27%   87%  優実施例345
%   21%   70%  良実施例460%  
 10%−59%  良比較例270%    8% 
  45%  不良7*:、比較例2のものにおいては
、食した後に、軟便となったり腹のはり、ガスの発生が
あったことを訴える者があった。
第1表に示されるように、アミロース含有量が25〜6
0重量%の範囲にある澱粉質を用いた本発明に係わる実
施例1〜4の食品用材料は、通常の小麦粉(比較例1)
を用いた場合と比較して、ソルビタンラウリン酸エステ
ルによるアミロース占有率は同等もしくはそれ以下であ
るにもかかわらず、PPA分解性の低下率がより大きい
ものであり、消化・吸収速度の遅延化に関してより高い
効果が得られるものであることが明らかである。
また、アミロース含有量が非常に高いハイアミロースコ
ーンスターチ(比較例2)を用いたものにおけるような
食感の低下、消化不良の傾向なども見られないものであ
った。
実施例5 市販の小麦粉(アミロース含有量的22%)900gと
ハイアミロースコーンスターチ(アミロース含有量的7
0%)100gをあらかじめ混合して、アミロース含有
量が約27%となる澱粉質原料を調製した。
このようにして調製された澱粉質原料1kgに対して、
ショ糖パルミチン酸エステル(リョート−P−1570
、三菱化成伸製)5gを予め溶解してなる水1001を
加え、この混合物を25℃で連続的に加圧混練(圧力2
kg/cm2、平均混練時間5分)し、その後凍結乾燥
して食品用材料試料を得た。
得られた試料に対し、以下に述べるような方法に従い脂
肪酸化合物による澱粉質のアミロース占有率、ならびに
PPAによる消化性を調べた。なおPPAによる消化性
に関する比較対照としては、上記のごとく調製した澱粉
質原料をショ糖ラウリン酸エステルを添加していない水
100m1を加えて、それ以外は同様に処理して得られ
たものを用いた。その結果、脂肪酸化合物による澱粉質
のアミロース占有率は15%であり、またPPA分解性
は比較対照の89%に低下していた。
比較例3 澱粉質原料として市販の小麦粉1kgを用いる以外は実
施例5と同様にして、食品用材料試料を得た。
得られた試料に対し、以下に述べるような方法に従い脂
肪酸化合物による澱粉質のアミロース占有率、ならびに
PPAによる消化性を調べた。なおPPAによる消化性
に関する比較対照としては、小麦粉をショ糖パルミチン
酸エステルを添加していない水1001を加える以外は
同様に処理して得られたものを用いた。その結果、脂肪
酸化合物による澱粉質のアミロース占有率は18%と実
施例5のものと大差のないものであったが、PPA分解
性は比較対照の98%に低下しているにすぎなかった。
実施例6 市販の米粉(アミロース含有量的24%)870gとハ
イアミロースコーンスターチ(アミロース含有量的70
%)130gをあらかじめ混合して、アミロース含有量
が約30%となる澱粉質原料を調製した。
このようにして調製された澱粉質原料1kgに対して、
グリセリンモノステアリン酸エステル(エマルジーMS
、理研ビタミン■製)200gを予め溶解してなる水2
0.Qを加え、この混合物を80℃で60分間加熱しな
がら保持し、その後凍結乾燥して食品用材料試料を得た
得られた試料に対し、以下に述べるような方法に従い脂
肪酸化合物による澱粉質のアミロース占有率、ならびに
PPAによる消化性を調べた。なおPPAによる消化性
に関する比較対照としては、上記のごとく調製した澱粉
質原料をグリセリンモノステアリン酸エステルを添加し
ていない水20g中で80°Cで60分間加熱しながら
保持しその後凍結乾燥して得られたものを用いた。その
結果、脂肪酸化合物による澱粉質のアミロース占有率は
75%であり、またPPA分解性は比較対照の69%に
低下していた。
比較例4 澱粉質原料として市販の米粉1kgを用いる以外は実施
例6と同様にして、食品用材料試料を得た。
得られた試料に対し、以下に述べるような方法に従い、
脂肪酸化合物による澱粉質のアミロース占有率、ならび
にPPAによる消化性を調べた。
なおPPAによる消化性に関する比較対照としては、米
粉をグリセリンモノステアリン酸エステルを添加してい
ない水201中で80℃で60分間加熱しながら保持し
その後凍結乾燥して得られたものを用いた。その結果、
脂肪酸化合物による澱粉質のアミロース占有率は95%
と実施例6のものよりむしろ高い値を示したが、PPA
分解性は比較対照の80%に低下しているにすぎなかっ
た。
比較例5 実施例6におけるものと同様に調製されたアミロース含
有量が約30%となる澱粉質原料1kgに、グリセリン
モノステアリン酸エステル(エマルジーMS、理研ビタ
ミン■製)200gのみを添加して混合した。
そしてこのようにして得られた試料に関し、以下に述べ
るような方法に従い脂肪酸化合物による澱粉質のアミロ
ース占有率を調べたところ、脂肪酸化合物による澱粉質
のアミロース占有率は8%であり、澱粉質に単に脂肪酸
化合物を混合するのみでは、脂肪酸化合物が澱粉質にほ
とんど結合しないことが明らかとなった。
実施例7〜10 市販の小麦粉(アミロース含有量的22%)930gと
ハイアミロースコーンスターチ(アミロース含有全豹7
0%)70gをあらかじめ混合して、アミロース含有量
が約25%となる澱粉質原料を調製した。
このようにして調製された澱粉質原料50gに対して、
グリセリンモノステアリン酸エステル(エマルジーMS
、理研ビタミン■製)を第1表に示す量で予め溶解した
水5gと混合した。この混合物を65℃で60分間攪拌
しながら保持し、その後、3000rpmで3分間遠心
し上清液を除去して食品用材料試料を得た。
得られた試料に対し、以下に示すような方法に従い脂肪
酸化合物による澱粉質のアミロース占有率ならびにPP
Aによる消化性を調べた。結果を第2表に示す。なおP
PAによる消化性に関する比較対照としては、上記のご
とく調製した澱粉質原料をグリセリンモノステアリン酸
エステルを添加していない水5g中で65℃で60分間
攪拌しながら保持し、その後、3000rpmで3分間
遠心し上清液を除去して食品用材料試料を得た。
第2表 脂肪酸エステル添加量  アミロース占有率  PPA
分解性実施例7  1.0g    27%   85
%実施例8  2.5g    41%   69%実
施例9  5.0g    55%   48%実施例
10 10.0g    65%   39%た後に、
以下に示すような方法に従い脂肪酸化合物による澱粉質
のアミロース占有率ならびにPPAによる消化性を調べ
た。結果を第3表に示す。
なおPPAによる消化性に関する比較対照としては、上
記のごとく調製した澱粉質原料を95℃にて30分間加
熱処理したものを用いた。
実施例11〜13 市販の小麦粉(アミロース含有間約22%)870gと
ハイアミロースコーンスターチ(アミロース含有間約7
0%)130gをあらかじめ混合して、アミロース含有
量が約30%となる澱粉質原料を調製した。
このようにして調製された澱粉質原料100gに対して
、シヨステアリン酸エステル(S−970、三菱化成■
製)5gを予め分散させた水3001と混合した。この
混合物を第3表に示す種々の温度にて60分間保持した
のち50℃にて減圧乾燥して食品用材料試料を得た。
得られた試料を95℃にて30分間加熱処理し第3表 処理温度  アミロース占有$   PPA分解性実施
例11   5°C37%  68%実施例12  4
5°C50%  65%実施例13  90°C52%
  64%実施例14 市販の小麦粉(アミロース含有間約22%)52gとハ
イアミロースコーンスターチ(アミロース含有間約70
%)48gをあらかじめ混合して、アミロース含有量が
約45%となる澱粉質原料を調製した。
このようにして調製された澱粉質原料100gに、予め
グリセリンオレイン酸エステル(エマルジーOL、1、
理研ビタミン■製)5gを65°Cにて懸濁しておいた
水300gを加え、30℃で60分間攪拌しながら保持
し、その後全量を凍結乾燥して食品用材料試料を得た。
なお、この食品用材料試料のPPAによる消化性は未処
理の上記澱粉質原料の58%であった。
得られた試料50gを水150m1と共に121℃で3
0分加圧加熱した後、健常男子1名に経口投与した。投
与後、定時的に採血し、血糖値を測定した。なお、血糖
値の測定は、市販の測定装置(グルコスター、エイムス
三共■製)を用いた。
その結果、この試料を投与した場合には、上記のごとく
調製された澱粉質原料(アミロース含有量45%)を1
21℃で30分間加熱したのみのものを投与した比較対
照の場合に対し、面積比で65%、ピーク高さで68%
と明らかに血糖値の上昇が遅延していた。
比較例8 澱粉質原料として市販の小麦粉100gを用いる以外は
実施例8と同様にして食品用材料試料を得た。得られた
食品用材料試料のPPAによる消化性は未処理の小麦粉
の82%であった。
得られた試料50gを水150m1と共に121℃で3
0分加圧加熱した後、実施例14と同様に健常男子1名
に経口投与し、投与後の血糖値の変化を測定した。
その結果、この試料を投与した場合には、比較対照(小
麦粉を121°Cで30分間加熱したのみ)を投与した
比較対照の場合に対し、面積比で81%、ピーク高さで
85%と血糖値の上昇が遅延していたが、その遅延の度
合は実施例14の場合と比較して小さなものであった。
実施例15 市販の小麦粉(アミロース含有間約22%)870gと
ハイアミロースコーンスターチ(アミロース含有間約7
0%)130gをあらかじめ混合して、アミロース含有
量が約30%となる澱粉質原料を調製した。
このようにして得られた澱粉質原料1kgに、予めグリ
セリンモノステアリン酸エステル(エマルジーMS、理
研ビタミン■製)100gを溶解した水3gを加え、4
5°Cで30分間攪拌しながら保持した。この混合物か
ら上清を捨て、凍結乾燥して食品用材料試料を得た。
得られた食品材料試料IKgに、油脂75g、砂糖75
gおよび乳カゼイン60gを加えてパンミックスを作り
、このパンミックス280gにドライイースト3gを添
加して市販のパン焼き機にて調理したところ、風味・食
感の良好な食パンが得られた。さらに数名の協力者に対
し、この処理澱粉質を用いて作成した食パンと、未処理
の小麦粉を用いて上記と同様にして得られた食パンとを
、盲検法において食させ、好みの方を選択してもらった
ところ、この選択に有意差は認められなかった。
実施例16 市販の小麦粉(アミロース含有間約22%)870gと
ハイアミロースコーンスターチ(アミロース含有間約7
0%)130gをあらかじめ混合して、アミロース含有
量が゛約30%となる澱粉質原料を調製した。
このようにして得られた澱粉質原料1kgに、予めショ
糖ステアリン酸エステル(S−1570、三菱化成■製
)150gを混合し、さらに原料に対して15%の割合
で加水しながら、連続的に混練した(平均混練時間5分
)。次いで60℃で熱風乾燥し、これを平均粒径100
μmになるように粉砕して食品用材料試料を得た。
得られた試料78gに砂糖9g、卵白粉末1゜5g、小
麦粉グルテン7g、食塩0.5g、膨化剤2.5g、香
料1.5gを加えて100gとし、よく混合してホット
ケーキミックスを得た。該ミックスを常法に従って焼成
したところ風味・食感の良好なホットケーキが得られた
。さらに数名の協力者に対し、この処理澱粉質を用いて
作成したホットケーキと、未処理の小麦粉を用いて上記
と同様にして得られたホットケーキとを、盲検法におい
て食させ、好みの方を選択してもらったところ、この選
択に有意差は認められなかった。
実施例17 市販の米粉(アミロース含有間約24%)800gとハ
イアミロースコーンスターチ(アミロース含有間約70
%)200gをあらがしめ混合して、アミロース含有量
が約33%となる澱粉質原料を調製した。
このようにして得られた澱粉質原料1kgに、予めショ
糖ステアリン酸エステル(S−1570゜三菱化成■製
)50gを溶解した水3gを加え、30℃で1時間攪拌
しながら保持した。この混合物から上清を捨て、凍結乾
燥して食品用材料試料を得た。
得られた試料90gに、粉末油脂3g、とうもろこし繊
維5g、卵殻粉2gを加えてよく混合した。該混合物を
適宜加水しながら、温度120〜130℃、押出し圧力
2C1〜25kg/cm2で、2軸エクストルーダーに
て押出し加工し、風味・食感の良好な膨化食品を得た。
さらに数名の協力者に対し、この処理澱粉質を用いて作
成した膨化食品と、未処理の米粉を用いて上記と同様に
して得られた膨化食品とを、盲検法において食させ、好
みの方を選択してもらったところ、この選択に有意差は
認められなかった。
実施例18 市販の小麦粉(アミロース含有間約22%)600gと
ハイアミロースコーンスターチ(アミロース含有間約7
0%)400gをあらかじめ混合して、アミロース含有
量が約41%となる澱粉質原料を調製した。
このようにして得られた澱粉質原料1kgに、予めグリ
セリンモノステアリン酸エステル(エマルジーMS、理
研ビタミン■製)100gを溶解した水10gを加え、
10℃で2時間攪拌しながら保持した。この混合物から
上清を捨て、凍結乾燥して食品用材料試料を得た。
得られた試料800gに、デキストリン(パンミックス
4、松谷化学製)20g、バイタルグルテン(パウダー
グルA、昭和産業■製)30gおよび水400gを配合
し、ミキサーにて混合し混練生地を得た。
この混練生地を常法により製麺ロールで複合および圧延
し、さらに切り出しを行ない生麺を得た。
この生麺300gを沸騰水中でゆであげたところ、風味
・食感の良好なゆでうどんが得られた。
さらに数名の協力者に対し、この処理澱粉質を用いて作
成したゆでうどんと、未処理の小麦粉を用いて上記と同
様にして作成したゆでうどんとを盲検法において食させ
、好みの方を選択してもらったところ、この選択に有意
差は認められなかった。
なお、本発明の実施例において用いられた各測定法は以
下に述べる通りである。
脂肪酸化合物による澱粉質のアミロース占有率試料0.
1gをアルカリ糊化させるために20m1の0.5N 
 KOHを加え完全に塊がな(なるまでよく混釈した後
、精製水150m1を加え、さらにIN  HCIを2
0m1添加して中和し、総液i1190mlとする。調
製した試料液95m1を氷冷しながら、0.4N  K
I  5mlを加え、25mVの電圧をかけながら、0
.00157N  KIO3で毎分0.5mlの速度で
滴定し、電流の変化を測定する。電流が急激に上昇し始
める点を変曲点とし、その時の滴定量を滴定値とする。
一方、同試料0.1gの全糖量をフェノール・硫酸法に
より別に測定しておく。これらの滴定値および全糖量よ
り次式に基づき各試料のヨウ素親和力を算出し、さらに
以下の式により脂肪酸化合物による澱粉質のアミロース
占有率を求める。
ヨウ111]力(mgヨウ素/100mg全11)=脂
肪酸化合物による澱粉質のアミロース占有率(%) =
まず、試料はPPAによる消化性を調べる前に、比較対
照となる未処理の澱粉質試料も含めて、全てが予め糊化
される。このため、本発明の実施例に係わる試料のうち
、改質剤の添加処理における温度条件が低く今だ糊化さ
れていないものは、リン酸緩衝液を加えたあと、沸騰湯
浴中で30分間加熱することにより糊化させた。また、
比較対照となる未処理の澱粉質試料は、それぞれ相応す
る実施例試料と同条件(但し改質剤の添加は当然にない
。)おいて加熱糊化させた。さらに試料が穀物粒などで
ある場合には、試験に先立ち微粉砕された。
そしてこのように糊化された試料0.5gを取り、これ
に50mM  リン酸緩衝液(pH6,9)49mlを
加え、次いで37℃に調整した振盪恒温槽中で30分間
放置した。PPA (シグマ[SIGMAI社製)をリ
ン酸緩衝液にて50μU/mlに希釈した酵素液1ml
を加え、反応を開始する。
反応開始から0.20.40.60分後に反応液を0.
2mlずつ各2本、0.IN  Nap)(3,8ml
を分注した試験管に入れ酵素反応を停止した。
PPAによる消化により生起した還元糖の定量は、ソモ
ギーネルソン[Somogi−Nelsonコ法により
行なった。
食感 実施例および比較例において製造した食品材料試料を3
0gづつ実際に10名の協力者に食させ、モニター試験
を行なった。その結果、食感が良いと答えた人が、10
人中5Å以下のものは「不良」、6〜8人のものは「良
」、9Å以上のものは「優」とした。
(発明の効果) 以上述べたように本発明の食品用材料は、アミロース占
有率が25〜60重量%である澱粉質と、該澱粉質に結
合された脂肪酸化合物とを有し、澱粉質の脂肪酸化合物
によるアミロース占有率が10%以上であることを特徴
とするものであるから、消化・吸収が極めて緩やかで、
かつ通常の澱粉と同様の味、食感を有しており、広範な
用途に用いることができる。さらに本発明の食品用材料
において、前記脂肪酸化合物が両親媒性物質であり、さ
らに前記両親媒性物質が、脂肪酸エステルであると、消
化・吸収速度の遅延化はより優れたものとなるものであ
る。
さらに本発明は、アミロース占有率が25〜60重量%
である澱粉質に、溶媒の存在下に、脂肪酸化合物を接触
させることを特徴とする消化・吸収速度の緩やかな食品
用材料の製造方法であるので、上記のように優れた特性
を有する食品用材料を、極めて簡単な操作によりかつ安
全性高く製造できるものである。さらに本発明の製造方
法において、アミロース含有量が25〜60重量%であ
る澱粉質100重量部に対し、溶媒10〜10000重
量部、脂肪酸化合物0.5〜20重量部を用いるもので
あり、また溶媒が水、アルコール、グリセリン、アルキ
レングリコールおよびアセトンからなる群から選ばれた
1種または2種以上のものを用いるとより効率よくかつ
容易に上記のごとく優れた食品用材料を提供することが
できるものである。さらに、このような製造方法により
得られた食品用材料を、乾燥・粉砕し、該粉砕物を焼成
することにより消化・吸収の緩やかなパンないし菓子が
、またこのような製造方法により得られた食品用材料を
、乾燥・粉砕し、さらに加水・混練を行なうことにより
消化・吸収の緩やかな麺がそれぞれ提供されるものであ
る。
本発明はまた、アミロース含有率が25〜60重量%で
ある澱粉質と、該澱粉質に結合された脂肪酸化合物とを
有し、澱粉質の脂肪酸化合物によるアミロース占有率が
10%以上であることを特徴とする消化・吸収速度の緩
やかな食品用材料あるいはアミロース占有率が25〜6
0重量%である澱粉質に、溶媒の存在下に、脂肪酸化合
物を接触させることを特徴とする製造方法によって得ら
れた消化・吸収速度の緩やかな食品用材料を含有するこ
とを特徴とする食品であるので、風味・食感が良好であ
り、何ら苦難をもたらすことなく摂取可能であり、肥満
を予防するまたは改善するための食品として極めて好適
に用いることができる。
さらに本発明の食品は、摂取後における血糖値の上昇も
緩やかなものとなるため、糖尿病の予防用または糖尿病
患者用の食品としても有用である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)アミロース含有量が25〜60重量%である澱粉
    質と、該澱粉質に結合された脂肪酸化合物とを有し、澱
    粉質の脂肪酸化合物によるアミロース占有率が10%以
    上である消化・吸収の緩やかな食品用材料。
  2. (2)前記脂肪酸化合物は両親媒性物質である請求項1
    に記載の食品用材料。
  3. (3)前記両親媒性物質が、脂肪酸エステルである請求
    項2に記載の食品用材料。
  4. (4)アミロース含有量が25〜60重量%である澱粉
    質に、溶媒の存在下に、脂肪酸化合物を接触させること
    を特徴とする消化・吸収速度の緩やかな食品用材料の製
    造方法。
  5. (5)アミロース含有量が25〜60重量%である澱粉
    質100重量部に対し、溶媒10〜10000重量部、
    脂肪酸化合物0.5〜20重量部を用いるものである請
    求項4に記載の食品用材料の製造方法。 材料の製造方法。
  6. (6)溶媒が水、アルコール、グリセリン、アルキレン
    グリコールおよびアセトンからなる群から選ばれた1種
    または2種以上のものである請求項4または5に記載の
    食品用材料の製造方法。
  7. (7)請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法により
    得られた食品用材料を、乾燥・粉砕し、該粉砕物を焼成
    することを特徴とする消化・吸収の緩やかなパンないし
    菓子の製法。
  8. (8)請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法により
    得られた食品用材料を、乾燥・粉砕し、さらに加水・混
    練を行なうことを特徴とする消化・吸収の緩やかな麺の
    製法。
  9. (9)請求項1〜3のいずれかに記載の食品用材料ある
    いは請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法により得
    られた食品用材料を含有することを特徴とする食品。
  10. (10)抗肥満性食品である請求項9に記載の食品。
  11. (11)糖尿病患者用食品である請求項9に記載の食品
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