JPH046354Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は車両等の成形天井の端末処理構造に関
し、更に詳細に説明すると、基材と、該基材の表
面を被覆する表皮材とから成形された車両等の成
形天井の前後の端末を車両等のルーフパネルに固
着されたインナーパネルに取付けるようになされ
た車両等の成形天井の端末処理構造に関する。

〔従来の技術〕

従来より、車両等のルーフパネルの車室内側
に、基材と表皮材とから成形された成形天井を取
付けるものが知られている。第４図に示す如く、
この成形天井１の前端は、一般的にはルーフパネ
ル５の車室内側の前端に固着されたフロントイン
ナーパネル６にフイニツシヤー７またはガーニツ
シユにより固着されるようになされている。そし
て成形天井１の基材３と表皮材２との端末は略々
等しい長さに形成されている。尚符号８はフロン
トガラスである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

然し乍ら、従来の成形天井の端末処理構造にお
いてはフイニツシヤー７が著しく高価でコストア
ツプの原因となつたり、また成形天井１の表皮材
２とフイニツシヤー７の材質が異なるため一体感
が得られず、天井の色調を統一させる事が出来な
いものであつた。

本考案の目的は、成形天井の端末を確実に保持
する事が出来、然も高価なガーニツシユを用いる
必要がなく、天井の色調を統一させる事が出来、
更に取付作業を簡易迅速に行う事の出来る車両等
の成形天井の端末処理構造を提供するものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上述せる問題点に鑑みてなされたもの
で、基材と表皮材とを備えて成形された成形天井
の端末処理構造において、前記成形天井の表皮材
は基材の端末より長く形成され、且つ基材の端末
位置で表皮材との剥離部が形成され、該剥離部の
基材の端末に表皮材と離間する方向に屈折された
保持部が一体に形成され、該保持部にワイヤを挿
通し、該ワイヤの両端をサイドインナーパネルに
取付けて基材端末を保持させ、前記表皮材の端末
をルーフパネルまたはインナーパネルの端末部側
に取付けた事を特徴とする車両等の成形天井の端
末処理構造。

〔作用〕

本考案に依れば、成形天井の表皮材が基材の端
末よりも長く形成され、且つ基材の端末位置で表
皮材との剥離部が形成され、この剥離部の基材の
端末に表皮材と離間する方向に屈折されたワイヤ
挿通用の保持部が一体に形成されているので、こ
の保持部にワイヤを挿通し、該ワイヤの両端をサ
イドインナーパネルに取付ける事により基材の端
末を確実に取付ける事が出来、剥離部の表皮材は
何ら屈折させる事なく基材の端末よりそのまま引
き込んだ状態でルーフパネルまたはインナーパネ
ルの端末部に取付ける事が出来、天井の表皮材が
基材に形成された保持部及びワイヤを被覆した状
態で延設されているので、天井の色調を統一して
一体感を持たせる事が出来る。

〔実施例〕

以下本考案に係る車両等の成形天井の端末処理
構造を図面を参照して詳述する。

第１図乃至第３図には、本考案の一実施例の概
略が夫々示されており、成形天井１１は段ボール
等からなる基材１２と、この基材１２と、この基
材１２の表面側（車室内側）に接合された表皮材
１３とから所定の形状にプレス成形されている。
表皮材１３は表面側の布、合成樹脂シート等から
なる表皮１４と、この表皮１４の裏面側に接合さ
れたウレタンフオーム等からなる緩衝材１５とか
ら構成されているが、単一材からなる表皮材１３
であつてもよい。そして表皮材１３は基材１２の
端末より延長されて長く形成されている。

基材１２の端末位置において表皮材１３との剥
離部１７が形成され、この剥離部１７の基材１２
端末１２ａは成形天井１１のプレス成形の際に断
面略Ｌ字状に屈折成形されて保持部１８が一体に
形成されている。尚この保持部１８は表皮材１３
と離間する方向である上方に屈折されて段部を形
成した場合として示されているが、断面半円弧状
に形成してもよいものである。また成形天井１１
の両側部に対応する部分の保持部１８の長手方向
の両側部の一部に切欠溝１９が形成され、この切
欠溝１９より後述するワイヤ２０の両端２０ａを
挿通させる事が出来る。

第２図に示す如く、成形天井１１の基材１２の
端末位置に形成された剥離部１７の基材端末１２
ａと表皮材１３との間にワイヤ２０を挿通させ、
該ワイヤ２０により基材１２の端末位置に形成さ
れた保持部１８を保持させ、前記ワイヤ２０の両
端を夫々保持部１８の長手方向の両側部に形成さ
れた切欠溝１９より基材１２の端末１２ａ上側に
導出させ、該ワイヤ２０の両端２０ａをサイドイ
ンナーパネル２３に取付ける。

また表皮材１３の端末１３ａにはハードボード
２４が固着され（第３図参照）、このハードボー
ド２４がフロントインナーパネル２２の端末部２
２ａ側に固着されたリテーナ２５により係止され
る事により、表皮材１３の端末１３ａが取付けら
れるようになされている。尚リテーナ２５を用い
ずに、表皮材１３の端末１３ａをフロントインナ
ーパネル２２の端末部２２ａに、またはルーフパ
ネル２１の端末部２１ａに両面テープまたは接着
剤を用いて取付けるようにしてもよい。

尚上述せる実施例においては、保持部１８の長
手方向の両側部に切欠溝１９を設け、該切欠溝１
９よりワイヤ２０の両端２０ａを基材１２の端末
１２ａ上側に導出し、基材１２の切欠溝１９より
外側の部分には保持部１８を形成しないものが示
されているが、保持部１８を基材１２の端末１２
ａの全長手方向に沿つて形成してもよく、要はワ
イヤ２０により基材１２端末１２ａが保持される
ものであればよい。尚フロントインナーパネル２
２の端末部２２ａと、ルーフパネル２１の端末部
２１ａとにウエルト２６を介してフロントガラス
２８が取付けられる。尚更に、本実施例において
はフロントインナーパネル２２として示したがバ
ツクインナーパネルにも同様に適用し得るもので
ある。

〔考案の効果〕

以上が本考案に係る車両等の成形天井の端末処
理構造の一実施例の構成であるが、斯る構成に依
れば、剥離部の基材端末を表皮材と離間する方向
に屈折させ、基材端末に一体に保持部を形成し、
該保持部にワイヤを挿通し、該ワイヤの両端をサ
イドインナーパネルに取付けるようにしたので基
材の端末を簡易迅速且つ確実に取付ける事が出
来、剥離部の表皮材はそのまま延長されて保持部
を被覆した状態でフロントインナーパネルの端末
部側に引き込まれ、表皮材の端末をルーフパネル
またはインナーパネルの端末部に取付ける事が出
来、この際高価なガーニツシユを用いる事なく確
実に取付作業を行え、またガーニツシユを用いな
いため天井の色調を統一させ一体化させる事が出
来、更に成形天井の端末が高温や湿気等による経
時的変化により変形するのを防止する事が出来、
外観を著しく向上させる事が出来、著しく経済性
に優れた車両等の成形天井の端末処理構造を得る
事が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案に係る車両等の成形
天井の端末処理構造の一実施例の概略を夫々示す
もので、第１図は成形天井の取付状態の断面説明
図、第２図は成形天井の基材の取付状態を示す断
面説明図、第３図は成形天井の基材の端末の一部
拡大斜視図、第４図は従来の成形天井の端末処理
構造を示す断面説明図である。 図中、１１……成形天井、１２……基材、１３
……表皮材、１４……表皮、１５……緩衝材、１
７……剥離部、１８……保持部、１９……切欠
溝、２０……ワイヤ、２１……ルーフパネル、２
２……フロントインナーパネル、２１ａ，２２ａ
……端末部、２４……ハードボード、２５……リ
テーナ、２６……ウエルト、２８……フロントガ
ラス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基材と表皮材とを備えて成形された成形天井の
   端末処理構造において、前記成形天井の表皮材は
   基材の端末より長く形成され、且つ基材の端末位
   置で表皮材との剥離部が形成され、該剥離部の基
   材の端末に表皮材と離間する方向に屈折された保
   持部が一体に形成され、該保持部にワイヤを挿通
   し、該ワイヤの両端をサイドインナーパネルに取
   付けて基材端末を保持させ、前記表皮材の端末を
   ルーフパネルまたはインナーパネルの端末部側に
   取付けた事を特徴とする車両等の成形天井の端末
   処理構造。