JPH046327Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案、パイプフレームで構成されたパイプ
ドアを車両のキヤビンに取付けた自動車におい
て、車両衝突時にキヤビンの変形を防止するキヤ
ビンの変形防止装置に関するものである。

従来の技術 特殊な用途で使用される自動車には、車両のキ
ヤビンの乗降口に一般的なドアフレームを有する
ドアの設けずにパイプフレームで構成されたパイ
プドアを取付けたものがある。これは例えば、第
４図に示す様に、縦フレーム１の上下２個所にパ
イプフレーム２，３を取付け、下部パイプフレー
ム３の後端を上方へ立ち上がらせて上部パイプフ
レーム２へ結合させて矩形の枠状に構成したもの
で、縦フレーム１をキヤビン４のフロントピラー
５へヒンジ６，７を介して取付け、上部パイプフ
レーム２の後端部をロツク機構８を介してキヤビ
ン４のリヤピラー９へ脱着可能に取付けてある。
１０は上部パイプフレーム２に設けたロツク解除
レバーで、乗員の乗降時にロツク解除レバー１０
を操作することによりパイプドアを開放して開閉
させている。

考案が解決しようとする問題点 上記パイプドアを備えた自動車では、車両衝突
時にキヤビン４の前後方向の変形を防止できるド
アフレームの如き剛性部材がなく、パイプドア
は、上部パイプフレーム２だけで支持しているだ
けなので、キヤビン４の前後方向の剛性が低く、
車両衝突時、第５に示す様に、乗員が前方へ倒れ
ようとするため、乗員が装着しているシートベル
ト１１を介してキヤビン４のリヤピラー９が前方
へ引張られ、これによりリヤピラー９が変形し、
その変形量がドアフレームを有する通常の自動車
のリヤピラーよりも多いため、その改善が望まれ
ていた。

問題点を解決するための手段 この考案は、縦フレームと当該縦フレームに取
付けられて略矩形の枠体を構成する複数のパイプ
フレームとからなるパイプドアを、車両のキヤビ
ンのフロントピラーへヒンジを介して縦フレーム
を取付け、且つ、リヤピラーへパイプフレームの
一部をロツク機構を介して脱着可能に取付けるこ
とによりキヤビンへ装着した自動車において、前
記ロツク機構より上方に上部パイプフレームを水
平方向に設け、該上部パイプフレームの前端部を
前記縦フレームに、後端をパイプドアに結合さ
せ、前記上部パイプフレームの近傍後端面に、車
両変形時に前記リヤピラーの前端面に開設された
換気用スリツト内へ嵌入する突片を突設したもの
である。

作 用 この考案は、正常時には、パイプドアに設けた
突片をキヤビンのリヤピラーへ接触させず、正突
時にキヤビンが前後方向に変形すると、上記突片
をキヤビンのリヤピラーの換気用スリツトへ嵌入
させて、パイプドアの横ずれを防止し、パイプド
アの一部と上部パイプフレームをリヤピラーに当
ててキヤビンの変形を防止する。

実施例 第１図及び第２図は本考案の一実施例を示す図
面で、同図において、１５は車両のキヤビンで、
フロアパネル１６及びフロントピラー１７、リヤ
ピラー１８、ルーフパネル１９とで構成され、側
面に乗降口２０を形成してある。２１はキヤビン
１５の乗降口２０に装着したパイプドアで、一本
の縦フレーム２２と三本のパイプフレーム２３，
２４，２５と補助フレーム２６とから成つてい
る。縦フレーム２２は中空の角柱材をフロントピ
ラー１７に沿つて湾曲形成してある。また三本の
パイプフレーム２３，２４，２５は夫々上下方向
に適当な間隔を持たせて水平配置させ、その先端
を縦フレーム２２に一体結合させ、且つ、下部パ
イプフレーム２５の後部を上方へ折曲げて立ち上
がらせ、その上端部を中間パイプフレーム２４の
後部下面に接触させて一体結合し、縦フレーム２
２及び中間パイプフレーム２４、下部パイプフレ
ーム２５とで略矩形の枠体を構成している。また
補助フレーム２６は断面コ字形に形成され、その
下端を中間パイプフレーム２４の後部上面に載せ
て一体結合し、上端部を上部パイプフレーム２３
の後端部に抱持させて一体結合してあり、縦フレ
ーム２２及び上部パイプフレーム２３、中間パイ
プフレーム２４、補助フレーム２５にて略矩形の
枠体を構成している。２７，２７は補助フレーム
２６にて形成された縦棧の後端面に突設された突
片で、キヤビン１５のリヤピラー１８に開設され
たスリツト２８，２８と対向させて設けてある。
尚、リヤピラー１８に設けられるスリツト２８，
２８は突片２７，２７に合わせて形成してもよい
が、予めエアー抜き用として形成されていれば、
それを利用してもよい。

前記パイプドア２１は、縦フレーム２２をヒン
ジ２９，３０を介してキヤビン１５のフロントピ
ラー１７へ取付け、中間パイプフレーム２４の後
端をロツク機構３１を介してリヤピラー１８へ脱
着自在に取付けてあり、補助フレーム２６及び突
片２７，２７はリヤピラー１８の端面１８ａと僅
かな隙間を持つて対向している。３２は中間パイ
プフレーム２４に設けたロツク解除レバーであ
る。

上記パイプドア２１を備えたキヤビン１５は正
常時、乗員の乗降に際して、パイプドア２１の中
間パイプフレーム２４に設けられたロツク解除レ
バー３１を操作してパイプドア２１を開閉させて
乗降している。

そして車両衝突等でキヤビン１５が変形を開始
すると、第３図に示す様にリヤピラー１８に開設
されたスリツト２８，２８が前方に位置している
パイプドア２１に設けられた突片２７，２７と嵌
り合つてパイプドア２１の横ずれが防止され、こ
の後リヤピラー１８の端面１８ａが補助フレーム
２６に当接し、中間パイプフレーム２４及び上部
パイプフレーム２３とでリヤピラー１８とフロン
トピラー１７が支えられるため、キヤビン１５の
変形が防止される。

考案の効果 この考案は、車両の正突時において、キヤビン
の変形開始時にパイプドアに設けられた突片がリ
ヤピラーに形成された換気用スリツト内に嵌入し
てパイプドアの横ずれを防止し、パイプドアの一
部と上部パイプフレームとでリヤピラーの少なく
とも２個所を支持するので、キヤビンの変形が防
止され、安全が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るパイプドア付キヤビンの
側面図、第２図はパイプドアの突片とリヤピラー
との関係を示す要部斜視図、第３図は動作状態を
示す側面図、第４図は従来のパイプドア付キヤビ
ンの側面図、第５図はその動作状態を示す側面図
である。 １５……キヤビン、１７……フロントピラー、
１８……リヤピラー、２０……乗降口、２１……
パイプドア、２２……縦フレーム、２３，２４，
２５……パイプフレーム、２６……補助フレー
ム、２７……突片、２８……スリツト、２９，３
０……ヒンジ、３１……ロツク機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 縦フレームと当該縦フレームに取付けられて略
   矩形の枠体を構成する複数のパイプフレームとか
   らなるパイプドアを、車両のキヤビンのフロント
   ピラーへヒンジを介して縦フレームを取付け、且
   つ、リヤピラーへパイプフレームの一部をロツク
   機構を介して脱着可能に取付けることによりキヤ
   ビンへ装着した自動車において、前記ロツク機構
   より上方に上部パイプフレームを水平方向に設
   け、該上部パイプフレームの前端部を前記縦フレ
   ームに、後端をパイプドアに結合させ、前記上部
   パイプフレームの近傍後端面に、車両変形時に前
   記リヤピラーの前端面に開設された換気用スリツ
   ト内へ嵌入する突片を突設したことを特徴とする
   パイプドア付キヤビンの変形防止装置。