JPH04628Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、原子力発電所その他の工場、銀
行、スーパーマーケツト、遊園地、プールシヨー
ルームなどの必要箇所を広範かつ遠隔的に監視す
るために用いるテレビジヨンカメラ付き自走式ト
ロリに関するものである。

〔背景技術〕

従来のテレビジヨンカメラ付き自走式トロリに
あつては、走行装置（台車）に、それの駆動機
構、テレビジヨンカメラ、テレビジヨンカメラを
撮影方向に回転させるカメラ回転台、走行装置お
よびテレビジヨンカメラ（カメラ回転台を含む）
に対する遠隔制御信号を授受する制御装置、遠隔
操作信号を導体を介して受信して制御装置に伝え
る伝送装置、伝送装置と導体との間の集電器など
を、単一の自走式トロリに一体的に組み付けて構
成してあつた。

このため、 (a) 自走式トロリが非常に大型であるとともに、
重量も非常に重いため、軌道であるガイドレー
ル体（例えば、トロリダクトなど）に掛かる集
中荷重は著しく大きく、ガイドレール体を十分
な強度のあるものに構成する必要があつた、 (b) 自走式トロリが非常に大型であるため、ガイ
ドレール体から側方に大きくはみ出した構造と
なり、その移動軌跡のために必要なスペースが
著しく大きくなる、 (c) 自走式トロリの高さも相当に高く、天井など
に設けたガイドレール体からテレビジヨンカメ
ラがかなり低い位置にくることになり、使用上
の不便がある。これを解消するには、ガイドレ
ール体を高い位置に設けなければならず、設備
費が高くつく、 (d) テレビジヨンカメラを高い位置に装着すれ
ば、テレビジヨンカメラの視野が他の部分、部
品などに遮られ、十分な監視ができない、 (e) 駆動用の電源ラインと、制御、映像信号の伝
送ラインとが、１つの自走式トロリ内で密集し
ており、強電、弱電が近接するため、信号にノ
イズが生じ、誤動作の原因となつている という問題があつた。

〔考案の目的〕

この考案の目的は、ガイドレール体に対する自
走式トロリの集中荷重が軽減され、幅および高さ
においてコンパクトであるとともに、信号トラブ
ルがなく、しかもテレビジヨンカメラの視野が十
分に広いテレビジヨンカメラ付き自走式トロリを
提供することである。

〔考案の開示〕

この考案のテレビジヨンカメラ付き自走式トロ
リは、ガイドレール体に懸架して走行する走行装
置と、この走行装置に付設したテレビジヨンカメ
ラと、前記走行装置およびテレビジヨンカメラに
対する制御信号を入出力するもので前記走行装置
の進行方向後方において前記ガイドレール体に懸
架し前記走行装置に連結されて追従走行する制御
装置とを備えたものである。

この考案の構成によればつぎの作用がある。す
なわち、テレビジヨンカメラ付き自走式トロリの
全体を、テレビジヨンカメラ付き走行装置と、制
御装置とに分離してあるため、テレビジヨンカメ
ラ付き走行装置がガイドレール体に掛ける荷重
も、制御装置がガイドレール体に掛ける荷重も、
ともに従来例のテレビジヨンカメラ付き自走式ト
ロリ全体が単一体であつたものに比べて、かなり
小さなものとなる。したがつて、ガイドレール体
に対する集中荷重が大幅に軽減される。

また、駆動などのための電源ラインと、制御信
号などのための伝送ラインとが密集せず、強電、
弱電の近接状態が解消されているので、信号トラ
ブルが生じず、安全に運転できる。

さらに、テレビジヨンカメラを走行装置に対し
てその下方に位置させることが容易に行えるた
め、テレビジヨンカメラの視野を十分に広いもの
とすることができる。また、テレビジヨンカメラ
付き自走式トロリ全体の幅や高さが低くなり、そ
の使用、取り扱いが便利である。特に、高さの減
少により、ガイドレール体をことさら低くしなく
ても、テレビジヨンカメラが相対的に高い位置に
くるため、広い範囲を監視することができる。

実施例 この考案の一実施例を第１図および第２図に基
づいて説明する。第１図は側面図、第２図は正面
図である。

図において、Ａは自走式トロリ、Ｂは考案の構
成にいう「ガイドレール体」の一例としてのトロ
リダクト、Ｃはセンタコントロールパネルであ
る。

自走式トロリＡは、テレビジヨンカメラ１、カ
メラ回転台２、走行装置３およびこれらの制御装
置４を主要素としている。

走行装置３は、トロリダクトB₁に懸架されて
走行するもので、この走行装置３にはカメラ回転
台２を介してテレビジヨンカメラ１が取付けられ
ている。

一方、制御装置４は、前記のテレビジヨンカメ
ラ１・カメラ回転台２・走行装置３の単位体から
分離され、それ自体が同じトロリダクトB₁に懸
架されて走行する単位体に構成されている。

制御装置４は、走行装置３の進行方向Ｆに対す
る後方に位置し、走行装置３の駆動走行に追従し
て走行するものである。

走行装置３は、トロリダクトB₁を転動する駆
動輪体２４，２４と、この駆動輪体２４，２４に
動力を与えるモータ２２とを備えている。

Laは動作表示ランプ、２０は走行装置３のカ
バー、２１は制御装置４のカバーである。

制御装置４は、それ専用のトロリ２６を有し、
このトロリ２６は、トロリダクトB₁内に付設の
導体D₁に摺動する集電器E₁を有している。２３
は自走式トロリＡの走行装置３と制御装置４とを
接続する電線管である。

以上のことから、この実施例によれば、先に述
べた考案の構成による作用効果が得られることは
明らかである。

なお、制御の形態の一例を第３図に基づいて説
明する。トロリダクトB₁，B₂の仕様が第１図、
第２図とは少し異なつているのは、そのような別
仕様もあることを表すためである。第３図は概略
的なブロツク図である。

制御装置４には、カメラ電源５、モータリレー
ボツクス６、カメラリレーボツクス７およびイン
ピーダンスマツチング器８ならびに端末側多重伝
送装置Ｘなどが内蔵されている。

カメラ電源５は、カメラ回転台２のモータ９、
テレビジヨンカメラ１、カメラリレーボツクス
７、モータリレーボツクス６、マツチング器８お
よび端末側多重伝送装置Ｘに給電する。モータリ
レーボックス６はモータ９に給電する。カメラリ
レーボックス７は、テレビジョンカメラ１のフオ
ーカス、絞り、ズーム、レンズ切換え用のモータ
に給電する。

端末側多重伝送装置Ｘは、上記テレビジョンカ
メラ１のフオーカス、絞り、ズーム、レンズ切換
えのための制御信号と、走行装置３の移動、停止
のための制御信号とを多重化して入出力するもの
である。

トロリダクトＢは、自走式トロリＡを吊下げる
第１のトロリダクトB₁とその横に並行に架設さ
れた第２のトロリダクトB₂とからなる。

第１のトロリダクトB₁は、その内部に一対の
電力用の導体D₁を敷設している。

第２のトロリダクトB₂には、多重伝送用トロ
リ１０が吊下げられているとともに、複数の導体
Ｄ…が敷設されている。D₂はテレビジヨンカメ
ラ１の制御用の導体とモータリレーボックス６の
制御用の導体とを兼ねる共通導体、D₃は映像信
号伝送用の導体である。テレビジヨンカメラ１お
よびモータリレーボツクス６の制御用の導体D₂
はハーネスケーブルd₇を介して端末側多重伝送装
置Ｘに接続されている。

各導体D₁，D₃に対して、自走トロリＡ、多重
伝送用トロリ１０に設けられた集電器（トロリシ
ュー）E₁，E₃が摺動するように構成されている。
これにより、自走トロリＡの自走用モータ９、制
御装置４およびテレビジヨンカメラ１への電力、
制御信号の授受と、テレビジヨンカメラ１からの
映像信号の授受が行われる。

センタコントロールパネルＣは、メインコント
ローラ１１とモニタテレビジヨン受像機１２とか
らなる。

メインコントローラ１１は、主操作盤１３、カ
メラ・モータ操作部１４、操作側多重伝送装置
Ｙ、インピーダンスマツチング器１５および電源
ボツクス１６からなる。

電源ボツクス１６は、AC100（Ｖ）電源１７に
接続されているとともに、導体D₁に接続されて
いる。カメラ・モータ操作部１４は操作側多重伝
送装置Ｙに接続され、操作側多重伝送装置Ｙは導
体D₂に接続されている。マツチング器１５は、
導体D₃に接続されているとともに、モニタテレ
ビジョン受像機１２に接続されている。d₁〜d₃
は、その接続のための同軸ケーブルである。

第１のトロリダクトB₁と第２のトロリダクト
B₂とは同一平面内において並行なエンドレス走
行経路を構成している。

マツチング器８およびマツチング器１５は、映
像画質を良くするために、導体D₃と同軸ケーブ
ルd₄，d₃との接続点に介挿したものである。

リモートコントロールにより、自走式トロリＡ
を第１のトロリダクトB₁の任意の位置に移動し
停止させること、および移動中および停止中にお
いて、テレビジョンカメラ１の回転台２を回転し
たり、フオーカス、絞りなどを調整することによ
り、広範囲な領域にわたつての監視が極めて容易
に行える。

また、自走式トロリＡの第１のトロリダクト
B₁内に、自走式トロリＡに設けた集電器E₁が摺
動する導体D₁を敷設するとともに、第２のトロ
リダクトB₂内に多重伝送用トロリ１０に設けた
集電器E₂，E₃が摺動する導体D₂，D₃を敷設して
あるため、スツキリした格好において、電力、制
御信号、映像信号の伝送ラインの敷設が行える。

なお、トロリダクトＢとして、単一のトロリダ
クトを架設し、これに電力、制御信号、映像信号
の授受のための導体D₁〜D₃を敷設してもよい。

しかし、映像画質の点およびシステムの信頼性
の点からは、上記実施例のように分離したトロリ
ダクトB₁，B₂とするのが望ましい。

〔考案の効果〕

この考案によれば、つぎの効果がある。

すなわち、テレビジョンカメラ付き自走式トロ
リの全体を、テレビジョンカメラ付き走行装置
と、制御装置とに分離してあるため、テレビジョ
ンカメラ付き走行装置がガイドレール体に掛ける
荷重も、制御装置がガイドレール体に掛ける荷重
も、ともに従来例のテレビジョンカメラ付き自走
式トロリ全体が単一体であつたものに比べて、か
なり小さなものとなる。したがつて、ガイドレー
ル体に対する集中荷重を大幅に軽減できる。

また、駆動などのための電源ラインと、制御信
号などのための伝送ラインとが密集せず、強電、
弱電の近接状態が解消されているので、信号トラ
ブルが生じず、安全に運転できる。

さらに、テレビジョンカメラを走行装置に対し
てその下方に位置させることが容易に行えるた
め、テレビジョンカメラの視野を十分に広いもの
とすることができる。また、テレビジョンカメラ
付き自走式トロリ全体の幅や高さが低くなり、そ
の使用、取り扱いが便利になる。特に、高さの減
少により、ガイドレール体をことさら低くしなく
ても、テレビジョンカメラが相対的に高い位置に
くるため、広い範囲を監視することができるとい
う顕著な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の側面図、第２図
はその正面図、第３図は概略的なブロツク図であ
る。 Ａ……自走式トロリ、B₁……トロリダクト
（ガイドレール体）、１……テレビジョンカメラ、
３……走行装置、４……制御装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガイドレール体に懸架して走行する走行装置
   と、この走行装置に付設したテレビジヨンカメラ
   と、前記走行装置およびテレビジヨンカメラに対
   する制御信号を入出力するもので前記走行装置の
   進行方向後方において前記ガイドレール体に懸架
   し前記走行装置に連結されて追従走行する制御装
   置とを備えたテレビジヨンカメラ付き自走式トロ
   リ。