JPH0461564B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本発明は、電力線、電話線等のケーブルを地下
に敷設する工法に関する。

ｂ 従来の技術 従来より、電力線、電話線等のケーブルの配線
にはキヤブボツクスが用いられており、該キヤブ
ボツクスを地下に埋設することによつてケーブル
が敷設されている。

このキヤブボツクスによる方法は、例ば平坦な
底部からなるＵ状溝をそのまま地下に連設し、そ
の上部を蓋で覆つたあと、ケーブルを一端開口部
から引込むようにしている。

ｃ 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上述の如き従来の方法にあつて
は、敷設された筒状のキヤブボツクス内に一端開
口部からケーブルを引込むので、作業が煩雑で能
率が悪いばかりでなく、ケーブルを引きずるため
損傷させ易いという欠点がある。また従来のキヤ
ブボツクスは、複数個のボツクスカルバートを単
に連続して配置し、かつ蓋をコンクリート製Ｕ状
溝の上部に載置しただけの構造が多いので、長手
方向の各部材間の連結および上下の連結固定が不
完全である。このため、キヤブボツクス全体の強
度が弱くなり、上部の道路面が交通状況などによ
つて変形するおそれがあつた。また、止水が不完
全であるとともにキヤブボツクスの底部が平坦で
あることから、水が溜るという欠点もあつた。

それに加えて、従来の方法ではケーブルの敷設
経路に電柱などの障害物がある場合、電柱の他の
場所に転移させて仮設したのでなければ、ケーブ
ルを敷設することができない。このため、現場作
業が多くなるばかりか、作業の段取りに手間が掛
かり、施工期間が長くなるという問題があつた。

本発明はそのような実情に鑑みてなされたもの
であつて、その目的は、上述の如き問題点を解消
し、作業能率を向上せしめて施工期間の短縮を図
り得るケーブルの地下敷設工法を提供することに
ある。

ｄ 問題点を解決するための手段 上記従来技術の有する問題点を解決するため
に、本発明においては、キヤブボツクスを用いて
障害物を有する経路の地下にケーブルを敷設する
場合において、前記キヤブボツクスを構成する上
下に分割可能なボツクスカルバートを複数個設
け、まず、該ボツクスカルバートの下半部を前記
障害物のある箇所を除き所定距離にわたつて連設
するとともに、これらをPC鋼棒によつて締結し
てＵ状溝を形成し、次いでこのＵ状溝にケーブル
を所定距離にわたつて落し込んで敷設する一方、
前記障害物を撤去し、さらに障害物のあつた箇所
のケーブルを吊上げて保持し、この状態で少なく
とも側壁の一方が開放された構築物の底部を前記
ケーブルの下方に配置して前記既設のボツクスカ
ルバートの間に挿入するとともに、前記構築物の
開放部に他の構築物を一体的に取付けて前記ボツ
クスカルバートの下半部とほぼ同様の形状とな
し、これら構築物をPC鋼棒によつて隣接のボツ
クスカルバートの下半部に締結し、次いで、前記
吊上げたケーブルを前記構築物内に降ろす一方、
前記ボツクスカルバートの下半部および構築物に
それぞれ前記ボツクスカルバートの上半部を載置
して両者間を連結具で締結し、そののちこれらボ
ツクスカルバートの上半部相互間をPC鋼棒によ
つて敷設方向に締結している。

以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細に
説明する。

第１図〜第１０図は本発明の一実施例を示すも
ので、図において１は組付けられたボツクスカル
バートであり、複数個のボツクスカルバート１を
互いに連結することによつて後述のケーブルを収
納するキヤブボツクスが構成される。ボツクスカ
ルバート１は、第１図および第２図に示すように
ボツクス本体２と、該本体２の上部に配置される
頂版部３とからなつている。

上記ボツクス本体２は断面ほほＵ字状に形成さ
れ、底部４と該底部４の両側に設けられた側壁
５，６とを備えており、底部４には勾配を有する
底版面７、その片側に長手方向に沿つて形成した
溝８および該溝８から外側へ連通する水抜き孔９
が配設され、これによつてボツクス本体２内に侵
入した水やごみ等を排除するようにしている。な
お、水抜き孔９は必要に応じて設けられている。

そして上記ボツクス本体２の両側壁５，６に
は、これを隣接するボツクス本体に連結させるた
めの連結金具１０が配設されており、施工時にお
いて第３図に示す如きボツクス１１の内部に、側
壁を長手方向に貫通するPC鋼棒１２の端部を導
き、これをアンカプレート１３を介してナツト１
４で締付けるようになつている。また両側壁５，
６の上端には、頂版部３を係止するための締付金
具１５が長手方向へ適当な間隔を置いて複数個配
置されている。締付金具１５は、第４図に示すよ
うに側壁５，６の凹部１６内に長手方向と直交さ
せて植設され、高張力ボルト１７およびナツト１
８によつて後述の頂版部３の締付金具と締結する
ようになつている。

一方、上記頂版部３は頂部１９と該頂部１９の
両側から下方へ延設された側壁２０，２１とを備
えており、頂部１９にはボツクス本体２に設けた
連結金具１０と同様の連結金具２２が頂部１９の
両端部寄りに設けられている。また両側壁２０，
２１の下側には、ボツクス本体２に設けた締付金
具１５と同様の締付金具２３が凹部２４内に植設
され、ボツクス本体２の締付金具１５にそれぞれ
対応して複数個配設されている。なお、第１図に
おいて２５，２６はシール材貼付用の溝、２７，
２８，２９は目地用の溝であり、溝２５，２６に
はシール材が貼付され、溝２７，２８，２９には
目地材が充填される。これらシール材使用および
PC鋼棒等による連結方法によつて完全な止水構
造を得るようにしている。

第５図および第６図はキヤブボツクス内外に後
述のケーブルを分岐誘導する際に用いられる他の
ボツクスカルバート３０を示すもので、このボツ
クスカルバート３０はボツクス本体３１と、該本
体３１の上部に載置され一方の端面寄りに長方形
の開口部３２を残して組付けられる頂版部３３と
からなつている。

上記ボツクス本体３１は、底部３４と該底部３
４の両側に設けられた側壁３５，３６とを備えて
おり、両側壁３５，３６の開口部３２側の端面に
は締付金具３７，３８が上下に植設されている。
また、両側壁３５，３６には必要に応じて開口し
得るように壁厚より薄肉に形成した複数個ノツク
アウト３９，４０，４１が配設されており、分岐
時にこれらノツクアウトを開口させて電力線、電
話線等のケーブルをキヤブボツクス外に誘導する
ようにしている。そして頂版部３３に相対するボ
ツクス本体３１の開口部分の側壁上端には、第１
図および第２図に示したボツクス本体２と同様に
締付金具４２が適当な間隔を置いて複数個配設さ
れている。

上記ボツクス本体３１のその他の構成および頂
版部３３の構成は前記ボツクス本体２および頂版
部３と同様である。なお、第５図および第６図に
おいて４３，４４は前記ボツクス本体２および頂
版部３に設けたと同様の連結金具、４５は頂版部
３３に植設され締付金具であり、締付金具４５は
ボツクス本体３１の締付金具４２に対応して配設
されている。

第７図および第８図は電柱Ａなどの障害物が撤
去された箇所に割込施工する一対の構築物４６，
４７を示すもので、構築物４６と４７は断面ほぼ
Ｌ字状の同一形状に形成されている。すなわち構
築物４６，４７は、ケーブル４８が既にボツクス
本体２，３１内に敷設されていても、ケーブル４
８をＨ鋼等により吊上げ状態に保持すれば既設の
ボツクス本体２間に挿入配置することができるよ
うになつている。しかして、構築物４６，４７は
底部４９，５０を互いに突き合わせ側壁５１，５
２を対峙させるとともに、巾方向に配装した横締
め用のPC鋼棒５３で両者を緊張して一体化する
ことにより、ボツクス本体１と同様の形状に構成
している。一体化した構築物４６，４７の底部４
９，５０の継目にはウレタン目地５４が充填され
ている。なお、構築物４６，４７を一体化する手
段としてPC鋼棒５３以外に高張力ボルト、接着
剤等を使用してもよい。

また上記一体化された構築物４６，４７の上部
には、前記ボツクス本体１の上部に組付けられる
頂版部３と同様の頂版部５５が載置され、締結さ
れるようになつている。上記一体化された構築物
４６，４７および頂版部５５のその他の構成は前
記ボツクス本体２および頂版部３と同様である。
なお、上記構築物４６，４７にはボツクス本体２
と同様の連結金具５６および締付金具５７がそれ
ぞれ配設され、また頂版部５５には頂版部３と同
様の連結金具５８および締付金具５９がそれぞれ
配設されている。

次に施工要領について説明する。第９図に示す
ように、キヤブボツクスを敷設する基礎部分Ｍを
設定したあと、この基礎部分Ｍの上に電柱Ａの設
置箇所を除き多数のボツクス本体２を水平に連設
するとともに、ケーブル４８をキヤブボツクス内
外に分岐誘導する場所に、ノツクアウトを備えた
一対のボツクス本体３１を設置する。この際、こ
のボツクス本体３１は開口部３２側の端面を互い
に突き合せて設ける。

次いで、各ボツクス本体にそれぞれPC鋼棒１
２を貫通せしめ、このPC鋼棒１２を各ボツクス
本体に設けた連結金具１０，４３によつて締付
け、各ボツクス本体を強固に連結する。なお、ノ
ツクアウトのあるボツクス本体３１を突き合せた
部分では、相対する側壁端面に設けた締付金具３
７，３８によつて、高張力ボルトおよびナツトを
介して両ボツクス本体３１を強固に固定する。ま
たノツクアウトは必要な箇所だけ開口しておく。

このようにして所定区間にわたつて多数のボツ
クス本体を敷設し、各ボツクス本体を強固に連結
してなる上方が開放された一体構造のＵ状溝を形
成する。

次いで、所定のケーブル４８を上方からこのＵ
状溝の全長にわたつて落し込んでいく。

所定の長さにわたつてケーブル４８を敷設した
あと、電柱Ａを撤去する。そして、、電柱Ａを撤
去された箇所に構築物４６，４７を第７図に示す
ように割込施工すべく、該箇所のケーブル４８を
適宜手段により吊上げ保持する。この状態で、構
築物４６の底部４９をケーブル４８の下方に配置
し、第１０図に示す如く既設のボツクス本体２間
に横方向から挿入する。また構築物４７の底部５
０を同様にケーブル４８の下方に配置して既設の
ボツクス本体２間に挿入し、底部５０を構築物４
６の底部４９に突き合せて設ける。

続いて、構築物４６，４７の底部４９，５０に
PC鋼棒５３を貫通させ、これら構築物４６，４
７を互いにPC鋼棒５３により緊張せしめて一体
化し、さらに両底部４９，５０の継目にウレタン
目地５４を充填する。そして、構築物４６，４７
と隣接するボツクス本体２のそれぞれにPC鋼棒
１２を貫通せしめ、前記方法と同様、このPC鋼
棒１２を連結金具１０，５６によつて締付け、両
者を強固に連結する。そののち、吊上げたケーブ
ル４８を構築物４６，４７内に降ろす。

次に最端部にあるボツクス本体２上に頂版部３
を載置し、それぞれ対応する締付金具１５と２３
とを高張力ボルト１７およびナツト１８によつて
締付固定する（第２図参照）。次に隣接するボツ
クス本体２上に他の頂版部３を載置し、締付金具
１５と２３によつて締付固定し、同じ要領で頂版
部３を設定していく。そして、ノツクアウトを設
けたボツクス本体３１部分には頂版部３３を載置
し、締付金具４２と４５によつて同じ要領で締付
固定する（第６図参照）。また、構築物４６，４
７部分には頂版部５５を載置し、締付金具５７，
５９によつて同じ要領で締付固定する（第８図参
照）。

このようにして、各ボツクス本体２，３１およ
び構築物４６，４７上に連設された各頂版部３，
３３，５５は、これら頂版部を貫通するPC鋼棒
１２によつてそれぞれの連結金具２２，４４，５
８の部分において締付固定する。なお、各ボツク
ス本体および構築物と各頂版部との接続に先立つ
て溝２５，２６にはシール材を介設しておく。

そして、前記締付が完了したあと、各ボツクス
本体、構築物および各頂版部間にある溝２７，２
８，２９などの各目地には目地材を充填塗布す
る。なお、上部が開口するボツクス本体３１の開
口部３２には、図示を省略したが現場打にて適当
な枠を周設し、この上に蓋を施すようにして、こ
こから作業員が出入できるように構成する。

このようにしてボツクス本体３１の開口したノ
ツクアウトよりギヤブボツクスの外部にケーブル
４８を取出し、接続先に誘導すればよい。

以上、本発明の実施例につき述べたが、本発明
は既述の実施例に限定されるものではなく、本発
明の技術的思想に基づいて各種の変形および変更
が可能である。

例えば、既述の実施例における構築物４６，４
７は底部４９，５０の突出長さが短い断面ほぼＬ
字状に形成したが、第１１図に示す如く一方の構
築物６０を片側の側壁５又は６のないボツクス本
体２とほぼ同様の形状に形成し、他方の構築物６
１をボツクス本体２の側壁５又は６とほぼ同様の
形状に形成してもよい。また、ボツクス本体２の
底部４のみの構築物をまず電柱Ａを撤去した箇所
に設置し、次いで両側壁５，６をなす構築物を底
部４に連結してもよい。要は、構築物の形状が敷
設されたケーブル４８を吊上げた状態で、電柱Ａ
を撤去した箇所に割込施工できるように形成され
ていればよい。

ｅ 発明の効果 上述の如く、本発明に係るケーブルの地下敷設
工法は、ケーブルをボツクスカルバートのＵ状溝
に敷設したあとで障害物を撤去し、該障害物のあ
つた箇所に特殊形状の構築物を割込施工してなる
キヤブボツクスを用いて行なうので、従来の方法
のように敷設経路にある電柱などを仮設転移する
必要がなく、障害物のある場所でも簡単にケーブ
ルを敷設することができる。したがつて、従来の
方法に比較して作業性に優れ、現場作業が少なく
なるから、施工期間を短縮することができ、経済
的に極めて有利である。

また、各ボツクス本体、構築物、各頂版部の上
下および敷設方向の連結をボルトやPC鋼棒等を
用いて強固な連結構造とすることにより、ケーブ
ルを収納するキヤブボツクスを一体化したので、
高強度な製品が得られるとともに、上下および敷
設方向へのズレが防止できる耐震構造のキヤブボ
ツクスが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第１０図は本発明に係るケーブルの地
下敷設工法の一実施例を示すもので、第１図は本
発明の工法に用いられるキヤブボツクスを構成す
るボツクスカルバートの正面図、第２図は同側面
図、第３図は連結金具の拡大説明図、第４図は締
付金具の拡大説明図、第５図はケーブルの分岐点
に用いるボツクスカルバートの開口部側の正面
図、第６図は同側面図、第７図は電柱の撤去箇所
に割込施工する構築物の説明図、第８図は同構築
物の組付状態を示す正面図、第９図および第１０
図は施工要領の説明図、第１１図は上記実施例に
おける構築物の変形例を示す正面図である。 １，３０……ボツクスカルバート、２，３１…
…ボツクス本体、３，３３，５４……頂版部、１
０，４３，５６……連結金具、１２……PC鋼棒、
１５，４２，５７……締付金具、２２，４４，５
８……連結金具、２３，４５，５９……締付金
具、３７，３８……締付金具、４６，４７，６
０，６１……構築物、４８……ケーブル、５３…
…PC鋼棒。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ キヤブボツクスを用いて障害物を有する経路
   の地下にケーブルを敷設する場合において、前記
   キヤブボツクスを構成する上下に分割可能なボツ
   クスカルバートを複数個設け、まず、該ボツクス
   カルバートの下半部を前記障害物のある箇所を除
   き所定距離にわたつて連設するとともに、これら
   をPC鋼棒によつて締結してＵ状溝を形成し、次
   いでこのＵ状溝にケーブルを所定距離にわたつて
   落し込んで敷設する一方、前記障害物を撤去し、
   さらに障害物のあつた箇所のケーブルを吊上げて
   保持し、この状態で少なくとも側壁の一方が開放
   された構築物の底部を前記ケーブルの下方に配置
   して前記既設のボツクスカルバートの間に挿入す
   るとともに、前記構築物の開放部に他の構築物を
   一体的に取付けて前記ボツクスカルバートの下半
   部とほぼ同様の形状となし、これら構築物をPC
   鋼棒によつて隣接のボツクスカルバートの下半部
   に締結し、次いで、前記吊上げたケーブルを前記
   構築物内に降ろす一方、前記ボツクスカルバート
   の下半部および構築物にそれぞれ前記ボツクスカ
   ルバートの上半部を載置して両者間を連結具で締
   結し、そののちこれらボツクスカルバートの上半
   部相互間をPC鋼棒によつて敷設方向に締結する
   ことを特徴とするキヤブボツクスを用いたケーブ
   ルの地下敷設工法。