JPH0459677B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、警戒区域における火災の発生を検出
するために用いられる火災センサの感度設定方式
に関する。

（従来技術） 従来、屋内競技場や展示会場等の大空間構造物
に設けられる火災監視システムにあつては、火災
発生時の炎から出る熱線や煙を検知する検出素子
を備えた火災センサを配置し、警戒区域における
火災発生を早期に検出して警報したり放水銃等の
消化設備を作動させたりするようにしている。

ところで、このような火災センサが配置される
競技場等では、警戒監視区域内で使用される場内
照明、或は催事用の投光器や発煙等により非火災
報すなわち誤報を生ずるおそれがある。また、観
客のライターや車のヘツドライト等、至近距離で
の非火災報発生の原因となるものについても、対
策が必要である。そこで、これらの非火災報発生
の可能性のある構造物では、使用状況に応じた火
災判断レベルの設定ができるように感度をいくつ
かの段階に設定可能な多感度センサが用いられ、
非火災報発生の可能性が大きい場合は感度を低く
設定することにより、非火災報の発生を抑制する
ようにしている。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、このような多感度センサを使用
した場合には、各種催事等により警戒区域が非火
災報を生じ易い状況のときに火災検出レベルを低
感度に設定すると、その後非火災報発生の可能性
が少なくなつても、操作員の不注意や不在等で低
感度のまま維持されることがあり、この状態で火
災が発生した場合には検出が遅れて大事に至る恐
れがあるという問題点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、上記の問題点を解決するため、複数
の感度設定が可能なセンサを使用した場合、高感
度以外の感度設定は一時的なものとすることによ
り、火災検出感度を一旦低感度に設定しても、所
定時間経過後は必ず高感度状態に復帰するように
したものである。

すなわち、本発明は、警戒区域での火災発生を
検知する火災センサの感度設定方式として、火源
から発生する放射光等の火災情報を検出する検出
手段と、火災判断レベルを決定する複数の感度設
定が可能な感度設定手段と、前記検出手段からの
検出信号を前記感度設定手段で設定された感度に
対応する火災判断レベルと比較して該検出信号が
該火災判断レベルを越えている時に火災検出信号
を出力する比較手段と、前記感度設定手段の感度
を切り換えるための感度切換手段と、前記感度設
定手段の感度を高感度からそれ以外の感度に切り
換える該感度切換手段からの切換信号によつて始
動し、所定時間経過した後に前記感度設定手段の
感度を高感度に切り換える信号を出力するタイマ
ー手段とを備え、更に該タイマー手段は所定時間
経過直前に予備警報を出力する手段を備えたこと
を特徴とする。

（実施例） 第１図は、本発明による火災センサの感度設定
方式の構成を示す図である。この火災センサ１０
は、火源から発生する火災情報を検出する検出手
段として、熱線や煙等を感知する検出素子１１
と、その出力信号を増幅する増幅器１２とを有す
る一方、火災判断レベルを決定する複数の感度設
定が可能な感度設定回路１３を備えている。この
感度設定回路１３は、例えば高感度、中感度及び
低感度の３段階に設定できるように構成される。

火災センサ１０は、更に、上記検出手段からの
検出信号を感度設定回路１３で設定された感度に
対応する火災判断レベルと比較し、前者が後者を
越えた時に火災検出信号を出力する比較器１４
と、この比較器１４の出力側に接続された出力回
路１５とを有し、出力回路１５は火災報の種類に
応じて、例えば火災警報装置を作動させる警報信
号、或は放水銃等の消化設備を作動させるための
火源位置を示す信号等を生成する。

一方、感度設定回路１３の入力側には感度切換
スイツチ１６が接続される。この感度切換スイツ
チ１６は、火災センサの検出素子設置箇所とは別
の場所にある操作部に設けられ、手動操作により
感度を切り換える切換信号を出力する。また、感
度切換スイツチ１６が、感度設定回路１３の感度
を高感度からそれ以外の感度（例えば上記の３感
度の場合、中感度又は低感度）に切り換える信号
を出力した時、その切換信号によつて始動するタ
イマー１７が設けられている。このタイマー１７
は、始動後所定時間（例えば４時間）経過すると
感度設定回路１３の感度を高感度に切り換える信
号を出力するものであり、図示のように独立の計
時手段として構成するだけでなく、感度設定回路
１３内に組み込んでもよい。

次に、第２図は、感度設定回路１３で設定可能
な感度を上記３つの感度レベルとした場合の感度
設定処理を示すフローチヤートである。その手順
は、始めに高感度に設定し、この状態で感度切換
スイツチ１６の操作により、高感度を中感度又は
低感度に切り換える信号が入力されると、感度設
定回路１３は指定された感度に設定される一方、
同じ切換信号によりタイマー１７が始動する。そ
して、所定時間が経過するまで感度切換信号が入
力されない場合には、タイマー１７からの切換信
号により高感度の自動復帰する。もしも所定時間
経過前に高感度に切り換える入力があれば、高感
度に復帰するのは勿論である。これに対し、高感
度以外の切換入力、すなわち中感度を低感度に或
は低感度を中感度に切り換える信号が入力された
場合には、それぞれの感度に切り換えるが、タイ
マー１７はリセツトされず、初めの高感度状態を
それ以外の感度に切り換えた時点からの計時を続
ける。これは、高感度以外の感度設定を上記の所
定時間以内に制限するためである。

尚、第１図のタイマー１７に所定時間経過直
前、例えば５分間に予備警報を出力させる手段を
設け、所定時間経過直前で出される予備警報に基
づいて手動で高感度に戻したり、更には再度所定
時間にわたつて低感度に保つ時間延長操作を行な
うようにしてもよい。

以上、図示の実施例について説明したが、本発
明で用いられる火災センサとしては、熱放射式走
査型火災検出器のほか、熱感知器、煙感知器その
他のセンサで、複数の感度設定が可能なものを使
用することができる。

（発明の効果） 以上のように、本発明は、火災センサの感度設
定方式として、火源から発生する放射光等の火災
情報を検出する検出手段と、火災判断レベルを決
定する複数の感度設定が可能な感度設定手段と、
前記検出手段からの検出信号を前記感度設定手段
で設定された感度に対応する火災判断レベルと比
較して該検出信号が該火災判断レベルを越えてい
る時に火災検出信号を出力する比較手段と、前記
感度設定手段の感度を切り換えるための感度切換
手段と、前記感度設定手段の感度を高感度からそ
れ以外の感度に切り換える該感度切換手段からの
切換信号によつて始動し、所定時間経過した時に
前記感度設定手段の感度を高感度に切り換える信
号を出力するタイマー手段とを備え、更に該タイ
マー手段は所定時間経過直前に予備警報を出力す
る手段を備えたものであるから、火災検出感度を
一旦低感度に設定しても、所定時間経過後は必ず
高感度状態に復帰することとなり、操作員が高感
度に切り換えなくても、火災の発生を高感度で早
期に検出できるという効果を奏する。

更に、タイマーに所定時間経過直前に予備警報
を出力する手段を設けたことから、操作員は予備
警報に基づき再度所定時間にわたつて低感度に保
時間延長操作を行うことも可能であり、操作性の
向上も図れるという効果も奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示すブロツク図、第
２図は本発明による感度設定処理を示すフローチ
ヤートである。 １０……火災センサ、１１……検出素子、１２
……増幅器、１３……感度設定回路、１４……比
較器、１５……出力回路、１６……感度切換スイ
ツチ、１７……タイマー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 警戒区域での火災発生を検知する火災センサ
   において、火源から発生する放射光等の火災情報
   を検出する検出手段と、火災判断レベルを決定す
   る複数の感度設定が可能な感度設定手段と、前記
   検出手段からの検出信号を前記感度設定手段で設
   定された感度に対応する火災判断レベルと比較し
   て該検出信号が該火災判断レベルを越えている時
   に火災検出信号を出力する比較手段と、前記感度
   設定手段の感度を切り換えるための感度切換手段
   と、前記感度設定手段の感度を高感度からそれ以
   外の感度に切り換える該感度切換手段からの切換
   信号によつて始動し、所定時間経過した時に前記
   感度設定手段の感度を高感度に切り換える信号を
   出力するタイマー手段とを備え、更に該タイマー
   手段は所定時間経過直前に予備警報を出力する手
   段を備えたことを特徴とする火災センサの感度設
   定方式。