JPH0458956B2 - - Google Patents

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JPH0458956B2
JPH0458956B2 JP29712987A JP29712987A JPH0458956B2 JP H0458956 B2 JPH0458956 B2 JP H0458956B2 JP 29712987 A JP29712987 A JP 29712987A JP 29712987 A JP29712987 A JP 29712987A JP H0458956 B2 JPH0458956 B2 JP H0458956B2
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dna
plasmid
coli
tryptophan synthase
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Yoshinori Koyama
Kensuke Furukawa
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/88Lyases (4.)

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は耐熱性トリプトフアン合成酵素遺伝子
及び該遺伝子を導入した新規な組換え微生物に関
するものである。
トリプトフアン合成酵素はインドールとセリン
より必須アミノ酸であるトリプトフアンを合成す
る酵素である。トリプトフアンは医薬品や健康食
品のほか飼料添加物としても使われているが、工
業的に安価な製造法はまだ開発されていない。ト
リプトフアンの製造法はいくつかあるが、その中
でもトリプトフアン合成酵素を利用する酵素法が
コスト的に有利と考えられている。
(ロ) 従来の技術 酵素法によるトリプトフアンの製造は大腸菌の
菌体あるいは遺伝子操作によりトリプトフアン合
成酵素活性が増強された大腸菌の菌体が酵素源と
して使われている。
酵素法によるトリプトフアンの生産では、用い
る酵素の安定性が製造コストに大きく影響してく
るが、大腸菌本来のトリプトフアン合成酵素は安
定性があまり高くない。大腸菌のものよりも安定
性の高い他の微生物等の酵素の遺伝子が分離され
ればDNA組換えで活性を増強した菌体を用いる
ことにより製造コストを下げることができる。安
定性の高い酵素としては高度好熱菌由来の耐熱性
酵素が考えられるが、これまでその酵素蛋白も遺
伝子も単離されていなかつた。
(ハ) 発明が解決しようとする問題点 そこで、本発明者らは耐熱性酵素を産生する高
度好熱菌サーマス属細菌について研究を行つた結
果、サーマス・サーモフイラスHB27株よりその
耐熱性トリプトフアン合成酵素の遺伝情報を担う
DNA断片を取り出すことに初めて成功し、また
このDNA断片を組み込んだ組換えベクターを導
入させた新規な大腸菌を創成するに至つたもので
ある。
すなわち、本発明は高度好熱菌サーマス・サー
モフイラスHB27株の耐熱性トリプトフアン合成
酵素の遺伝情報を有し、図1に示されるような制
限酵素切断地図により特徴付けられる3.1Kbの長
さのDAN断片及びそれを組み込んだベクターが
導入された新規な大腸菌に関するものである。
(ニ) 問題点を解決するための手段 トリプトフアン合成酵素遺伝子は大腸菌では
trpA,Bの2つの遺伝子よりなり長さが約2Kb
で染色体上で並んで存在していることがわかつて
おり、その編成のされかたはすべての原核生物に
おいて共通であると考えられている。
サーマス属細菌のトリプトフアン合成酵素遺伝
子をクローニングするには、大腸菌のトリプトフ
アン合成酵素遺伝子変異株を利用する方法が考え
られるが、サーマス属細菌の遺伝子はSD配列、
プロモーターの構造の違いや高いGC含量のため
に一般に大腸菌中での発現が抑えられるという傾
向があり、クローンが分離できない可能性があ
る。
そこで先ず大腸菌においてGene Libraryを作
成し、サーマス属細菌が通常の培養状態のままで
寒天培地上においてもDNAを取り込み形質転換
できるという性質を利用して、サーマス属細菌の
トリプトフアン合成酵素遺伝子変異株を相補でき
るかを指標にしてクローンを選択する系を用い
る。
サーマス・サーモフイラス(Thermus
thermophilus)HB27株(FERM P−7502)よ
り染色体DNAはフエノール法などの常法により
分離精製することができる。
HB27株を培養集菌後、リゾチーム溶液を加え
一定時間保温する。SDS溶液を加え溶菌させた
後、フエノールを加えDNAを抽出する。DNAを
エタノール沈殿により回収した後、RNaseで処
理し、染色体DNAを得る。
染色体DNAは制限酵素MboIで部分消化した
後、その4〜10KbのDNA断片を泳動溶出により
分離する。これを制限酵素BamHIで消化したベ
クタープラスミドDNAにT4リガーゼを用いて連
結する。
上記の方法で得られた組換えDNAを用いて大
腸菌MC1009株を0℃で塩化カルシウム処理する
ことにより形質転換する。アンピリシンを含む寒
天栄養培地に塗布し形質転換体のコロニーをつく
らせる。
次にこれとは別にサーマス・サーモフイラス
HB27株をNTG処理することにより得られたト
リプトフアン合成酵素遺伝子変異株サーマス・サ
ーモフイラスHB27Trp-(FERM P−7507)の
培養液をサーマス属細菌のトリプトフアンを含ま
ない最小寒天培地のプレートに塗布しておく。そ
してこのプレートに上記の大腸菌のコロニーをビ
ロード布を用いてレプリカし70℃で培養する。レ
プリカされた大腸菌は70℃では死滅するが、この
際にHB27株の染色体DNAがランダムにクロー
ニングされているプラスミドが溶出する。プラス
ミドにトリプトフアン合成酵素遺伝子がクローニ
ングされていれば、あらかじめ塗布してあつたサ
ーマスの変異株はプラスミドDNAを取り込み、
染色体DNA上の変異部位と組換えを起こして形
質転換し、コロニー類似のフオーカスをつくる。
そのフオーカスに対応するマスタープレート上の
大腸菌のコロニーが目的のHB27株のトリプトフ
アン合成酵素遺伝子を含むDNA断片が挿入され
たプラスミドを保持している。
上記のようにして得られたエシエリシア・コリ
MC1009(pKA2)株を微生物工業技術研究所に寄
託した(受託番号 FERM P−9686)。この株
より常法によりプラスミドDNAを調製して解析
すると、第2図の制限酵素地図により表わされる
5.5Kbの挿入DNAを持つプラスミドpKA2を保持
していた。pKA2プラスミド上にトリプトフアン
合成酵素遺伝子が存在していることは、前記のト
リプトフアン合成酵素遺伝と変異株サーマス・サ
ーモフイラスHB27Trp-株を塗布したサーマスの
最小寒天培地のプレートに、pKA2プラスミド
DNA溶液をスポツトして70℃で培養するとスポ
ツトした場所にトリプトフアンを要求しなくなつ
た形質転換体が現われることにより確認された。
前述したようにトリプトフアン合成酵素遺伝子
本体は約2Kb程度の大きさと考えられるので、
pKA2より余分なDNAを取り除くためにサブク
ローニングを行つた。pKA2の挿入DNAのBgl
サイトより左の3.1Kbの長さのDNA断片を制限
酵素で切り出し、pUC18プラスミドにT4DNAリ
ガーゼ連結後、大腸菌JM83株を形質転換した。
上記のようにして得られたエシエリア・コリ
JM83(pKA21)株を微生物工業技術研究所に寄
託した(受託番号 FERM P−9685)。この株
よりpKA21プラスミドDNAを常法により調製し
た。
pKA21のプラスミドはpUC18ベクターに対す
る挿入DNAの向きがpKA2とは逆になつている。
pKA21の挿入DNAについて、さらに詳しい制
限酵素解析の結果、第1図の制限酵素地図によつ
て示され、EcoRI,XbaI,PstI,Hind,
KpnI,ClaI,HpaI,MluI,NcoI,PvuI,ScaI,
SalIの制限酵素で切断されない3.1Kbの長さの
DNA断片であることが明らかになつた。
pKA21はpKA2と同様にHB27Trp-株をトリプ
トフアン非要求性に形質転換し、遺伝子の存在が
確認された。
pKA21プラスミドを保持する大腸菌JM83
(pKA21)株を培養集菌後緩衝液に懸濁し、超音
波処理により菌を破壊した。遠心分離後の上清を
さらに80℃で熱処理して大腸菌由来の酵素を失活
させ、その遠心分離上清を分取した。この上清を
粗酵素液としてYanofskyらの方法(Methods in
Enzymology,Vol5,P794(1962)に記載されて
いる)により70℃という高い温度でのトリプトフ
アン合成酵素活性を測定した。その結果、高い温
度での活性が検出され、pKA21プラスミドの挿
入DNA上にトリプトフアン合成酵素遺伝子がの
つており、かつ大腸菌において耐熱性のサーマス
のトリプトフアン合成酵素が産生されていること
が確認された。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
実施例 (1) サーマス・サーモフイラスHB27株の染色体
DNAの調製と制限酵素による切断 サーマス・サーモフイラス(Thermus
thermophilus)HB27株(微生物工業技術研究所
寄託菌株 FERM P−7502)を2のサーマス
培地(デイフコ・イーストエキストラクト2g、
ポリペプトン(大五栄養)4g、NaCI1gを純水
1に含み、PHを7.5に調整したもの)に接種し、
対数増殖期の終わり近くで集菌し、約6gK温菌
体を得る。これをリゾチーム12mgを溶かした6ml
の0.15MNaC1−0.1M EDTA(PH8)に懸濁し、
37℃で20分間保温後、エタノール・ドライアイス
の冷媒中に入れてすみやかに凍らせる。50mlの
0.1Mトリス塩酸緩衝液(PH9)−1%SDS−
0.1MNaClを加え、攪拌後、上記緩衝液で飽和さ
せたフエノールを56ml加え、4℃で振盪後、遠心
し、上層を分取する。これに2容の冷エタノール
を加えて核酸画分を糸状沈殿として回収し、20ml
の0.1×SSC(0.15M NaCl−0.015Mクエン酸ナト
リウム)に溶かしたあと2mlの10×SSCを加え、
粗DNA溶液を得る。次にRNase A(シグマ社
製),RNase T1(シグマ社製)をそれぞれ50μ
g/ml,30μg/mlになるように加え、37℃で30
分間保温し、RNAを分解した後、上記フエノー
ル処理を繰り返し、染色体DNA溶液を得る。
次にこの染色体DNA100μgに対し、10unitの
MboI制限酵素を加え、10mM Tris−Cl(PH7.4)
−50mM NaCl−10mM MgCl2の反応液0.5ml中
で、24℃にて1時間反応を行わせ部分消化した
後、フエノール処理、エーテル抽出により制限酵
素を失活させる。次いでこれを0.7%アガロース
−100mM Tris−ほう酸−2mM EDTA(PH8.3)
中で電気泳動を行い、その約4〜10Kbpの大きさ
のDNA画分を泳動溶出により取得し、フエノー
ル処理、クロロホルム抽出、エタノール沈殿を行
つた後、0.1mlのTE緩衝液(10mM Tris−Cl,
1mM EDTA,PH7.5)に溶解させる。
(2) ベクターDNAへの染色体DNA断片の挿入 大腸菌ベクタープラスミドpUC13を制限酵素
BamHlで消化後フオスフアターゼ処理したDNA
(フアルマシア社より購入、Gene,Vol 33,
P103(1985)に記載されている)0.1μgと(1)で得
られた染色体DNA断片1μgを混合し、50mM
Tris−Cl(PH7.5)−5mM MgCl2−10mM DTT−
0.4mM ATPの反応液30μ中で、1unitの
T4DNAリガーゼにより16℃で12時間反応させ、
ベクターと染色体DNA断片を連結させた。
(3) 組換えプラスミドの大腸菌への導入(形質転
換) エシエリシア・コリMC1009株(フアルマシア
社販売株、スウエーデン生化学関連試薬販売会
社)を10mlの2TY培地(トリプトン1.6%、酵母
エキス1%,NaCl 0.5%,PH7)に接種し37℃
で培養し、培養液の660nmの吸光度が0.3になつ
たら集菌する。5mlの50mM CaCl2に懸濁し、0
℃で1時間放置後、遠心集菌し、1mlの50mM
CaCl2に再び懸濁する。この液0.2mlに(2)で得た
DNA溶液30μを加え、0℃で1時間放置後、
5mlの2TY培地を加え、37℃で1時間培養する。
これをアンピシリン(50μg/ml)とXgal(50μ
g/ml)を含むH寒天培地(トリプトン1%,
NaCl 0.8%,PH7,寒天1.5%)塗布し、37℃で
15時間培養し、アンピシリン耐性の大腸菌形質転
換体を得る。
(4) トリプトフアン合成酵素遺伝子をクローニン
グした組換え体大腸菌の選択 サーマス・サーモフイラス(Thermus
thermophilus)HB27Trp-株(微生物工業技術
研究所寄託菌株 FERM P−7507)はサーマ
ス・サーモフイラスHB27株をNTG処理するこ
とにより得られたトリプトフアン要求株の中か
ら、インドールをトリプトフアンの代わりに利用
できないという形質を示す株を選択することによ
り分離されたトリプトフアン合成酵素遺伝子変異
株である。この株をサーマス培地に接種し70℃で
培養後遠心集菌し生理食塩水(0.9%NaCl)に懸
濁した。この懸濁液0.1mlをサーマス属細菌の最
小合成寒天培地(蔗糖5g,K2HPO4 0.5g,
KH2PO4 0.25g,NaCl 2g,(NH42SO4
2.5g,ビオチン 100μg,塩酸チアミン 1mg,
MgCl2・6H2O 0.125g,CaCl2・2H2O 25
mg,FeSO4・7H2O 6mg,CcCl2・6H2O 0.8
mg,NiCl2・6H2O 20μg,NaMoO2・H2
1.2mg,VOSO4・3H2O 0.1mg,MnCl2・4H2
0.5mg,ZnSO4・7H2O 60μg,CuSO4・5H2
O 15μgおよび寒天(半井化学)15gを純水1
に含みPH7.2に調整したもの)に塗布した。
このプレートに(1)で得られたアンピシリン耐性
の大腸菌のコロニーをビロード布でレプリカし70
℃で2日間培養した。大腸菌よりもれ出てきたプ
ラスミドにより形質転換し、トリプトフアンを要
求しなくなつたサーマス菌のフオーカスが1つ現
われた。このフオーカスに対するマスタープレー
ト上の大腸菌のコロニーを純化し、得られた株を
エシエリシア・コリMC1009(pKA2)株として微
生物工業技術研究所に寄託した(受託番号
FERM P−9686)。
(5) 組換えプラスミドの分離と解析 (4)で得られたエシエリシア・コリMC1009
(pKA2)株をアンピシリン(100μg/ml)を含
む2TY培地200ml中で37℃で培養後集菌し、
25mM Tris−Cl(PH8)−10mM EDTA−50mM
グルコース−0.5%リゾチームの溶液を4mlに懸
濁し、37℃で5分間放置した。これに10mlの
0.2N NaOH−1%SDSを加え、0℃で10分間放
置した後、7.5mlの5M酢酸ナトリウム(PH4.8)
を加え、0℃で10分間放置後、遠心分離し、上清
を得た。上清にPEG6000を終濃度10%になるよ
うに加え、0℃で2時間放置後、遠心してDNA
を沈殿させた。これを5mlのTE緩衝液に溶かし
た後、エチジウムブロマイド−塩化セシウム平衡
密度勾配遠心にかけプラスミドDNAを得た。
得られたpKA2プラスミドを種々の制限酵素で
切断し、制限酵素切断地図を作成した。その結果
を第2図に示す。挿入DNAの長さは5.5Kbであ
り、EcoRI,XbaI,PstI,Hind,KpnI,
ClaI,HpaI,MluI,PvuI,ScaI,SalIの制限酵
素で切断されない。この挿入DNA断片は本発明
者らによつて初めて分離されたDNA断片である。
また(4)と同様にサーマス・サーモフイラス
HB27Trp-株を塗布したサーマスの最小寒天培地
のプレートにpKA2プラスミド溶液を10μスポ
ツトして70℃で培養すると、スポツトした場所に
トリプトフアンを要求しなくなつた形質転換体が
生育してきた。
上記のことよりpKA2プラスミド上にサーマ
ス・サーモフイラスHB27株のトリプトフアン合
成酵素遺伝子がクローニングされていることが確
認された。
(6) pKA2プラスミドよりサブクローンプラスミ
ドの作成 pKA2プラスミドDNA1μgに制限酵素SalIお
よびBglをそれぞれ10unitづつ加え50mM Tris
−Cl(PH7.5)−100mM NaCl−10mM MgCl2の反
応液50μ中で37℃1時間反応させた。これを
89mM Tris−89mMほう酸−2.5mM Na2EDTA
(PH8.3)−0.7%アガロース中で電気泳動し、
pKA2プラスミドの挿入DNAのSalI−Bgl断片
のみを泳動溶出により取得し、フエノール抽出、
クロロホルム抽出の後、エタノール沈殿して5μ
の水に溶かした。これと制限酵素SalIと
BamHIで同様に切断したpUC18プラスミドDNA
(宝酒造製)50ngとを混合し、50mM Tris−Cl
(PH7.5)−5mM MgCl2−10mM DTT−0.4mM
ATPの反応液30μ中で、1unitのT4DNAリガー
ゼにより16℃で12時間反応させ、ベクターと
DNA断片を連結させた。これを用いて(3)と同様
の方法で大腸菌JM83株(BRL社販売株,米国生
化学関連試薬販売会社)を形質転換した。
上記のようにして得られた株をエシエリシア・
コリJM83(pKA21)株と名付け、微生物工業技
術研究所に寄託した(受託番号 FERM P−
9685)。
pKA21はpKA2の挿入DNAのうちBglより左
側の部分3.1KbのDNAを挿入DNAとして持つ
が、ベクターに対する挿入DNAの向きがpKA2
とは逆になつている。(第2図)。
pKA21プラスミドDNAを(5)と同様の方法で取
得し、その挿入DNAのさらに詳細な制限酵素地
図を作成した。その結果を第1図に示す。なお挿
入DNAは3.1Kbの長さであり、EcoRI,XbaI,
PstI,Hind,KpnI,ClaI,HpaI,MluI,
NcoI,PvuI,ScaI,SalIの制限酵素で切断され
ない。
pKA21もpKA2と同様にサーマス・サーモフイ
ラスHB27Trp-株を塗布したサーマスの最小寒天
培地のプレートにプラスミドDNA溶液を10μ
スポツトして70℃で培養すると、スポツトした場
所にトリプトフアンを要求しなくなつた形質転換
体が現われ、トリプトフアン合成酵素遺伝子がク
ローニングされていることが確認された。
(7) pKA21プラスミドを保持する大腸菌の耐熱
性トリプトフアン合成酵素活性 pKA21プラスミドを保持する大腸菌JM83
(pKA21)株を2TY培地に接種し定常期まで37℃
で培養し、集菌後、100mM Tris−Cl(PH7.8)緩
衝液に懸濁し、超音波処理により菌を破壊した。
遠心分離後の上清をさらに80℃で熱処理して大腸
菌由来の酵素を失活させ、その遠心分離上清を分
取し、これを酵素液とした。
酵素液10μに1mlの反応液(100mM Tris−
Cl(PH7.8)−0.4mMインドール−80mM DLセリ
ン−180mM NaCI−0.03mMピリドキサルリン
酸)を加え70℃で20分間反応させた後、0.1mlの
0.1N NaOHを加え反応を停止させる。次にトル
エン4mlを加え、インドールを抽出した後、その
1mlに2mlの呈色液(9gのp−ジメチルベンズ
アルデヒドを200mlのエタノールに溶かした後、
45mlの濃塩酸を加え、さらにエタノールで250ml
にフイルアツプしたもの)と4mlの95%エタノー
ルを加え20分間放置後、540nmの吸光度を比色定
量した。この方法により反応後のインドールの残
量を求め、トリプトフアン合成酵素活性を調べ
た。
その結果、コントロールであるpUC18ベクタ
ーのみを保持する大腸菌の酵素数と比べpKA21
を保持する大腸菌の酵素液は顕著な耐熱性トリプ
トフアン合成酵素活性を示した。
このことよりpKA21プラスミドの挿入DNA上
にトリプトフアン合成酵素遺伝子がのつており、
かつpKA21を保持する大腸菌において耐熱性の
サーマスのトリプトフアン合成酵素が産生されて
いることが確認された。
(ホ) 発明の効果 分離された耐熱性トリプトフアン合成酵素遺伝
子を今後強力なプロモータと連結するなどの
DNA組換え操作により耐熱性トリプトフアン合
成酵素を多量に大腸菌より取得することが可能に
なると考えられる。
【図面の簡単な説明】
図1はpKA21プラスミドにクローニングされ
ている挿入DNA(3.1Kb)の制限酵素地図。図2
はpKA2プラスミドの制限酵素地図とpKA21プラ
スミドにサプクローニングされたDNAの関係。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 高度好熱菌サーマス・サーモフイラスHB27
    株由来の耐熱性トリプトフアン合成酵素の遺伝情
    報を担い、第1図の制限酵素地図によつて特徴付
    けられ、EcoRI,XbaI,PstI,Hind,KpnI,
    CIaI,HpaI,MIuI,NcoI,PvuI,ScaI,SalI
    の制限酵素で切断されない3.1Kbの長さを有する
    DNA断片 2 高度好熱菌サーマス・サーモフイラスHB27
    株由来の耐熱性トリプトフアン合成酵素の遺伝情
    報を担い、第1図の制限酵素地図によつて特徴付
    けられ、EcoRI,XbaI,PstI,Hind,KpnI,
    CIaI,HpaI,MIuI,NcoI,PvuI,ScaI,SalI
    の制限酵素で切断されない3.1Kbの長さを有する
    DNA断片を導入した新規なエシエリシア・コリ
    JM83(pKA21)株。
JP29712987A 1987-11-25 1987-11-25 耐熱性トリプトファン合成酵素遺伝子及び該遺伝子を導入した新規な組換え微生物 Granted JPH01137980A (ja)

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