JPH0455743B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、走行中に自動車のヘツドランプを洗
浄するための洗浄水を噴出する自動車用ヘツドラ
ンプクリーナの洗浄技術に係る、ヘツドランプク
リーナ用超広角ノズルに関するものである。

〔従来の技術〕

従来より、自動車のヘツドランプの前面に付着
する泥や昆虫等を走行中に洗浄し、ヘツドランプ
の投光性能の回復を図るヘツドランプクリーナと
して、ノズルから高圧洗浄水をヘツドランプ面に
向かつて噴出する構造のものが使用されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

然るに近年、ヘツドランプが車のデザインの一
部として取り込まれ、車毎にレンズ形状の異なる
所謂プロパー型ヘツドランプが主流と成つてお
り、而も車のデザイン面及び空気抵抗を考慮する
にあたり、一般に薄型広幅のヘツドランプが多く
なつている。このため、ヘツドランプクリーナか
ら拡散噴出する洗浄水がヘツドランプ面全体に届
かず、洗い残しが生じるようになつているが、こ
れを全体が洗い流せるようにすると、ヘツドラン
プに当突することなく周囲に飛散する洗浄水が生
じて洗浄水の使用量が増大し、洗浄効率が低下す
ると共に、中心部と外周部で洗浄差が生じる問題
を有していた。

本発明は、上記の問題に鑑みて創案されたもの
で、洗浄水を超広角ヘツドランプの面形状に拡散
噴射するように噴射形状及び噴射密度を制御する
と共に、殊に隅部の洗い残しを生ずることがな
く、且つ水量の限定された洗浄水を有効に利用し
てヘツドランプ全面を均一に洗浄するヘツドラン
プクリーナ用超広角ノズルを提供することを目目
的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

即ち、本発明に係るヘツドランプクリーナ用超
広角ノズルは、筒状部の端部に開口する噴射口の
平面形状を特殊形状の構造に構成し、該噴射口か
ら噴出する液滴下した高圧洗浄水を所定形状に制
御拡散するもので、高圧洗浄水を自動車のヘツド
ランプに噴射洗浄して投光率の回復を図るヘツド
ランプクリーナにおいて、洗浄水供給部と連通す
る短筒部の筒壁と、該短筒部の端部に構成した頂
部壁の端壁面とから成る渦流形成腔部に対して、
上記頂部壁の前端に形成した水切縁と、該水切縁
に対応して上記短筒部の前半部上端に構成した彎
曲縁と、該彎曲縁と水切縁を両端部においてそれ
ぞれ連結した側縁とにより正面形状が略矩形に成
る洗浄水噴射口を開口すると共に、上記水切縁が
彎曲縁の内径と略同径の曲率の頂部壁先端部によ
つて形成され、該水切縁先端部が彎曲縁内径位置
を始点とし、且つその稜線を彎曲縁の外径位置に
集結する平面形状に構成し、上記洗浄水噴射口の
開口肩部に、平面相対位置により上記水切縁の両
端が彎曲縁の端部に被る規制壁を形成したことを
要旨とするものである。

〔作用〕

上記ヘツドランプクリーナ用超広角ノズルは、
渦流形成腔部に適宜圧力の高圧洗浄水を供給する
ことにより、渦流形成腔部に供給された洗浄水が
洗浄水噴射口から流出する水流によつて該水切縁
で分流した上記洗浄水に、該洗浄水噴射口近傍で
高速の渦流を形成する。この渦流のため、上記洗
浄水噴射口から噴出する洗浄水は、洗浄水噴射口
から放出され急速に減圧されると、水滴状化する
と共に、円弧状の水切縁と彎曲縁及び側縁で規制
された噴射方向に噴出し、ヘツドランプの前面に
高速度で当突する。このとき水切縁が彎曲縁内径
位置を始点とし、且つその稜線を彎曲縁の外径位
置に終結する洗浄水噴射口の平面形状を構成し、
該洗浄水噴射口の開口肩部に規制壁を形成してい
るため、該規制壁が洗浄水噴射口の隅部から噴出
する隅部上向きの洗浄水の飛散を抑制し、噴射パ
ターンの両側部を引き下げ、薄型幅広の超広角ヘ
ツドランプ面形状に噴射制御すると同時に、液滴
の噴射密度を制御して均一洗浄ができる。

〔実施例〕

以下、本発明に係るヘツドランプクリーナ用超
広角ノズルの一実施例を第１図乃至第５図に従つ
て説明する。

図面において、１は、球形外周から成る球形基
部２の軸芯Ｏに連続して突設した短筒部であり、
該球形基部２はノズルケース５１の端部に構成し
た球形凹部５２と固定角度調整可能に嵌着して成
り、自動車のバンパーａ等に該洗浄水噴射ノズル
を固定するヘツドランプクリーナ５０を構成して
成る。上記短筒部１には球形基部２端から軸芯Ｏ
に穿設した筒壁３と、短筒部１の端部に構成した
頂部壁４の端壁面５により、短筒部１の端部一側
に洗浄水噴射口６を開口した渦流形成腔部７を構
成する。上記頂部壁４の前端は、筒壁３の内径と
同曲率の先端部始点４ａを構成し、該始点４ａを
筒壁３の内径位置（矢印Ａ）と接して成り、該前
端から有角度αで延びる側縁４ｂ，４ｂが、短筒
部１の外径と略180度位置で交差するような平面
形状を構成すると共に、該頂部壁４の前端によつ
て水切縁８を構成し、洗浄水噴射口６の上縁部を
形成している。また、９は、上記水切縁８に対応
して、短筒部１の前半部上端に形成した彎曲縁で
あり、該彎曲縁９と上記水切縁８を両端部におい
て、それぞれ側縁１０を介して連結し、正面形状
が略偏平の矩形になる洗浄水噴射口６を構成して
成るもので、上記側縁１０は短筒部１の内径から
外形に亘つて傾斜切断した案内壁１２によつて構
成され、洗浄水噴射口６の両肩部に、平面相対位
置により上記水切縁８の両端が彎曲縁９の端部に
被る規制壁１１を構成する。

上記構成のヘツドランプクリーナ用超広角ノズ
ルは、ヘツドランプ５１を介して渦流形成腔部７
に適宜圧力の高圧洗浄水を供給することにより、
洗浄水噴射口６から水滴状になつた洗浄水が噴出
し、左右拡散角度βが140度、上下拡散角度γが
21度の超広角度を達成することができる。即ち、
渦流形成腔部７に供給された洗浄水は、洗浄水噴
射口６から流出する水流と水切縁８で分流し、該
洗浄水噴射口８近傍で形成される高速の渦流によ
り上記洗浄水噴射口６から噴出する洗浄水が水滴
状化する。このとき洗浄水噴射口６の水切縁８が
上記彎曲縁９の内径と略同径の曲率の頂部壁４先
端部４ａによつて形成し、該水切縁８先端部が彎
曲縁９内径位置Ａを始点とし、且つその稜線４ｂ
を彎曲縁９の外径位置に終結する洗浄水噴射口６
の平面形状を構成し、該洗浄水噴射口６の開口肩
部に規制壁１１を形成しているため、該規制壁１
１が洗浄水噴射口６から噴出する隅部上向きの洗
浄水の飛散を抑制し、洗浄水の噴射方向を薄型幅
広の超広角ヘツドランプ面形状に形状規制すると
同時に、液滴の噴射密度を制御して均一噴射し、
洗浄効率の上昇を図るものである。

次に、第６図及び第７図は、本発明の他の実施
例を示すものであり、両側部の洗浄パターンを引
き下げるために、規制側１１の面を更に拡げたも
のである。

即ち、本実施例では洗浄水噴射口６の側縁１０
を構成する案内壁１２を、筒壁３の内径から延び
る接線によつて連続的に構成したものであり、該
案内壁１２の接線構造によつて彎曲縁９に被る水
切縁８の規制壁１１部分の面積が増大し、該規制
壁１１による洗浄水噴射口６から噴出する隅部上
向きの洗浄水の飛散抑制力を増大し、洗浄水の噴
射方向を薄型幅広に形状規制する作用に優れるも
のである。

〔発明の効果〕 本発明に係るヘツドランプクリーナ用超広角ノ
ズルは、以上のように構成したから、水滴化した
洗浄水が幅方向に大きく拡散され、而も均一に噴
射されるため、薄型広幅のヘツドランプに対して
洗い残しが生ずることがなく、洗浄効率を改善す
ることができる等の優れた特徴を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る洗浄水噴射ノズルを用い
て構成したヘツドランプクリーナの縦断面図、第
２図は本発明に係るヘツドランプクリーナ用超広
角ノズルの第一の実施例を示す洗浄噴射ノズルの
正面図、第３図は同平面図、第４図は第２図にお
ける−線断面図、第５図は第２図における
−線断面図、第６図は他の実施例を示す要部縦
断面図、第７図は第６図における−線断面図
である。 １…短筒部、２…球形基部、３…筒壁、４…頂
部壁、４ａ…始点、４ｂ…側縁、５…端壁面、６
…洗浄水噴射口、７…渦流形成腔部、８…水切
縁、９…彎曲縁、１０…側縁、１１…規制壁、１
２…案内壁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 高圧洗浄水を自動車のヘツドランプに噴射洗
   浄して投光率の回復を図るヘツドランプクリーナ
   において、 洗浄水供給部と連通する短筒部の筒壁と、該短
   筒部の端部に構成した頂部壁の端壁面とから成る
   渦流形成腔部に対して、上記頂部壁の前端に形成
   した水切縁と、該水切縁に対応して上記短筒部の
   前半部上端に構成した彎曲縁と、該彎曲縁と水切
   縁を両端部においてそれぞれ連結した側縁とによ
   り正面形状が略矩形になる洗浄水噴射口を開口し
   て成ると共に、 上記水切縁が彎曲縁の内径と略同径の曲率の頂
   部壁先端部に依つて形成され、該水切縁先端部が
   彎曲縁内径位置を始点とし、且つその稜線を彎曲
   縁の外径位置に集結する平面形状に構成し、上記
   洗浄水噴射口の開口肩部に、平面相対位置により
   上記水切縁の両端が彎曲縁の端部に被る規制壁を
   形成したことを特徴とする。 ヘツドランプクリーナ用超広角ノズル。