JPH0543867Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、走行中に自動車のヘツドランプを洗
浄するための洗浄水を噴出する自動車用ヘツドラ
ンプクリーナの洗浄技術に係る、ヘツドランプク
リーナ用広角ノズルに関するものである。

〔従来の技術〕

従来より、自動車のヘツドランプの前面に付着
する泥や昆虫等を走行中に洗浄し、ヘツドランプ
を投光性能の回復を図るヘツドランプクリーナと
して、ノズルから高圧洗浄水をヘツドランプ面に
向かつて噴出する構造のものが使用されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

然るに近年、ヘツドランプが車のデザインの一
部として取り込まれ、所謂プロパー型ヘツドラン
プが主流と成つており、而も車のデザイン面及び
空気抵抗を考慮するにあたり、一般に薄型広幅の
ヘツドランプが多くなつている。このため、ヘツ
ドランプクリーナから拡散噴出する洗浄水がヘツ
ドランプ面全体に届かず、洗い残しが生じるよう
になつているが、これを全体が洗い流せるように
すると、ヘツドランプに当突することなく周囲に
飛散する洗浄水が生じて洗浄水の使用量が増大
し、洗浄効率が低下すると共に、中心部と外周部
で洗浄差が生じるという問題を有していた。

本考案は、上記問題に鑑みて創案されたもの
で、洗浄水を広角ヘツドランプの面形状に拡散噴
射するように噴射形状及び噴射密度を制御すると
共に、洗い残しを生ずることがなくヘツドランプ
全面を均一に洗浄するヘツドランプクリーナ用広
角ノズルを提案することを目的をするものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕 上記目的を達成するために、本考案に係るヘツ
ドランプクリーナ用広角ノズルは、高圧洗浄水を
自動車のヘツドランプに噴射洗浄して投光率の回
復を図るヘツドランプクリーナにおいて、洗浄水
供給部と連通する短筒状のノズル部材の筒壁と、
該ノズル部材の端部に構成した頂部壁の内面によ
り頂部に渦流形成腔部を構成すると共に、該渦流
形成腔部の一側に、上記ノズル部材の前半部に形
成された水切縁と、該水切縁に対応し前縁が該水
切縁の外径面より嘴状に突出した噴水方向規制縁
を両端部において連結した洗浄水噴射口を開口
し、該開口方向が上記ノズル部材の軸芯と鋭角的
に傾斜するように構成し、供給した洗浄水の急角
度変更によつて前記渦流形成腔部に渦流を発生せ
しめることを要旨とするものである。

〔作用〕

上記ヘツドランプクリーナ用広角ノズルは渦流
形成腔部に適宜圧力の高圧洗浄水を供給すること
により、渦流形成腔部に供給された洗浄水がノズ
ル部材の軸芯に対して鋭角方向に開口した洗浄水
噴射口の方向に渦流形成腔部において急変向せし
められるため、該洗浄水噴射口の内端分流した上
部洗浄水に高速の渦流を形成するようになる。こ
の渦流のため、上記洗浄水噴射口から噴出する洗
浄水は、洗浄水噴射口から放出され急速に減圧さ
れると、水滴状化すると共に、円弧状の水切縁と
彎曲縁及び側縁で規制された噴射方向に噴出し、
ヘツドランプの前面に高速度で当突する。このと
き洗浄水噴射口を構成する嘴状の噴水方向規制壁
が洗浄水の噴射方向に伸びており、水切縁と所定
の開口角度をもつて構成されているため、上方斜
向に噴出する洗浄水が該洗浄水噴射口と対向した
薄型幅広の超広角ヘツドランプ面形状に噴射制御
されると同時に、液滴の噴射密度を制御して均一
洗浄ができる。

〔実施例〕

以下、本考案に係るヘツドランプクリーナ用広
角ノズルの実施例を図面に従つて説明する。

第１図乃至第４図は、第一の実施例を示すもの
であり、１は、球形外周から成る球形基部材２の
傾斜した軸孔３に対して軸芯Ｏを連続するように
突設固着したノズル部材であり、該球形基部材２
はノズルケース１２に固設した導水筒１３の端部
に形成して成る球形凹部１４と固定角度調整可能
に嵌着して成り、自動車のバンパーａ等にノズル
ケース１２を固着してヘツドランプクリーナを構
成して成る。上記ノズル部材１には球形基部材２
の軸孔３と連続した軸芯Ｏと同芯の筒壁４を穿設
すると共に、該ノズル部材１の端部に構成した頂
部壁５の内壁面により、渦流形成腔部８を構成し
て成るもので、該部ノズル部材１の端部一側に軸
芯Ｏに対して鋭角γ的に傾斜した洗浄水噴射口７
を開口して成る。上記頂部壁５の前端はノズル部
材１の外径面より突出ｄした嘴状突起５ａを構成
し、渦流形成腔部８に連続する軸芯Ｏと斜向した
噴水方向規制縁９を構成する。

また１０は、上記噴水方向規制縁９に対向して
ノズル部材１の前半部に形成した水切縁であり、
上記噴水方向規制縁９との開口角度αをもつて切
り込まれており、該水切縁１０と上記噴水方向規
制縁９を両端部においてそれぞれ連結して洗浄水
噴射口７の正面形状を構成している。

上記構成のヘツドランプクリーナ用広角ノズル
は、導水筒１３を介して渦流形成腔部８に適宜圧
力の高圧洗浄水を供給することにより、洗浄水噴
射口７から水滴状になつた洗浄水が噴出し、上下
拡散角度がα、左右拡散角度がβの超広角度を達
成することができる。

即ち、渦流形成腔部８に洗浄水を供給すると洗
浄水噴射口７から流出する水流によつて噴水方向
規制縁９の内縁で分流した上部洗浄水は、該洗浄
水噴射口７の内端で急角度に変向されるため高速
の渦流を形成するようになると共に、該噴水方向
規制縁９で分流した渦流は、頂部壁５の内壁面に
衝突して強制的に向きを変えられるようになり、
渦中心が絶えず振動する乱流になる。該乱流のた
め洗浄水噴射口７近傍の水圧が脈動するようにな
り、該洗浄水噴射口７から噴出する洗浄水は、洗
浄水噴射口７から放出され急速に減圧されて水滴
状化すると共に、噴水方向規制縁９と水切縁１０
で規制された噴射方向に噴出し、セツドランプの
前面に高速度で当突する。この水滴状化した洗浄
水は、セツドランプ面に吹き付けられると、被洗
浄面に付着した汚れを強制剥離すると同時にこれ
を吹き飛ばして除去する優れた作用を発揮する。

即ち、本考案に係るヘツドランプクリーナ用広
角ノズルは、洗浄水噴射口７の内端面で流水方向
を鋭角に屈曲したことにより渦流と適度な乱流に
よつて好ましい洗浄水の噴出を得ることができた
もので、該基本的構成を変えることなく側面形状
を次に示す第５図のように設定変更することがで
きる。該第５図のヘツドランプクリーナ用広角ノ
ズルは、頂部壁５の内面に球状内壁面６を構成す
ると共に、これを臨む水切縁１０の内縁に内方に
突出したビード突起１１を形成した渦流形成腔部
８を構成したものである。

上記構成では渦流形成腔部８に通水された洗浄
水はビード突起１１によつて強制的に渦流を形成
するようになると共に、球状内壁面６に当突した
洗浄水は該球状内壁面６の曲率によつて違つた渦
が変向される。この渦流の形成によつて渦中心が
渦流形成腔部８内で絶えず振動するようになり、
洗浄水噴出口７から噴出する洗浄水が水滴化する
ようになる。

〔考案の効果〕

本考案に係るヘツドランプクリーナ用広角ノズ
ルは、以上のように構成したから、対向したヘツ
ドランプの洗浄面に対して水滴化した洗浄水が正
確に拡散され、而も均一に噴射されるため、薄型
広幅のヘツドランプ外に飛散する洗浄水を抑制す
ると同時に洗い残しが生ずることがなく、洗浄効
率を改善することができるものであり、本考案実
施後の実用的効果は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るヘツドランプクリーナ用
広角ノズルの第一の実施例を示す洗浄水噴射ノズ
ルの側断面図、第２図は同正面図、第３図は同平
面図、第４図はヘツドランプクリーナ用広角ノズ
ルの取付状態を示す一部切欠した側断面図、第５
図は本考案の他の実施例を示す側断面図である。 １……ノズル部材、２……球形基部材、５……
頂部壁、６……球状内壁面、７……洗浄水噴射
口、８……渦流形成腔部、９……噴水方向規制
縁、１０……水切縁、１１……ビード突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 高圧洗浄水を自動車のヘツドランプに噴射洗浄
   して投光率の回復を図るヘツドランプクリーナに
   おいて、 洗浄水供給部と連通する短筒状のノズル部材の
   筒壁と、該ノズル部材の端部に構成した頂部壁の
   内面により頂部に渦流形成腔部を構成すると共
   に、 該渦流形成腔部の一側に、上記ノズル部材の前
   半部に形成された水切縁と、該水切縁に対応し前
   縁が該水切縁の外径面より嘴状に突出した噴水方
   向規制縁を両端部において連結した洗浄水噴射口
   を開口し、該開口方向が上記ノズル部材の軸芯と
   鋭角的に傾斜するように構成し、 供給した洗浄水の急角度変向によつて前記渦流
   形成腔部に渦流を発生せしめることを特徴とする ヘツドランプクリーナ用広角ノズル。