JPH0452338B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、発泡シートなどの弾性シートを下
敷シートとして使用する場合におけるカーペツト
の敷設方法に関する。

〔従来の技術〕

カーペツトの敷設方法として、床にクツシヨン
性のある下敷シートを敷き、その上にカーペツト
を敷いて、その周縁端部をエツジの針に引つ掛け
て固定する、クリツパー法や、カーペツトと下敷
シートとを予め積層し、これを床面に接着剤で貼
着する、ピールアツプ法等が知られている。

〔発明が解決しようとする課題〕

前記方法において、前者はカーペツトの敷設の
際に施工が煩雑であり、固定用ピンが表に出る危
険性がある。

また、後者方法では、施工は比較的簡単である
が、カーペツトと下敷シートとを予め積層するた
め、積層の加工賃、下敷シートを積層現場へ運ぶ
ための運賃が高くつくという難点があり、張り替
えの際、下敷シートが床面に接着されているの
で、下敷シートが接着部と固定して床面に残つて
しまうという欠点があつた。

そこで、発明者等は、伸び収縮の小さい下敷シ
ートを接着することなく床面に置敷きし、その上
にカーペツトを接着することによつて、容易に且
つ安価に施工できる方法を発明した。（特開昭59
−194709号公報） この方法は、施工性がよく、優れた方法である
が、下敷シートを床面に接着しないため、壁など
と〓間を生じないように、収縮性が著しく小さい
下敷シートを製造或いは選択しなくてはならな
い。しかしながら、発泡シートに加えて紙質のシ
ートを積層することが多いが、接着剤により下敷
シートとカーペツトを接着するものであるので、
接着剤の溶剤の乾燥の際に、下敷シートを構成す
る紙質のシートが収縮することが避けられない。
従つて、下敷シート端部と壁面との間に空〓が生
じる傾向がある。

そこで、下敷シートを分割してユニツト型にす
ると、それぞれの下敷シートユニツトの収縮が、
他のユニツトに余り影響を与えないメリツトがあ
る。しかし、下敷シートをユニツト型に加工する
工程が増えて煩雑になつていた。又、ユニツト型
下敷シートが移動したり、ユニツト型下敷シート
の収縮により、やはり〓間を生じる傾向がある。

この発明方法は、前記したピールアツプ法のよ
うに、下敷シートを全面的に床に接着する必要な
く、張り替えの際の下敷シートの残りなどがな
く、しかも、ユニツト型の下敷シートを作る必要
もなく、カーペツトの貼着時に使用する接着剤の
乾燥により、下敷シートが多少収縮しても下敷シ
ートやカーペツトと壁面との間の〓間の発生する
ことを防止しようとするものである。

［課題を解決する手段］ この発明方法は、独立気泡性の合成樹脂製発泡
シートとクラフト紙が積層され、厚み方向に貫通
孔を有する弾性シートからなる下敷シートを床面
に敷き、この下敷シート上にカーペツトを敷設す
るにあたり、前記下敷シートの周辺部分のみ床面
に接着し、その接着部分の大部分もしくはその部
分の全部の下敷シートを切断等により中央部分の
他の下敷シートから分離した状態にし、これらの
下敷シート上にカーペツトを接着剤により貼着す
ることにより、前記した問題点を解決するもので
ある。

［作用］ この発明方法は、上記の構成により、下敷シー
トの大部分は床面に接着することなく、下敷シー
トの周囲部分のみを床面に接着し、その接着部分
の大部分もしくはその部分の全部の下敷シートを
切断等により他の下敷シートから分離した状態に
することで、カーペツトを下敷シートに貼着する
に使用する接着剤の乾燥により、中央部分の下敷
シートのクラフト紙が収縮しても、下敷シートの
周囲部分は床面に固定されて動かず、カーペツト
と壁面との間の〓間が発生しない。

［実施例］ この発明方法の、一実施例を図面を参照しなが
ら説明する。

１は、この発明方法に用いられる下敷シートの
一例であつて、独立気泡性のオレフイン系樹脂の
発泡シート１１，１１の間にクラフト紙１２を介
在させている。発泡シート１１には、多数の貫通
孔１３が穿設されている。発泡シート１１は独立
気泡性であるため、圧縮されて潰れると形状回復
が遅れるが、貫通孔１３を通じて空気が発泡シー
ト１１全体に行きわたり易く空気を吸入して速や
かに復元する。

下敷シート１は、中間層として介在しているク
ラフト紙１２が発泡シート１１の伸縮を抑えてい
るが、反対に、湿気や接着剤の水分、溶剤が貫通
孔１３や壁７と下敷シート１、下敷シート１，１
間の〓間を通して浸入し、クラフト紙を濡らし、
乾燥するに連れて収縮する傾向がある。尚、クラ
フト紙の代わりに、このような収縮を抑える素材
はなかなか見当たらない。例えば、合成樹脂網状
体等では、それ自身の収縮は殆どないが、発泡シ
ート１１の伸縮は殆ど抑えられない。

この下敷シート１を、カーペツト５を壁７に至
まで敷設しようとする床面２に仮敷きし、その床
面２に合わせて裁断する。この下敷シート１をそ
の周囲の50〜100mm程度を接着剤あるいは両面接
着テープ３で床面２に接着させて敷設する。

この接着の際、もしくは接着完了後、カツター
によつて下敷シート１の接着部分と非接着部分の
境目もしくはその境目より数mm外側を切断４し
て、分離する。

切断箇所として、図示のとおり接着部分と非接
着部分との境目よりやや外側で下敷シート１を分
離状態にすると、下敷シート１の中央部分の端部
の接着部分が（接着剤がゴム状に伸びたりしなが
ら）残る傾向にあり、非接着の下敷シート１の中
央部分（周辺部分を除く大部分）のクラフト紙が
接着剤の乾燥等により収縮しても、下敷シート１
中央部分の端部がフリーにめくれ上がり、カーペ
ツトを持ち上げるようなことが防止される。

下敷シート１の接着、切断作業の後に、カーペ
ツト５を下敷シート１上に接着剤６により貼着す
る。

〔発明の効果〕

この発明方法においては、下敷シートの周囲が
床面に接着され、且つ中央の大部分の下敷シート
が接着部分と分離されているから、中央部分の非
接着部分の下敷シートが仮に収縮することがあつ
ても、周囲の接着部分は追随することがなく、カ
ーペツト周縁と壁の間に〓間が発生することはな
い。

また、下敷シートの大部分は非接着であり、接
着施工の手間、接着剤使用量が節減され、張り替
えの際下敷シートが残らぬよう、完全に撤去し易
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明方法の実施態様を示す部分
断面図である。 １……下敷シート、１１……発泡シート、１２
……クラフト紙、１３……貫通孔、２……床面、
３……両面接着テープ、４……切断箇所、５……
カーペツト、６……接着剤、７……壁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 独立気泡性の合成樹脂製発泡シートと中間層
   のクラフト紙が積層され、厚み方向に貫通孔を有
   する弾性シートからなる下敷シートを床面に敷
   き、この下敷シート上にカーペツトを敷設するに
   あたり、前記下敷シートの周辺部分のみ床面に接
   着し、その接着部分の大部分もしくはその部分の
   全部の下敷シートを切断等により中央部分の他の
   下敷シートから分離した状態にし、これらの下敷
   シート上にカーペツトを接着剤により貼着するこ
   とを特徴とするカーペツトの敷設方法。