JPH0451579Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は真珠貝その他の物品に塩振りを行なう
塩振り機に関するものである。

（従来の技術） 養殖真珠貝は、ふじつぼの付着防止及び寄生虫
の駆除のために、定期的に海から引き上げて、塩
振り消毒がなされる。

第７図は真珠貝を収容した網籠Ｗに上下、両方
から同時に塩振り出来る従来の塩振り機である。

該塩振り機は、網籠を搬送する搬送装置２の上
方に上塩振り装置３ａ、搬送装置２の下流端に下
塩振り装置３が配備されている。

上塩振り装置３ａは、ホツパー６ａの排出開口
６０ａにネツト６７を張り、ホツパーの外側にネ
ツトに接して回転ブラシ５ａが配備される。

回転ブラシ５ａは、回転によつて、ネツト６７
を叩き、塩をネツトからこぼれ落とす。

下塩振り装置３は、ホツパー６の排出開口６０
の内側に塩排出用回転翼６９、排出開口の外側に
回転ブラシ５が配備される。又、排出開口６０か
ら前記搬送装置２の下流端に向けブラシ５の外周
に沿つて円弧状のガイド板７が設けられている。

ブラシ５のブラシ毛はガイド板７を押し付けて
撓みながら回転する。

排出用回転翼６９の回転によつて、ホツパー６
内の塩をブラシ５側に掻き出す。

掻き出された塩は、回転ブラシ５によつてガイ
ド板７に案内されながら移行し、ガイド板７の終
端にて、回転ブラシ５のブラシ毛の弾性反撥力に
よつて跳ね上げられるのである。

（考案が解決しようとする課題） ところが、回転ブラシ５を貝収容網籠の移行路
に接近配備して塩の掛かりを良くしようとする結
果、ホツパー６が浅くなつて該ホツパーの傾斜底
面に対する塩の滑りが悪くなり、塩を回転ブラシ
側にスムーズに供給出来ない。ホツパーの底部に
バイブレータ６４を取り付けて、振動により塩の
流れを良くすることも行なわれているが、湿つた
塩に対しては効果が薄かつた。

第８図の如く、ホツパー６を深く形成して、ホ
ツパー底面の傾斜を大きくすれば、回転ブラシ５
側への塩の流れは良くなるが、回転ブラシ５が貝
収容網籠の移行路から遠ざかり、塩の跳ね上げ効
率が悪くなる。

更に、第７図、第８図の従来例において、上記
点に増して問題となるのは、塩の跳ね上げ量が一
定せず然も、長時間の連続運転が出来ない点であ
る。

これは、ブラシ側への塩の供給量が多過ぎる
と、ブラシが跳ね上げきれず、塩が塊となつてブ
ラシ収容室内で上下するだけとなり、装置の運転
を中止して塊を取り除かねばならない。

又、貝収容網籠は、海水で濡れており、該網籠
から滴下した海水がホツパー内の塩を湿らせるた
め、塩がホツパーの壁面に付着してブラシ側への
供給が止つてしまうからである。湿つた塩は回収
し、天日乾燥して使用しなければならず極めて面
倒である。

本考案は、上記従来のように、単にホツパー内
の塩を同ホツパーに配備した掻出しロールと回転
ブラシとによつて物品移行案内部材にある物品に
対し下方から上向きに塩を振りかけるものではな
く、新たな塩を連続して供給し、この塩が海水に
よつてホツパー内に付着もしくは塊となつて残存
することなく物品の下方から上向きに塩を振りか
けるようにする塩振り機を提供せんとする。ま
た、本考案は表面に凹凸を形成したベルト状周回
部材、特に周回部材に塩を安定に載せることによ
つて掻出しロールのようなものを用いなくとも安
定して塩を搬送しつつ該周回部材の下流側を回転
ブラシで擦つて塩を跳ね上げることにより、従来
の問題を解決できる塩振り機を明らかにするもの
である。

（課題を解決する手段） 本考案の塩振り機は、上記技術課題を解決せん
とするものであり、その要旨は物品の搬送路より
も低位置にて回転可能に配備した回転ブラシと、
該回転ブラシの上方に塩の通過を許容する隙間を
有する物品移行案内部材とにより、前記物品移行
案内部材にある物品に対し下方から上向きに塩を
振りかける装置において、前記物品の搬送路の下
方には塩を供給する塩供給手段と、該塩供給手段
の下に周回可能に配備され、表面に凹凸を形成し
たベルト状周回部材と、該ベルト状周回部材の下
流反転部に回転可能に配備された前記回転ブラシ
とを備えたことを特徴とする塩振り機にある。

（作用及び効果） 塩はベルト状周回部材４によつて下流側に搬送
され、周回部材４の反転部４４に接触して回転す
るブラシ５が、周回部材４との離れ際にブラシ毛
の弾性反撥によつて、塩を跳ね上げ、搬送途上の
物品に振りかける。

塩はベルト状搬送部材の凹部に溜まつて強制的
に搬送されるから、濡れた塩に対しても搬送に何
等の影響もなく、従来の様に塩が濡れることによ
つてブラシ側への塩の供給が停止することを防止
できる。

更に、回転ブラシ５は従来の様にホツパー内に
収容されてはおらず、仮令必要以上の塩が回転ブ
ラシ上に供給されても、跳ね上げきれなかつた塩
は下方へ落ちるだけであつて、従来の様にホツパ
ー内で塩の塊が上下する問題は一切生じない。

（実施例） 第１図、第２図は、本考案を上下、両方から同
時に塩振り出来る塩振り機に実施した状況を示し
ている。

フレーム１の後端（上流端）から中央部にかけ
て、搬送装置２、搬送装置２の下流端の下方に下
塩振り装置３、搬送装置２の下流端の上方に上塩
振り装置３ａが配備されている。

搬送装置２は、フレーム１の後端に上流側ガイ
ドローラ２１、中央部に該ローラよりも低位置に
下流側ガイドローラ２２を回転自由に配備し、両
ガイドローラに跨がつて幅広のゴムベルト２０を
無端状に張設して形成されている。

上塩振り装置３ａは、上部が拡大し下部に搬送
装置２の幅方向に横長に排出開口６０ａが開設さ
れたホツパー６ａと、該ホツパー６ａの排出開口
６０ａに回転自由に配備された定量ローラ４ａ
と、ホツパー６ａの外側にて定量ローラ４ａに接
触配備された回転ブラシ５ａとで構成される。

ホツパー６ａ内には、塩のブリツジ形成を防止
する攪はん具６１が回転自由に配備される。

定量ローラ４ａは直径約60mmの円筒体の外周に
軸方向の全長に亘つて、幅2.5mm、深さ1.0mmの溝
条４２ａを周方向に等間隔に20本開設している。

定量ローラ４ａは上部がホツパー６ａ内に侵入
し、下部がホツパー６ａから露出している。

ホツパー６ａの上流側の傾斜壁６２には、隙間
調整板６６ａが回転昇降可能且つ位置決め可能に
配備され、該板６６ａの角度によつて該板の下縁
とローラ４ａとの隙間を調整し、塩の取り出し量
を調整出来る。

ホツパー６ａの下流側の傾斜壁６３の下縁と定
量ローラ４ａとの間にはホツパー６ａ内の塩が自
然にこぼれ落ない程度の僅な隙間が存する。

定量ローラ４ａの上流側に該ローラ４ａに平行
に回転ブラシ５ａが配備される。

回転ブラシ５ａは直径約60mmの円筒体５０ａに
少し硬質の合成樹脂毛の刷毛列５１を軸方向に植
設して形成されている。

実施例では、数十本のナイロン毛を１束とし
て、これを円筒体５０ａの軸方向に密に並べて刷
毛列５１を形成し、該刷毛列を円筒体５０ａの周
方向に16列植設して回転ブラシ５ａが形成されて
いる。

前記回転ブラシ５ａの各刷毛列５１の円筒体表
面からの突出量は約20mmであり、刷毛列５１は前
記定量ローラ４ａに接して、接触部分の毛は撓ん
でいる。

下塩振り装置３は、前記搬送装置２の下方に配
備したベルト状周回部材４と、該周回部材４の下
流側の反転部４４に接して配備した回転ブラシ５
とで構成される。

ベルト状周回部材１は、前記搬送装置２の２つ
のガイドローラ２１，２２の真下位置にて略同高
さ位置に配備された平行ローラ４１，４２に跨が
つて無端状に張設されている。

周回部材４の表面には塩溜まりとなる凹凸が規
則的に且つ均一分布に形成されている。

上記凹凸の形状は、第３図に矢印で示す周回方
向に直交する方向に多数の溝条４６を形成したも
の、周回方向に向かう多数の溝条を形成したも
の、第４図に示す如く、ベルトの周回方向に向か
う溝条４７と周回方向に直交する溝条４６が交差
したもの等、塩が溜まる凹部４８を略規則的に略
均一分布に有していれば形状は問わない。

周回部材４の下流端の反転部４４に接してロー
ラと平行に回転可能に回転ブラシ５が配備され
る。

回転ブラシ５は前記上塩振り装置３ａの回転ブ
ラシ５ａと同様に形成されているが、刷毛列の臨
出長さは約40mmである。

回転ブラシ５の刷毛列５１は前記周回部材４の
反転部４４に強く接しており、接触部分の毛は撓
んでいる。

前記搬送装置２の下流端に連続して回転ブラシ
５の真上位置に、塩の通過を許容する隙間を有す
るロストル状の物品移行案内部材９が下流端を少
し低くして着脱可能に配備され、搬送装置２に連
続する物品の搬送路を形成している。

実施例の物品移行案内部材９は、矩形の外枠９
１に線径３mmのステンレス等の耐食性金属線を約
40mm間隔に搬送方向に平行に設けて形成されてい
る。

上記移行案内部材９の下流側に塩が前方飛散す
ることを防止する遮蔽板９２が下向きに設けられ
ている。

前記搬送装置２と、周回部材４との間に該周回
部材４の表面凹部４８に塩を供給する塩供給手段
８が配備されている。

塩供給手段８は搬送装置２と周回部材４との間
の空間の四方を壁板で囲み、底面が周回部材４の
上部搬送面で塞がれたボツクス８１を形成し、該
ボツクスに塩を収容したもので、塩が周回部材４
の表面凹部４８に入り込むと共に表面に付着し、
該周回部材４の周回によつてブラシ５側に連続的
に塩を供給できる。

ボツクス８１の後板８２には塩投入口８０が設
けられている。

第５図の如く、ボツクス８１の前板８３は上端
を枢止し且つ下端が下流側に傾斜して周回部材４
の反転部４４に被さる様にして開閉可能に設けら
れている。

上記前板に調節アーム８４が枢止連結されてお
り、ボツクス８１の側板にクランプボルト８５に
て位置決め可能にアーム８４を止め、周回部材４
の反転部４４に対する前板８３の開き度に対応し
て塩の排出量を調節できる。

前記の如く、周回部材４によつて塩は前板８３
側に送られ、然も周回部材４は表面は凹凸が形成
されているため、塩を下流側に押し出す力が強
く、前板８３は下端が下流側に傾斜しているた
め、前板８３と周回部材４の隙間が小さくとも、
塩を円滑に排出できる。

ボツクス８１内にも上記前板と同様の構成によ
り、周回部材４の上搬送面との隙間を調節して、
下流側への塩の移行量を調節する隙間調節板８６
が設けられている。該隙間調整板８６によつて、
調整板８６よりも下流側へ流れる単位時間当りの
塩の量を一定にし、前板６３と周回部材４２との
間へ向かう塩の押出し圧力を平均化して塩の排出
量を一定に出来る。

前記ロストル状物品移行案内部材９の下流側に
物品送出し用回転ブラシ１１、該ブラシの下流側
に排出用滑り板１２が配備される。

フレーム１には回転駆動装置１０が配備され、
該回転駆動装置にチエーン伝達手段、ベルト伝達
手段、歯車伝達手段等（何れも図示せず）を介し
て、搬送装置２、周回部材４、定量ローラ４ａ、
各回転ブラシ５，５ａ、攪はん具６１が連繋さ
れ、スイツチ操作によつて、搬送装置２及び上、
下の塩振り装置３，３ａが一斉に作動する。

第２図に矢印で示す如く、搬送装置２、周回部
材４、回転ブラシ５、排出用ブラシ１１は何れも
反時計に回転又は周回する。

回転ブラシ５，５ａの回転数は300rpmである。

然して、真珠貝を収容した網籠Ｗを搬送装置２
に載せると下流側に搬送され、該搬送装置の下流
端から物品移行案内部材９上に受け渡される。

上塩振り装置３ａは定量ローラ４ａが回転する
と、ホツパー６ａ内の塩がローラ４ａの溝条４２
に入り込み、ホツパー６ａの外に臨出した際に回
転ブラシ５ａによつて溝条４２内の塩が掻き出さ
れると共に、ローラ４ａとホツパーの隙間調整板
６６ａとの間の隙間からこぼれ落ちる塩が、前記
溝条４２内の塩と一緒にブラシ毛の反撥力によつ
て下方を通過する網籠Ｗに振り掛けられる。

ローラ４ａの回転速度とローラと隙間調整板６
６との間の隙間の大きさに対応して、所望量の塩
を振り掛けることが出来る。

下塩振り装置３は、周回部材４の表面凹部４８
に入り込むと共に周回部材４の表面に付着してブ
ラシ側に運ばれた塩は、前板８３の開き度によつ
て排出量が調節されて押し出され、周回部材４の
反転部４４に於て、周回部材とブラシ５の接触の
離れ際にブラシ５の弾性反撥力によつて塩が跳ね
上げられ、ロストル状物品移行案内部材９の大き
な目を通してブラシ５の上方の網籠Ｗに振り掛け
られる。

尚、ベルト状周回部材４、塩供給手段８を第２
図において、ブラシ５の左側に配備し、周回部材
４を時計方向に周回せしめ、ブラシ５を時計方向
に回転させることによつて塩を跳ね上げることが
出来る等周回部材の配置位置及び方向は問わな
い。

本考案は上記実施例の構成に限定されることは
なく、実用新案登録請求の範囲で種々の変形が可
能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は塩振り機の斜面図、第２図は塩振り機
の断面図、第３図は周回部材の一部斜面図、第４
図は周回部材の他の実施例の一部斜面図、第５図
は隙間調節板の説明図、第６図は上塩振りのロー
ラとブラシの斜面図、第７図、第８図は従来例の
塩振り機の説明図である。 ２……搬送装置、３……塩振り装置、４……周
回部材、５……回転ブラシ、９……移行案内部
材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 物品の搬送路よりも低位置にて回転可能に配備
   した回転ブラシと、該回転ブラシの上方に塩の通
   過を許容する隙間を有する物品移行案内部材とに
   より、前記物品移行案内部材にある物品に対し下
   方から上向きに塩を振りかける装置において、 前記物品の搬送路の下方には塩を供給する塩供
   給手段と、該塩供給手段の下に周回可能に配備さ
   れ、表面に凹凸を形成したベルト状周回部材と、
   該ベルト状周回部材の下流反転部に回転可能に配
   備された前記回転ブラシとを備えたことを特徴と
   する塩振り機。