JPH04506973A - 安定化ワクチン組成物 - Google Patents

安定化ワクチン組成物

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 安定化ワクチン組成物 三価の経口ポリオワクチン(サビン: 5abin)は生存力を弱めたウィルス ワクチンである。これは熱に不安定であり、従って凍結貯蔵する必要があり、そ してポリオに対する有効な免疫化を確保するため、解凍後直ちに使用する必要が ある。1モル規定の塩化マグネシウムはこのサビンワクチンのために有効な安定 剤であるが、もし輸送もしくは貯蔵中にこのワクチンが解凍すると、不活性化が 生じてしまう。ポリオウィルスが地方病であるところの、発展途上地域および熱 帯地方では適当な冷蔵施設が不足しているため、しばしば、このワクチンを冷凍 保存することができなく、その結果として、このワクチンが不活性化される。こ れにより、最も高い危険性がある人々の未免疫化がもたらされる。従って、ポリ オの撲滅は、冷貯蔵が確保できるか否が、そしてポリオウィルスワクチンの迅速 な分配ができるか否かに依存している。改良された安定性を有するワクチン調剤 が得られればこの問題を克服することができる二本発明は、安定化されたウィル スワクチン、詳細には、生きたウィルスと、安定化させる量の、少なくとも2つ のアミン基を有する化合物、例えば塩基性アミノ酸(例えばリジン)と、の水溶 液がら成るポリオ用生ウイルスワクチンに関する。これらの化合物は、安全であ り比較的安く、そして容易にウィルスワクチン調剤に添加することができる。こ のポリアミノ化合物は、ウィルスの安定性に関する標準試験におけるこのウィル スの熱安定性を、現在利用できる安定剤である塩化マグネシウムのそれよりも改 良する。これにより、世界規模の分配および使用のためのより安定な生ウイルス ワクチン組成物を提供する。′図の簡単な説明 図1は、IMのアミノ酸類またはMgC+□による、熱不活性化に対するポリオ ウィルス(二線型1、Mahoney菌株)の安定化を示す。各々IMのL−リ ジン(■)、L−アルギニン(X)、グリシン(◆)、L−アラニン(+)また はM g C!□(・)が入っている5m−Mの燐酸塩緩衝液(+)H7,O) 1mLに、ポリオウィルスの4x108プラ一ク形成単位(PFU、約80個の ウィルス粒子)を加えた。この得られる溶液を、1.4mLのエッペンドルフ試 験管に入れ、密封した後、50℃の水浴中に浸漬した。定期的に一定分量を取り 出し、150mMのNacIが入っている5mMの燐酸塩緩衝液、pH7,0( PBS)で希釈し、そして感染性ポリオウィルスのタイターに続いて、ヒーラ− 細胞に関するプラーク分析を行った。
図2は、1または2Mのし一リジンまたはMgCl2による、熱不活性化に対す るポリオウィルス(二線型1、Mahoney菌株)の安定化を示す。単独(ム )或はIMのし一リジン(■)、2MのL−リジン(ロ)、IMのMgCl 2  (・)または2MのMg Cl 2 (0)が入っている5mMの燐酸塩緩衝 液(p H7,5)1rnLに、ポリオウィルス(8xlOIPFU)を加えた 。この得られる溶液を、1.4mLのエツペンドルフ試験管に入れ、密封した後 、50℃の水浴中に浸漬した。定期的に一定分量を取り出し、PBSで希釈し、 そして感染性ポリオウィルスのタイターに続いて、ヒーラ−細胞に関するプラー ク分析を行った。
発明の詳細な説明 本発明のワクチン組成物は、ウィルスと、このウィルスを安定化させるに充分な 量の、少なくとも2つのアミノ基を有する化合物と、から成る。このアミノ化合 物は、熱不活性化に対してこのウィルスの安定性を増強させる。例えば、50℃ のウィルス安定性用標準試験において、このウィルスの安定性は、アミノ酸であ るリジンによって少なくとも10〜20倍増強される。生理学的に許容される水 溶液にウィルスと安定化量の該アミノ化合物とを添加することによって、これら のワクチン組成物が製造される。
このアミノ化合物は、少なくとも2個のアミノ基を有するいかなる無毒の化合物 であってもよい。好適には、これらの化合物は、スペーサ一部分によって分離さ れた少なくとも2つの第一級もしくは第二級アミノ基から成る。このスペーサ一 部分の大きさもしくは構成要素は決定的でないと考えられる。典型的には、この スペーサ一部分は、1〜約10゜好適には1〜約6個の範囲の原子から成る炭素 原子を有する置換もしくは未置換の線状鎖(窒素の如きヘテロ原子がこの鎖の中 に含まれていてもよい)から成る。好適な化合物は、アミノ酸類であるところの 、リジンおよびアルギニン、或はそれらの塩類(例えば塩化物または酢酸塩)で ある。他の有益な化合物のい(つかの例には、ジアミノエタン、1゜3−ジアミ ノプロパン、1,4−ジアミノブタン、および1.5−ジアミノペンタンが含ま れる。他の安定剤には、スペルミジンの如きスペーサ一部分が含まれている窒素 を有する化合物が含まれる。更に、ポリ(エチレンイミン)の如きポリアミン類 も使用できる。アミノ含有化合物の混合物も使用できる。
このアミノ化合物は該ウィルスを安定化させるに有効な量で用いられる。一般に 、このアミノ化合物の濃度は1〜2モル規定である。
このウィルスは、いかなるウィルス或はウィルス類の混合物であってもよい。上 記ウィルスの例には、ピコルナウィルス類、例えばポリオウィルス;ロタウィル ス;呼吸性シンシチウムのウィルス:はしかウィルス;そして風しんが含まれる 。一般に、このつ・イルスは弱められている。
ポリオに対するワクチンに関して、これらのワクチン組成物は、種々の型のポリ オウィルスの全てもしくはいずれかを含有していてもよい。これらの好適なワク チン類は、I、IIおよびIII型のポリオウィルスを含んでいる三価のサビン ワクチン類である。
これらのワクチン組成物は、典型的には、約6〜8の範囲のpHで調合される。
好適には、1モル規定の塩化マグネシウムもこれらの組成物に添加され得る。
他の免疫原類、例えばジフテリアトキソイド、破傷風トキソイドおよび不活性化 百日咳細胞を、これらの組成物のウィルス成分と一緒に混合することもできる。
更に、これらの組成物は、安定化用アミノ化合物の活性を阻害しないアジュバン トを含有し得る。
以下に示す実施例で本発明を更に説明する。ピコルナウィルスを用いて本発明の 安定化効果を例示するが、これに限定されるものではないが上に挙げたウィルス を含む他のウィルスも同様に、安定化させるために本発明を利用することができ る。
ヒーラ−細胞中でポリオウィルス(面線型1、Mahoney菌株)(PVIM )を増殖させ、塩化セシウム勾配で精製した後、PBS (pH7゜2)に対し て透析した。ウィルス原料は約4x1.0”PFU/mLを含有しており、そし て4℃で貯蔵した。
単独か、或はIMのし一リジン、D−リジン、L−アルギニン、グリシン、L− アラニン、N−a−アセチル−し−リジン、N−e−アセチル−し−リジン、L −リジンのメチルエステル、エチレンジアミン、1゜5−ジアミノペンタン、エ チルアミン、ポリ(エチレンイミン)、スペルミジンまたはMgCLが入ってい る5mMの燐酸塩緩衝液(pH7゜0)1mLに、約4xlORPFUを加えた 。ポリオウィルスを加えるに先立って、HCIを用いて各々の溶液のpHを7, 0に調整した。この得られる溶液を1.4mLのエッペンドルフ試験管に入れ、 密封した後、50℃の水浴に浸漬した。定期的に一定量(10〜100uL)を 取り出し、PBSで希釈した後、感染性ポリオウィルスのタイターに続いてヒー ラ−細胞に対するプラーク分析を行った。
結果 最初の実験で、50℃の熱不活性化に対してPVIMを安定化するIM濃度のし 一アミノ酸類とMgCL (pH7,0)の能力を試験した。
図1は、全ての時点で、リジンおよびアルギニンはMgC1□よりも2〜4倍良 好にPVIMを安定化する一方、L−アラニンおよびグリシンは、この同じ期間 中、MgC+□よりも10〜10.000倍低い安定化を与えることを示してい る。pH7,0の、5mMの燐酸塩緩衝液単独の対照において、3時間後、8位 数以上の大きさのウィルス感染性が失われた。
PVIMの安定性を最適にするため、0.1〜2Mのリジン濃度を用いた。これ らのデータは、0.3M以下のし一リジンは、はとんど過剰の安定性を与えず、 そして2Mのリジンのときポリオウィルスの安定性が最大になることを示してい る。図2では、pH7,0での、1および2Mのし一リジンとMgC+□とのP  V 1. M安定化を比較する。これらのデータは、50℃でそれぞれ24お よび48時間後、P V i Mの安定化に関し、てL−リジンはMgCl2よ りも10〜20倍良好であることを示している。
リジンによるPVIMの安定化が立体特異性を示すか否かも評価した。
これは行うため、L−およびD−リジンをIMa度で試験した。これらのデータ は、50℃の熱不活性化に対するPVIMの安定化において同等の効果を示すこ とを示している(表1)。
表1 表1. 熱不活性化に対するポリオウィルス(面線型1.1lahoney菌株 )の安定化に関するIMのL−およびD−リジン立体異性化の効果”。
0 3、7 5.9 4.1 3 2、1 3.1 0.61 6 0.93 0,82 0.44 12 0、65 0.4.9 0.2820 0.1.3 0,09 0.06 24 0.11. 0105 0.04” IMの上記化合物が入っている5m Mの燐酸塩緩衝液(pH7,0)1mLに、ポリオウィルス(約4xlO’PF U)を加えた。この得られる溶液を1.4mLのエツベンドルフ試験管に入れ、 密封した後、50℃の水浴に浸漬した。定期的に一定量を取り出し、PBSで希 釈した後、感染性ポリオウィルスのタイターに続いてヒーラ−細胞に対するプラ ーク分析を行った。
5 値に108を乗する。
カプシド表面上で反対の電荷と結合することを同時に伴うa−およびe−アミノ 基をリジンが有しているため、この相当するa−またはe −NH2基が無いL −リジンのa=またはe−アセチル化誘導体の効果を試験した。更に、L−リジ ンのメチルエステルを用いて、L−リジンのカルボキシル基の効果を試験した。
これらのデータは、熱不活性化に対してI7−リジンまたはそのメチルエステル は同様に保護性を示すが、一方、I7−リジンからa−もしくはe−NH2基の どちらかを除去すると、PVIMを安定化するこれらの化合物の能力が無くなる ことを示している(表2)。
表2 表2. 熱不活性化に対するポリオウィルス(面線型1、Mahoney菌株) の安定化に関するリジン修飾の効果°。
0 2.2 3.1 4.1 3.7 3 0、0005 1.1 2.1 6 0.00005 0.85 0.9312 0.5 0.65 20 0.2 0.13 ’ LMの上記化合物が入っている5mMの燐酸塩緩衝液(pH7,0)1m、 Lに、ポリオウィルス(約4xlO”PFU)を加えた。この得られる溶液を1 .4mLのエツベンドルフ試験管に入れ、密封した後、50℃の水浴に浸漬した 。定期的に一定量を取り出し、PBSで希釈した後、感染性ポリオウィルスのタ イターに続いてヒーラ−細胞に対するプラーク分析を行った。
5 値に108を乗する。
0 値は100PFU/mL未満である。
これらのデータは、2個のアミノ基を有するリジン以外の化合物も有効な安定剤 であり得ることを示唆している。
このことから、エチレンジアミン、ポリ(エチレンイミン)、スペルミジン、1 −5ジアミノペンタンまたはエチルアミン(モノアミン)をIM!1度で試験し た。これらのデータは、PVIMの安定化において、エチレンジアミン、1−5 ジアミノペンタン、ポリ(エチレンイミン)はリジンと同様な有効性を示し、ス ペルミジンは若干劣った有効性を示いるが、一方、エチルアミンはPVIMを安 定化しないことを示している(表3)。
表3 表3、 熱不活性化に対するポリオウィルス(面線型1、Mahoney菌株) の安定化に関するモノ−、ジーおよびポリアミン類の効果°。
0 5.2 2.3 3.9 4.1 3.7 4.33 2.2 2.6 − ’ 0.19 2.1 1,46 0.6 1.7 − 0.25 0.93  1.512 0.75 0.72 − 0.19 0.65 0.7920 0 .2 0.14 − 0.041 0.13 0.2524 0.19 0.0 7 − 0.034 0.11 0.13’ IMの上記化合物が入っている5 mMの燐酸塩緩衝液(pH7,0)1mLに、ポリオウィルス(約4xlO’P FU)を加えた。この得られる溶液を1.4.mLのエッペンドルフ試験管に入 れ、密封した後、50℃の水浴に浸漬した。定期的に一定量を取り出し、PBS で希釈した後、感染性ポリオウィルスのタイターに続いてヒーラ−細胞に対する プラーク分析を行った。
5 値に108を乗する。
9 値は1.00PFU/mL未満である。
補正音の写しく翻訳文)提出書 (特許法第184条の8)平成4年2月13日

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.ウイルスと、このウイルスを安定化させるに充分な量の、少なくとも2個の アミノ基を有する化合物と、を含有している水溶液から成るワクチン組成物。
  2. 2.該ウイルスが少なくとも1つの型の弱められたポリオウイルスから成る請求 の範囲1のワクチン組成物。
  3. 3.該ウイルスが弱められたI、IIおよびI11型のポリオウイルスから成る 請求の範囲1のワクチン組成物。
  4. 4.該アミノ含有化合物が、スペーサー基で分離された2個のアミノ基から成る 請求の範囲1のワクチン組成物。
  5. 5.該スペーサー基が置換もしくは来置換のアルキル基から成る請求の範囲4の ワクチン組成物。
  6. 6.該アミノ含有化合物がジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン 、ジアミノペンタンおよびスペルミジンから成る群から選択される請求の範囲5 の組成物。
  7. 7.該アミノ含有化合物が塩基性アミノ酸もしくはそれらの塩である請求の範囲 1の組成物。
  8. 8.該アミノ酸がリジンまたはアルギニンである請求の範囲7の組成物。
  9. 9.該アミノ含有化合物がポリアミンである請求の範囲1の組成物。
  10. 10.該ポリアミンがポリ(エチレンイミン)である請求の範囲9の組成物。
  11. 11.該アミノ含有化合物の濃度が少なくとも1〜2モル規定である請求の範囲 1の組成物。
  12. 12.塩化マグネシウムを更に含む請求の範囲1のワクチン組成物。
  13. 13.少なくとも1つの型の弱められたポリオウイルスと、このポリオウイルス を安定化させるに充分な量の、少なくとも2個の第一級アミノ基を有する化合物 と、の水溶液から成るポリオのためのワクチン組成物。
  14. 14.該ポリオウイルスがI、IIおよびII1型のポリオウイルスから成る請 求の範囲12のワクチン組成物。
  15. 15.該アミノ含有化合物がアミノ酸もしくはそれらの塩である請求の範囲13 のワクチン組成物。
  16. 16.該アミノ酸がりジンまたはアルギニンである請求の範囲14の組成物。
  17. 17.弱められたI、IIおよびIII型のポリオウイルスと、少なくとも約1 モル規定濃度の、2個のアミノ基を有するアミノ酸もしくはそれらの塩と、の水 溶液から成るポリオのためのワクチン組成物。
  18. 18.ウイルスと、このウイルスを安定化させるに充分な量の、少なくとも2個 のアミノ基を有する化合物と、の水溶液を製造することから成る、ワクチン組成 物の製造方法。
  19. 19.該アミノ含有化合物がアミノ酸もしくはそれらの塩である請求の範囲17 の方法。
  20. 20.該アミノ含有化合物の濃度が少なくとも1モル規定である請求の範囲18 の方法。
  21. 21.弱められたI、IIおよびIII型のポリオウイルスと、少なくとも約1 モル規定濃度の、2個のアミノ基を有するアミノ酸もしくはそれらの塩と、の水 溶液を製造することから成る、ポリオのためのワクチン組成物の製造方法。
  22. 22.該アミノ含有化合物がアミノ酸もしくはそれらの塩である請求の範囲20 の方法。
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