JPH045051B2 - - Google Patents

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JPH045051B2
JPH045051B2 JP26325785A JP26325785A JPH045051B2 JP H045051 B2 JPH045051 B2 JP H045051B2 JP 26325785 A JP26325785 A JP 26325785A JP 26325785 A JP26325785 A JP 26325785A JP H045051 B2 JPH045051 B2 JP H045051B2
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【発明の詳細な説明】 本発明は新規な架橋型、親水性ポリスチレンの
製造方法に関するものである。本発明により製造
される親水性ポリスチレンは架橋した三次元化ポ
リスチレンであるため、あらゆる有機溶媒に不溶
で耐熱性があり、水、アルコール類、水−アルコ
ール混合系をも吸収するもので、一般には膜状に
成形して使用される。用途として、水−エタノー
ルの分離膜、逆浸透膜、医用薬品の徐放用カプセ
ル膜、コンタクトレンズ原料、人工臓器用資材、
化学薬品類の徐放化剤などとして有用なグラフト
ポリマーの製造法に関するものである。出発原料
は何れも市販品で容易に入手できるものばかり
で、しかも反応が室温において非常に早く進行す
る。フイルム状に成形した場合非常に透明で、ス
チレン−無水マレイン酸コポリマーのような固く
脆いフイルムでも、本発明の方法によるポリエチ
レンオキシドジアミンをグラフト反応した場合、
特に分子量が300〜500程度のポリエチレンオキシ
ドジアミンのグラフト体は柔軟でのびがあり、引
張強度がグラフト前に比し2倍以上にもなる。す
なわちポリスチレンに対して可塑剤的な役割を果
しているのである。又分子量の大きい4000〜6000
のポリエチレンオキシドジアミンは固体状である
ためそのグラフト物は成形の過程で親水性基の部
分がミクロ的に凝集し、疎水性のポリスチレンと
分離して固化し、ミクロ相分離構造を形成するこ
とがX線回折により判明した。
フイルム状に成形したものは水、エタノール、
水−エタノール混合物を非常に吸収した。特に水
−エタノール混合物中水40%−エタノール60%の
混合物の場合吸収の割合は最多量であつた。フイ
ルムの成形は反応系を有機溶媒ごとそのままガラ
ス板上に流して自然乾燥して得られる。このフイ
ルムを80℃〜150℃に加熱すれば、酸無水物とア
ミノ基が反応して得られるアミドはイミドの形に
変化する。スチレン−無水マレイン酸コポリマー
については数多くの市販品があるが成膜して利用
する場合には分子量10万以上のものが特にすぐれ
ている。
本発明における特徴は、スチレン−無水マレイ
ン酸コポリマー溶液に対しポリエチレンオキシド
ジアミン溶液を直接に添加反応させると室温にお
いても直ちにゲル化し、反応系全体が固化し、成
形が不可能であるのに対し、ポリエチレンオキシ
ドジアミンの方をあらかじめ酸無水物またはエポ
キシ化合物と反応しておき、アミノ基の数を50%
〜40%にした状態においてポリスチレン溶液と反
応させると残留アミノ基は完全に反応してグラフ
トポリマーが得られるにもかゝわらず三次元化す
るまでにかなりの時間があるので十分成形、成膜
が可能である。グラフトポリマーは最終的には三
次元化し、不溶、不融のポリマーとなる。
反応はすべての反応が室温において放置する
か、マグネチツクスターラーで撹拌しておくだけ
で十分である。反応に用いられる溶媒はスチレン
−無水マレイン酸コポリマー、ポリエチレンオキ
シドジアミン、各種酸無水物、各種エポキシ化合
物を溶解する有機溶媒が望ましいが、有機溶媒の
混合物でもよい。上記全体の化合物を溶解する上
に低沸点溶媒の方が成形の過程を考えると有利で
ある。これらの条件を満足する溶媒としてクロロ
ホルム、ジクロルメタン、ジクロルエタン、トリ
クロルエタンなど塩素化脂肪族化合物およびテト
ラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン
なども用いられる。ポリエチレンオキシドジアミ
ンは分子量300,500,700,1000,4000,6000程
度のものが入手できる。酸無水物やエポキシ化合
物との反応は室温でも非常に早く、全体のアミノ
基の40%程度を酸無水物等で反応させた後、スチ
レン無水マレイン酸コポリマーと反応させた場合
にはポリエチレンオキシドの両末端にアミノ基を
有するものが残留している為に架橋が比較的早く
起るし架橋密度も高いが、50%のアミノ基と反応
させた場合には架橋反応は非常に遅くなる。
酸無水物としては通常無水コハク酸、無水マレ
イン酸、無水フタル酸等が最も有効で、エポキシ
化合物としては一ケのエポキシ基を有するエチレ
ンオキシド、プロピレンオキシド、エビクロルヒ
ドリン等がよい。
本発明におけるグラフトポリマーは高い吸水性
と吸アルコール性を持ち、その吸収の度合いは主
としてポリエチレンオキシドジアミンのグラフト
率に比例している。したがつて分子量の大きいポ
リエチレンオキシドジアミンをグラフトさせると
有利であるが強度は元のポリスチレンコポリマー
に比べてほゞ同じで向上はしない。
スチレン−無水マレイン酸コポリマーとポリエ
チレンオキシドジアミン誘導体との反応におい
て、反応の過程を逐次取り出し、赤外吸収スペク
トルの1760cm-1のピークの減少率から反応率を、
検量線を用いて計算することができる。コポリマ
ー中のマレイン酸のモル数に対して、自分の希望
するだけのポリエチレンオキシドジアミンを室温
で反応させるだけで簡単に、計算通りにグラフト
することができる。
次に実施例をもつて本発明を更に詳細に説明す
る。
実施例 1 有機溶媒としてクロロホルムを用い、1gのス
チレン−無水マレイン酸コポリマー(分子量
122000、無水マレイン酸のモル含量11.7%)を20
mlの溶媒に溶かし、これを3ケ用意する。又別々
に5mlのテトラヒドロフランにそれぞれ無水フタ
ル酸0.0148g、無水コハク酸0.01g、無水マレイ
ン酸0.0098gを溶解し、別にポリエチレンオキシ
ドジアミン(分子量6000)0.6gを10mlのクロロ
ホルムに溶解した溶液を3ケ用意して、それぞれ
に無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸
溶液を加える。
室温でマグネチツクスターラーを用い2時間反
応した。この反応によりポリエチレンオキシドジ
アミン中のアミノ基の50%は反応してアミドの形
となり反応性がアミンよりも低下する。これら3
種の溶液を最初に作つたスチレン−無水マレイン
酸コポリマーのクロロホルム溶液中にそれぞれ添
加し、室温でマグネチツクスターラーで撹拌しな
がら反応した。これら3種の反応は何れも無色透
明均一な反応で系全体の粘度は逐次上昇し、6時
間後50cpsに達し、ガラス棒により撹拌引き上げ
る操作では糸をひく程になつた。
更に反応を続けると粘度は60cpsに達し、50cps
に達してから30分後で固化(三次元化)して成形
不可能な状態となつた。したがつて成形物を得る
ために、全く同じ条件で反応をやり直し、粘度が
50cpsに達し、反応系が糸をひく状態でガラス板
状に流してフイルム状にし、自然乾燥して翌日80
℃1時間加熱し、クロロホルムを完全に除き、更
に未反応の残存アミノ基を完全に反応させた。反
応は逐次反応系より一部を取出して赤外吸収スペ
クトルを測り、1760cm-1の酸無水物の吸収が減少
する割合から検量線により反応率を計算した。こ
れによるとグラフト反応はほヾ1時間で完了し
た。この場合、酸無水物で処理しないポリエチレ
ンオキシドジアミンを用いたグラフト反応では添
加後5分以内に三次元化し固化した。
得られたフイルムは1H−NMRスペクトル分析
で3.6ppmに、13C−NMRスペクトル分析で
70.73ppmにそれぞれエチレンオキシドの吸収が
みられ、X線による回析では20.6および22.0(2θ)
にピークが見られた。
熱分析のDSCによる分析では65.5℃に吸熱ピー
クがみられ、ポリエチレンジアミン(分子量
6000)に存在する。1H,13C−NMR,X線,DSC
等の分析値とほヾ同じ値を示した。
この実験で得られたフイルムのグラフト率は
1H−NMRおよび赤外吸収スペクトル1760cm-1
ら計算して60%で、完全に未反応物は無いと思わ
れる。又X線回析およびDSCに結晶性ポリエチ
レンオキシドのピークが検出されたことは、この
グラフトフイルムが固化し、溶媒が蒸発する過程
で、親水性の強い部分が粗水性部分とミクロ的に
相分離してできたミクロ相分離型のフイルムであ
る。
3種類の酸無水物を異にするフイルム間では、
使用した酸無水物の量が非常に少い為か、物性に
目立つた相違は無かつた。
得られたフイルムは水を15wt%、エタノール
を25wt%、エタノール水混合系ではエタノール
80%−水20%の所で吸収はピークとなり、75wt
%吸収した。フイルムの引張り強さはグラフトし
ていないスチレンコポリマーフイルムとほゞ同じ
であるが、水、エタノール混合物中では非常に柔
軟性を示した。
実施例 2 スチレン−無水マレイン酸コポリマー(分子量
122000,無水マレイン酸含有モル数11.7%)1g
をジクロルエタン20mlに溶解した。ポリエチレン
オキシドジアミン(分子量4030)3gを15mlのジ
クロルエタンに溶解し、この溶液に5mlのジクロ
ロエタンに溶解したプロピレンオキシド0.0432g
を加え室温で3時間反応した。反応した溶液を先
に用意したスチレン−無水マレイン酸コポリマー
のジクロルエタン溶液に室温で添加、マグネチツ
クスターラーで撹拌反応した。反応過程で反応系
の反応率を逐次赤外吸収スペクトルで追跡した。
この反応は1時間で完了したので、すぐガラス
板上に反応系溶液を流し込み製膜すると同時に一
部は残しておいて反応の状態を追跡した。粘度は
1時間20分後50cps、1時間30分後には固化した。
物性については1H−13C−NMRスペクトル、X
線スペクトル、DSC熱分析スペクトル共に実施
例1において述べた分子量6000のポリエチレンジ
アミングラフト物と同じで、分子量4030のものも
結晶性の固体で融点が65℃を示す点で共通してい
るためと思われる。グラフト率はほゞ300wt%に
達した。このフイルムは固くて脆いもので膜状で
は実用性が少いが、水60wt%、エタノール66wt
%、水−エタノール混合系溶媒においてはエタノ
ール60%、水40%の所で重量がピークとなり
170wt%吸収した。このようにグラフト率の大き
い膜は水−エタノール等を大量に吸収して膨潤し
大きくふくらみ、軟らかいものとなつた。
実施例 3 スチレン−無水マレイン酸コポリマー(分子量
109800,無水マレイン酸含有モル数13.6%)1g
を20mlのクロロホルムにとかした。
また別にクロロホルム10mlにポリエチレンオキ
シドジアミン(分子量525)0.311gを溶解した溶
液に、無水コハク酸0.059gをテトラヒドロフラ
ン5mlに溶解したものを加えて、そのまゝ室温で
マグネチツクスターラーで撹拌して2時間反応さ
せた。無水コハク酸の量は、この場合ポリエチレ
ンオキシドジアミン中のアミノ基の半数と反応す
るに必要十分な量である。反応終了後先に用意し
たスチレン−無水マレイン酸コポリマー溶液に添
加、室温で撹拌しながら反応した。先の実施例と
同じく、反応を赤外吸収スペクトルで逐次追跡し
反応率を計算した。分子量の小さいポリエチレン
ジアミンの場合には反応が早く、30分後に反応は
完了し、粘度が50cpsに近い値となつたので一部
分をガラス板上に流して膜状に成形した。残りの
反応物はそのまゝ粘度測定や固化の時間測定に用
いた。固化までの時間はほゞ1時間で粘度は
60cpsであつた。ガラス上に流したグラフトポリ
マーは翌日まで自然乾燥し、更に100℃1時間加
熱し、冷して水中に入れ、膜を剥離した。この膜
は非常に柔軟で、水22wt%、エタノール32wt%
吸収し、水とエタノール混合溶液の場合、エタノ
ール70%水30%において吸収割合は最高を示し、
45wt%であつた。この膜は非常に柔軟で伸びが
あり、透明で、JIS K6301の方法による引張試験
では23.5メガパスカルで、この値はグラフト前
の、スチレン−無水マレイン酸コポリマーの膜の
同試験による引張り強さ12.7メガパスカルより85
%も強いものであつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ポリエチレンオキシドジアミン中のアミノ基
    に対し、酸無水物基またはエポキシ基を一ケ含ん
    だ化合物をアミノ基の40〜50%の割合だけ反応さ
    せたポリエチレンオキシドジアミン誘導体を製造
    し、これとスチレン−無水マレイン酸コポリマー
    とのグラフト反応により合成される架橋型、親水
    性ポリスチレンの製造方法。
JP26325785A 1985-11-22 1985-11-22 架橋型、親水性ポリスチレンの製造方法 Granted JPS62124128A (ja)

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JP26325785A JPS62124128A (ja) 1985-11-22 1985-11-22 架橋型、親水性ポリスチレンの製造方法

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ATE513868T1 (de) * 2007-12-06 2011-07-15 Basf Se Bei raumtemperatur vernetzbares, ionenleitfähiges polymersystem

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