JP2931979B1 - 延伸可能な共重合ポリシラン及びそれからなる延伸フィルム - Google Patents

延伸可能な共重合ポリシラン及びそれからなる延伸フィルム

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JP2931979B1 JP23145998A JP23145998A JP2931979B1 JP 2931979 B1 JP2931979 B1 JP 2931979B1 JP 23145998 A JP23145998 A JP 23145998A JP 23145998 A JP23145998 A JP 23145998A JP 2931979 B1 JP2931979 B1 JP 2931979B1
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宣孝 谷垣
義一 田辺
裕子 京谷
三喜子 吉田
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Abstract

【要約】 【課題】 延伸可能な新規なポリシラン及びそれからな
る延伸フィルムを提供する。 【解決手段】 ジメチルシラン単位Aとメチルプロピル
シラン単位Bとからなり、該ジメチルシラン単位Aの含
有量[A]と該メチルプロピルシラン単位Bの含有量
[B]との重量比[A]/[B]が3/7〜6/4の範
囲にあり、かつその数平均分子量が50,000以上で
あることを特徴とする延伸可能な共重合ポリシラン。及
び前記共重合ポリシランからなる延伸フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は延伸可能な共重合ポ
リシラン及びそれからなる延伸フィルムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ポリシラン配向膜は、偏光フィルター、
導電材料、レジスト用材料としての利用が期待されてい
る。フリースタンディングの配向膜を作製する場合に
は、そのポリシランは延伸可能であることが必要であ
る。しかしながら、従来のポリシランの場合、その多く
は延伸不能のもので、そのポリシランをフィルム化し、
延伸するときに、そのフィルムは延伸過程で容易に破断
してしまう。高倍率まで延伸可能のポリシランとして
は、高分子量のポリメチルエチルシランが知られている
にすぎず[H.Kyotani et al.,Pol
ym.Prepr.,Jpn.,44,1543(19
95)]、各種物性の配向膜を得る点から、種々のポリ
シラン単位、共重合組成からなる延伸可能のポリシラン
の開発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、延伸可能な
新規なポリシラン及びそれからなる延伸フィルムを提供
することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、ジメチルシラン単位
Aとメチルプロピルシラン単位Bとからなり、該ジメチ
ルシラン単位Aの含有量[A]と該メチルプロピルシラ
ン単位Bの含有量[B]との重量比[A]/[B]が3
/7〜6/4の範囲にあり、かつその数平均分子量が5
0,000以上であることを特徴とする延伸可能な共重
合ポリシランが提供される。また、本発明によれば、前
記共重合ポリシランからなる延伸フィルムが提供され
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の共重合ポリシランは、下
記構造式(1)
【化1】 (式中、Meはメチル基を示す)で表されるジメチルシ
ラン単位Aと、下記構造式(2)
【化2】 (式中、Meはメチル基を示し、Prはプロピル基、好
ましくはn−プロピル基を示す)で表されるメチルプロ
ピルシラン単位Bとからなり、そのジメチルシラン単位
A(以下、単に単位Aとも言う)の含有量[A]とメチ
ルプロピルシラン単位B(以下、単に単位Bとも言う)
の含有量[B]との重量比[A]/[B]は3/7〜6
/4、好ましくは5/5〜6/4の範囲にある。またそ
の数平均分子量は、50,000以上、好ましくは7
0,000以上である。前記重量比[A]/[B]が前
記範囲より小さくなると、得られる共重合ポリシラン
は、室温付近で柔軟な固体となり、フリースタンディン
グ膜として優れた力学特性は期待できない。一方、前記
範囲より大きくなると、共重合ポリシラン中の高分子量
成分が不溶不融となるため、キャスト膜を作製すること
ができなくなる。また、共重合ポリシランの分子量が前
記範囲より低くなると、張力を加えると容易に破断し、
延伸膜を作製することができなくなる。本発明の共重合
ポリシランの数平均分子量の上限値は、特に制約され
ず、通常、100万程度である。
【0006】本発明の共重合ポリシランを合成するに
は、ジメチルジクロロシランとメチルプロピルジクロロ
シランとをナトリウム触媒の存在下で重縮合させる。こ
の場合、反応溶媒として、トルエン等の芳香族炭化水素
が用いられ、その反応温度は110℃程度である。この
合成法では、得られる共重合ポリシランの組成は、使用
した原料モノマー比に対応する。前記のようにして共重
合ポリシランを合成する場合、その数平均分子量が小さ
い場合には、分子量分別法により、低分子量分をカット
することにより、所定の数平均分子量を有する共重合ポ
リシランを得ることができる。
【0007】本発明の共重合ポリシランは、延伸可能の
もので、フィルム成形した後、延伸して、延伸フィルム
とすることができる。また、このものは、溶媒可溶性を
有し、トルエン等の有機溶媒に溶解させて有機溶媒溶液
とすることができる。
【0008】本発明の共重合ポリシランを用いて成形物
を形成する場合、その方法としては、共重合ポリシラン
の有機溶媒溶液をキャスティング法によりフィルムに成
形する方法や、熱成形法(押出し成形や、射出成形、プ
レス成形等)によりフィルムや容器等の成形物に成形す
る方法が採用される。
【0009】本発明の共重合ポリシランから形成された
フィルムは、これを1軸方向に延伸して延伸フィルムと
することができる。この場合の延伸温度は40〜78
℃、好ましくは65〜75℃である。また、その延伸倍
率は4〜8倍、好ましくは6〜8倍である。延伸フィル
ムの厚さは特に制約されないが、5〜100μm、好ま
しくは10〜20μmである。このようにして得られる
延伸フィルムは、70〜80℃の温度で5〜15分間熱
処理するのが好ましく、これにより熱安定性のよい延伸
フィルムを得ることができる。
【0010】本発明の共重合ポリシランからなる延伸フ
ィルムは、その末延伸フィルムに比べて、動的弾性率
や、強度等の物性が大幅に向上し、また偏光機能を示す
ものである。
【0011】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0012】実施例1 (共重合ポリシランの合成)110℃に加熱したトルエ
ン50ml中にナトリウム3.66gと触媒としてジグ
リム1mlを分散させ、このナトリウムが分散したトル
エン中に、ジメチルジクロロシラン4.4mlとメチル
−n−プロピルジクロロシラン5.5mlとの混合物を
25℃で5分間かけて滴下した。その後、反応系を11
0℃に保って4時間かけて重合反応を行った。次に、こ
のようにして得た共重合ポリシランのトルエン溶液に2
−プロパノールを加えて共重合ポリシランを固体として
析出させ、これをろ過して、水で洗浄して塩を除去し
た。さらに、生成物をトルエン400mlに再度溶解
し、水で15回ほど洗浄した。トルエンを気化させ10
0mlに濃縮し、2−プロパノール300mlを加えて
2.1gの白色沈殿を得た。この共重合体ポリシラン
は、数平均分子量数千の成分と約10万の成分からなる
広い分子量分布を示した。この共重合体ポリシランを再
度トルエン100mlに溶解し、40mlの2−プロパ
ノールを加えて共重合体ポリシランの高分子量成分を析
出させた。得られた試料は40℃で真空乾燥した。この
操作を数回繰り返すことにより、数平均分子量約10万
の試料を分別した。また、その組成をNMRで調べる
と、ジメチルシラン単位Aとメチル−n−プロピルシラ
ン単位Bとが組成比ほぼ1:1で共重合したものである
ことが確かめられた。
【0013】実施例2 (延伸フィルムの作製)前記で得た数平均分子量が約1
0万の共重合ポリシラン100mgをヘキサン1mlに
溶解させて溶液とし、この溶液を30℃でキャスト法に
より製膜して、厚さ40μmの共重合ポリシランからな
るフィルムを作製した。次に、このフィルムから試料テ
ープを切り出し、これをチャックにはさみ、70℃で延
伸速度100%/minで1軸方向に約7倍延伸した
後、80℃で5分間熱処理した。
【0014】実施例3 (共重合ポリシランの熱分析)実施例1で得た共重合ポ
リシランを用いて、その示差走査熱量分析(DSC)を
行ったところ、そのDSC曲線には、70〜120℃付
近のブロードな吸熱と80〜90℃のシャープな吸熱が
見られ、2種類の転移が存在することが確認された。
【0015】実施例4 (延伸フィルムの物性測定)実施例2で得た試料テープ
(幅1mm、長さ20mm、厚さ15〜22μm)を用
いて、その動的弾性率を測定したところ、室温における
その値は2〜3GPaであり、−150℃におけるその
値は13GPaであり、いずれの値も未延伸フィルムに
比べて、約1桁増加していることが確認された。また、
その延伸フィルムを広角X線回析したところ、高配向し
ていることが確認された。即ち、その広角X線回析プロ
フィールを解析すると、その赤道反射には2θ=11.
3°、15.8°に反射が観測され、その子午線プロフ
ィールには、2θ=47.3°に全トランスコンホメー
ションに特有の反射が観測されている。2θ=47.3
°の反射強度の方位角依存性からHermans−St
einの配向関数(f=(3<cos2φ>−1)/
2)を求めたところ、その配向関数fは0.94であ
り、そのフィルムは高配向していることが確認された。
【0016】
【発明の効果】本発明の共重合ポリシランは延伸可能な
もので、このものをフィルムに成形し、そのフィルムを
延伸する際に破断することはない。本発明の共重合ポリ
シランからなる延伸フィルムは、高配向性のもので、優
れた力学特性と偏光特性をもつフリースタンディングの
配向膜として、偏光フィルター等の光学材料への適用が
期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 京谷 裕子 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術 院物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 吉田 三喜子 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術 院物質工学工業技術研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 77/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジメチルシラン単位Aとメチルプロピル
    シラン単位Bとからなり、該ジメチルシラン単位Aの含
    有量[A]と該メチルプロピルシラン単位Bの含有量
    [B]との重量比[A]/[B]が3/7〜6/4の範
    囲にあり、かつその数平均分子量が50,000以上で
    あることを特徴とする延伸可能な共重合ポリシラン。
  2. 【請求項2】 請求項1の共重合ポリシランからなる延
    伸フィルム。
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