JPH04504949A - 組換えpdgfおよび製造方法 - Google Patents
組換えpdgfおよび製造方法Info
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- JPH04504949A JPH04504949A JP51153689A JP51153689A JPH04504949A JP H04504949 A JPH04504949 A JP H04504949A JP 51153689 A JP51153689 A JP 51153689A JP 51153689 A JP51153689 A JP 51153689A JP H04504949 A JPH04504949 A JP H04504949A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。
Description
明細書
組換えPDGFおよび製造方法
1、発明の分野
本発明はDNA構築物および血小板由来増殖因子(PDGF)の製法に関する。
特に、本発明は細菌細胞による大量のPDGF−Bの発現を可能にする構築物で
ある、PDGF−B配列含有融合タンパク質をコードするDNA構築物に関する
。
2、発明の背景
2.1.一般的細胞性増殖因子
近年、種々の種類のヒト細胞により生産されることが見い出された多数のマイト
ジェン因子、より一般的には、通常細胞性増殖因子と呼ばれるものにかなりの関
心が払われている。これらの増殖因子に共通の顕著な特性はそれらが多数の細胞
型の増殖をインビトロで刺激する能力である。通常の状態では、培養中の二倍体
細胞は、分裂開始には外因性増殖因子の存在に依存し、そしてこれらの因子が存
在しない場合細胞は細胞周期を離れ、外部から刺激される迄G I / G 0
のままであろう。他方、トランスフオームされた細胞(例えば癌性細胞)は、有
糸分裂を刺激するのに外因性増殖因子には依存せず、むしろ、いかなる外部刺激
がなくても連続的に細胞分裂を可能とするい(つかの内部 制御機構を有すると
思われる。この点で、いわゆる「増殖因子」が積極的に研究されている。証拠の
有力なものは、これらのマイトジェンが腫瘍細胞により示される過剰増殖を制御
する機能の喪失とインビボで関連している「トランスフォーミングタンパク質」
としての役割を果たす可能性があることを示唆している。
事実、多(の観察では、成る種の増殖因子が成る種のヒト腫瘍細胞によりインビ
トロでルーチン的に作られそして放出されることが示される。
2.2.特異的増殖因子
成る「群」の増殖因子が主にそれらの構造的類似性により分類され定義されてい
る(HeldenおよびWester−mark、 Ce1l 37: 9−2
0.1984)表皮増殖因子(EGP)および成る種の腫瘍細胞増殖因子(例え
ば、TGF−α)は、細胞性ゲノムの天然の産物である可能性がある比較的低分
子量(6,000〜7.000)の一本鎖タンパク質である。
インシュリンおよびインシュリン様増殖因子を含むインシュリン群増殖因子(r
GF)も配列相同性を共有する小さなタンパク質である。
本発明にとって特に興味のあるものは、血小板由来増殖因子(PDGP)である
。PDGPは、血小板の活性化により放出され、α−血小板中に貯蔵される増殖
因子である。血小板は血液凝固機構に絶対必要な役割を果たしており、その活性
化は組織外傷、血管壁の内皮表面への損傷、または血液中の内因性の凝固因子の
いくつかに対する外傷のような種々の因子により開始される。
血小板は血管壁の破壊された表面に付着しPDGFを放出する。PDGFは、一
般に結合組繊細胞の生成および組織の修復を開始するのに必要な繊維芽細胞およ
び平滑筋の生成を刺激する強力なマイトジェンとして作用する;これはまた傷の
治療過程において必須でもある好中球に対する化学的誘引物質としても作用する
。従って、PDGFはインビボで傷の治療に使用される医薬製剤にとり込まれる
潜在的候補標的とされてきた。
精製された形態のPDGFは分子量約30.000を有する陽イオン性糖タンパ
ク質である。サイズの不均一性がみられるが、これはグリコジル化レベルの変動
、細胞によるプロセッシングおよび2つの形態PDGF−Aと−Bの存在の結果
であると考えられている。PDGFの生物学的活性形は明らかにジスルフィド橋
により連結された分子量14.000を有する2個の異なるポリペプチド鎖から
なるヘテロダイマーである。PDGFは細胞表面レセプターに結合することによ
り活性を集成する。この結合により生ずる生理学的変化には、レセプターの自己
リン酸化およびある種の細胞質基質のチロシン残基のリン酸化が包含される。こ
の作用は血管の平滑筋細胞中におけるCa”チャネル遮断剤により阻害されると
いわれている。(Block等、 PNAS USA 86: 2388−23
92. 1989)上述したように、成る種の増殖因子が細胞の増殖を刺激する
際のトランスフォーミングタンパク質として作用しつるというかなりの推測が存
在する。興味あることに、PDGFのA鎖およびB鎖は配列の相同性をいくつか
共有しており、特にB鎖はシミアン肉腫ウィルスの形質転換生成物であるp28
v−“1のアミノ酸配列の一部とほぼ完全に相同である(SSV ; Dool
ittle等。
5cience 221: 275−276、1983) o しかしながら、
ヒト天然型PDGFと異なり、p2sV−Ioはホモダイマーを形成するが、こ
れはさらにPDGFのサイズと同様のサイズにプロセッシングされる(Robb
ios等、 EMBOJ 4: 1783−1792.1985)。事実、多数
のホモダイマーA−AおよびB−Bは完全な生物学的活性を有することが報告さ
れている。例えば、PDGF様マイトジェンである骨肉腫細胞由来増殖因子はA
faホモダイマーである()feldin等、 Nature 319: 5f
l−514,1986)。ブタ血小板もB−Bホモダイマーを生産すると思われ
る(Stroobant等。
EMBOJ 3: 2963−2967、1984)。
高度に精製された生物学的に活性なPDGFを生産する多くの試みがなされてき
ており、そして多くの人が種々の宿主系において組換えPDGFを発現させるこ
とを試みてきた。米国特許第4 、479.896号はゲル電気泳動およびタン
パク質の位置決定するための染色を用いる方法による、血小板からの天然PDG
Fの単離および回収方法を記載している。米国特許第4.766、073号、4
,769゜328号および第4.849.407号はそれぞれ真核細胞、特に酵
母中で組換え的に生産される種々のPDGF類似体を開示している。ヨーロッパ
特許公開第282317号は精製PDGF−B!I、およびこの8鎖の単離に宵
月なモノクローナル抗体を開示している。ヨーロッパ特許公開第288307号
は、酵母および哺乳動物細胞におけるDNAの発現のみならずヒトPDGF−A
鎖をコードするDNAを育する発現ベクターを記載している。
組換えPDGFの生産のいくつかは成功したが、これらの結果は酵母および哺乳
動物細胞のような真核細胞中で主に達成されている。これらの系においては妥当
な量の生産物が明らかに生成されつるが、これらの細胞、特に哺乳動物細胞は培
養が高価かつ困難であり、それゆえ商業的には好ましくない。原核細胞における
組換えタンパクの生産は、それが容易であり、安価で多量に生産されるので、そ
れによる生産が可能であることが一般的には好ましい。しかしながら、今日まで
原核細胞、特にE、コリ(E、コリ)におけるPDGFの生産はほとんど成功し
ていない。事実E、コリにおけるPDGFの収率は検出するのが極端に困難であ
りそして/または生成物は代表的には不活性である。E、コリによる成熟PDG
Fの生産が何故そのように低いかは明らかでないが、機能性を有する真核生物タ
ンパク質の生産に必要なプロセッシング工程は原核生物では達成できず、従って
タンパク質は正しく折りたたまれず、ジスルフィド橋が適正には形成されえない
可能性があることが示唆されている(Devare等、 Ce1l 36: 4
3−49.1984;Wang等、 J、 Biol、 Chem、 259:
10645−10648.1984)。
それゆえ、PDGFが商業的に有用な規模で生産されるためには、他の生産方法
が必要である。本発明は、生物学的に活性なPDGF−BをE、コリから大量に
生産するのに有用な方法およびDNA構築物を提供する。
3、発明の要約
本発明は、
(i ) (a)宿主細胞による発現可能な原核生物タンパク質の全部または一
部分であるセグメント;(b)化学的に切断しうる部位を有するセグメント;お
よび(C)PDGF−Bモノマーであるセグメント;を有する融合タンパク質を
コードするヌクレオチド配列を含有する組換え遺伝子で原核生物宿主細胞を形質
転換する、ここで前記融合タンパク質のセグメントをコードする遺伝子のセグメ
ントは操作可能に連結されておりかつ宿主細胞により融合タンパク質として発現
可能であり;
(1j)宿主細胞により生産された融合タンパク質を回収し;
(iii)融合タンパク質を化学的に切断してPDGF−Bモノマーを放出させ
、そして、
(iv)該モノマーを精製する、
ことを含んでなる、原核細胞における生物学的に活性なPDGF−8の生産法を
提供する。
PDGFのモノマー形は、ある場合にはそれ以上プロセッシングされることなし
で生物学的活性を示しつる。
しかしながら大抵の場合ダイマー形態物を再構成するのが好ましいであろう。従
って、本発明はまた(V)ジスルフィド橋の形成により前記モノマーを二重化さ
せ;そして
(vi) PDGF−BBホモダイマーを回収する、工程を付加的に包含する、
前記工程(i)−(iv)を包含する製法をも提供する。
この方法は生産された全細胞タンパク質の30%の多量のPDGFをE、コリ中
にて提供する。
この方法はまた、PDGF生物活性を生じうる融合タンパク質をコードする組換
え遺伝子、およびこれら組換え遺伝子を含有するベクターをも提供する。加えて
、この組換え遺伝子を含有する形質転換された原核細胞系が提供され、この細胞
系はPDGFモノマーを大量に生産しつる。
本発明の方法、遺伝子、ベクターおよび細胞系は商業的開発にとって実際的な価
格で生物学的に活性なPDGF−8を大量に生産することを可能とする。
4、
図1はプラスミドpH−PFI 4の構築法を示す。プラスミドpMWV−2か
ら得られた2kb長さのBam旧フラグメントを逆方向でファージM−3mp1
8に組み込む(白ヌキのボックス: c−cis−mRNA配列、斜線ボックス
:成熟PDGF−B領域)。もとの終止コドンTAGを含む長い3°範囲をSm
ar消化により除去した。終止リンカ−をこの領域に導入した。5°−領域はエ
キソヌクレアーゼ■消化により除去した。ベクターpJLA504を通じて一代
継代した後、読み取りパターン中のPDGP−8コ一ド配列をベクターpEZ1
のSal I/ EcoRV切断点に組み込んだ。PR=バクテリオファージプ
ロモーター; cro’ −1ac 7 = cro−β−ガラクトシダーゼ融
合タンパク質; tfd=ファージ転写ターミネータ−0
図2は天然のPDGF−Bのアミノ酸配列およびプラスミドpE−pF14によ
りコードされる融合タンパク質のCNBr切断により回収される組換えPDGF
−8の配列を示す。
rPDGF−8においては、CNBrでの切断により最初の12個のアミノ酸が
除去されることに注目すべきである。更に0、rPDGF−BはC末端で5個の
アミノ酸を付加的に含有する。これらアミノ酸の3個はPDGF−BBの配列と
相図3はPDGF−Bの配列を含めたプラスミドpH−pF14の完全なヌクレ
オチド配列を示す。
図4は
A)E、 コリ細胞からの溶解物:
B)%ツマー性のS−スルホン化rPDGF−B ;C)変性後のrPDGF−
BB ;
D)精製されたrPDGF−8(ダイマー);およびS)標準物
のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す。
図5は本方法により生産された組換えPDGF−BBの生物学的活性を示す。グ
ラフは当初は休止状態にあるAKR−28繊維芽細胞における2H−チミジンの
取り込みの刺激を示す。
図6は本発明の融合タンパク質の多数の模式的表示を示す。
A、天然にプロセッシングされたヒトPDGF−Bモノマー形。
B9本発明の実施例により生産され、続いて臭化シアン切断されたタンパク質で
、アミノ末端で12個のアミノ酸が欠失しカルボキシ末端で5個伸長している。
C0天然のカルボキシ末端およびBにおけるようなアミノ末端を生成させるため
のエンテロキナーゼ切断部位を有するように修飾されたβ−gal−PDGF−
8融合タンパク質。
D、Cにおけると同様であるが、trpE融合物とした。
E、Cにおけると同様であるが、Xa因子切断部位を有する。
F、 Dにおけると同様であるが、Xa因子切断部位を有する。
G、融合物C,D、 EおよびFを適当なタンパク質分解酵素で切断した産物。
5、発明の詳細な説明
5.1.融合タンパク質配列
融合タンパク質は、真核生物タンパク質の発現に使用され、強力なプロモーター
の制御下にある所望のタンパク質の遺伝子を配置しており、そして/または他の
方法では同定困難なタンパク質に検出可能なシグナルを付与することが知られて
いる。しかしながら、発現の結果を前もって予想できず、そして、PDGFを含
有する融合タンパク質はまだ生成も示唆もされていない。
通常の状況は、融合タンパク質のアミノ末端が原核生物配列によりコードされて
おり、これは強力なプロモーターの制御下に置くことができ、そしてカルボキシ
末端は真核生物配列によりコードされる。
本発明の場合、発現に融合タンパク質を使用することにより原核宿主中で予想外
に高収率でPDGFが生産できること、および生物学的に活性なダイマーがこの
ようにして生産されたモノマーから容易に生成されうることが見い出された。融
合タンパク質を生産するDNA配列の基本的な部分はfa)宿主細胞による発現
可能な原核生物タンパク質の少なくとも一部分を表すセグメンh 、 (bl化
学的に切断しつる部位を有するアミノ酸配列をコードするセグメント;および(
CIPDGFの生物活性それ自体を有するか、またはダイマー形にある場合にP
DGF生物活性を有するタンパク質をコードするセグメントである。加えて、こ
の融合タンパク配列は相互に操作可能に連結されておりかつ適当な制御エレメン
トに操作可能に連結されていて従って遺伝子は選択された宿主生物により転写、
翻訳および発現できなければならない。これらの特徴を以下により詳細に論議す
る。
5 、1.1.原核生物タンパク質セグメント一般に融合タンパク質の生産にお
いては、検出可能な酵素活性を生ずる配列、そして好ましくは視覚的に検出可能
な酵素的機能を有する配列を原核生物タンパク質として使用することが通常であ
る。この目的に最も頻繁に使用される酵素はβ−ガラクトシダーゼである。形質
転換されたクローンをすぐ同定するには、推定形質転換体をβ−ガラクトシダー
ゼ活性の存在に関してスクリーニングできる(Miller、 Experim
ents in M。
le−cular Genetics、 Co1d Spring Harbo
r Press、 NewYork 1972)。このアッセイにおける色の生
成は宿主細胞による融合タンパク質の生産を示すものであり、そして色の強度は
融合タンパク質の相対的発現の指標である。しかしながら、これは融合タンパク
質生産性り本発明の実施例において記載される融合タンパク質の遺伝子を構築す
る過程において、プラスミドpEx−1のSa l I/ EcoRV消化によ
り1000個をこえるヌクレオチド、すなわちタンパク質のほぼ3分の2が欠失
される。
それにもかかわらず、依然としてcro−β−gal融合タンパク質の高レベル
の発現が達成された。このように、原核生物タンパク質をコードする完全な配列
の組み込みは、検出可能性の観点からは望ましいものであろうが、所望の発現レ
ベルを達成するためには必要でない。
Cr0−β−ga 1−PDGF−B−融合タンパク質を生産するクローンの同
定は、cro−β−galタンパク質における有意の増大をもたらす唯一の長い
読み枠がPDGF−B遺伝子中に存在するという事実により促進される。このよ
うに、クローンが容易に単離され、14,000の分子量増加を示す。
本発明の実施例に記載される態様においては、融合タンパク質配列のアミノ末端
部分はcroリプレッサーβ−ガラクトシダーゼ遺伝子(cro−β−gal)
またはその一部である。しかしながら、本方法は、この特定配列の使用に限定さ
れない。例えば、他の原核生物タンパク質は、図5に示されるようにtrpE遺
伝子産物である(Kleid等、 5cience 214: 1125−11
29. 1981)。
5.1.2.化学的切断部位
した後PDGF配列から原核生物配列を除去しうるためには、融合タンパク質を
コードするDNA配列は、原核生物配列と機能を有するPDGF配列との間に化
学的に切断しつる部位をコードする配列を含有しなければならない。明細書およ
び特許請求の範囲を通じて用いられる「化学的に切断しつる部位Jとは、その部
位でペプチド結合を切るために化学的試薬で処理してそれにより酵素配列をPD
GF配列から効果的に分離しつる部位を意味する。この機能は多くの方法で使え
る。例えば、本実施例においては、天然のPDGFアミノ酸配列の12位に存在
するメチオニンの切断に臭化シアンが使用される。
これはPDGF配列の最初の12アミノ酸の欠失を生ずるが、タンパク質の残り
の部分は依然として非常に高レベルのPDGF生物活性を示す。
しかしながら、他の態様では全PDGF配列を保持させることが好ましいであろ
う。かかる場合は、酵素配列とPDGF配列との間に連結配列を含有する融合タ
ンパク遺伝子を構築できる。このリンカ−DNA配列はタンパク分解酵素による
分解を受けやすいペプチド配列をコードしつる。使用される特異的配列は限定的
ではないが、但し使用される酵素はPDGF配列の決定的に重要な部分内の部位
をも攻撃することはないものとする。この目的で使用されるいくつかの好ましい
酵素はエンテロキナーゼまたはXa因子であり、これらのそれぞれが図5に示さ
れる配列を存する特異的部位を切断する。
しかしながら、他の任意のプロテアーゼにより作用を受ける配列も、その配列が
PDGF−8配列自体の決定的に重要な部分内で反復されていないという条件で
、使用できる。酵素の作用部位についての知識により、他の切断部位を選択する
ことは当業者の能力範囲内の事柄である。
5.1.3. PDGF配列
天然PDGF−Bの配列はよく知られており、図2に再現されている。適当な配
列は適当な細胞源に由来するヒトcDNAライブラリーからも単離できる。ライ
ブラリーのPDGF−8フラグメントはPDGF−8鎖と実質的に相同なV−s
is(SSV)遺伝子の全部または一部とハイブリッド形成させることにより容
易に同定できる。単離したcDNAとPDGF−B鎖の同一性はDNA配列決定
により証明できる。
しかしながら、本発明の範囲は完全な天然PDGF配列の使用に限定されないこ
とが理解されるべきである。すでに前記したとおり、天然配列中の最初の12ア
ミノ酸の除去は生物活性に実質的に何ら影響しなかった。加えて、後記する実施
例かられかるように、天然の分子末端に数値のアミノ酸を添加してもそのタンパ
ク質の活性に悪影響を与えない。従って、活性を失うことなく PDGF配列に
実質的な修正を行いうろことが明らかである。それゆえ、「生物学的に活性なP
DGFJなる用語は、天然の配列並びに天然の配列とは異なるが必要な活性を保
持するに十分に重複的であるそれらの相同物をも包含することが意図される。配
列内になし得る変化の種類は、例えば分子の必須構造を保持する「サイレント」
または「保存的」変化である。換言すれば同一の、または機能的に均等な遺伝子
産物をコードする遺伝子配列を生ずる。欠失、付加または異なったヌクレオチド
残基の置換による天然型ヌクレオチド配列の変更が意図される。この遺伝子産物
は欠失、付加またはアミノ酸残基の置換を含み得る。置換は関与する残基の極性
、電荷、溶解度、疎水性、親水性および/または両親媒性性質における類似性に
基づいて行い得る。
例えば、負に荷電したアミノ酸にはアスパラギン酸およびグルタミン酸が包含さ
れる:正に荷電したアミノ酸にはリジンおよびアルギニンが包含される;荷電さ
れていない極性のヘッド群または類似した親水性の値を有する無極性のヘッド群
を有するアミノ酸には以下のものが包含される:ロイシン、イソロイシン、バリ
ンニゲリシン、アラニン;アスパラギン、グルタミン:セリン、トレオニン;フ
ェニルアラニン、チロシン。
当業者は利用可能でありかつ機能を存するPDGP分子を生ずる変化の種類を認
識するであろう。
本実施例においては、モノマーを放出するのに使用される臭化シアン分解ゆえに
、融合タンパク質のPDGF部分か天然配列の最初の12アミノ酸を欠く態様が
記載される。 これは、■遺伝子のアミノ末端プロ配列をコードする領域がその
タンパク質のダイマーを形成能および宿主を形質転換させる能力に悪影響を与え
ることなく、欠失できるという以前の報告と一致する。
(Richter−Kingら、PNAS tJsA 82: 5295−52
99. 1985;Hannink ら、Mo1. Ce1l Biol、6:
1343−1348. 1986;5auerら、J、 Virol、 59
: 292−300.1986)。加えて、例示したrPDGF−Bは、Sma
I消化によるもとの終止コドンの欠失およびこの部位での終止リンカ−の挿入
ゆえにC末端に5残基が伸長されている。しかしながら、融合タンパク質はまた
、その天然の状態におけるPDGF−B配列で生産されることもできる。
この情報から、PDGF配列は実質的にN−とC−両末端で修飾でき、かつ依然
として生物活性を保有し得ることは明らかである;従って、天然配列またはいず
れかの末端で減少もしくは伸長された配列を存する融合タンパク質は、本明細書
および特許請求の範囲で用いられるrPDGFモノマー」なる用語の範囲内に包
含される。再生されたダイマーPDGFは異なった長さのモノマーから成りうる
ことも意図される。
5.2.精製
単離されたPDGF−B鎖を得るためには、その種にとって適切な培養条件下に
形質転換宿主細胞を増殖させる。
使用した種の如何に応じ、タンパク質は上清および細胞自体の両方から単離し得
る:しかしながらE、コリでは、タンパク質を細胞から直接に抽出する必要があ
る。封入体は1掲の5tanleyおよびLuzio記載の方法により細胞から
単離でき、そしてそこからタンパク質を単離できる。次に融合タンパク質をタン
パク質内に設けられた特異的な切断部位に適する方法により切断してモノマーを
放出させる。
ひとたびモノマーが放出されると、その後の精製を行うことができる。低pl(
環境下においては、他の付加的な工程に先立ちB鎖のチオール基を酸化から可逆
的に保護することが一般的に好ましいであろう。チオール基の保護はスルホン化
により達成できる。これは、タンパク質に亜硫酸塩および亜ジチオン酸塩を添加
することにより達成できる。しかしながら、成る種の他の方法、例えばメルカプ
トエタノールの存在下におけるクロマトグラフィーまたはDTNBによるチオー
ルの修飾は、有用な構築生成物を生じなかった。
ゲル浸透クロマトグラフィーは通常約1〜6モルの変性剤、例えばグアニジン塩
酸の存在下に組換えタンパク質を更にffj製するのに好適な方法である。切断
後に残存する任意の融合タンパク質フラグメントはこの方法により容易に除去さ
れる。水で透析後、沈澱か生じ、この中には幾らかの量の非タンパク性物質が濾
過後においても残留しつるが、ペプチドはギ酸で抽出することによりさらに単離
される。次にこれらペプチドをHPLCで更に精製する。前述の方法は好適な態
様を示すが、任意の適当なりロフトグラフィー法によってもPDGFは単離でき
ることに注目すべきである。これらの方法の変更は当業者により容易に認識され
よう。
5.3.再生
上記したとおり、PDGF−Bモノマーが生物活性を示す幾つかの場合があり得
る。しかしながら、信頼性をもって生物活性を得るためには、rPDGF−Bは
ダイマーの形態に再生されるのが好ましい;ダイマーの形成は自然発生的に起る
とは思われない。再生を達成するためには、精製され保護されたモノマー上のス
ルホ基を還元し、そしてジスルフィド橋が形成される。通常、これは例えば尿素
(4モルまで)とチオール試薬の存在下で一工程で達成できる。例えば、精製さ
れたタンパク質をグルタチオン(100ミリモルまで)、または、2−メルカプ
トエタノール(2%の濃度まで)で処理し続いて室温で最高2日迄インキュベー
ションすることによって再生はむしろ容易になされる。これらの条件下における
ダイマー形成はむしろ特異的であり、高収率である。こうして形成されたダイマ
ーは、逆相クロマトグラフィーまたはイオン交換クロマトグラフィーによりさら
に精製できる。このことは、全タンパク質量の約20%を占めるMr約24.0
00のバンドの出現により証明される。より高分子量形態のものはもしあっても
わずかである。収量は培養物11当たりrPDGF−BB 0.7〜1.Omg
であった。これは、真核生物系におけるPDGFダイマーの発現率に最も匹敵す
るが、ある場合には真核生物系はPDGFの商業的生産には受容し難いレベルで
ある5〜20ng/m1程度の低さである(KellY等、EMBOJ 4:
3399−3405.1984)。
5.4.生物活性
本方法で調製された再生PDGFはインビトロで試験した場合、すぐれた増殖促
進活性を有する。事実、rPDGFは1〜3ng/mlの範囲の濃度において[
3H]−チミジンのAKR−2B繊維芽細胞へのとり込みを刺激したが(50%
活性)、血小板から精製したPDGFはそれより活性が僅かに低かった(1.5
〜4ng/ml)。加えて、両方の産物は[2旧−チミジンのとり込みを同一の
最高値まで刺激した。このように、rPDGF−BBはヒト血小板由来PDGF
と品質的に匹敵しうる(図4参照)。
5.5.M御エレメントおよびベクター融合タンパク遺伝子を効果的に発現させ
るには、適切な制御エレメントが選択されなければならない。一般に、この選択
は選ばれたクローニングベクターに応じてなされる。挿入された遺伝子の転写お
よび翻訳を達成するためには、遺伝子は宿主細胞と適合するプロモーターの制御
下に置かれなければならない。
プロモーターは、RNAポリメラーゼが結合しそして転写を開始するDNA領域
である。選択されたプロモーターは、宿主細胞生物から単離されたどれであって
もよい。例えば、一般的に使用される宿主系であるE。
コリは、このもの、そのバクテリオファージまたはそのプラスミドに関連するl
acまたはrecAプロモーターのような多数のプロモーターを存している。λ
ファージPLおよびP、プロモーターのような、合成または組換えにより作製さ
れたプロモーターは、それに隣接するDNAのセグメントの高レベル生産を指示
するのに使用できる。
遺伝子の効率的な転写および翻訳を得るには、開始シグナルも必要である。例え
ばE、コリmRNAにおいては、リポソーム結合部位には翻訳開始コドン(AU
GまたはGIG)および、16SリポソームRNAの3゛末端の塩基と相補的な
他の配列が包含される。これら後者配列のいくつか(シャインーダルガルクまた
は5−D)はE。
コリおよび他の適当な宿主細胞型において確認されている。宿主細胞系と適合し
うる任意の5D−ATG配列が使用できる。これらには、限定するものではない
が、コリファージラムダのCrO遺伝子またはN遺伝子、またはE、l−リトリ
ブトファンE、D、C,BまたはA遺伝子が包含される。
インビトロでクローニングベクターにDNAフラグメントを挿入するための多く
の方法か存在する。DNAリガーゼは二重鎖DNA中の隣接するヌクレオチド間
の一重鎖ニツクをとじる酵素である;それゆえ、この酵素はある種の制限酵素に
より生成された、アニール化された付着端を共有結合させるのに使用できる。あ
るいはまた、DNAリガーゼは平滑末端フラグメント間のホスホジエステル結合
の形成を触媒するのに使用できる。
最後に、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素がフラグメントの
両末端でホモポリマー性3゛−一本鎖テイルを形成させるのに使用できる。ニ一
方の集団の3″末端にオリゴ(dA)配列を付加し、第2の集団の3°末端にオ
リゴ(dT)をブロックを付加することにより2つの種類の分子をアニーリング
させてダイマー環を形成させることができる。これら方法の任意のものをベクタ
ー中の特定部位に遺伝子セグメントプロモーターおよび他の制限エレメントを連
結させるのに使用できる。このように、配列がベクターATG配列に対して正し
い読み枠に来る様式で、融合タンパク質をコードする遺伝子に選択されたベクタ
ー中に、ベクタープロモーターおよび制御エレメントに対して特別の関係で結合
される。使用される方法は既知の任意の発現ベクターまたはその誘導体でありう
る;最も頻繁に使用されるもツノ中にはpBR322,pAC105,pVA
s。
pACYC177、PKH47,pACYC184,pUB 110. pmB
9. pBR325、Col El、 psclol、 pBR313,pML
21. R3F2124. pCRlまたはRR4のようなプラスミドベクター
;ラムダgt11、ラムダgt−WES−ラムダB、シャロン28.シャロン4
A、ラムダgt−t−ラムダBC,ラムダ−gt−1−ラムダB、 M13mp
7.およびM13mp9のようなバクテリオファージベクターがある。
本発明の実施例で記載される態様においては、使用する発現ベクターはpEXプ
ラスミドファミリーの誘導体であり(StanleyおよびLuzio、 EM
BOJ、 3:2963−2967゜1984) 、これはE、コリ、詳細には
NFI株の形質転換に使用された。この組み合わせは好ましい、というのなわち
全細胞タンパク質の30%にもなるからである。
しかしながら、他のE、コリ株を含む多数の異なる宿主細胞型と適合する種々の
発現ベクターが入手しつるならば、代替発現ベクターを異なる原核生物宿主細胞
系と組みあわせることは当業者のなし得る事柄でである。他の好ましい宿主細胞
系は例えばE、コリHBIOI。
JM109. RR−1またはDH−1である。
6、実施例
6.1.材料および方法
以下に、本実施例では使用される材料およびそれらを入手できる供給源または文
献を列記する。
E、コリ JM103 PharmaciaE、コリ NFI EMBOJ 3
:1429−1434(1984)pEXl (プラスミド) Genofit
Heidelberg; またEMBOJ 3:1429−1434(198
4)M13mp18(ベクター) Pharmacis;またFEBS Let
ters198:344−348.345(1986)pJLA504(プラス
ミド) 蝕朋挫:279−283.280(1987)pMVW−2(プラスミ
ド”) FEBS Letters 198:344−348゜グアニジン塩酸
およびトリスはSigmaより、ギ酸、2−プロパツール、アセトニトリルおよ
びトリフルオロ酢酸はMerckより、5ephacryl S−200はPh
armaciaより、5i−300−ポリオールブチルクロマトグラフィーカラ
ムおよびアンピシリンは5ervaより、培地および補添物質はGibcoより
、そして放射性化学薬品はAmer −shamより入手した。
増殖刺激活性は5hipleyらのCancer Res、 44ニア1O−J
ohnson等(Biochem、 Biophys、 Res、 Commu
n、 104:66−74.1982)記載のようにして新鮮な血小板から調製
した。
ゲル電気泳動は、Hoppe等のEur、 J、 Biochem、 155:
259−264.1984; 13.5%ゲル、に記載されるようにして実施し
た。アミノ酸分析はBiotronic’s Analyzer IC2000
により測定した。アミノ末端配列分析はL12 (Sequemat)固相配列
決定装置を用いて実施した。この目的には、タンパク質をジイソチオシアネート
で活性化したガラスにそのアミノ基により結合させた(t+oppe等、上掲)
。あるいはまた、配列は470A気相分析装置(Applied Biosys
tems)により決定された。タンパク質含量はBradford (Anal
、 Biochem、 72: 248−253.1976)およびRedin
baugh & Turley (Anal、 Bio−chem。
153: 267−271.1986)の方法により測定した。
6.21発現ベクターの作製
欠陥ラムダプロファージ(λNam7Nam53cI 857デルターH1)を
組込んだNFI株を宿主としそ使用した(K12デルタ−81デルタtrp l
ac Z−amXstanley & Luzio。
上掲)。出発物質はクローンpMVM−2から得たc−sis−含有BamHI
DNAフラグメント(2kb)であった(Weich等、 FEBS Let
t、 198: 344−348.1986)。このフラグメントをベクターM
13mp18のBamHI接合点に逆方向にサブクローニングした。Smalで
の消化により(図1ル−ンb)、未翻訳3゛配列およびC末端プロ配列をコード
する配列が除去された。次いで翻訳終止リンカ−(PLBiochemical
s)をこのSma I接合点に組み込んだ(図1、レーンC)。c−sis遺伝
子の5゛コード領域を除去するために、プラスミドをPst[と5allで消化
しく図1、レーンe) 、Hen1koff (Gene 28: 351−3
59.1984)記載のようにしてエキソヌクレアーゼIII消化のための5゜
および3′の付着端を生成させた(図1、レーンf)。
残っている第2のストランドはS1ヌクレアーゼを用いて除去した(図1ル−ン
f)。DNAポリメラーゼ−I−フレノウフラグメント処理により、平滑末端が
生成され、次いでこのプラスミドはりガーゼ処理により再び環化された。E、コ
リ株JM103中に形質転換後、コロニーが得られた。エキソヌクレアーゼII
Iによる短縮の程度はミニプラスミド作製およびこれらコロニーのプラスミドD
NAの配列決定により決定された。PDGF−B配列の読みパターンを有するM
13mp18ベクターの「マルチ−クローニング部位」からの5phI接合点か
らのATP開始コドンを含有するプラスミドが得られた。
結果は、NHt末端におけるわずかな変化であった。
(ser−1eu−glyの代わりに、met−pro−1eu−gly)。P
DGF−Bコード配列をSph I/ EcoRI部分消化により切り出しプラ
スミドpJLA504中に組み込み(SphI/EcoRI)(Schaude
r等、Gene 52: 279−283.1987) 、5ailの3゛末端
を得た。
このプラスミドを再びSphで部分消化した(図1、レーンh)。突出ている3
゛末端はT4ポリメラーゼ処理により除去した(図1ル−ンi)。5ail消化
後にPDGF−B配列を含有する390bpフラグメントを単離しく図1ル−ン
j)、そしてpEX1ベクターのSal [/ EcoRV位置に組み込んだ(
図1、下部中央)。
プラスミド吐xiのSa l I/ EcoRV消化により、β−ガラクトシダ
ーゼの約3分の2をコードする、1097ヌクレオチドが除かれた。この欠失は
、cro−β−gal融合タンパク質の高度の発現を変化させなかった。
PDGF−B配列を効率的に発現するコロニーを同定するには、NFL株への形
質転換後に得られたコロニーを光学濃度0.30DU(440nm)になる迄3
0℃で培養し、その後にcro−β−gal融合タンパク質の生産を誘導するた
め42°Cでさらに3時間培養した。細胞を超音波処理により破壊し、ドデシル
硫酸ナトリウム(SDS)および2−メルカプトエタノールで溶解させた。ドデ
シル硫酸ナトリウムの存在下ポリアクリルアミドゲル電気泳動すると、多くの調
製物において65.0OOd(48,000に代わって)の分子量を有する強い
バンドが生成し、このことはPDGF配列の発現を示している。単離されたプラ
スミドをpE−pF14と命名した。pH−pF14プラスミドで形質転換した
E、コリ株NFIはATCCに寄託され、受託番号68104が付与された。
6.3.細胞の培養および封入体の調製11の培養物中に50〜100μm/m
lのアンピシリンを含有するLB培地中にて、光学濃度が0.20DIJ(44
0nm)となる迄E、コリを30°Cで培養し、次いで42℃でさらに3時間振
盪した。遠心分離にて(500Qxg、 10分)細胞を収穫し、トリス−Hc
l(20nM)およびEDTA(0,5mM)、pi(7,8、の20m1中に
懸濁した。典型的な調製では20〜301の培地を増殖させた。細胞は、リビブ
レス(Ribipress: 5orvall)に20.000ps iで2回
通すことにより破壊した。PDGF−8(タイプBの血小板から得た組換えモノ
マー増殖因子)に加えて、croリプレッサーおよびβ−ガラクトシダーゼの一
部から成る融合タンパク質は封入体を形成し、これは2%トリトンX−100(
e濃度)を添加後遠心分離(6000X g、 10分)することにより得られ
た。
6.4.還元およびCNBr切断
20〜30I!の培養物から得た封入体を2%5DS(ドデシル硫酸ナトリウム
)および2%2−メルカプトエタノールを含有するトリス−Hcl(50mM
; pH7,8) 100m1中に溶解した(約1時間、37℃)。少量の不溶
物質を遠心分離(20,0QOX g、 30分間)により除去した。上溝液に
2倍容のアセトンを0°Cで添加した。0°Cで15分後、沈澱を遠心分離しく
6000X g、10分)、これをギ酸(100%) 80m1に溶解した。次
いで20m1の水を加え、不溶物を50,0QOXg、1時間の処理にて除去し
た。1gのCNBrおよび200μlの2−メルカプトエタノールを添加した;
反応混合物を室温で1晩放置した。この溶液を回転蒸発器上で乾燥した。残留物
を6Mグアニジン塩酸80m1を用いて溶解させ、そしてpHを30%NaOH
の添加により7,5に調整した。
PDGP−Bは成熟配列のアミノ末端部分の12位に唯一個のメチオニン残基を
有することに注目すべきである。
それゆえ、cro−β−gal−PDGF−B融合タンパク質をメチオニン残基
の箇所てCNBrで切断すると、12アミノ酸だけ短くなったフラグメントが生
成した。さらに、終止シグナルの導入によりC末端でのタンパク質の変更を生じ
た(図2)。
6.5.3−スルホン化
得られた溶液に、NazSOs IgおよびNazSzOa 0.25gを添加
した。この混合物を室温で5時間放置した。不溶物は遠心分離(50,000g
、1時間)により除去した。
6.6. 3−スルホン化モノ?−rPDGF−8の精製ゲル濾過には、上記で
得られた溶液を5ephacrylS200を充填したカラム(直径5 cm、
高さ100cm)に適用した。溶離剤は、p)17.4の5h+M トリス−H
Clを含有する4Mグアニジン塩酸であった。流速は毎時160m1であった。
フラクション15m1ずつを集めた。フラクションの一部分をSDSゲル電気泳
動により分析し、約14kdの分子量を有するタンパク質を含有するフラクショ
ンを合わせ、5I!の水で一夜透析した。透析中に沈澱が形成され、これはギ酸
を最終濃度が10%となるまで添加することにより溶解させた。不溶物を遠心分
離(20,0QOXg、20分)により除去した。上溝液(約160m1)をH
PLCカラム(直径2cm、高さ25cm ;逆相: 5i−300ポリオール
ブチル、5 μm、 5erva)に、毎分2.5mlの流速で適用した。試料
を適用後、カラムを約2倍容で洗った。
rPDGF−Bモノマーは10%ギ酸、60%2−プロパツールおよび30%H
20に対して10%ギ酸/H20の直線濃度勾配で毎分2.5mlの流速で18
0分間溶離させた。rPDGF−Bは約40〜60分で溶出した。相当するフラ
クションを合一して51のH2Oで透析した。
6.7.ダイマー形成および精製
S−スルホン化モノ7− rPDGF−Bを0.4mg/mlの濃度に調整した
。次に最終濃度が1モルとなるまで尿素を添加し、次いでグルタチオン(5mM
)および酸化型グルタチオン(0,5mM)を添加した。トリス−MCI (あ
る場合にはトリス塩基)を添加してpHを7.8に調整して7.8(最終濃度約
50mM)に調整し、そしてこの反応混合物を室温で2日間放置した。ダイマー
rPDGF−BBをイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。この目的に
は、約20mgのタンパク質を、20mM )リス−HCl (pH7,4)中
のS−セファロースの1mlカラムに通した。
モノ? −rPDGFは20nM トリス−HCl (1)I(7,4)で洗浄
することにより除去した。20nM )リス−HClおよび0.3MNaC1(
pH7,4)で再度洗った後、ダイア −rPDGF−8を20mM )リス−
HClおよび0.7 M NaC1(pH7,4)で溶離させた。ダイマー形成
後の収量は、培養II!当たりタンバク質0.5〜0.7mgタンパク質であっ
た。このタンノ(り質は高純度(SOSゲル電気泳動後)であり、マウスAKR
2B繊維芽細胞において1〜2ng/mlの濃度で3H−チミジンのとり込みを
半最大に刺激した(図4および5)。
特表千4−504949 (11)
FIGtJnE 2
t 1・ 10 ロ
5LJ:aSLτIAjPAMIA):5XTRτfir!!5RJル)DRT
IJA)lFL%−、jPrσ−゛C〜’QRC5CCCNmRNVQC
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特表平4−5o494c)(12)
ro で
5゛0i耐023゜6 □3□3 □32= 233o 2345 ”FICU
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5−−1 コに)C惺−7−3’
32S0 326σ 3270 3280 3290 3300特表千4−50
4949 (13)
6.、紅購W口Q■’m−+4 − − ユπ3′421’5 4220 <;
o6 4240FIGURE 4
S A B D C6
F工GLIRE 5
く の 。 0LiJ u−ロ
特表千4−504949 (14)
Claims (92)
- 1. (i)(a)宿主細胞による発現可能な原核生物タンパク質の少なくとも一部分 であるセグメント;(b)化学的に切断しうる部位を有するセグメント;および (c)PDGF−Bモノマーであるセグメント;を有する融合タンパク質をコー ドするヌクレオチド配列を含有する組換え遺伝子で原核生物宿主細胞を形質転換 する、ここで前記融合タクパク質のセグメントをコードする遺伝子のセグメント は操作可能に連結されておりかつ宿主細胞により融合タンパク質として発現可能 であり; (ii)宿主細胞により生産された融合タンパク質を回収し; (iii)融合タンパク質を化学的に切断してPDGF−Bモノマーを放出させ ;そして、 (iv)該モノマーを回収する、 ことを含んでなる原核細胞における生物学的に活性なPDGF−Bの製法。
- 2. (v)ジスルフィド橋の形成により前記モノマーを二量化させ;そして (vi)PDGF−BBホモダイマーを回収する、工程をさらに含んでなる請求 の範囲1記載の方法。
- 3.セグメント(a)の原核生物タンパク質が少なくともβ−ガラクトシダーゼ 配列の一部分を含有する請求の範囲1記載の方法。
- 4.セグメント(a)の原核生物タンパク質が少なくともβ−ガラクトシダーゼ 配列の一部分を含有する請求の範囲2記載の方法。
- 5.セグメント(a)の原核生物タンパク質が、croリプレッサ−β−ガラク トシダーゼ配列を含有する請求の範囲3記載の方法。
- 6.セグメント(a)の原核生物タンパク質が、croリプレッサ−β−ガラク トシダーゼ配列を含有する請求の範囲4記載の方法。
- 7.セグメント(a)の原核生物タンパク質が、trpE遺伝子産物を含有する 請求の範囲1記載の方法。
- 8.セグメント(a)の原核生物タンパク質が、trpE遺伝子産物を含有する 請求の範囲2記載の方法。
- 9.化学的に切断しうる部位が臭化シアンにより切断されうる請求の範囲1また は2または3または4または5または6または7または8記載の方法。
- 10.化学的に切断しうる部位がタンパク質分解酵素により切断されうる請求の 範囲1または2または3または4または5または6または7または8記載の方法 。
- 11.酵素がエンテロキナーゼである請求の範囲10記載の方法。
- 12.酵素がXa因子である請求の範囲10記載の方法。
- 13.宿主細胞がE.coli.である請求の範囲1または2または3または4 または5または6または7または8記載の方法。
- 14.宿主細胞がE.coli.である請求の範囲9記載の方法。
- 15.宿主細胞がE.coli.である請求の範囲10記載の方法。
- 16.宿主細胞がE.coli.である請求の範囲11記載の方法。
- 17.宿主細胞がE.coli.である請求の範囲12記載の方法。
- 18.形質転換がプラスミドで行われる請求の範囲1または2または3または4 または5または6または7または8記載の方法。
- 19.形質転換がプラスミドで行われる請求の範囲9記載の方法。
- 20.形質転換がプラスミドで行われる請求の範囲10記載の方法。
- 21.形質転換がプラスミドで行われる請求の範囲11記載の方法。
- 22.形質転換がプラスミドで行われる請求の範囲12記載の方法。
- 23.形質転換がプラスミドで行われる請求の範囲13記載の方法。
- 24.形質転換がプラスミドで行われる請求の範囲14記載の方法。
- 25.形質転換がプラスミドで行われる請求の範囲15記載の方法。
- 26.プラスミドがpExプラスミドである請求の範囲19記載の方法。
- 27.プラスミドがpExプラスミドである請求の範囲20記載の方法。
- 28.プラスミドがpExプラスミドである請求の範囲21記載の方法。
- 29.プラスミドがpExプラスミドである請求の範囲22記載の方法。
- 30.プラスミドがpExプラスミドである請求の範囲23記載の方法。
- 31.プラスミドがpExプラスミドである請求の範囲24記載の方法。
- 32.プラスミドがpExプラスミドである請求の範囲25記載の方法。
- 33.プラスミドがpExプラスミドである請求の範囲26記載の方法。
- 34.プラスミドがpExプラスミドである請求の範囲27記載の方法。
- 35.プラスミドがpE−pF14である請求の範囲26記載の方法。
- 36.プラスミドがpE−pF14である請求の範囲27記載の方法。
- 37.プラスミドがpE−pF14である請求の範囲28記載の方法。
- 38.プラスミドがpE−pF14である請求の範囲29記載の方法。
- 39.プラスミドがpE−pF14である請求の範囲30記載の方法。
- 40.プラスミドがpE−pF14である請求の範囲31記載の方法。
- 41.プラスミドがpE−pF14である請求の範囲32記載の方法。
- 42.プラスミドがpE−pF14である請求の範囲33記載の方法。
- 43.プラスミドがpE−pF14である請求の範囲34記載の方法。
- 44.(a)宿主細胞による発現可能な原核生物タンパク質の少なくとも一部分 であるセグメント;(b)化学的に切断しうる部位を有するセグメント;および (c)PDGF−Bモノマーであるセグメント;を含有する融合タンパク質をコ ードするDNA配列であって、前記融合タクパク質のセグメントをコードする遺 伝子のマグメントは操作可能に連結されておりかつ宿主細胞により融合タンパク 質として発現可能であるDNA配列。
- 45.セグメント(a)の原核生物タンパク質が少なくともβ−ガラクトシダー ゼ配列の一部分を含有する請求の範囲44記載の配列。
- 46.セグメント(a)の原核生物タンパク質が、croリプレッサ−β−ガラ クトシダーゼ配列を含有する請求の範囲45記載の配列。
- 47.セグメント(a)の原核生物タンパク質が、trpE遺伝子産物を含有す る請求の範囲44記載の配列。
- 48.化学的に切断しうる部位が臭化シアンにより切断されうる請求の範囲44 または45または46または47記載の配列。
- 49.化学的に切断しうる部位がタンパク質分解酵素により切断されうる請求の 範囲44または45または46または47記載の配列。
- 50.酵素がエンテロキナーゼである請求の範囲49記載の配列。
- 51.酵素がXa因子である請求の範囲49記載の配列。
- 52.図3に示される配列である請求の範囲44記載の配列。
- 53.図5C,D,EまたはFのいずれか1に示される融合タンパク質をコード する請求の範囲44記載の配列。
- 54.請求の範囲44記載の配列によりコードされる融合タンパク質。
- 55.請求の範囲45記載の配列によりコードされる融合タンパク質。
- 56.請求の範囲46記載の配列によりコードされる融合タンパク質。
- 57.請求の範囲47記載の配列によりコードされる融合タンパク質。
- 58.請求の範囲48記載の配列によりコードされる融合タンパク質。
- 59.請求の範囲49記載の配列によりコードされる融合タンパク質。
- 60.請求の範囲50記載の配列によりコードされる融合タンパク質。
- 61.請求の範囲51記載の配列によりコードされる融合タンパク質。
- 62.請求の範囲52記載の配列によりコードされる融合タンパク質。
- 63.請求の範囲52記載の配列によりコードされる融合タンパク質。
- 64.請求の範囲44記載の配列を含有する発現ベクター。
- 65.請求の範囲45記載の配列を含有する発現ベクター。
- 66.請求の範囲46記載の配列を含有する発現ベクター。
- 67.請求の範囲47記載の配列を含有する発現ベクター。
- 68.請求の範囲48記載の配列を含有する発現ベクター。
- 69.請求の範囲49記載の配列を含有する発現ベクター。
- 70.請求の範囲50記載の配列を含有する発現ベクター。
- 71.請求の範囲51記載の配列を含有する発現ベクター。
- 72.請求の範囲52記載の配列を含有する発現ベクター。
- 73.請求の範囲53記載の配列を含有する発現ベクター。
- 74.プラスミドである請求の範囲44または45または46または47または 52また53記載の発現ベクター。
- 75.プラスミドである請求の範囲48記載の発現ベクター。
- 76.プラスミドである請求の範囲49記載の発現ベクター。
- 77.プラスミドである請求の範囲50記載の発現ベクター。
- 78.プラスミドである請求の範囲51記載の発現ベクター。
- 79.プラスミドpE−pF14。
- 80.請求の範囲64または65または66または67または72また73記載 の発現ベクターを含有する宿主細胞系。
- 81.請求の範囲68記載の発現ベクターを含有する宿主細胞。
- 82.請求の範囲69記載の発現ベクターを含有する宿主細胞。
- 83.請求の範囲70記載の発現ベクターを含有する宿主細胞。
- 84.請求の範囲71記載の発現ベクターを含有する宿主細胞。
- 85.請求の範囲78記載の発現ベクターを含有する宿主細胞。
- 86.E.coli.である請求の範囲80記載の宿主細胞系。
- 87.E.coli.である請求の範囲81記載の宿主細胞系。
- 88.E.coli.である請求の範囲82記載の宿主細胞系。
- 89.E.coli.である請求の範囲83記載の宿主細胞系。
- 90.E.coli.である請求の範囲84記載の宿主細胞系。
- 91.E.coli.である請求の範囲85記載の宿主細胞系。
- 92.受託番号68104の下ででATCCに寄託されている宿主細胞系。
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