JPH0449862Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、水田用深層施肥装置に係るものであ
る。

（従来技術） 従来、走行車体に、肥料タンクと、施肥ポンプ
と、施肥ノズルと、接地駆動輪と、橇体等を有す
る施肥部を取付け、前記橇体により前記走行車体
の後端部を支持するよう構成したものにおいて、
前記橇体は、前端部を上方に屈曲させて屈曲部を
形成し、該屈曲部の後方の橇体の中央部には平板
状の取付板の下端部を固着し、該取付板の上端部
を前記施肥部に上端を固定した取付腕の下端部に
ボルトにより上下回動自在に取付けた水田用深層
施肥装置は公知である。

（考案が解決しようとする問題点） 前記公知のものの橇体は、橇体の平板状の取付
板を施肥部に上端を固定した取付腕の下端部にボ
ルトにより回動自在に取付けていたから、前進す
る際の橇体の取付部の抵抗が大きく、また、橇体
の上下回動を規制することもできないため、走行
車体の後端部を持ち上げたようなとき、橇体は必
要以上に回動し、操作が行ないにくい問題もあつ
た。

そこで本願は、前進する際の抵抗を少なくし、
また、橇体の回動を円滑にするとともに、回動を
規制することによつて操作性の向上を図つたもの
である。

（問題を解決するための手段） よつて本考案は、走行車体１に、肥料タンク１
６と、施肥ポンプ２２と、施肥ノズル３２と、接
地駆動輪３９と、橇体３４等を有する施肥部を取
付け、前記橇体３４により前記走行車体１の後端
部を支持するよう構成したものにおいて、前記橇
体３４の前端部に屈曲部４２を形成し、前記橇体
３４の中央部には上方に突出する角筒形状の取付
筒４４を設け、該取付筒４４に取付腕３５の下端
部を弛く嵌合させ横軸３６により回動自在に軸止
した水田用深層施肥装置としたものである。

（実施例） 本考案の一実施例を図により説明すると、１は
施肥装置の走行車体であり、走行車体１より垂設
した左右一対の支脚２，２間には、一輪式の駆動
車輪３を横軸４により軸装する。５は走行車体１
の前側上部に設けたエンジン、６は走行車体１の
後端側に設けた後方に突出している歩行操縦ハン
ドル、７は燃料タンク、８はエンジン５の回転を
ミツシヨン９に伝達するスプロケツト及びチエン
を内蔵する伝動ケースである。

走行車体１の左右両側には施肥部を設ける。施
肥部は、左施肥部１０と右施肥部１１とを連結杆
１２により固定して、前方からみたとき全体を略
状に形成し、左施肥部１０と右施肥部１１の間
に前記走行車体１を位置させる。

施肥部１０，１１は走行車体１とは別体のもの
で、走行車体１の上方より走行車体１に着脱自在
に組付ける。即ち、連結杆１２より前側に突き出
している前後方向の一対の取付杆１３を前記連結
杆１２に設け、該取付杆１３の前端部を前記走行
車体１より側方に突出している突起に上方より係
合させ、抜止ピンで固定する。連結杆１２は、走
行車体１上に載置された後、同様に抜止ピンで固
定する。

取付杆１３の前側には左右方向の支持腕１４の
基部を固着し、支持腕１４の先端側には載置台１
５を取付け、該載置台１５上に肥料タンク１６を
取付ける。肥料タンク１６は、圃場の立毛株１７
の株間１８の上方に設けられ、バンド１９により
前記載置台１５に固定される。

連結杆１２の左右両側には、伝動筐２０の上端
部をそれぞれ固着し、伝動筐２０の上部の外側面
にはギヤボツクス２１を設け、ギヤボツクス２１
の内側面には施肥ポンプ２２を設ける。施肥ポン
プ２２は、肥料タンク１６の後部に位置するよう
に設け、圃場の立毛株１７の株間１８に位置する
ようにする。

しかして、前記伝動筐２０の下端部には前後方
向の垂直の取付板２３を固着し、該取付板２３に
は透孔２４を形成する。取付板２３には、草埋没
装置２５を設ける。草埋没装置２５は、前側草埋
没刃２６と後側草埋没刃２７とを前後に重なるよ
うに略直線状に位置させて設け、前側草埋没刃２
６により下方に押し付けられた雑草労を引続き後
側草埋没刃２７の下端部により下方に押し付け埋
没し、また、前側草埋没刃２６で埋没しなかつた
雑草等も後側草埋没刃２７の下端部により土中に
埋没させる。

前側草埋没刃２６は、側方から見ると、その上
部の上半部４０を前側上方に突出する半円形の円
弧形状に形成し、上半部４０より下方の下半部４
１を後方に至るに従い低くなるように突出させ
る。該下半部４１は、先端に至るに従い上下幅の
狭くなる先細形状に形成する。そして、前側草埋
没刃２６は、下半部４１の上部を半径小なる円弧
状に形成し、下部を半径大なる緩やかな円弧形状
に形成する。

前側草埋没刃２６の上側後部には後方に突き出
た取付部２８を形成し、取付部２８には、透孔２
９を形成する。

前記後側草埋没刃２７も、下方に至るに従い後
方に突出するように斜めに形成し、上部には、透
孔３１を形成し、後側草埋没刃２７の後縁には前
記施肥ポンプ２２に接続されている施肥ノズル３
２を設ける。

前記前側草埋没刃２６と後側草埋没刃２７は、
それぞれの透孔２９と透孔３１とを取付板２３の
透孔２４に重合させ、ボルト３３により取付け
る。

しかして、３４は橇体であり、側方から見る
と、前端部を上方に屈曲させて屈曲部４２を形成
して逆への字状に形成し、屈曲部４２の後方の水
平部４３の中央には取付筒４４の下端部を固着す
る。取付筒４４は、上方から見ると、左右幅の狭
い前後方向に長い角筒形状に形成し、該取付筒４
４を前記取付板２３に上端を固定した取付腕３５
の下端部に下方から弛く挿入して横軸３６により
上下回動自在に取付ける。前記取付筒４４は、橇
体３４が必要以上に回動しようとすると、取付筒
４４の前後壁４５，４６が取付腕３５の前後縁に
当接して橇体３４の回動を規制する。

前記取付腕３５は、円弧形状に形成して前記取
付筒４４の回動を円滑にする。

橇体３４の屈曲部４４の近傍に、前記前側草埋
没刃２６の下半部４１の上部の上部前縁４２が位
置するように前記前側草埋没刃２６を設け、橇体
３４の屈曲部４４により押し付けられた雑草等を
前側草埋没刃２６により引き続き下方に押し付け
て土中に埋没させるようにする。

伝動筐２０の下部の取付板２３の上方には、軸
筒３７を設け、該軸筒３７に駆動軸３８を軸着
し、該駆動軸３８に接地駆動輪３９を前記草埋没
装置２５より外側に位置するように設ける。接地
駆動輪３９は、伝動筐２０内に設けられたスプロ
ケツトとチエンにより、その回転を前記ギヤボツ
クス２１に伝達し、左右側の施肥ポンプ２２をそ
れぞれ駆動する構造にする。

（作用） 次に作用を述べる。

エンジン５を始動させて前進すると、機体の後
端部は橇体３４により支えられ、接地駆動輪３９
は地面に接触して回転させられ、その回転でギヤ
ボツクス２１を介し施肥ポンプ２２を回転させ
る。

この場合、橇体３４は、左右幅の狭い角筒形状
の取付筒４４を取付板２３に上端を固定した取付
腕３５の下端部に下方から挿入して横軸３６によ
り取付けられているから、抵抗少なく地面に密着
した状態で機体の後端部を支持しながら滑走し、
機体を前進させることができる。

橇体３４は、角筒形状の取付筒４４を取付腕３
５の下端部に下方から弛く挿入して横軸３６によ
り上下回動自在に取付けられているから、歩行用
操縦ハンドル１により走行車体１の後端部を持ち
上げたようなとき、橇体３４は必要以上に回動し
ようとするが、取付筒４４の前後壁４５，４６に
取付腕３５の前後縁が当接して橇体３４の回動を
規制する。したがつて、走行車体１の後端部を下
降させると、橇体３４は圃場の地面上に密着し
て、機体の後端部を支持するので、機体の操作性
を向上させることができる。

また、橇体３４が回動するたび取付筒４４内の
土を押し出すから、土の詰まりを防止する。

しかして、機体の前進により、前記伝動筐２０
の下端部の取付板２３には、草埋没装置２５が設
けられ、草埋没装置２５は、前側草埋没刃２６と
後側草埋没刃２７とを、後側草埋没刃２７が同一
の軌跡にあるようにと前後に直線状に位置させて
形成されているから、前側草埋没刃２６が圃場の
土中に作溝した跡を後側草埋没刃２７が前進す
る。

そして、前記施肥ポンプ２２は肥料タンク１６
内のペースト状肥料を吸引し、これを後側草埋没
刃２７の後縁の施肥ノズル３２より土中深く注入
して施肥する。

（効果） 従来、走行車体に、肥料タンクと、施肥ポンプ
と、施肥ノズルと、接地駆動輪と、橇体等を有す
る施肥部を取付け、前記橇体により前記走行車体
の後端部を支持するように構成したものにおい
て、前記橇体は、前端部を上方に屈曲させて屈曲
部を形成し、該屈曲部の後方の橇体の中央部には
平板状の取付板の下端部を固着し、該取付板の上
端部を前記施肥部に上端を固定した取付腕の下端
部にボルトにより上下回動自在に取付けた水田用
深層施肥装置は公知である。

前記公知のものの橇体は、橇体の平板状の取付
板を施肥部に上端をを固定した取付腕の下端部に
ボルトにより回動自在に取付けていたから、前進
する際の橇体の取付部の抵抗が大きく、また、橇
体の上下回動を規制することもできないため、走
行車体の後端部を持ち上げたようなとき、橇体は
必要以上に回動し、操作が行ないにくい問題もあ
つた。

しかるに本考案は、走行車体１に、肥料タンク
１６と、施肥ポンプ２２と、施肥ノズル３２と、
接地駆動輪３９と、橇体３４等を有する施肥部を
取付け、前記橇体３４により前記走行車体１の後
端部を支持するよう構成したものにおいて、前記
橇体３４の前端部に屈曲部４２を形成し、前記橇
体３４の中央部には上方に突出する角筒形状の取
付筒４４を設け、該取付筒４４に取付腕３５の下
端部を弛く嵌合させ横軸３６により回動自在に軸
止した水田用深層施肥装置としたものであるか
ら、橇体３４が回動するたび取付筒４４内の土を
押し出すから、土の詰まりを防止するとともに、
歩行用操縦ハンドル１により走行車体１の後端部
を持ち上げたようなとき、橇体３４は必要以上に
回動しようとするが、取付筒４４の前後壁４５，
４６に取付腕３５の前後縁が当接して橇体３４の
回動を規制し、走行車体１の後端部を下降させる
と、橇体３４は圃場の地面上に密着して、機体の
後端部を支持するので、機体の操作性を向上させ
ることができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は装置全体の側面図、第２図は平面図、
第３図は要部の組立斜視図、第４図は要部側面
図、第５図は橇体の側面図である。 符号の説明、１……走行車体、２……支脚、３
……駆動車輪、４……軸、５……エンジン、６…
…歩行用操縦ハンドル、７……燃料タンク、８…
…伝動ケース、９……ミツシヨン、１０……左施
肥部、１１……右施肥部、１２……連結杆、１３
……取付杆、１４……支持腕、１５……載置台、
１６……肥料タンク、１７……立毛株、１８……
株間、１９……バンド、２０……伝動筐、２１…
…ギヤボツクス、２２……施肥ポンプ、２３……
取付板、２４……透孔、２５……草埋没装置、２
６……前側草埋没刃、２７……後側草埋没刃、２
８……取付部、２９……透孔、３１……透孔、３
２……施肥ノズル、３３……ボルト、３４……橇
体、３５……取付腕、３６……ボルト、３７……
軸筒、３８……駆動軸、３９……接地駆動輪、４
０……上半部、４１……下半部、４２……屈曲
部、４３……水平部、４４……取付筒、４５……
前壁、４６……後壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行車体１に、肥料タンク１６と、施肥ポンプ
   ２２と、施肥ノズル３２と、接地駆動輪３９と、
   橇体３４等を有する施肥部を取付け、前記橇体３
   ４により前記走行車体１の後端部を支持するよう
   構成したものにおいて、前記橇体３４の前端部に
   屈曲部４２を形成し、前記橇体３４の中央部には
   上方に突出する角筒形状の取付筒４４を設け、該
   取付筒４４に取付腕３５の下端部を弛く嵌合させ
   横軸３６により回動自在に軸止した水田用深層施
   肥装置。