JPH0449861Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、水田用深層施肥装置に係るものであ
る。

（従来技術） 従来、走行車体に、肥料タンクと、施肥ポンプ
と、施肥ノズルと、接地駆動輪と、草埋没装置
と、橇体を取付けたものにおいて、前記草埋没装
置は側方から見ると後方が低い草埋没刃とし、前
記橇体は側方から見ると前端部を上方に屈曲させ
た逆への字状とし、前記草埋没刃と前記橇体は側
方から見ると交差するようにしてある水田用深層
施肥装置は公知である。

（考案が解決しようとする問題点） 前記公知の水田用深層施肥装置は、草埋没装置
と、橇体の関係が不十分のため、橇体で誘導した
草を草埋没装置に引継ぐとき、引掛ることがあつ
た。

そこで、本考案は、前記草埋没装置と、前記橇
体の特に屈曲部の関係位置につき、特段の工夫を
したものである。

（問題を解決するための手段） よつて本考案は、走行車体１に、肥料タンク１
６と、施肥ポンプ２２と、施肥ノズル３２と、接
地駆動輪３９と、草埋没装置２５と、橇体３４を
取付けたものにおいて、前記草埋没装置２５は側
方から見ると後方が低い草埋没刃２６、２７と
し、前記橇体３４は側方から見ると前端部４５を
上方に屈曲させた逆への字状とし、前記草埋没刃
２６と前記橇体３４は側方から見ると交差しかつ
前記橇体３４の屈曲部４４が前記草埋没刃２６の
刃部と略一致するようにしてある水田用深層施肥
装置としたものである。

（実施例） 本考案の一実施例を図により説明すると、１は
施肥装置の走行車体であり、走行車体１より垂設
した左右一対の支脚２，２間には、一輪式の駆動
車輪３を横軸４により軸装する。５は走行車体１
の前側上部に設けたエンジン、６は走行車体１の
後端側に設けた後方に突出している走行操縦ハン
ドル、７は燃料タンク、８はエンジン５の回転を
ミツシヨン９に伝達するスプロケツト及びチエン
を内蔵する伝動ケースである。

走行車体１の左右両側には施肥部を設ける。施
肥部は、左施肥部１０と右施肥部１１とを連結杆
１２により固定して、前方からみたとき全体を略
∩状に形成し、左施肥部１０と右施肥部１１の間
に前記走行車体１を位置させる。

施肥部１０、１１は走行車体１とは別体のもの
で、走行車体１の上方より走行車体１に着脱自在
に組付ける。即ち、連結杆１２より前側に突き出
している前後方向の一対の取付杆１３を前記連結
杆１２に設け、該取付杆１３の前端部を前記走行
車体１より側方に突出している突起に上方より係
合させ、抜止ピンで固定する。連結杆１２は、走
行車体１上に載置された後、同様に抜止ピンで固
定する。

取付杆１３の前側には左右方向の支持腕１４の
基部を固着し、支持腕１４の先端側には載置台１
５を取付け、該載置台１５上に肥料タンク１６を
取付ける。肥料タンク１６は、圃場の立毛株１７
の株間１８の上方に設けられ、バンド１９により
前記載置台１５に固定される。

連結杆１２の左右両側には、伝動筐２０の上端
部をそれぞれ固着し、伝動筐２０の上部の外側面
にはギヤボツクス２１を設け、ギヤボツクス２１
の内側面には施肥ポンプ２２を設ける。施肥ポン
プ２２は、肥料タンク１６の後部に位置するよう
に設け、圃場の立毛株１７の株間１８に位置する
ようにする。

しかして、前記伝動筐２０の下端部には前後方
向の垂直の取付板２３を固着し、該取付板２３に
は透孔２４を形成する。取付板２３には、草埋没
装置２５を設ける。草埋没装置２５は、前側草埋
没刃２６と後側草埋没刃２７とを前後に重なるよ
うに略直線状に位置させて設ける。

前側草埋没刃２６は、側方から見ると、その上
部の上半部４０を前側上方に突出する半円形の円
弧形状に形成し、上半部４０より下方の下半部４
１を後方に至るに従い低くなるように突出させ
る。該下半部４１は、先端に至るに従い上下幅の
狭くなる先細形状に形成する。そして、前側草埋
没刃２６は、下半部４１の上部の上部前縁４２を
半径小なる円弧状に形成し、上部前縁４２より下
方の下部前縁４３を前記上部前縁４２より半径大
なる緩やかな円弧形状に形成する。

前側草埋没刃２６の上側後部には後方に突き出
た取付部２８を形成し、取付部２８には、透孔２
９を形成する。

前記後側草埋没刃２７も、下方に至るに従い後
方に突出するように斜めに形成し、上部には、透
孔３１を形成し、後側草埋没刃２７の後縁には前
記施肥ポンプ２２に接続されている施肥ノズル３
２を設ける。

前記前側草埋没刃２６と後側草埋没刃２７は、
それぞれの透孔２９と透孔３１とを取付板２３の
透孔２４に重合させ、ボルト３３により取付け
る。

しかして、３４は橇体であり、前記取付板２３
に上端を固定した取付腕３５の下端部に回動自在
にボルト３６により取付ける。前記橇体３４は側
方から見ると、前端部４５を上方に屈曲させて屈
曲部４４を形成して逆への字状とし、前記前側草
埋没刃２６と前記橇体３４は側方から見ると交差
しかつ前記橇体３４の屈曲部４４が前記草埋没刃
２６の刃部と略一致するように構成する。

伝動筐２０の取付板２３の上方には、軸筒３７
を設け、該軸筒３７に駆動軸３８を軸着し、該駆
動軸３８に接地駆動輪３９を固着する。接地駆動
輪３９は前記草埋没装置２５より外側に位置する
ように設ける。接地駆動輪３９は、伝動筐２０内
に設けられたスプロケツトとチエンにより、その
回転を前記ギヤボツクス２１に伝達し、左右側の
施肥ポンプ２２をそれぞれ駆動する構造にする。

（作用） 次に作用を述べる。

エンジン５を始動させて前進すると、走行車体
１の後端部は橇体３４により支えられ、接地駆動
輪３９は地面に接触して回転させられ、その回転
でギヤボツクス２１を介し施肥ポンプ２２を回転
させる。

一方、前記伝動筐２０の下端部の取付板２３に
は、草埋没装置２５が設けられ、草埋没装置２５
は、前側草埋没刃２６と後側草埋没刃２７とを、
後側草埋没刃２７が同一の軌跡にあるようにと前
後に直線状に位置させているから、走行車体１の
前進により、前側草埋没刃２６が圃場の土中に作
溝した跡を後側草埋没刃２７が前進する。

そして、前記施肥ポンプ２２は肥料タンク１６
内のペースト状肥料を吸引し、これを後側草埋没
刃２７の後縁の施肥ノズル３２より土中深く注入
して施肥する。

この場合、前記橇体３４の前端部４５は上方に
屈曲させて形成されているから、走行車体１が前
進すると、橇体３４は地面上を滑走し、その前端
部４５に当接した地面上に浮遊する雑草等を下方
に押し付ける。

そして、前記前側草埋没刃２６と前記橇体３４
は側方から見ると交差しかつ前記橇体３４の屈曲
部４４が前記草埋没刃２６の刃部と略一致するよ
うに構成されているから、前端部４５に当接して
屈曲部４４にまで誘導された雑草等は、前側草埋
没刃２６の上部前縁４２により円滑に引継がれて
土中に埋没される。

しかして、後側草埋没刃２７は前側草埋没刃２
６が圃場の土中に作溝した跡を前進するから、前
側草埋没刃２６により押し付けられた雑草等は、
引続き後側草埋没刃２７により下方に押し付けら
れて埋没され、また、前側草埋没刃２６では埋没
されなかつた雑草等も後側草埋没刃２７の下端部
により土中に埋没させる。

したがつて、橇体３４と草埋没装置２５とによ
り、伝動筐２０と接地駆動輪３９との間にある接
地駆動輪３９の駆動軸３８に草が巻き付くことを
防止し、接地駆動輪３９は正確に回転し、正確に
施肥しうる作用を奏する。

（効果） 従来、走行車体に、肥料タンクと、施肥ポンプ
と、施肥ノズルと、接地駆動輪と、草埋没装置
と、橇体を取付けたものにおいて、前記草埋没装
置は側方から見ると後方が低い草埋没刃とし、前
記橇体は側方から見ると前端部を上方に屈曲させ
た逆への字状とし、前記草埋没刃と前記橇体は側
方から見ると交差するようにしてある水田用深層
施肥装置は公知である。

前記公知の水田用深層施肥装置は、草埋没装置
と、橇体の関係が不十分のため、橇体で誘導した
草を草埋没装置に引継ぐとき、引掛ることがあつ
た。

しかるに本考案は、走行車体１に、肥料タンク
１６と、施肥ポンプ２２と、施肥ノズル３２と、
接地駆動輪３９と、草埋没装置２５と、橇体３４
を取付けたものにおいて、前記草埋没装置２５は
側方から見ると後方が低い草埋没刃２６，２７と
し、前記橇体３４は側方から見ると前端部４５を
上方に屈曲させた逆への字状とし、前記草埋没刃
２６と前記橇体３４は側方から見ると交差しかつ
前記橇体３４の屈曲部４４が前記草埋没刃２６の
刃部と略一致するようにしてある水田用深層施肥
装置としたものであるから、橇体３４の前端部４
５に当接して屈曲部４４にまで誘導された雑草等
を、前側草埋没刃２６の上部前縁４２に円滑に引
継ぎ、下方に押し付けて土中に埋没することがで
きるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は装置全体の側面図、第２図は平面図、
第３図は要部の組立斜視図、第４図は要部側面図
である。 符号の説明、１……走行車体、２……支脚、３
……駆動車輪、４……軸、５……エンジン、６…
…歩行用操縦ハンドル、７……燃料タンク、８…
…伝動ケース、９……ミツシヨン、１０……左施
肥部、１１……右施肥部、１２……連結杆、１３
……取付杆、１４……支持腕、１５……載置台、
１６……肥料タンク、１７……立毛株、１８……
株間、１９……バンド、２０……伝動筐、２１…
…ギヤボツクス、２２……施肥ポンプ、２３……
取付板、２４……透孔、２５……草埋没装置、２
６……前側草埋没刃、２７……後側草埋没刃、２
８……取付部、２９……透孔、３１……透孔、３
２……施肥ノズル、３３……ボルト、３４……橇
体、３５……取付腕、３６……ボルト、３７……
軸筒、３８……駆動軸、３９……接地駆動輪、４
０……上半部、４１……下半部、４２……上部前
縁、４３……下部前縁、４４……屈曲部、４５…
…前端部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行車体１に、肥料タンク１６と、施肥ポンプ
   ２２と、施肥ノズル３２と、接地駆動輪３９と、
   草埋没装置２５と、橇体３４を取付けたものにお
   いて、前記草埋没装置２５は側方から見ると後方
   が低い草埋没刃２６、２７とし、前記橇体３４は
   側方から見ると前端部４５を上方に屈曲させた逆
   への字状とし、前記草埋没刃２６と前記橇体３４
   は側方から見ると交差しかつ前記橇体３４の屈曲
   部４４が前記草埋没刃２６の刃部と略一致するよ
   うにしてある水田用深層施肥装置。