JPH0449268Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は道路を横断して敷設される水路用のＵ
字溝を構築するためのＵ字型ブロツクに関する。

（従来の技術） 一般に地形によつては道路を横断するＵ字溝を
敷設する必要が生じる場合が多くある。また、道
路表面は、中央が高く両縁側が低くなるように一
定の勾配を付ける必要があるが、道路を横断する
水路は道路の一方縁側が高く他方縁側を低くする
必要がある。更に、道路は多くの自動車が通行す
るため、Ｕ字溝の上縁は車の重量と走行時の振動
が直接伝わる力学的に過酷な条件下にあり、壊れ
易い。

そこで従来の道路横断溝は、このような条件を
満たす必要からプレキヤストブロツクを使用せ
ず、場所打コンクリートによつて断面がＵ字状の
溝を基礎上に構築すると同時にその溝の底面に流
山勾配をつけ、上面開放部内にグレーチングやコ
ンクリート板からなる蓋を落し込み、全体の上面
の高さを道路表面と同じ高さになるように現場施
工していた。

（考案が解決しようとする課題） このような従来の道路横断Ｕ字溝は、全て場所
打コンクリートによる現場施工であるため、型枠
の組立て、コンクリート打設後の養生、脱型を必
要とし、これが全て完了するまでは周囲の道路工
事ができず、工期が長くなり、道路閉鎖間が長く
なるとともに現場にての労力を多く要しコスト高
となるという問題がある。

また、施工完了後、車輌が通行する度に大きな
荷重と振動が加わり、しかも、道路表面にへこみ
や沈下が生じてＵ字溝頂部との高さに段差が生じ
たような場合には特にＵ字溝の頂部の損傷が激し
くなり、道路舗装面の補修の度にＵ字溝を作り直
さなければならないという問題があつた。

本考案は上述の如き従来の問題にかんがみ、上
述したような道路横断溝の条件を全て満足し、短
期間で少ない労力にＵ字溝の構築を完了させるこ
とができ、しかも堅牢で砕れにくく、また車輌通
行時に騒音を発しない道路横断溝用Ｕ字型ブロツ
クの提供を目的としたものである。

（課題を達成するための手段） 上述の如き問題を解決し、所期の目的を達成す
るための本考案の要旨とするところは、全体が断
面略Ｕ字型に成形され、底面に内外に開口する窓
穴を有し、前記Ｕ字型の両上端内側縁に蓋落し込
み用の段部が成形され、かつ、その段部内から前
記両上端部外側縁を覆う金属製カバープレートが
固着され、前記段部内には緩衝用ゴムを介して蓋
がねじ止めされてなる道路横断溝用Ｕ字型ブロツ
クに存する。

（作用） このＵ字型ブロツクは、その使用に際し、道路
を横断する配置に造成した基礎上に、頂面を道路
の幅方向の勾配に合わせて道路表面と同じ高さに
設置し、底面の窓穴を通して基礎コンクリートと
一体に底版コンクリートを打設し、その底版コン
クリートに所定の流れ勾配を付する。

これによつて窓穴を通して基礎と一体化した底
版コンクリートが打設されることとなり、かつ、
ブロツク全体が基礎と一体化されることとなつ
て、ブロツク相互間に沈下や、これに伴う傾斜の
変化が生じなくなる。また、頂部は内外面にわた
つてカバープレートに覆われているため、隣り合
う舗装面との間に段差ができても車輌通行による
損傷がなく、舗装面の補修のみで、路面が再生さ
れる。

更に、蓋が緩衝ゴムを介してねじ止めされてい
るため、これによつて車輌通行時の衝撃が緩衝さ
れ騒音が生じない。

（実施例） 次に本考案の実施の一例を図面について説明す
る。

第１図、第２図は本考案に係るＵ字型ブロツク
の断面図であり、図中１は鉄筋コンクリート製の
ブロツク本体である。このブロツク本体１は断面
が略Ｕ字状に成形され、底面には上下に開口した
複数の窓穴２，２が成型されている。またＵ字状
の両上端部内側には、段部３，３が互いに対向配
置に形成され、その段部３の内面Ｕ字状両端部の
頂面４及び外側面５に連続させて鋼板製のカバー
プレート６，６が固着されている。このカバープ
レート６の裏面に突設したブロツク本体１内に延
びるアンカー鉄筋７によつて固定されている。

また、カバープレート６の段部３部分には、裏
面にアンカーナツト８，８が固着され、これにカ
バープレート表面側からボルト９，９が螺嵌でき
るようになつている。

段部３，３内にはグレーチング蓋１０が落し込
まれ、前述したボルト９を貫通させてアンカーナ
ツト８に螺嵌させることによつて固定されてい
る。

また、その固定に際しては段部３，３上面と蓋
１０の下面間に緩衝ゴム板１１を介在させてい
る。

このように構成されるＵ字型ブロツクの使用に
際しては、一例として第３図及び第４図に示すよ
うに道路を横断する所定の位置に基礎１２を構築
し、その上にブロツク本体１の頂部を道路舗装面
１３と同じ高さで、かつ幅方向の傾斜に合わせて
設置する。基礎１２は切込砕石を突き固めた砕石
部１２ａの上に基礎ブロツク１２ｂを置き、その
上に敷モルタル１２ｃを打設し、この敷モルタル
によつて各Ｕ字型ブロツクの傾斜及び高さを調節
している。なお、場合によつては基礎ブロツク１
２ｂの代わりに場所打ちのコンクリートを打設し
てもよい。

このようにして、複数のブロツク本体１，１…
を並べて設置した後、敷モルタル１２ｃの固化前
に各ブロツク本体１，１…内に連続させて、該敷
モルタル１２ｃと一体化させて底版コンクリート
１４を打設し、その上面を必要な傾斜をもたせて
仕上げる。

然る後、底版コンクリート１４の固化を待つて
周囲を埋め、道路舗装面１３を造成する。

（考案の効果） 上述の如く本考案の道路横断溝用Ｕ字型ブロツ
クは、Ｕ字状のブロツク本体の底面に窓穴を有
し、基礎コンクリート一体に底版コンクリートが
打設できるようにしていることにより、ブロツク
本体と基礎の一体化ひいては並べて設置する各ブ
ロツク間の一体化を完全にすることができ、大荷
重のかかる道路横断溝をプレキヤストブロツクに
て構築できることとなり、現場作業が簡略化さ
れ、工期が短縮できるという効果がある。

また、本考案では、頂部の内外にまたがらせて
カバープレートを固着しているため、路面の沈下
により路面とブロツク頂面との間に段差がてきた
としてもブロツクが損傷されなくなり、路面の補
修のみで再生できるという効果がある。

更に本考案では、緩衝ゴムプレートを介して蓋
をボルト止めしているため、蓋が浮き上がつて外
れることがなくなり、しかも車輌通行の際の衝撃
によつても騒音が発生しないという効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施の一例を示すもので、第１
図はＵ字型ブロツクの縦断正面図、第２図は同縦
断側面図、第３図は使用状態の縦断正面図、第４
図は同縦断側面図である。 １……ブロツク本体、２……窓穴、３……段
部、６……カバープレート、７……アンカー鉄
筋、８……アンカーナツト、９……ボルト、１０
……蓋、１１……緩衝ゴム板、１２……基礎、１
３……道路舗装面、１４……底版コンクリート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 全体が断面略Ｕ字型に成形され、底面に内外に
   開口する窓穴を有し、前記Ｕ字型の両上端内側縁
   に蓋落し込み用の段部が成形され、かつ、その段
   部内から前記両上端部外側縁を覆う金属製カバー
   プレートが固着され、前記段部内には緩衝用ゴム
   を介して蓋がねじ止めされてなる道路横断溝用Ｕ
   字型ブロツク。