JP6388286B2 - 固定勾配と自由勾配施工の二通りに使用できるu形側溝 - Google Patents
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従来、自由勾配専用の側溝は無底で門型のプレキャストコンクリート側溝ブロックを用い、ベースコンクリートの上に布設してから内底部を必要な水路勾配に形成するため一定厚さ以上の調整コンクリートを蓋掛け用開口部から現場打する工法が用いられている。
門形側溝は内壁が垂直面で内底と直角のため、調整コンクリートは最小厚さ5cm程度としても両側とベースコンクリートによる内底面とで拘束されて安定する。
U形側溝の場合、先施工のベースコンクリートは構造上必要とせず、工期短縮できることが大きな利点である。
しかし反面、両内壁が上開き傾斜面のことが多く、調整コンクリートは水流による浮力や継目屈曲に対し内底面との付着が安定せず、とくに最小厚さ5cm近くでは両内壁が垂直面でも隅角部が曲面やハンチ斜面で皿形状となるので密着していても拘束がなく弱点となり、維持管理におけるスコップの衝撃等で剥離滑脱が生じ適合しないことがある。
そのため、U形側溝の底面1/2を凹部や開口部としたり、開口部に鉄筋を露出させる等調整コンクリートを拘束する改良もすすめられているが、底面開口部の面積が大きく支承面が連続状態にないため上載荷重が均等に下部基礎面に伝達されない弱点があるだけでなく開口部が側溝本体の強度を低下させ、開口しない部分は皿形状のままで調整コンクリートを拘束しないので不十分とされ、普及するに至っていない。
そのためU形側溝を自由勾配施工する場合、側溝内底へのあと打ち調整コンクリートが最小厚さ近くにおいても隅角部が曲面やハンチ斜面の皿形状であっても拘束され、水流による浮力やブロック継目の屈曲、さらに維持管理時の衝撃に対しても剥離滑脱がなく安定を高めるものとする。
主鉄筋はU形状横鉄筋がスリット外を通って配設されて1個のU形側溝ブロックを構成し、底版にスリットのない従来のU形側溝ブロックと同等に輸送、小運搬、吊上げ、吊下ろし、据付布設でき、取扱い全般において変わらず、設計外圧荷重に対しても実用上同等となる。
横スリットは左右の隅角部間で上下に貫通し、調整コンクリートの一部が充填硬化し根入部アンカーとなる。
その上で、自由勾配施工においても凹条溝を内底面に打抜いて横スリットを形成することにより調整コンクリート打に最適となり、布設工でも従来のU形側溝と同じく底版によって先施工のベースコンクリートは構造上必要とせず省力化となり据付布設取扱い全般において変わらず二通りに使用でき、工期も短縮する。
U形状横鉄筋は設計荷重によって底版スラブに生じる曲げモーメントに対して線径、間隔が最適に配設される必要があり、凹条溝及び凹条溝打抜き横スリットはU形状横鉄筋と長辺が同一方向で幅がせまく、鉄筋間隔内に余裕を持って位置することができ底版スラブの断面削減も少ない。
長さは1m、2m等とするプレキャストコンクリートで供給され、基礎上に固定勾配施工で布設する。
自由勾配施工はその通水断面内底に厚さを、骨材寸法の2倍程度の最小5cmとし、最大15cm程度の調整コンクリートをあと打ちするもので、最小厚さ5cm以上の15cmまでが高さ調整分となる。
本発明のU形側溝では、底部長さ方向に並列する横スリットが凹条溝を内底面に打抜いて形成され、調整コンクリートは下面が横スリット内根入アンカー付となり拘束されるものである。
なお適宜、内底面にも凹条溝と背中合せに深さ3〜5mm程度のVカット切込線や凹面で位置表示し(図示省略)、横スリットの打抜形成に供することもある。
横スリットの配置は、側溝長さ1m当り2〜3本、2m当り4〜5本等の間隔でU形側溝ブロックの構造計算により配設する。
両隅角部からはなれて中心線に集中する直列の場合、並列よりも間隔を密にしてスリット内根入アンカーの効果を得ることが必要となるが、同時にU形側溝ブロックとして構造上必要な主鉄筋であるU形状横鉄を配設しにくくなるので、補充鉄筋を追加することとなる。
そして、底版スラブの断面削減も生じるが構造上安全低下のない範囲内のものとする。
図1の実施例は図2図3図4にも示すとおりU形側溝(1)と落し蓋(2)の組合せとする自由勾配排水施設である。
U形側溝(1)は底版外底に凹条溝(10)が長さ方向に並列する底版(3)による左右一体ブロックであり、図4(イ)は横スリット形成以前を示し図4(ロ)は、凹条溝(10)を内底面(6)に打抜いて横スリット(5)を形成したものを示している。
U形側溝(1)の内断面は上開きの逆台形状で内底面(6)がせまく隅角部が曲面となっているが、排水勾配調整コンクリート(15)は凹条溝(10)を内底面(6)に打抜いて形成した左右隅角部間の横スリット(5)によって底版(3)の全厚さ分で基礎面に届く根入アンカー(20)が側溝延長にそって一定間隔に並列して形成される。
U形側溝ブロックの鉄筋配設は図2図3に示すとおりで、図2は凹条溝のない部分の断面を示し、U形状横鉄筋(7)と直線の縦鉄筋(8)は交点で溶接したメッシュが使用されている。
図3は凹条溝(10)を内底面(6)に打抜いて形成した横スリット(5)のある部分の断面を示し、縦鉄筋(8)のみ両側壁に必要な線径、間隔で配設されている。
さらに、型枠も従来からの一般品を流用加工できるため、生産供給においても在来の道路用コンクリート製品と同等に安価に流通する。
2 落し蓋
3 底版
4 隅角部
5 横スリット
6 内底面
7 横鉄筋
8 縦鉄筋
9 流入口
10 凹条溝
15 調整コンクリート
20 根入アンカー
25 基礎
Claims (1)
- 内底に、調整コンクリートをあと打ちすることもできるプレキャストコンクリートU形側溝であって、外底部全長にわたり一定間隔に並列する凹条溝を設けてなり、固定勾配施工では従来のU形側溝と同じくそのまま布設することが可能であり、
自由勾配施工においては前記凹条溝を内底面に打抜いて形成した横スリット付きのU形側溝を布設し、勾配調整コンクリートを打設することにより前記横スリット内に填充し硬化した底版厚さ分の調整コンクリート根入アンカーが側溝延長にそって並列に配設され、あと打ち調整コンクリートの拘束付着を安定させることを特徴とする固定勾配と自由勾配施工の二通りに使用できるU形側溝。
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