JPH0448736Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案はコンパクト容器に関するもので、より
具体的には、容器本体の後部に蓋体を開閉自在に
結合し、この容器本体の前方部に切欠凹所を形成
するとともにこの凹所内に第１の係合突片を設
け、蓋体の前端縁部に爪片を垂設してこの爪片に
第２の係合突片を設け、蓋体を容器本体に対して
閉じた時に上記第１の係合突片と上記第２の係合
突片とが係止するようにしてなるコンパクト容器
に関するものである。

＜従来の技術＞ 従来、この種のコンパクト容器においては、蓋
体と容器本体との係止解除を容易ならしめるた
め、容器本体の前端縁部における凹所内に摺動自
在または回動自在なプツシユピースを設け、この
プツシユピースを内方へ押圧すると、この押圧力
の一部が蓋体の上方開放力に交換されるものが公
知となつていた。

しかしながら、この公知のコンパクト容器では
プツシユピースが容器本体の前端縁部に設けられ
ているため、蓋体の容器本体に対する係止を解い
て蓋体を開放する操作手順としては、例えば、左
手の指指でプツシユピースを押圧して係止を解い
た後に右手の親指で蓋体を充分な角度まで開放す
るとか或いは左手の掌に容器本体を載せて右手の
親指でプツシユピースを押圧して係止を解いた後
に、その親指を蓋体の前端に掛けて蓋体を開放す
ると言つた操作が一般的であつた。

上記従来のコンパクト容器では蓋体の開放のた
めに両手の指を使用したり、同じ指でも持ち方を
変える等の２動作が必要とされていた。

このため、プツシユピースを蓋体の前端部に設
け、このプツシユピースを、例えば右手の親指で
内方に押圧して蓋体と容器本体との係止を解くと
ともにその親指を上方に持ち上げれば所望の位置
まで開放することのできるコンパクト容器が提供
されている。

＜考案が解決しようとする問題点＞ しかしながら、プツシユピースを蓋体側に設け
た従来のコンパクト容器においては、プツシユピ
ースの押圧部は蓋体と容器本体の中央仕切線上或
いはこれより上方に設けられ、容器本体の前端縁
と略同一垂直面上に位置しているため、例えば容
器本体を左手の掌に載せて蓋体を開放する場合に
は、右手の親指の指先下端部でプツシユピースを
押圧してやる必要があり、親指の腹でプツシユピ
ースを押圧すると、その親指の指先下端部が容器
本体の前端縁に当たり、親指を持ち変えないと蓋
体を開けにくいと言つた問題があつた。

本考案は上記のような問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は、容器本体を左手の掌に載せ
た場合に、右手の親指の先を幅広くプツシユピー
スに押し当てて蓋体と容器本体の係止を解除する
ことのできる蓋体の開放操作性に優れたコンパク
ト容器を提供するにある。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記の目的を達成するため、本考案に係るコン
パクト容器では、容器本体の後端部に蓋体を開閉
自在に結合し、容器本体の前方部に切欠凹所を形
成するとともに切欠凹所内に第１の係合突片を形
成し、蓋体の前端部に爪片を垂設して爪片に第２
の係合突片を形成し、蓋体を容器本体に対して閉
じた時、第１の係合突片と第２の係合突片とが形
成するようにしてなるコンパクト容器において、
蓋体の前端部に係止孔を形成するとともに係止孔
の内奥部は開口して形成し、係止孔にプツシユピ
ースの上方腕部を前後方向に移動可能に挿入する
とともにプツシユピースには上方腕部前端より懸
設して蓋体が閉じている時に切欠凹所の前面を覆
うとともに切欠凹所底面まで延出するような被圧
部を一体的に形成し、プツシユピースの上方腕部
の後端下面または係止孔の内奥部においてプツシ
ユピースの上方腕部後端と当接する容器本体上面
のいずれか一方を傾斜面に形成して、被圧部を内
方に押圧すると傾斜面を介してプツシユピースが
上昇し、プツシユピースと連動して蓋体が上昇さ
せられるようにしてなるのである。

＜実施例＞ 以下に本考案の好適な実施例について添附図面
を参照にして説明する。

図において１は容器本体１を示し、この容器本
体１の上面には化粧料を収納するための凹部２が
形成されている。また容器本体１の前端縁中央部
には切欠凹所３が形成されていてこの切欠凹所３
の底面は水平となつていて、奥面上部には第１の
係合突片４が一体的に形成されている。そして、
容器本体１の後端部中央には凹状切欠部５が設け
られていて、ここに蓋体６の蝶番突片７が挿入さ
れ、その蝶番突片７はピン８によつて容器本体１
に枢着されている。

蓋体６はその内面に鏡を接着してなり、蓋体６
の前方内側部からは爪片９が垂設され、この爪片
９の内面には第２の係合突片１０が一体的に形成
されている。そして、この爪片９は蓋体６を閉じ
た時に容器本体１の切欠凹所３内に入り、上記第
１の係合突片４と第２の係合突片１０が係止して
蓋体６が止錠されるようになつている。

蓋体６の爪片９の上方には前端から内方に向け
て水平に延長する挿通孔１１が形成されていて、
この挿通孔１１の内奥部１１ａおよび前方部は下
方に開口されて形成されている。一方、挿通孔１
１の内奥部１１ａの下に位置する容器本体１の前
方縁部上面は第１の係合突片４の後方から内方へ
向けて上昇した傾斜面１２に形成されていて、蓋
体６が閉じている時この傾斜面１２は開口部１１
ａ内に位置している。

上記挿通孔１１には、プツシユピース１３の上
方腕部１４が前後方向に摺動自在に挿入されてい
る。そして上方腕部１４の後端部１４ａは、垂下
されていて挿通孔１１に挿入後はこの後端部１４
ａが挿通孔１１ａの段部に形成されて上方腕部１
４が挿通孔１１より引き抜けないようになつてい
る。また、この後端部１４ａの下面は斜面となつ
ていて、容器本体１の傾斜面１２に摺動可能に当
接されている。

そしてプツシユピース１３には上方腕部１４前
端より被圧壁部１５は一体的に形成されていて、
この被圧壁部１５は蓋体６の止錠位置において第
１図および第２図に示すように爪片９と切欠凹所
３の前面を覆い、その下端が切欠凹所３の底面に
当接している。また、このプツシユピース１３の
被圧壁部１５は蓋体６および容器本体１の前端部
における弯曲面と同一曲率で弯曲形成され、蓋体
６の止錠位置において被圧壁部１５の両側端部は
蓋体６の止錠位置において被圧壁部１５の両側端
部は蓋体６および容器本体１の面と段差なく連接
するようになつている。

蓋体６の止錠位置から蓋体６を開放するには指
をプツシユピース１３の被圧壁部１５の前面に当
てて、被圧壁部１５を後方に押圧すると、第３図
に示すように上方腕部１４の後端部１４ａの下面
が挿通孔１１内において容器本体１の傾斜面１２
ａに沿つて内方へ上昇し、プツシユピース１３が
蓋体６に取付けられていることにより、連動して
蓋体６も上昇し、爪片９に形成された第２の係合
突片１０が容器本体１の切欠凹所３に形成された
第１の係合突片４より離脱して蓋体６の止錠が解
除される。その後、このプツシユピースの被圧壁
部１５に押し当てた親指をそのまま上方に引きあ
げることによつて蓋体６は所望の角度まで開放さ
れる。また、蓋体６が開放している状態より蓋体
６を閉じるとプツシユピース１１の上方腕部１４
の後端１４ａが第３図の状態から容器本体１の前
方縁部の傾斜面１２を前方に下降して、開口部１
１ａの前縁に当接し、第１の係合突片４と第２の
係合突片１０が係止して蓋体６は止錠される。

尚、この実施例においては、蓋体の挿通孔に挿
入されているプツシユピースの上方腕部の後端下
面とこの後端下面が当接している容器本体の前端
縁部の上面の両方を傾斜面としているが、いずれ
か一方のみを傾斜面としてもよい。

＜効果＞ 以上のように、本考案のコンパクト容器では容
器本体の前方部に切欠凹所が形成されており、蓋
体の前方にはプツシユピースの上方腕部を挿入し
て、この上方腕部に蓋体閉止時に蓋体から一体的
に垂下された爪片と前記切欠凹所前面を覆うよう
な被圧部を一体的に形成し、前記上方腕部後端下
面またはこれと当接するところの容器本体上面を
傾斜面として、前記被圧部を押圧すると前記傾斜
面を介して前記プツシユピースが上昇し、これと
連動して蓋体が上昇させられるようになつている
ため、前記プツシユピースを押圧する際に、プツ
シユピースと指先との接触面積が広く、蓋体の開
放操作性に勝れたものとなる。また、本考案では
プツシユピースを上昇させるための傾斜部が第１
の係合突片と第２の係合突片の係止部の近くにあ
るような構成となるので、押圧力が確実に係止を
解除する力となり、スムーズに蓋体の止錠が解除
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は蓋体の止錠状態を示す断面図、第２図
は蓋体の止錠状態における止錠部の要部拡大断面
図、第３図は蓋体の止錠を解除した状態を示す要
部拡大断面図である。 １……容器本体、３……切欠凹所、４……第１
の係合突片、６……蓋体、９……爪片、１０……
第２の係合突片、１１……挿通孔、１２……傾斜
面、１３……プツシユピース、１４……上方腕
部、１５……被圧壁部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体の後端部に蓋体を開閉自在に結合し、
   該容器本体の前方部に切欠凹所を形成するととも
   に該切欠凹所内に第１の係合突片を形成し、該蓋
   体の前端部に爪片を垂設して該爪片に第２の係合
   突片を形成し、該蓋体を該容器本体に対して閉じ
   た時、該第１の係合突片と該第２の係合突片とが
   係止するようにしてなるコンパクト容器におい
   て、該蓋体の前端部に係止孔を形成するとともに
   該係止孔の内奥部は開口して形成し、該係止孔に
   プツシユピースの上方腕部を前後方向に移動可能
   に挿入するとともに該プツシユピースには該上方
   腕部前端より懸設して該蓋体が閉じている時に該
   切欠凹所の前面を覆うとともに該切欠凹所底面ま
   で延出するような被圧部を一体的に形成し、該プ
   ツシユピースの該上方腕部の後端下面または該係
   止孔の内奥部において該プツシユピースの該上方
   腕部後端と当接する該容器本体上面のいずれか一
   方を傾斜面に形成して該被圧部を内方に押圧する
   と該傾斜面を介して該プツシユピースが上昇し、
   該プツシユピースと連動して該蓋体が上昇させら
   れるようにしてなることを特徴とするコンパクト
   容器。