JPH0448468B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、自動点検時にCPUからの指令で試
験用配管に設けている試験用弁を制御してポンプ
性能試験等の各種、消火設備の自動点検を行なう
消火設備自動点検システムの試験用弁制御装置に
関する。

［従来の技術］ 従来、消火設備の自動点検システムにあつて
は、例えばポンプ吐出側にポンプ性能試験を行な
うための試験用配管を設け、この試験用配管に設
けた試験用の電動弁をCPUからの指令で開制御
すると共にポンプを起動し、ポンプ起動後に試験
用配管の試験用電動弁をCPUにより閉制御して
ポンプ性能試験を行ない、これら一連の点検動作
で得られる各種のデータを取り込み、各種データ
が所定の範囲内に入つているか否かを判断するよ
うにしている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、自動点検システムのCPUが暴
走等で異常になつた場合、特に自動点検により弁
を開制御した時点でCPUが暴走等で異常になつ
た場合に、万が一にも火災が発生すると、本来の
消火活動に支障を来たすという問題があつた。

特に、ポンプ性能試験用の弁や圧力タンク排出
用の弁が開いたままの状態にあると、ポンプが運
転状態にあつてもスプリククラーヘツドや消火栓
側に消火用水の加圧供給が全く行なわれない又は
行なわれても充分ではない状態が発生した場合、
消火活動に支障を来たすという問題があつた。

本発明は、このような従来の問題点に鑑みてな
されたもので、CPU異常時には確実に試験用弁
を初期状態に復旧して本来の消火活動に支障を来
たさないようにした消火設備自動点検システムの
試験用弁制御装置を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この目的を達成するため本発明にあつては、
CPUからの開閉制御信号により試験用配管に設
けた試験用弁を開閉制御する弁制御手段を備えた
消火設備自動点検システムに於いて、前記CPU
の異常を検出するウオツチドツグ回路と、該ウオ
ツチドツグ回路の検出出力により作動して強制的
に前記弁制御手段へのCPUからの制御信号線を
切り離すと共に、試験用弁を初期状態に復旧する
弁強制制御手段とを設ける。

［作用］ このような構成を備えた本発明の消火設備自動
点検システムにあつては、自動点検による試験用
弁の開放中にCPUが暴走等により異常になつた
としても、確実に試験用弁を初期状態に復旧させ
ることができ、消火活動に影響を与えることのな
い信頼性の高い自動点検システムとすることがで
きる。

［実施例］ 第１図は本発明の一実施例を消火ポンプのポン
プ性能試験に用いられる電動弁の制御部を例にと
つて示したブロツク図である。

第１図において、１は消火ポンプであり、ポン
プ起動により貯水槽２からの消火用水を加圧して
給水本管３より各階に設置されているスプリンク
ラー消火設備や消火栓に供給する。消火ポンプ１
の吐出側にはポンプ性能試験を行なうための試験
用配管４が設けられ、この試験用配管４は仕切弁
５に続いて試験用電動弁６が設けられ、更に試験
流量を測定する流量計７が設けられている。

このような消火ポンプ１のポンプ性能試験を行
なう電動弁６に対しては、自動点検システムの中
継盤８内に図示の試験用弁制御装置が設けられ
る。即ち、中継盤８の試験用弁制御装置として、
CPU１０、電動弁制御回路１１が設けられ、
CPU１０はインタフエース１２を介して管理セ
ンター等に設置された自動点検管理盤に伝送路を
介して送出され、一方、電動弁制御回路１１はイ
ンタフエース１３を介して試験用配管４に設けた
電動弁６に接続される。また、試験用配管４に設
けた流量計７の検出信号はＡ／Ｄコンバータ１４
でデジタルデータに変換されてCPU１０に取り
込まれる。

CPU１０は伝送路及びインタフエース１２を
介して中央の自動点検管理盤より自動点検起動に
基づくポンプ性能試験の制御指令を受けると、電
動弁制御回路１１に開制御信号を出力し、インタ
フエース１３を介して電動弁６のモータを開方向
に駆動して弁を開く。勿論、電動弁６の開放時に
あつては、すでに自動点検動作により消火ポンプ
１は運転状態におかれている。電動弁６の開放に
より試験配管４に流れる流量は流量計７で検出さ
れ、Ａ／Ｄコンバータ１４でデジタルデータに変
換されてCPU１０に取り込まれ、CPU１０にお
いて予め設定されている性能流量が得られるか否
か判断される。また、CPU１０は流量計７に流
れる流量が定格流量になつた時点で電動弁の開制
御を停止させ、その時点での消火ポンプ１の吐出
圧力、モータ電流、電圧等の各種のデータを取り
込んで、これら各種のデータが所定範囲内にある
か否かを判断する。

また、流量計７の代わりに定格流量センサ、例
えばフロートスイツチを設けて定格流量が流れた
ことを検出してCPUに出力するようにし、CPU
はこの出力の受信時に電動弁の開制御を停止さ
せ、その時点での各種センサの出力を取り込むよ
うにしても良い。

このような中継盤８の試験用弁制御装置に加え
て、本発明にあつては、CPU１０の異常を検出
するウオツチドツグ回路１５と、ウオツチドツグ
回路１５からの異常検出出力により作動し、強制
的に電動弁制御回路１１へのCPU１０からの制
御信号線を切り離すと共に電動弁６を初期状態に
復旧するようにした電動弁強制制御回路１６が設
けられる。

ウオツチドツグ回路１５によるCPU１０の異
常検出は、CPU１０が正常に作動している時に
は、一定周期毎にウオツチドツグ回路１５に信号
出力が行なわれるが、CPU１０が暴走等により
異常になるとウオツチドツグ回路１５に対する一
定周期に信号出力が行なわれなくなり、この信号
出力の停止からCPU１０の異常を検出するよう
になる。

第２図は第１図の中継盤８に設けた試験用弁制
御装置における電動弁制御回路１１と電動弁強制
制御回路１６の具体的な実施例を示した回路図で
ある。

第２図において、まず電動弁制御回路１１に
は、CPU１０からの電動弁の起動信号により作
動されるリレー１７と、CPU１０からの開閉制
御信号により作動されるリレー１８，１９が設け
られる。リレー１７，１８，１９の一端は共通接
続され、後の説明で明らかにする電動弁制御回路
１６に設けたリレー２１の常閉リレー接点２１ａ
を介して電源ラインに接続される。リレー１７は
常開リレー接点１７ａを有し、またリレー１８は
切換リレー接点１８ａを有し、更にリレー１９は
切換リレー接点１９ａを有する。

一方、電動弁強制制御回路１６には、ウオツチ
ドツグ回路１５による異常検出出力により作動さ
れるリレー２１，２０が設けられ、リレー２０，
２１の一端は共通接続されて電源ラインに接続さ
れ、電源ラインからリレー２０の常開リレー接点
２０ａを介してリレー２２が接続されている。こ
こでリレー２１は常閉リレー接点２１ａを有し、
常閉リレー接点２１ａは電動弁制御回路１１に設
けたリレー１７〜１９に対する電源ラインに挿入
接続されている。また、リレー２０の常開リレー
接点２０ａの閉成により作動するリレー２２はリ
レー接点２２ａを有し、このリレー接点２２ａは
電動弁制御回路１１に設けられる。

電動弁制御回路１１から電動弁６に対する駆動
信号は、常開リレー接点１７ａ，２２ａ及び切換
リレー接点１８ａ，１９ａを備えた回路により実
現される。即ち、電源ラインを切換リレー接点１
９ａのＢ側及び切換リレー接点１８ａのＡ側に接
続し、コモンラインを切換リレー接点１８ａのＢ
側及び切換リレー接点１９ａのＡ側に接続してい
る。切換リレー接点１８ａの切換出力は常開リレ
ー接点１７ａ，２２ａの並列接続回路を介して出
力端子２４ａより電動弁６側に引き出され、一
方、切換リレー接点１９ａの切換出力は出力端子
２４ｂを介して、そのまま電動弁６側に引き出さ
れている。尚、切換端子２４ａと２４ｂの間には
サージ吸収のためアレスタ２５を接続している。
電動弁６は、図示のように出力端子２４ａ側はプ
ラス、出力端子２４ｂ側がマイナスの時、閉制御
され、出力端子２４ａ側がマイナス、２４ｂ側が
プラスになると開制御される。

次に、第１，２図を参照して本発明による試験
弁制御装置の動作を説明する。

まず、CPU１０が正常に動作している場合に
は、ポンプ性能試験を行なうために、まずCPU
１０から電動弁制御回路１１に対し起動信号が与
えられ、リレー１７が作動する。この時、電動弁
強制制御回路１６に対するウオツチドツグ回路１
５からの検出出力はないことからリレー２０，２
１は非作動状態にあり、リレー２１の常閉リレー
接点２１ａは図示のように閉じており、起動信号
を受けるとリレー１７を正常に作動することがで
きる。リレー１７が作動すると、そのリレー接点
１７ａが閉じ、電動弁６に対する出力端子２７
ａ，２４ｂの極性は図示のようになる。これによ
つて電動弁６は閉鎖され、初期状態となる。

続いて、CPU１０は電動弁６を開制御するた
め電動弁制御回路１１に対し開制御信号を出力
し、これによつてリレー１８，１９が作動する。
リレー１８の作動により、その切換リレー接点１
８ａはＡ側からＢ側に切換わり、またリレー１９
の作動によりその切換リレー接点１９ａはＡ側か
らＢ側に切換わる。従つて、出力端子２４ａ，２
４ｂの極性が逆極性に切換わり、これによつて電
動弁６の開制御が開始される。

電動弁６が全開もしくは所定の試験流量となる
開度に達すると、電動弁制御回路１１に対する起
動信号及び開制御信号がなくなつてリレー１７〜
１９が復旧し、リレー１７の常開リレー接点１７
ａが開くことで電動弁６に対する駆動電圧の供給
を停止し、また切換リレー接点１８ａ，１９ａは
図示の状態に戻る。

次に、ポンプ性能試験を終了して電動弁６を閉
鎖する際には、CPU１０より電動弁制御回路１
１に起動信号のみが与えられ、リレー１７の作動
により常開リレー接点１７ａが閉じることで出力
端子２４ａ，２４ｂより図示の極性の持つ駆動電
圧を電動弁６に供給し、これによつて電動弁を閉
鎖することができ、閉鎖完了で起動信号が断た
れ、リレー１７が復旧する。

次に、電動弁６を開制御した状態でCPU１０
が暴走した時の動作を説明する。電動弁６を開制
御した後にCPU１０が暴走してウオツチドツグ
回路１５より検出出力が電動弁強制制御回路１６
に与えられると、リレー２０，２１が作動する。
リレー２０が作動すると、その常開リレー接点２
０ａが閉じることでリレー２２が動作し、電動弁
制御回路１１に設けた常開リレー接点２２ａを閉
じる。同時にリレー２１の作動で電動弁制御回路
１１に設けた常閉リレー接点２１ａが開いてリレ
ー１７〜１９を強制的に復旧させる。

従つて、電動弁制御回路１１における切換リレ
ー接点１８ａ，１９ａは初期状態の位置である図
示の切換位置にあり、リレー２２の作動により常
開リレー接点２２ａが閉じることから、出力端子
２４ａ，２４ｂの極性は図示のようになつて電動
弁６を強制的に閉鎖させることができる。

尚、上記の実施例は第２図に示したようにリレ
ー回路により電動弁制御回路１１及び電動弁強制
制御回路１６を構成しているが、リレー回路のか
わりに適宜のアナログシーケンス又はデジタルシ
ーケンス回路としてもよいことは勿論である。

また、上記の実施例はポンプ性能試験を行なう
ための電動弁の制御装置を例にとるものであつた
が、この他に自動点検を行なう消火設備にあつて
は、給水本管３の管内圧力を導入したポンプ起動
用の圧力タンクが設けられており、消火ポンプを
擬似的に起動するために圧力タンクに設けた排水
用の試験配管の電動弁を開いて排水することによ
り圧力タンクの圧力を下げてポンプ起動を行なわ
せるようにしている。更に、給水本管３から各階
毎に分岐された分岐管に接続しているスプリンク
ラーヘツドの管末にはスプリンクラーヘツドが作
動した時と略同じ流量を試験的に流す試験配管に
同様に試験用の電動弁を設けている。従つて、圧
力タンクの排水用電動弁またはスプリンクラーヘ
ツドの管末に設けた擬似火災試験用の電動弁の制
御装置についても、上記の実施例と同様、CPU
の暴走を検出するウオツチドツグ回路と、ウオツ
チドツグ回路の検出出力に基づいて電動弁制御回
路に対するCPUの制御線を切り離して電動弁を
強制的に初期状態に復旧させる電動弁強制制御回
路を設けるようにしてもよい。

また、上記実施例にあつては、CPU異常時に
試験用電動弁を閉制御するものであつたが、逆に
初期状態が弁開状態にあるものは開制御するのは
勿論である。

初期状態が弁開状態にあるものとしては、例え
ばポンプの吐出圧力を調整するために、ポンプ本
管に設けてある一次圧調整装置のパイロツト配管
に設けてある弁がある。このパイロツト配管に設
けてある弁はポンプ性能試験時に閉鎖されるもの
である。

更に、上記の実施例は試験用弁として電動弁を
例にとるものであつたが、電磁弁等の適宜の試験
用制御弁を含む。

［発明の効果］ 以上説明してきたように本発明によれば、
CPUの異常をウオツチドツグ回路が検出すると、
強制的にCPUからの制御信号線を切り離して試
験用の弁を閉制御あるいは開制御して初期状態に
復旧させることができ、自動点検による試験用弁
の制御中にCPUが暴走等により異常になつても
確実に試験用弁を初期状態に復旧することがで
き、消火活動に支障を来たす事態を確実に防止す
ることができ、信頼性の高い自動点検を行なうこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はポンプ性能試験用電動弁を例にとつて
本発明の一実施例を示したブロツク図；第２図は
第１図の電動弁制御回路及び電動弁強制制御回路
の実施例を示した回路図である。 １：消火ポンプ、２：貯水槽、３：給水本管、
４：試験用配管、６：電動弁、７：流量計、８：
中継盤、１０：CPU、１１：電動弁制御回路、
１２，１３：インタフエース、１４：Ａ／Ｄコン
バータ、１５：ウオツチドツグ回路、１６：電動
弁強制制御回路、１７〜２２：リレー、１７ａ，
２０ａ，２２ａ：常開リレー接点、１８ａ，１９
ａ：切換リレー接点、２１ａ：常閉リレー接点、
２４ａ，２４ｂ：出力端子。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ CPUからの開閉制御信号により試験用配管
   に設けている試験用弁を開閉制御する弁制御手段
   を備えた消火設備自動点検システムに於いて、 前記CPUの異常を検出するウオツチドツク回
   路と、該ウオツチドツグ回路の検出出力により作
   動し強制的に前記弁制御手段への前記CPUから
   の制御信号線を切り離すと共に試験用弁を初期状
   態に復旧させる弁強制制御手段とを設けたことを
   特徴とする消火設備自動点検システムの試験用弁
   制御装置。