JPH0448404Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は電子レンジやオーブングリルレンジ
などにおけるマイクロ波加熱によつて調理する際
に用いられる容器に関するものである。

従来技術とその問題点 従来、金属製食品容器は電子レンジなどにおけ
るマイクロ波加熱には不適当であつた。これは電
子レンジなどの加熱室における金属からなる壁面
と金属製食品容器表面、特に加熱室の底壁面と容
器の底壁外面との間で、マイクロ波による放電現
象が起こり、スパークによつて容器に孔があいた
り、加熱室の壁面に損傷を生じたりするおそれが
あるためであつた。

このためプラスチツク容器や紙容器がマイクロ
波加熱用に広く使用されているが、これらは熱伝
導性が充分ではなく、加熱に時間がかかるという
欠点があつた。

そこで本出願人は、マイクロ波放電を防止する
ための容器として、上方に開口した紙箱と、紙箱
の開口縁に周縁が支持されて紙箱の内側に嵌め込
み状に配された金属製容器本体とを備えてなり、
紙箱と容器本体との間に空間が設けられているマ
イクロ波加熱用容器を考案している。

このマイクロ波加熱用容器は、マイクロ波加熱
を施した際、スパークによつて容器に孔があいた
り、加熱室の壁面に損傷を生じたりするおそれの
ないものであるが、容器が特定形状をしている場
合には長時間加熱やくり返し加熱を施すと、紙箱
の開口縁と金属製容器本体の周縁との接合面のう
ちの特性箇所が過熱されて紙箱の開口縁の一部が
焦げることがある。

すなわち紙箱および金属製容器本体がたとえば
平面略長方形であり、開口の平面形状も略長方形
である場合に、この容器を用いて長時間のマイク
ロ波加熱を行なうと、紙箱の開口縁における４隅
部と容器本体の周縁における４隅部との接合面の
外側における紙箱開口縁の一部または全部が焦げ
ることがある。この現象は、紙箱と金属製容器本
体との熱伝導率が異なることと、容器本体の隅部
において熱集中が起こりやすいことなどに起因す
るものと思われる。

この考案は上記の実情に鑑みてなされたもので
あつて、マイクロ波放電を防止することができる
とともに、一部箇所が焦げるおそれのないマイク
ロ波加熱用容器を提供することを目的とする。

問題点の解決手段 この考案によるマイクロ波加熱用容器は、上方
に開口し、水平な内方張り出し開口縁を有する紙
箱と、紙箱の内側に固定状に嵌め置かれ、紙箱の
高さよりも高い周壁を有する容器本体支持用の筒
と、筒の上端に外方張り出し周縁が支持されて筒
の内側に嵌め込み状に配された金属製容器本体と
を備えてなり、紙箱の内方張り出し開口縁と容器
本体の外方張り出し周縁との間および紙箱の底壁
と容器本体の底壁との間にそれぞれ所定間隔がお
かれていることを特徴とする。

ここにおいて、筒の材料としては、高度の耐熱
性と高度の絶縁性とを兼ね備えたプラスチツクシ
ート、紙、あるいはこれらが積層された積層材が
用いられる。金属製容器本体に用いられる材料と
しては、熱伝導性にすぐれること、成形容易であ
ること、軽量であること、低コストであることな
どの利点を有するアルミニウム箔が好ましい。

また、紙箱の内方張り出し開口縁と容器本体の
外方張り出し周縁との間の間隔は、容器の使用時
における一部箇所の焦げ付きを防止するためにお
かれるものであり、容器試作時の実験データによ
れば３mm以上であるのが好ましい。紙箱および金
属製容器本体の底壁どうしの間隔は、容器の使用
時におけるマイクロ波放電を防止するためのもの
であり、同実験データによれば約0.5mm以上であ
るのが好ましい。

実施例 以下、この考案の実施例を図面を参照しながら
説明する。

第１図および第２図において、この考案の１つ
の実施例におけるマイクロ波加熱用容器１は、上
方に開口しかつ開口の平面形状が略長方形であ
り、水平な内方張り出し開口縁２ａを有する平面
長方形、横断面〓形の紙箱２と、紙箱２の開口縁
２ａに密に接して紙箱２の内側に固定状に嵌め置
かれ、紙箱２の高さよりも５mmだけ高い周壁３ａ
を有する容器本体支持用の紙製の角形筒３と、筒
３の上端に外方張り出し周縁４ａが支持されて筒
３の内側に嵌め込み状に配された平面略長方形、
横断面〓形のアルミニウム箔製容器本体４とから
なる。

容器本体４の深さは、筒３の周壁３ａの高さよ
りも２mmだけ少なくされている。

このマイクロ波加熱用容器１における紙箱２の
内方張り出し開口縁２ａと容器本体４の外方張り
出し周縁４ａとの間には５mmの間隔がおかれ、紙
箱２の底壁２ｂと容器本体４の底壁４ｂとの間に
は２mmの間隔がおかれている。

考案の効果 この考案によるマイクロ波加熱用容器は、上記
のように、上方に開口し、水平な内方張り出し開
口縁を有する紙箱と、紙箱の内側に固定状に嵌め
置かれ、紙箱の高さよりも高い周壁を有する容器
本体支持用の筒と、筒の上端に外方張り出し周縁
が支持されて筒の内側に嵌め込み状に配された金
属製容器本体とを備えてなり、紙箱の底壁と容器
本体の底壁との間に所定間隔がおかれているもの
であり、容器本体がこのように配されたことおよ
び上記の所定間隔がおかれたことによつて、容器
本体表面と電子レンジなどの加熱室の壁面との間
におけるマイクロ波放電を防止することが可能に
なる。したがつてこの考案によれば、マイクロ波
加熱を施した際、スパークによつて容器に孔があ
いたり、加熱室の壁面に損傷を生じたりするおそ
れがない。

さらに、この容器は、紙箱の内方張り出し開口
縁と容器本体の外方張り出し周縁との間に所定間
隔がおかれ、この間隔によつて紙箱の開口縁と容
器本体に周縁とが互いに接することのないもので
ある。したがつてこの考案のマイクロ波加熱用容
器によれば、長時間加熱やくり返し加熱を施した
場合でも、従来のように容器の一部箇所が焦げる
おそれがない。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は、この考案の１つの実施
例を示し、第１図は分解斜視図、第２図は第１図
の−線に沿う垂直断面図である。 １……容器、２……紙箱、２ａ……開口縁、２
ｂ……底壁、３……筒、３ａ……周壁、４……金
属製容器本体、４ａ……周縁、４ｂ……底壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上方に開口し、水平な内方張り出し開口縁２ａ
   を有する紙箱２と、紙箱２の内側に固定状に嵌め
   置かれ、紙箱２の高さよりも高い周壁３ａを有す
   る容器本体支持用の筒３と、筒３の上端に外方張
   り出し周縁４ａが支持されて筒３の内側に嵌め込
   み状に配された金属製容器本体４とを備えてな
   り、紙箱２の内方張り出し開口縁２ａと容器本体
   ４の外方張り出し周縁４ａとの間および紙箱２の
   底壁２ｂと容器本体４の底壁４ｂとの間にそれぞ
   れ所定間隔がおかれているマイクロ波加熱用容
   器。