JPH061088Y2 - 食品包装金属製容器のマイクロ波加熱のさいのスパーク発生防止用外装容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、食品包装金属製容器の内容物を電子レンジ
によりマイクロ波加熱するさいに用いられるスパーク発
生防止用外装容器に関するものである。

従来の技術 従来、食品を冷凍あるいは冷蔵（以下冷凍と略記する）
したのち、これを電子レンジにより解凍あるいは加熱す
るには、主として合成樹脂製容器が用いられていた。

考案が解決しようとする課題 しかしながら、合成樹脂製容器は、一般に伝熱性が良く
ないため、食品を急速に冷凍することができないという
問題があった。そこで、食品の冷凍には金属製容器が広
く用いられているが、金属製容器は電子レンジよるマイ
クロ波加熱には不適当であった。というのは、マイクロ
波による加熱のさい、電子レンジの加熱室の壁面と金属
製容器、とりわけ加熱室の底壁面と容器の底壁外面との
間で、放電現象が起こり、スパークによって容器に孔が
あいたり、加熱室の壁面に損傷を生じたりするおそれが
あるからである。このため従来は、食品包装金属製容器
を電子レンジに入れるさい、内容物をマイクロ波加熱可
能な陶磁器等の容器にいちいち移し替えていた。しかし
これでは非常に不便であるという問題があった。

この考案の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、食
品包装金属製容器について電子レンジによるマイクロ波
加熱のさい、放電現象によるスパークの発生を防止する
ことができ、従って従来のようにスパークによって金属
製容器に孔があいたり、電子レンジの加熱室の壁面に損
傷を生じたりするおそれがなく、冷凍のさいに有用な金
属製容器を電子レンジにもそのまゝ使用することがで
き、食品包装金属製容器を電子レンジに入れるさい、内
容物をマイクロ波加熱可能な陶磁器等の容器に移し替え
たりする必要がなく、非常に便利である食品包装金属製
容器のマイクロ波加熱のさいのスパーク発生防止用外装
容器を提供しようとするにある。

課題を解決するための手段 この考案は、上記の目的を達成するために、食品包装金
属製容器を収める上面開口箱形の合成樹脂製外装容器本
体と、外装容器本体の開口部を覆う合成樹脂製の蓋とよ
りなり、外装容器本体の底壁および側壁の厚みが所定厚
さ以上となされるか、または底壁および側壁に所定高さ
以上の凸部が設けられていて、外装容器本体内に収めら
れた金属製容器の底壁および側壁と、電子レンジの受皿
および側壁との間に、スパーク発生防止間隔がおかれる
ようになされている、食品包装金属製容器のマイクロ波
加熱のさいのスパーク発生防止用外装容器を要旨として
いる。

上記食品包装金属製容器を構成する金属材料としては、
伝熱性にすぐれること、成形容易であること、および軽
量であること等の点で通常アルミニウム箔が使用され
る。ここで、金属製容器とは、このようなアルミニウム
等の金属製容器およびアルミニウム等の金属と、合成樹
脂フィルムとのラミネート材料よりなる容器も含まれ
る。

また、外装容器本体と、これの開口部を覆う蓋とそそれ
ぞれ構成する合成樹脂としては、例えばポリプロピレン
およびポリエチレン等が使用される。

また上記外装容器本体内に収められた金属製容器の底壁
および側壁と、電子レンジの受皿および側壁との間にお
かれるスパーク発生防止間隔は、通常０．９mm以上であ
り、この間隔は、外装容器本体の底壁および側壁の厚み
を０．９mm以上とするか、または底壁および側壁に高さ
０．９mm以上の凸部が設けることにより、保持し得る。

実 施 例 つぎに、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

この考案の第１実施例を示す第１図〜第３図において、
電子レンジ(10)によるマイクロ波加熱のさいのスパーク
発生防止用外装容器(2)は、食品包装アルミニウム製容
器(1)を収める上面開口箱形のポリプロピレン製外装容
器本体(3)と、外装容器本体(3)の開口部を覆いかつ外装
容器本体(3)の一側に連なって設けられた同じくポリプ
ロピレン製の蓋(4)とよりなるものである。

外装容器本体(3)の底壁(3a)に間隔保持用上方凸部(5)が
設けられるとともに、外装容器本体(3)の側壁(3b)に横
断面略逆Ｕ形の外方凸部(6)が設けられていて、外装容
器本体(3)内に収められたアルミニウム製容器(1)の底壁
(1a)および側壁(1b)と、電子レンジ(10)の受皿(11)およ
び側壁(12)との間に、必要な０．９mm以上のスパーク発
生防止間隔がおかれている。

なお、外装容器本体(3)の開口周縁部には段部(7)が設け
られていて、アルミニウム製容器(1)の周縁部に設けら
れた鍔部(8)の先端部がこの段部(7)に受け止められてい
る。また外装容器本体(1)の外方凸部(6)の外側垂下壁部
(6a)に３つの係合凹部(13)が所定間隔おきに設けられる
とともに、蓋(4)周縁部の垂下壁部(4a)にこれらに対応
するように３つの係合凸起(14)が設けられている。

作 用 内容食品(S)を封入したアルミニウム製容器(1)を電子レ
ンジ(10)によりマイクロ波加熱するには、アルミニウム
製容器(1)のシール蓋(20)を予め剥がした後、これを外
装容器本体(3)内に入れ、蓋(4)を被せて、これの係合凸
起(16)を外装容器本体(3)の係合凹部(13)内にワンタッ
チで嵌め込む。

このようにして外装容器(2)内に収められたアルミニウ
ム製容器(1)を電子レンジ(10)内に入れると、アルミニ
ウム製容器(1)の底壁(1a)および側壁(1b)と、電子レン
ジ(10)の受皿(11)および側壁(12)との間に、スパーク発
生防止間隔がおかれる。そしてこの状態で、電子レンジ
(10)によりマイクロ波加熱すると、アルミニウム製容器
(1)はポリプロピレン製の外装容器(2)よって覆われてい
るため、放電現象が生じず、スパークの発生を有効に防
止することができて、内容物(S)をマイクロ波加熱する
ことができるものである。

なお、外装容器(2)の上面は、アルミニウム製容器(1)の
内容物(S)を表示し得るディスプレイ効果も兼ね備えて
いる。また加熱後、外装容器(2)の蓋(4)をあけるには、
蓋(4)の揺動側縁部を持って上方に引き剥がせば良く、
結局、外装容器(2)の蓋(4)の開閉をいずれもワンタッチ
で行なうことができ、非常に便利である。

第４図と第５図は、この考案の第２実施例を示すもので
ある。ここで、上記第１実施例の場合と異なる点は、外
装容器(2)の蓋(4)の固定手段にある。

すなわち、この実施例では、外装容器本体(3)の外方凸
部(6)の水平壁部(6b)のコーナー部分にそれぞれ頭部拡
大係合凸起(16)が設けられ、これらに対応して蓋(4)の
周縁部下面に内部拡大係合凹部(18)を有する凸部(17)が
設けられており、食品包装アルミニウム製容器(1)を外
装容器本体(3)内に入れた状態で蓋(4)を被せると、外装
容器本体(3)の係合凸起(16)に蓋(4)の係合凹部(13)が上
から嵌まり込み、蓋(4)が閉まるようになされている。

第６図は、この考案の第２実施例を示すものである。こ
こで、上記第１実施例の場合と異なる点は、外装容器
(2)の蓋(4)の固定手段にある。

すなわち、この実施例では、外装容器(2)の本体(3)と蓋
(4)に凹凸係合部を設けることなく、外装容器本体(3)に
蓋(4)を嵌め被せた後、紙製バンド(22)を用いて蓋(4)を
固定しているものである。この紙製バンド(22)は、細い
帯状部(23)と、広い表示部(24)とを有しており、広い表
示部(24)には外装容器(2)に収められたアルミニウム製
容器(1)の内容食品(S)を表示することができる。

第２実施例と第３実施例のその他の点は上記第１実施例
の場合と同様であるので、図面において同一のものには
同一の符号を付した。

なお、外装容器(2)の蓋(4)の固定手段は、図示のものに
限らず、その他の固定手段を用いても勿論良い。

また外装容器(2)の蓋(4)は、上記実施例では外装容器本
体(3)の一側に連なって設けられているが、蓋(4)は外装
容器本体(3)と別につくられている場合もあり、要する
に蓋(4)は外装容器本体(3)の開口部を覆うものであれば
よい。

考案の効果 この考案による食品包装金属製容器のマイクロ波加熱の
さいのスパーク発生防止用外装容器は、上記のように、
食品包装金属製容器を収める上面開口箱形の合成樹脂製
外装容器本体と、外装容器本体の開口部を覆う合成樹脂
製の蓋とよりなり、外装容器本体の底壁および側壁の厚
みが所定厚さ以上となされるか、または底壁および側壁
に所定高さ以上の凸部が設けられていて、外装容器本体
内に収められた金属製容器の底壁および側壁と、電子レ
ンジの受皿および側壁との間に、スパーク発生防止間隔
がおかれるようになされているものであるから、食品包
装金属製容器について電子レンジによるマイクロ波加熱
のさい、放電現象によるスパークの発生を防止すること
ができ、従って従来のようにスパークによって金属製容
器に孔があいたり、電子レンジの加熱室の壁面に損傷を
生じたりするおそれがなく、冷凍のさいに有用な金属製
容器を電子レンジにもそのまゝ使用することができ、食
品包装金属製容器を電子レンジに入れるさい、内容物を
マイクロ波加熱可能な陶磁器等の容器に移し替えたりす
る必要がなく、非常に便利であるという効果を奏する。
また外装容器の上面には食品包装金属製容器の内容物を
表示し得るディスプレイ効果も兼ね備えている。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の３つの実施例を示すもので、第１図
は第１実施例の分解斜視図、第２図は同使用状態の垂直
断面図、第３図は第２図の要部拡大断面図である。第４
図は第２図実施例の分解斜視図、第５図は同要部拡大断
面図である。第６図は第３実施例の分解斜視図である。 (1)…食品包装金属製容器、(1a)…底壁、(1b)…側壁、
(2)…スパーク発生防止用外装容器、(3)…合成樹脂製外
装容器本体、(3a)…底壁、(3b)…側壁、(4)合成樹脂製
の蓋、(5)…上方凸部、(6)…外方凸部、(10)…電子レン
ジ、(11)…受皿、(12)…側壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】食品包装金属製容器(1)を収める上面開口
   箱形の合成樹脂製外装容器本体(3)と、外装容器本体(3)
   の開口部を覆う合成樹脂製の蓋(4)とよりなり、外装容
   器本体(3)の底壁(3a)および側壁(3b)の厚みが所定厚さ
   以上となされるか、または底壁(3a)および側壁(3b)に所
   定高さ以上の凸部が設けられていて、外装容器本体(3)
   内に収められた金属製容器(1)の底壁(1a)および側壁(1
   b)と、電子レンジ(10)の受皿(11)および側壁(12)との間
   に、スパーク発生防止間隔がおかれるようになされてい
   る、食品包装金属製容器のマイクロ波加熱のさいのスパ
   ーク発生防止用外装容器。